有価証券報告書-第122期(2024/04/01-2025/03/31)
② 戦略
当行グループでは2019年5月に「サステナビリティ宣言」を制定し、持続可能な地域社会の実現に向け、気候変動対応を含む環境保全への対応を重点的に取り組む事項として定めています。気候変動対応を重要な経営課題の一つとして位置付け、機会及びリスクの両面から取組を進めています。地域金融機関として商品・サービスの提供を通じ、地域やお客様の気候変動対応を支援するとともに、当行グループの事業活動に伴う環境負荷低減の取組を推進してまいります。また、気候変動に関連するリスクについて、気候変動に伴う自然災害や異常気象の増加等によってもたらされる物理的な被害に伴うリスク(物理的リスク)と、気候関連の規制強化や脱炭素に向けた技術革新への対応といった脱炭素社会への移行に伴うリスク(移行リスク)を認識しています。
A 機会
(A) サステナブルファイナンス・コンサルティングの取組
再生可能エネルギー事業等に係るグリーンファイナンスや脱炭素に向けた移行を促進するトランジションファイナンス、気候変動に対応する事業者を支援するコンサルティングへの取組は、当行グループのビジネス機会になると認識しています。
(B) 再生可能エネルギー発電事業への参入
地域における再生可能エネルギーの供給量不足や脱炭素経営への転換の遅れ等の課題を認識する中、これらの課題解決に貢献するため、2022年7月に当行100%出資による再生可能エネルギー発電事業を営む子会社「ごうぎんエナジー株式会社」を設立しました。同社では再生可能エネルギーの供給量増加と地産地消の推進を担い、地域脱炭素・カーボンニュートラルの早期実現と再生可能エネルギー利用拡大による地元企業の競争力強化等を通じ、地域と企業の成長戦略につなげていきます。2024年度までの同社のPPA(※1)事業に関する取組実績は以下のとおりです。
《取組実績》
※1 PPA:Power Purchase Agreement の略。電力販売の意味で、第三者所有モデルとも呼ばれる。電力需要家が所有する建物や土地にPPA事業者が発電設備を設置し、その設備から発生する電力を電力需要家が購入し自家消費用電力として使用するスキーム。
B リスク
(A) 物理的リスク
気候変動による自然災害等の発生により、資産や事業活動に影響を受ける投融資先に対する信用リスクの増大や、当行グループの営業店舗等の損壊によるオペレーショナル・リスクを想定しています。
《物理的リスクの例》
(B) 移行リスク
気候関連の規制強化や脱炭素化に向けた技術革新の進展等により、事業活動に影響を受ける投融資先に対する信用リスクの増大等を想定しています。
《移行リスクの例》
C シナリオ分析
気候変動が将来にわたって当行のポートフォリオに与える影響を把握するために、物理的リスクと移行リスクのそれぞれについて、2022年度よりシナリオ分析を実施しています。分析にあたっては、気候変動に関するさまざまな状況を想定し、計画の柔軟性や戦略のレジリエンスを高めるべく、1.5℃のシナリオを含む複数のシナリオを用いて分析しています。
2024年度は、前年度実施した分析に加え、次に記載する分析を追加しました。物理的リスクにおいては、事業停止(売上減少)に伴う財務悪化のリスク事象において、分析対象を国内の法人与信取引先に拡大しました。移行リスクにおいては、分析対象に「海運」セクターを追加し、次世代船舶への切替による環境対応コストの増加等による影響を分析しています。2024年度に分析を行った結果は以下のとおりです。
(A) 物理的リスク
(B) 移行リスク
D 炭素関連資産(貸出金残高)の状況
当行の2025年3月末における貸出金残高に占める炭素関連資産の割合は以下のとおりです。
*再生可能エネルギー事業への貸出金は除く
*TCFD提言、日本標準産業分類及び当行の業種コード等を用いて分類
当行グループでは2019年5月に「サステナビリティ宣言」を制定し、持続可能な地域社会の実現に向け、気候変動対応を含む環境保全への対応を重点的に取り組む事項として定めています。気候変動対応を重要な経営課題の一つとして位置付け、機会及びリスクの両面から取組を進めています。地域金融機関として商品・サービスの提供を通じ、地域やお客様の気候変動対応を支援するとともに、当行グループの事業活動に伴う環境負荷低減の取組を推進してまいります。また、気候変動に関連するリスクについて、気候変動に伴う自然災害や異常気象の増加等によってもたらされる物理的な被害に伴うリスク(物理的リスク)と、気候関連の規制強化や脱炭素に向けた技術革新への対応といった脱炭素社会への移行に伴うリスク(移行リスク)を認識しています。
A 機会
(A) サステナブルファイナンス・コンサルティングの取組
再生可能エネルギー事業等に係るグリーンファイナンスや脱炭素に向けた移行を促進するトランジションファイナンス、気候変動に対応する事業者を支援するコンサルティングへの取組は、当行グループのビジネス機会になると認識しています。
(B) 再生可能エネルギー発電事業への参入
地域における再生可能エネルギーの供給量不足や脱炭素経営への転換の遅れ等の課題を認識する中、これらの課題解決に貢献するため、2022年7月に当行100%出資による再生可能エネルギー発電事業を営む子会社「ごうぎんエナジー株式会社」を設立しました。同社では再生可能エネルギーの供給量増加と地産地消の推進を担い、地域脱炭素・カーボンニュートラルの早期実現と再生可能エネルギー利用拡大による地元企業の競争力強化等を通じ、地域と企業の成長戦略につなげていきます。2024年度までの同社のPPA(※1)事業に関する取組実績は以下のとおりです。
《取組実績》
| PPA契約件数(累計) | 年間想定CO2削減貢献量 |
| 45件 | 5,430t-CO2 |
※1 PPA:Power Purchase Agreement の略。電力販売の意味で、第三者所有モデルとも呼ばれる。電力需要家が所有する建物や土地にPPA事業者が発電設備を設置し、その設備から発生する電力を電力需要家が購入し自家消費用電力として使用するスキーム。
B リスク
(A) 物理的リスク
気候変動による自然災害等の発生により、資産や事業活動に影響を受ける投融資先に対する信用リスクの増大や、当行グループの営業店舗等の損壊によるオペレーショナル・リスクを想定しています。
《物理的リスクの例》
| 区分 | 物理的リスクの主な内容 |
| 急性的 | ・台風や洪水などの極端な天候事象による被害の増加 |
| 慢性的 | ・降水パターンの変化と天候パターンの極端な変動 ・上昇する平均気温 ・海面上昇 |
(B) 移行リスク
気候関連の規制強化や脱炭素化に向けた技術革新の進展等により、事業活動に影響を受ける投融資先に対する信用リスクの増大等を想定しています。
《移行リスクの例》
| 区分 | 移行リスクの主な内容 |
| 政策と法規制 | ・温室効果ガス排出価格(炭素税)の上昇 ・既存の製品及びサービスに関する規制 ・訴訟 |
| テクノロジー | ・温室効果ガス排出量の少ない製品やサービスへの転換 ・新技術への投資の失敗 ・低排出技術への移行コスト |
| 市場 | ・顧客行動の変化 ・原材料価格の上昇 |
| 評判 | ・消費者の嗜好の変化 ・特定の多排出セクターへの非難 ・ステークホルダーの関心の高まりやネガティブなフィードバック |
C シナリオ分析
気候変動が将来にわたって当行のポートフォリオに与える影響を把握するために、物理的リスクと移行リスクのそれぞれについて、2022年度よりシナリオ分析を実施しています。分析にあたっては、気候変動に関するさまざまな状況を想定し、計画の柔軟性や戦略のレジリエンスを高めるべく、1.5℃のシナリオを含む複数のシナリオを用いて分析しています。
2024年度は、前年度実施した分析に加え、次に記載する分析を追加しました。物理的リスクにおいては、事業停止(売上減少)に伴う財務悪化のリスク事象において、分析対象を国内の法人与信取引先に拡大しました。移行リスクにおいては、分析対象に「海運」セクターを追加し、次世代船舶への切替による環境対応コストの増加等による影響を分析しています。2024年度に分析を行った結果は以下のとおりです。
(A) 物理的リスク
| リスク事象 | ①水害による担保物件(建物)の毀損 ②水害による与信先の事業停止(売上減少)に伴う財務悪化 |
| 分析対象 | ①国内与信取引先 ②国内与信取引先(法人) |
| シナリオ | IPCC(気候変動に関する政府間パネル) ・RCP1.9(1.5℃シナリオ) ・RCP2.6(2.0℃シナリオ) ・RCP8.5(4.0℃シナリオ) |
| 分析期間 | 2050年まで |
| リスク指標 | 想定される信用コスト増加額 |
| リスク量 | 最大57億円 |
(B) 移行リスク
| リスク事象 | ①脱炭素社会移行に伴う資産の毀損や売上減少・コスト増加等による与信先の財務悪化 ②炭素税導入による与信先の財務悪化 |
| 分析対象 | ①「電力」「石油」「ガス」及び「海運」セクターの特定先 ②国内与信取引先(法人) |
| シナリオ | NGFS(気候変動リスク等に係る金融当局ネットワーク) ・Net Zero 2050 ・Below2℃ ・Current Policies |
| 分析期間 | 2050年まで |
| リスク指標 | 想定される信用コスト増加額 |
| リスク量 | 最大81億円 |
D 炭素関連資産(貸出金残高)の状況
当行の2025年3月末における貸出金残高に占める炭素関連資産の割合は以下のとおりです。
| 炭素関連セクター | 割合 | 業種区分 |
| エネルギー | 2.1% | 石油及びガス、石炭、電力ユーティリティ |
| 運輸 | 10.1% | 航空貨物、旅客空輸、海上輸送、鉄道輸送、トラックサービス、自動車及び部品 |
| 素材・建築物 | 19.7% | 金属・鉱業、化学、建築資材、資本財、不動産管理・開発 |
| 農業・食料・林産物 | 3.8% | 飲料、農業、加工食品・加工肉、製紙・林業製品 |
*再生可能エネルギー事業への貸出金は除く
*TCFD提言、日本標準産業分類及び当行の業種コード等を用いて分類