有価証券報告書-第123期(2025/04/01-2026/03/31)
② 戦略
自然との接点、自然との依存関係、インパクト、リスク・機会など自然関連課題の評価のための統合的なアプローチとして、TNFDが開発した評価手法であるLEAPアプローチに沿った分析を実施しました。
A 自然との接点把握、優先地域の特定、セクターの特定(Locate)
具体的な操業エリアや事業内容を踏まえた依存インパクト関係としての深掘りを行うため、当行グループの源流である島根県・鳥取県の自然特性を整理しました。また、具体的な依存・インパクトを整理することを目的に、島根県・鳥取県それぞれで地区と優先セクターを限定したうえでの検討を行いました。
B 依存関係と影響の特定、依存度の分析、影響度の分析(Evaluate)
(A) 融資先セクターのヒートマップ分析
産業セクターごとに自然への依存・インパクトの内容とその程度を定量的・定性的に評価した結果を示すヒートマップを作成し、当行の融資ポートフォリオに含まれるセクターと自然の依存・インパクト関係を概観しました。ヒートマップは、「ENCORE」というツールから出力される情報を加工して作成しました。
当行の山陰両県の融資ポートフォリオ(山陰両県に拠点を置く営業店の融資先、除く自治体融資)とヒートマップを整理してみると、依存が特に大きい項目が多かった産業グループは、「消費者サービス」「生活必需品流通・小売り」「食品・飲料・タバコ」でした。
インパクトが特に大きい項目が多かった産業グループは、「エネルギー」「素材」「消費者サービス」「生活必需品流通・小売り」でした。

*VH:特に大きい、H:大きい、M:中程度、L:小さい、VL:特に小さい、ND:エビデンス不足、-:なし
(B) 融資残高割合を考慮した依存インパクト評価結果
当行の山陰地域における融資残高割合と、依存・インパクトの大きさを重ね合わせたバブルチャートは以下の通りとなりました。依存・インパクトが高く、かつ融資残高割合も大きい産業グループとして、「消費者サービス」が特定されました。このうち、特にホテル・旅館、飲食店は山陰地域の自然環境に依存が大きいといえます。
また、「生活必需品流通・小売り」、「素材」、「食品・飲料・タバコ」なども依存・インパクトと融資残高割合も大きい産業といえることがわかりました。

(C) 優先地域×優先セクターの依存・インパクト関係の整理
依存・インパクト整理対象地区は、中海・宍道湖・大山圏域(島根県東部と鳥取県西部)を選定しました。
対象セクターとしては、食品関連産業と観光関連産業を選定しました。
《中海・宍道湖・大山圏域(島根県東部・鳥取県西部)》
• 融資先企業の本社が集中しており、財務影響が大きく生じる可能性があるため。
• 境漁港を中心とする水産業や大山の湧水を使用する製造業など、自然資源を利用する複数の企業へ融資を行っているため。
(D) 重要なインパクト・依存を踏まえた、中海・宍道湖・大山圏域の重要課題
中海・宍道湖・大山圏域における食品関連産業は、農水産物等の原材料供給や淡水供給に加え、水質浄化、水流調整、花粉媒介、生息地維持等の生態系サービスに依存しています。一方で、生産・加工段階を中心に、土地・淡水域・海洋の利用、資源利用及び汚染を通じて自然環境に影響を与える可能性があります。
また、観光関連産業は、中海・宍道湖・大山の景観や歴史・文化と結びついた自然環境がもたらす文化的サービスに依存しているほか、水資源や防災・減災機能の恩恵を受けています。一方で、宿泊業等を中心に、資源利用及び汚染を通じて自然環境に影響を与える可能性があります。
これらの重要なインパクト・依存関係を踏まえ、同圏域における重要課題を「水環境の保全」「農業・地域を支える生態系サービスの保全」「自然と地域の暮らしが育んだ文化的価値の継承」と整理しました。
C リスクと機会の評価(Assess)
依存とインパクトの診断で把握した依存・インパクト関係から想定される、当行融資先と当行の事業活動におけるリスク・機会を把握しました。また、優先的に対応すべき重要なリスク・機会を特定しました。
(A) 物理的リスク
(B) 移行リスク
(C) 機会
※1 関連する重要課題
1.産業の根幹を担う水環境の保全
2.農業・地域を支える豊かな生態系・生態系サービスの保全
3.自然と地域が育んできた文化の継承
※2 重要度
1.短期(~3年)的に顕在化しているもの(水質悪化・災害影響 等)
2.中期(3~5年)的に想定されるもの(農作物・地下水への影響 等)
3.長期(~2050年頃)的に発生の可能性があるもの(生態系サービス・観光資源の劣化 等)
自然との接点、自然との依存関係、インパクト、リスク・機会など自然関連課題の評価のための統合的なアプローチとして、TNFDが開発した評価手法であるLEAPアプローチに沿った分析を実施しました。
A 自然との接点把握、優先地域の特定、セクターの特定(Locate)
具体的な操業エリアや事業内容を踏まえた依存インパクト関係としての深掘りを行うため、当行グループの源流である島根県・鳥取県の自然特性を整理しました。また、具体的な依存・インパクトを整理することを目的に、島根県・鳥取県それぞれで地区と優先セクターを限定したうえでの検討を行いました。
B 依存関係と影響の特定、依存度の分析、影響度の分析(Evaluate)
(A) 融資先セクターのヒートマップ分析
産業セクターごとに自然への依存・インパクトの内容とその程度を定量的・定性的に評価した結果を示すヒートマップを作成し、当行の融資ポートフォリオに含まれるセクターと自然の依存・インパクト関係を概観しました。ヒートマップは、「ENCORE」というツールから出力される情報を加工して作成しました。
当行の山陰両県の融資ポートフォリオ(山陰両県に拠点を置く営業店の融資先、除く自治体融資)とヒートマップを整理してみると、依存が特に大きい項目が多かった産業グループは、「消費者サービス」「生活必需品流通・小売り」「食品・飲料・タバコ」でした。
インパクトが特に大きい項目が多かった産業グループは、「エネルギー」「素材」「消費者サービス」「生活必需品流通・小売り」でした。

*VH:特に大きい、H:大きい、M:中程度、L:小さい、VL:特に小さい、ND:エビデンス不足、-:なし
(B) 融資残高割合を考慮した依存インパクト評価結果
当行の山陰地域における融資残高割合と、依存・インパクトの大きさを重ね合わせたバブルチャートは以下の通りとなりました。依存・インパクトが高く、かつ融資残高割合も大きい産業グループとして、「消費者サービス」が特定されました。このうち、特にホテル・旅館、飲食店は山陰地域の自然環境に依存が大きいといえます。
また、「生活必需品流通・小売り」、「素材」、「食品・飲料・タバコ」なども依存・インパクトと融資残高割合も大きい産業といえることがわかりました。

(C) 優先地域×優先セクターの依存・インパクト関係の整理
依存・インパクト整理対象地区は、中海・宍道湖・大山圏域(島根県東部と鳥取県西部)を選定しました。
対象セクターとしては、食品関連産業と観光関連産業を選定しました。
《中海・宍道湖・大山圏域(島根県東部・鳥取県西部)》
• 融資先企業の本社が集中しており、財務影響が大きく生じる可能性があるため。
• 境漁港を中心とする水産業や大山の湧水を使用する製造業など、自然資源を利用する複数の企業へ融資を行っているため。
(D) 重要なインパクト・依存を踏まえた、中海・宍道湖・大山圏域の重要課題
中海・宍道湖・大山圏域における食品関連産業は、農水産物等の原材料供給や淡水供給に加え、水質浄化、水流調整、花粉媒介、生息地維持等の生態系サービスに依存しています。一方で、生産・加工段階を中心に、土地・淡水域・海洋の利用、資源利用及び汚染を通じて自然環境に影響を与える可能性があります。
また、観光関連産業は、中海・宍道湖・大山の景観や歴史・文化と結びついた自然環境がもたらす文化的サービスに依存しているほか、水資源や防災・減災機能の恩恵を受けています。一方で、宿泊業等を中心に、資源利用及び汚染を通じて自然環境に影響を与える可能性があります。
これらの重要なインパクト・依存関係を踏まえ、同圏域における重要課題を「水環境の保全」「農業・地域を支える生態系サービスの保全」「自然と地域の暮らしが育んだ文化的価値の継承」と整理しました。
C リスクと機会の評価(Assess)
依存とインパクトの診断で把握した依存・インパクト関係から想定される、当行融資先と当行の事業活動におけるリスク・機会を把握しました。また、優先的に対応すべき重要なリスク・機会を特定しました。
(A) 物理的リスク
| リスクの種類 | 融資先にとってのリスク | 該当業種 | 当行にとっての リスク | 関連する 重要課題※1 | 重要度※2 |
| 急性 リスク | 自然災害の頻発化・激甚化による操業の不安定化 | 食品関連産業 観光関連産業 | ・当該企業の信用リスク低下、貸倒の発生 ・環境・自然への配慮にかける企業との取引によるレピュテーションリスク ・営業基盤の維持困難 | 1、2、3 | 1 |
| 慢性 リスク | 気温上昇や降水パターンの変化による生産性低下 | 食品関連産業 | 2 | 1 | |
| 病害虫の増加による農作物の収量減 | 食品関連産業 | 2 | 2 | ||
| 水資源不足や土壌劣化によるコスト増加 | 食品関連産業 | 1、2 | 2 | ||
| 観光資源の劣化による集客力低下 | 観光関連産業 | 3 | 3 |
(B) 移行リスク
| リスクの種類 | 融資先にとってのリスク | 該当業種 | 当行にとっての リスク | 関連する 重要課題※1 | 重要度※2 |
| 政策 リスク | 規制強化によるコストの増加 | 食品関連産業 観光関連産業 | ・当該企業の信用リスク低下、貸倒の発生 ・環境・自然への配慮にかける企業との取引によるレピュテーションリスク ・営業基盤の維持困難 | 1、2、3 | 3 |
| 市場 リスク | 生産変動による原料価格の不安定化 エシカル消費の拡大 | 食品関連産業 | 2、3 | 2 | |
| 評判 リスク | 自然環境への配慮不足と見なされる地域・企業のブランド力低下 | 食品関連産業 観光関連産業 | 1、2、3 | 3 |
(C) 機会
| 機会の 種類 | 融資先にとっての機会 | 該当業種 | 当行にとっての 機会 | 関連する 重要課題※1 | 重要度※2 |
| 市場 | 環境に配慮した産品・商品によるブランド価値の創出 | 食品関連産業 観光関連産業 | ・サステナブルファイナンスなどの融資需要の拡大 ・コンサル活動によるソリューション収益の拡大 | 1、2、3 | 3 |
| 自然資本の持続的な利用 | 地域の自然資本が持続的に利用できることによる経営の安定 | 食品関連産業 | 2、3 | 2 | |
| 生態系の保護、復元、利用 | 地域の自然環境が豊かになることによる農産物や観光地としてのブランド力向上 | 食品関連産業 観光関連産業 | 1、2、3 | 3 |
※1 関連する重要課題
1.産業の根幹を担う水環境の保全
2.農業・地域を支える豊かな生態系・生態系サービスの保全
3.自然と地域が育んできた文化の継承
※2 重要度
1.短期(~3年)的に顕在化しているもの(水質悪化・災害影響 等)
2.中期(3~5年)的に想定されるもの(農作物・地下水への影響 等)
3.長期(~2050年頃)的に発生の可能性があるもの(生態系サービス・観光資源の劣化 等)