有価証券報告書-第14期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)
金融商品関係
(金融商品関係)
1.金融商品の状況に関する事項
(1) 金融商品に対する取組方針
当社、当社の親会社(野村ホールディングス株式会社)およびその関係会社の主たる事業は証券業を中核とする投資・金融サービス業であり、わが国をはじめ世界の主要な金融資本市場を網羅する営業拠点等を通じ、お客様に対し資金調達、資金運用の両面で幅広いサービスを提供しております。これらの事業を行うため、当社は、有価証券等の売買取引のほか、デリバティブ取引についても、原則として、顧客のさまざまなニーズに対応した商品、取引等を提供していくための業務として、取り組んでおります。そのために生じるトレーディング・ポジションに係るリスク管理は極めて重要であり、トレーディング部門内のリスク管理に加え、独立したリスク管理部署によるグローバルベースでのリスク管理に注力しております。また、デリバティブ取引は、顧客のさまざまなニーズに対する商品として利用しているほか、トレーディング業務の遂行に付随して発生するリスクのヘッジ、調節等の目的でもデリバティブ取引を利用しており、有価証券等の売買とデリバティブ取引を一体として運営、管理しております。
(2) 金融商品の内容およびそのリスク
当社のトレーディング・ポジションは、顧客ニーズに対応する取引、市場機能を補完するためのマーケットメーク取引、自己の計算に係るディーリング業務等から発生いたします。
取引所で行う取引の結果として、上場株式、新株予約権付社債、株価指数の先物およびオプション取引、債券先物取引等のポジションを保有しております。取引所取引の先物、オプション等のデリバティブ取引のポジションは、取引所での市場機能の補完や当社の商品有価証券等のヘッジおよび裁定取引の結果として発生しております。
また、取引所以外の取引の結果として、債券、ワラント、選択権付債券売買取引、エクイティ・デリバティブ取引、有価証券貸借取引および現先取引等のポジションを保有しております。さらに、為替取引、通貨先物、金利・通貨スワップ取引等のポジションを保有しておりますが、これらは顧客の抱える為替・金利等のリスクのヘッジやリスクの変換ニーズに対応して発生したポジションおよび当社の商品有価証券等のヘッジ目的によるポジションであります。
トレーディング業務に伴って発生し、当社の財務状況に大きな影響を与えるリスクとしては、主としてマーケットリスクと信用リスク(発行体リスク、取引先リスク)、流動性リスクがあげられます。
(3) 金融商品に係るリスク管理体制
①マーケットリスク管理
株式、金利、為替等の相場変動に伴ってトレーディング・ポジションの価値(時価額)は増減いたします。当社は、この価値の増減をマーケットリスクとして認識しております。当社のトレーディング・ポジションは、主として顧客取引の結果として発生しており、相場変動によりトレーディング・ポジションの価値が減少するリスクを回避するため、適切なヘッジ取引を行っております。ヘッジの手段は、現物有価証券だけに限らずデリバティブ取引も含めてその時点で最適なものが選択されます。従って、ヘッジ手段まで含めたトレーディング・ポートフォリオについて、日々時価評価を行いマーケットリスクを計算するなど、ルールに沿ったポジション運営がなされております。トレーディング・ポートフォリオは各商品部門で商品別あるいは取引目的別に管理されているほか、トレーディング部門から独立したリスク・マネジメント部門がグローバルベースで日々独自に評価をチェックし、リスク額等を社長をはじめ関係役員に報告しております。マーケットリスクの管理に関するルールは、野村ホールディングス株式会社の統合リスク管理会議で決定されます。
②信用リスク(発行体リスクおよび取引先リスク)管理
発行体リスクおよび取引先リスクは、当社が有価証券を保有している場合や取引先に対する債権を保有している場合に、発行体や取引先が義務を履行しないリスクであります。典型的には、発行体や取引先がデフォルト状態となった時に発生します。
有価証券の発行体リスクは、市場価格に反映され、日々時価評価されております。しかし、格付けの引下げによる急激な価格変動および発行体のデフォルト時に発生する損失は、発生する可能性としては低いものの、一旦発生した場合の損失見込額は大きく、リスク管理上、非常に重要と認識しております。当社は発行体の格下げやデフォルトの発生確率および発生時の損失見込額を合理的に算出し、トレーディング部門とリスク・マネジメント部門の双方で保有有価証券のポートフォリオを注意深く監視しております。
デリバティブ取引のうち取引所取引は、取引所と日々決済が行われ、また、当社に取引所取引を委託する顧客からは十分な委託証拠金(担保)を徴求しておりますので、取引先リスクは少額であると認識しております。他方、取引所以外でのデリバティブ取引については、与信に相当する取引先リスクが発生します。当社では、リスク・マネジメント部門が取引先の信用度に応じて与信限度額を設定しモニタリングを行っております。取引先リスクは、デリバティブ取引を時価評価して得られる与信相当額と契約終了時までの潜在的与信相当額の合計額で管理されており、必要に応じて担保の徴求等を行うなど与信相当額を低減するための対策を講じております。また、デリバティブ取引に関する基本契約書の整備にも注力をしております。取引先リスクの管理に関するルールは、野村ホールディングス株式会社の統合リスク管理会議において決定されます。
③流動性リスク管理
当社では、流動性リスクを市況の低迷等に伴う業績の悪化等により必要な資金が確保できなくなり、資金繰りがつかなくなる場合や、資金の確保に通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより損失を被るリスクと定義しております。このリスクは、市場において有担保或いは無担保調達が不可能になる、当社の信用格付けが低下する、予定外の資金需要の変化に対応できない、迅速かつ最小の損失での資産の流動化ができない、或いは、グループ会社間の自由な資金移動が妨げられる規制資本上の制約に関する変化等、市場全体の事情や当社固有の事情により発生します。当社は、マーケットサイクルを通じて、そして、ストレス下においても適切な流動性を維持するように努めております。流動性リスク管理については、野村ホールディングス株式会社の統合リスク管理会議が定める流動性リスク・アピタイトに基づくことを基本方針としており、野村ホールディングス株式会社が統合管理しております。なお、野村グループの資金流動性管理は、市場全体が流動性ストレス下にある場合において、またそれに加えて野村グループの信用リスクに過度なストレスを想定した場合においても、それぞれ1年間、および1ヶ月間にわたり、無担保による新規資金調達または再調達が困難な場合においても、保有資産を維持しつつ業務を継続することができる充分な資金流動性を常に確保することを主な目的としております。
当社は、主な流動性維持の目的を達成可能とする、様々な流動性リスク管理フレームワークを定めております。このフレームワークには、(1)余剰資金の確保、(2)資産構成等に見合った資金調達ならびに調達手段の多様化および調達期間の分散、(3)金融機関が当社に対し設定する与信枠の維持・管理、(4)コンティンジェンシー・ファンディング・プランに関することが含まれております。
(4) 金融商品の時価等に関する事項についての補足説明
金融商品の時価には、市場価格に基づく価額のほか、市場価格がない場合には合理的に算定された価額が含まれています。当該価額の算定においては一定の前提条件等を採用しているため、異なる前提条件等によった場合、当該価額が異なることもあります。また、「2.金融商品の時価等に関する事項」におけるデリバティブ取引に関する契約額等については、その金額自体がデリバティブ取引に係る市場リスクを示すものではありません。
(5) マーケットリスクに係る定量的情報
トレーディング目的の金融商品
当社では、「トレーディング商品(資産および負債)」、「有価証券担保貸付金」ならびに「有価証券担保借入金」に関し、マーケットリスクの測定方法として、バリューアットリスク(VaR)を採用しております。
VaRとして知られる統計的な手法は、ある一定期間に一定の信頼水準内で、市場の変動により発生しうる損失額と定義されます。当社では、トレーディング・ポートフォリオについて、信頼水準99%、保有期間1日のVaRを計測しています。VaRモデルに含まれるマーケットリスクは、株価、金利、外国為替レート、およびそれらに関連するボラティリティや相関等があります。ボラティリティと相関の計算に利用されるヒストリカル・データは、直近のデータに比重をかけて計算されています。
VaR算出における当社のトレーディング・ポジションのリスクの計量化に関しては、多くの前提と近似値が用いられます。当社の用いる前提や近似値あるいはそれらの組み合わせは合理的なものと考えておりますが、前提や近似値が異なれば、VaRの値が大きく異なる可能性があります。
前事業年度(自 2013年4月1日 至 2014年3月31日)
① VaRの前提
・信頼水準:片側99%
・保有期間:1日
・商品の価格変動等を考慮
② VaRの実績
当事業年度(自 2014年4月1日 至 2015年3月31日)
① VaRの前提
・信頼水準:片側99%
・保有期間:1日
・商品の価格変動等を考慮
② VaRの実績
なお、当社は、バックテスティングを実施し、トレーディング・ポートフォリオのVaRの値と実際の損益とを比較し、リスク計測に利用されるモデルの精度を検証しています。VaRを超過する損益の回数をカウントし、所定の回数に収まっているかを検証します。超過回数が所定の基準を上回った場合は、VaRメソドロジーの調整を行います。
トレーディング目的以外の金融商品
主要な市場リスクに係るリスク変数が貸借対照表の時価に与える影響に重要性がないため開示を省略しております。
2.金融商品の時価等に関する事項
貸借対照表計上額、時価およびこれらの差額については、次のとおりであります。
前事業年度(2014年3月31日)
資産
(1) 現金・預金
満期のない預金については、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額によっております。満期のある預金については、前事業年度末においては該当ございません。
(2) トレーディング商品
「(有価証券およびデリバティブ取引の状況)1 トレーディングに係るもの」をご参照ください。
(3)有価証券担保貸付金
有価証券貸借取引および現先取引にともなう取引相手先への貸付金額が計上されております。また、受入れた有価証券の時価の変動により貸付金額の調整を行っていることや短期間で決済されるため、時価は帳簿価格と近似していることから、当該帳簿価格によっております。
(注)金銭債権等の決算日後の償還等予定額
前事業年度(2014年3月31日)
負債
(1)トレーディング商品
「(有価証券およびデリバティブ取引の状況)1 トレーディングに係るもの」をご参照ください。
(2)有価証券担保借入金
有価証券貸借取引および現先取引にともなう取引相手先からの借入金額が計上されております。また、差入れた有価証券の時価の変動により借入金額の調整を行っていることや短期間で決済されるため、時価は帳簿価格と近似していることから、当該帳簿価格によっております。
(3)預り金、(4)短期借入金、(5)関係会社短期借入金、(6)短期社債
短期間で決済されるため、時価は帳簿価格と近似していることから、当該帳簿価格によっております。
(7)社債
当社の発行する社債の時価は、債券標準価格(JSprice)を採用しております。
(8)長期借入金、(9)関係会社長期借入金
長期借入金および関係会社長期借入金は、一定の期間ごとに区分した当該借入金の元利金の合計額を同様の借入において想定される利率で割り引いて現在価値を算定しております。
(注)社債、借入金およびその他の有利子負債等の返済予定額
前事業年度(2014年3月31日)
ヘッジ会計が適用されていないデリバティブ取引
「(有価証券およびデリバティブ取引の状況)1 トレーディングに係るもの(2) デリバティブ取引の契約額等および時価(注)4」をご参照ください。
ヘッジ会計が適用されているデリバティブ取引
「(有価証券およびデリバティブ取引の状況)2 トレーディングに係るもの以外(6) デリバティブの時価等に関する事項」をご参照ください。
当事業年度(2015年3月31日)
資産
(1) 現金・預金
満期のない預金については、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額によっております。満期のある預金については、当事業年度末は該当ございません。
(2) 預託金
短期間で決済されるため、時価は帳簿価格と近似していることから、当該帳簿価格によっております。
(3) トレーディング商品
「(有価証券およびデリバティブ取引の状況)1 トレーディングに係るもの」をご参照ください。
(4) 約定見返勘定、(5) 信用取引資産
短期間で決済されるため、時価は帳簿価格と近似していることから、当該帳簿価格によっております。
(6)有価証券担保貸付金
有価証券貸借取引および現先取引にともなう取引相手先への貸付金額が計上されております。また、受入れた有価証券の時価の変動により貸付金額の調整を行っていることや短期間で決済されるため、時価は帳簿価格と近似していることから、当該帳簿価格によっております。
(7) 立替金、(8) 短期差入保証金、(9) 短期貸付金
短期間で決済されるため、時価は帳簿価格と近似していることから、当該帳簿価格によっております。
(注)金銭債権等の決算日後の償還等予定額
当事業年度(2015年3月31日)
負債
(1)トレーディング商品
「(有価証券およびデリバティブ取引の状況)1 トレーディングに係るもの」をご参照ください。
(2)信用取引負債
短期間で決済されるため、時価は帳簿価格と近似していることから、当該帳簿価格によっております。
(3)有価証券担保借入金
有価証券貸借取引および現先取引にともなう取引相手先からの借入金額が計上されております。また、差入れた有価証券の時価の変動により借入金額の調整を行っていることや短期間で決済されるため、時価は帳簿価格と近似していることから、当該帳簿価格によっております。
(4)預り金、(5)受入保証金、(6)短期借入金、(7)関係会社短期借入金、(8)短期社債、(9)1年内償還予定の社債、(10)未払金
短期間で決済されるため、時価は帳簿価格と近似していることから、当該帳簿価格によっております。
(11) 社債
当社の発行する社債の時価は、債券標準価格(JSプライス)を採用しております。
(12)長期借入金、(13)関係会社長期借入金
長期借入金および関係会社長期借入金は、一定の期間ごとに区分した当該借入金の元利金の合計額を同様の借入において想定される利率で割り引いて現在価値を算定しております。
(注)社債、借入金およびその他の有利子負債等の返済予定額
当事業年度(2015年3月31日)
ヘッジ会計が適用されていないデリバティブ取引
「(有価証券およびデリバティブ取引の状況)1 トレーディングに係るもの(2) デリバティブ取引の契約額等および時価(注)4」をご参照ください。
ヘッジ会計が適用されているデリバティブ取引
「(有価証券およびデリバティブ取引の状況)2 トレーディングに係るもの以外(6) デリバティブの時価等に関する事項」をご参照ください。
1.金融商品の状況に関する事項
(1) 金融商品に対する取組方針
当社、当社の親会社(野村ホールディングス株式会社)およびその関係会社の主たる事業は証券業を中核とする投資・金融サービス業であり、わが国をはじめ世界の主要な金融資本市場を網羅する営業拠点等を通じ、お客様に対し資金調達、資金運用の両面で幅広いサービスを提供しております。これらの事業を行うため、当社は、有価証券等の売買取引のほか、デリバティブ取引についても、原則として、顧客のさまざまなニーズに対応した商品、取引等を提供していくための業務として、取り組んでおります。そのために生じるトレーディング・ポジションに係るリスク管理は極めて重要であり、トレーディング部門内のリスク管理に加え、独立したリスク管理部署によるグローバルベースでのリスク管理に注力しております。また、デリバティブ取引は、顧客のさまざまなニーズに対する商品として利用しているほか、トレーディング業務の遂行に付随して発生するリスクのヘッジ、調節等の目的でもデリバティブ取引を利用しており、有価証券等の売買とデリバティブ取引を一体として運営、管理しております。
(2) 金融商品の内容およびそのリスク
当社のトレーディング・ポジションは、顧客ニーズに対応する取引、市場機能を補完するためのマーケットメーク取引、自己の計算に係るディーリング業務等から発生いたします。
取引所で行う取引の結果として、上場株式、新株予約権付社債、株価指数の先物およびオプション取引、債券先物取引等のポジションを保有しております。取引所取引の先物、オプション等のデリバティブ取引のポジションは、取引所での市場機能の補完や当社の商品有価証券等のヘッジおよび裁定取引の結果として発生しております。
また、取引所以外の取引の結果として、債券、ワラント、選択権付債券売買取引、エクイティ・デリバティブ取引、有価証券貸借取引および現先取引等のポジションを保有しております。さらに、為替取引、通貨先物、金利・通貨スワップ取引等のポジションを保有しておりますが、これらは顧客の抱える為替・金利等のリスクのヘッジやリスクの変換ニーズに対応して発生したポジションおよび当社の商品有価証券等のヘッジ目的によるポジションであります。
トレーディング業務に伴って発生し、当社の財務状況に大きな影響を与えるリスクとしては、主としてマーケットリスクと信用リスク(発行体リスク、取引先リスク)、流動性リスクがあげられます。
(3) 金融商品に係るリスク管理体制
①マーケットリスク管理
株式、金利、為替等の相場変動に伴ってトレーディング・ポジションの価値(時価額)は増減いたします。当社は、この価値の増減をマーケットリスクとして認識しております。当社のトレーディング・ポジションは、主として顧客取引の結果として発生しており、相場変動によりトレーディング・ポジションの価値が減少するリスクを回避するため、適切なヘッジ取引を行っております。ヘッジの手段は、現物有価証券だけに限らずデリバティブ取引も含めてその時点で最適なものが選択されます。従って、ヘッジ手段まで含めたトレーディング・ポートフォリオについて、日々時価評価を行いマーケットリスクを計算するなど、ルールに沿ったポジション運営がなされております。トレーディング・ポートフォリオは各商品部門で商品別あるいは取引目的別に管理されているほか、トレーディング部門から独立したリスク・マネジメント部門がグローバルベースで日々独自に評価をチェックし、リスク額等を社長をはじめ関係役員に報告しております。マーケットリスクの管理に関するルールは、野村ホールディングス株式会社の統合リスク管理会議で決定されます。
②信用リスク(発行体リスクおよび取引先リスク)管理
発行体リスクおよび取引先リスクは、当社が有価証券を保有している場合や取引先に対する債権を保有している場合に、発行体や取引先が義務を履行しないリスクであります。典型的には、発行体や取引先がデフォルト状態となった時に発生します。
有価証券の発行体リスクは、市場価格に反映され、日々時価評価されております。しかし、格付けの引下げによる急激な価格変動および発行体のデフォルト時に発生する損失は、発生する可能性としては低いものの、一旦発生した場合の損失見込額は大きく、リスク管理上、非常に重要と認識しております。当社は発行体の格下げやデフォルトの発生確率および発生時の損失見込額を合理的に算出し、トレーディング部門とリスク・マネジメント部門の双方で保有有価証券のポートフォリオを注意深く監視しております。
デリバティブ取引のうち取引所取引は、取引所と日々決済が行われ、また、当社に取引所取引を委託する顧客からは十分な委託証拠金(担保)を徴求しておりますので、取引先リスクは少額であると認識しております。他方、取引所以外でのデリバティブ取引については、与信に相当する取引先リスクが発生します。当社では、リスク・マネジメント部門が取引先の信用度に応じて与信限度額を設定しモニタリングを行っております。取引先リスクは、デリバティブ取引を時価評価して得られる与信相当額と契約終了時までの潜在的与信相当額の合計額で管理されており、必要に応じて担保の徴求等を行うなど与信相当額を低減するための対策を講じております。また、デリバティブ取引に関する基本契約書の整備にも注力をしております。取引先リスクの管理に関するルールは、野村ホールディングス株式会社の統合リスク管理会議において決定されます。
③流動性リスク管理
当社では、流動性リスクを市況の低迷等に伴う業績の悪化等により必要な資金が確保できなくなり、資金繰りがつかなくなる場合や、資金の確保に通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより損失を被るリスクと定義しております。このリスクは、市場において有担保或いは無担保調達が不可能になる、当社の信用格付けが低下する、予定外の資金需要の変化に対応できない、迅速かつ最小の損失での資産の流動化ができない、或いは、グループ会社間の自由な資金移動が妨げられる規制資本上の制約に関する変化等、市場全体の事情や当社固有の事情により発生します。当社は、マーケットサイクルを通じて、そして、ストレス下においても適切な流動性を維持するように努めております。流動性リスク管理については、野村ホールディングス株式会社の統合リスク管理会議が定める流動性リスク・アピタイトに基づくことを基本方針としており、野村ホールディングス株式会社が統合管理しております。なお、野村グループの資金流動性管理は、市場全体が流動性ストレス下にある場合において、またそれに加えて野村グループの信用リスクに過度なストレスを想定した場合においても、それぞれ1年間、および1ヶ月間にわたり、無担保による新規資金調達または再調達が困難な場合においても、保有資産を維持しつつ業務を継続することができる充分な資金流動性を常に確保することを主な目的としております。
当社は、主な流動性維持の目的を達成可能とする、様々な流動性リスク管理フレームワークを定めております。このフレームワークには、(1)余剰資金の確保、(2)資産構成等に見合った資金調達ならびに調達手段の多様化および調達期間の分散、(3)金融機関が当社に対し設定する与信枠の維持・管理、(4)コンティンジェンシー・ファンディング・プランに関することが含まれております。
(4) 金融商品の時価等に関する事項についての補足説明
金融商品の時価には、市場価格に基づく価額のほか、市場価格がない場合には合理的に算定された価額が含まれています。当該価額の算定においては一定の前提条件等を採用しているため、異なる前提条件等によった場合、当該価額が異なることもあります。また、「2.金融商品の時価等に関する事項」におけるデリバティブ取引に関する契約額等については、その金額自体がデリバティブ取引に係る市場リスクを示すものではありません。
(5) マーケットリスクに係る定量的情報
トレーディング目的の金融商品
当社では、「トレーディング商品(資産および負債)」、「有価証券担保貸付金」ならびに「有価証券担保借入金」に関し、マーケットリスクの測定方法として、バリューアットリスク(VaR)を採用しております。
VaRとして知られる統計的な手法は、ある一定期間に一定の信頼水準内で、市場の変動により発生しうる損失額と定義されます。当社では、トレーディング・ポートフォリオについて、信頼水準99%、保有期間1日のVaRを計測しています。VaRモデルに含まれるマーケットリスクは、株価、金利、外国為替レート、およびそれらに関連するボラティリティや相関等があります。ボラティリティと相関の計算に利用されるヒストリカル・データは、直近のデータに比重をかけて計算されています。
VaR算出における当社のトレーディング・ポジションのリスクの計量化に関しては、多くの前提と近似値が用いられます。当社の用いる前提や近似値あるいはそれらの組み合わせは合理的なものと考えておりますが、前提や近似値が異なれば、VaRの値が大きく異なる可能性があります。
前事業年度(自 2013年4月1日 至 2014年3月31日)
① VaRの前提
・信頼水準:片側99%
・保有期間:1日
・商品の価格変動等を考慮
② VaRの実績
2014年3月31日現在(億円) | |
株式関連 | 6 |
金利関連 | 9 |
為替関連等 | 9 |
小計 | 24 |
分散効果 | △10 |
バリューアットリスク(VaR) | 14 |
自2013年4月1日 至2014年3月31日 | |||
最大値(億円) | 最小値(億円) | 平均値(億円) | |
バリューアットリスク(VaR) | 50 | 10 | 19 |
当事業年度(自 2014年4月1日 至 2015年3月31日)
① VaRの前提
・信頼水準:片側99%
・保有期間:1日
・商品の価格変動等を考慮
② VaRの実績
2015年3月31日現在(億円) | |
株式関連 | 7 |
金利関連 | 9 |
為替関連等 | 5 |
小計 | 21 |
分散効果 | △11 |
バリューアットリスク(VaR) | 10 |
自2014年4月1日 至2015年3月31日 | |||
最大値(億円) | 最小値(億円) | 平均値(億円) | |
バリューアットリスク(VaR) | 41 | 10 | 24 |
なお、当社は、バックテスティングを実施し、トレーディング・ポートフォリオのVaRの値と実際の損益とを比較し、リスク計測に利用されるモデルの精度を検証しています。VaRを超過する損益の回数をカウントし、所定の回数に収まっているかを検証します。超過回数が所定の基準を上回った場合は、VaRメソドロジーの調整を行います。
トレーディング目的以外の金融商品
主要な市場リスクに係るリスク変数が貸借対照表の時価に与える影響に重要性がないため開示を省略しております。
2.金融商品の時価等に関する事項
貸借対照表計上額、時価およびこれらの差額については、次のとおりであります。
前事業年度(2014年3月31日)
(単位:百万円) | ||||
貸借対照表 計上額 | 時価 | 差額 | ||
(1)現金・預金 | 915,496 | 915,496 | - | |
(2)トレーディング商品 | 3,858,341 | 3,858,341 | - | |
商品有価証券等 | 3,097,103 | 3,097,103 | - | |
デリバティブ取引 | 761,238 | 761,238 | - | |
(3)有価証券担保貸付金 | 6,236,656 | 6,236,656 | - | |
借入有価証券担保金 | 5,537,366 | 5,537,366 | - | |
現先取引貸付金 | 699,289 | 699,289 | - | |
資産計 | 11,010,493 | 11,010,493 | - | |
(1)トレーディング商品 | 3,711,344 | 3,711,344 | - | |
商品有価証券等 | 3,199,421 | 3,199,421 | - | |
デリバティブ取引 | 511,923 | 511,923 | - | |
(2)有価証券担保借入金 | 3,619,048 | 3,619,048 | - | |
有価証券貸借取引受入金 | 995,985 | 995,985 | - | |
現先取引借入金 | 2,623,063 | 2,623,063 | - | |
(3)預り金 | 243,908 | 243,908 | - | |
(4)短期借入金 | 616,900 | 616,900 | - | |
(5)関係会社短期借入金 | 1,277,400 | 1,277,400 | - | |
(6)短期社債 | 163,000 | 163,000 | - | |
(7)社債 | 93,194 | 96,097 | 2,903 | |
(8)長期借入金 | 765,912 | 762,472 | △3,440 | |
(9)関係会社長期借入金 | 150,000 | 151,771 | 1,771 | |
負債計 | 10,640,706 | 10,641,940 | 1,234 | |
ヘッジ会計が適用されていない デリバティブ取引 | ||||
資産 | 44,383 | 44,383 | - | |
負債 | 44,383 | 44,383 | - | |
ヘッジ会計が適用されている デリバティブ取引 | ||||
資産 | 3,389 | 3,389 | - | |
負債 | - | - | - |
資産
(1) 現金・預金
満期のない預金については、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額によっております。満期のある預金については、前事業年度末においては該当ございません。
(2) トレーディング商品
「(有価証券およびデリバティブ取引の状況)1 トレーディングに係るもの」をご参照ください。
(3)有価証券担保貸付金
有価証券貸借取引および現先取引にともなう取引相手先への貸付金額が計上されております。また、受入れた有価証券の時価の変動により貸付金額の調整を行っていることや短期間で決済されるため、時価は帳簿価格と近似していることから、当該帳簿価格によっております。
(注)金銭債権等の決算日後の償還等予定額
前事業年度(2014年3月31日)
(単位:百万円) | |
1年以内 | |
(1)現金・預金 | 915,496 |
(3)有価証券担保貸付金 | 6,236,656 |
合計 | 7,152,152 |
負債
(1)トレーディング商品
「(有価証券およびデリバティブ取引の状況)1 トレーディングに係るもの」をご参照ください。
(2)有価証券担保借入金
有価証券貸借取引および現先取引にともなう取引相手先からの借入金額が計上されております。また、差入れた有価証券の時価の変動により借入金額の調整を行っていることや短期間で決済されるため、時価は帳簿価格と近似していることから、当該帳簿価格によっております。
(3)預り金、(4)短期借入金、(5)関係会社短期借入金、(6)短期社債
短期間で決済されるため、時価は帳簿価格と近似していることから、当該帳簿価格によっております。
(7)社債
当社の発行する社債の時価は、債券標準価格(JSprice)を採用しております。
(8)長期借入金、(9)関係会社長期借入金
長期借入金および関係会社長期借入金は、一定の期間ごとに区分した当該借入金の元利金の合計額を同様の借入において想定される利率で割り引いて現在価値を算定しております。
(注)社債、借入金およびその他の有利子負債等の返済予定額
前事業年度(2014年3月31日)
(単位:百万円) | ||||||
1年以内 | 1年超 2年以内 | 2年超 3年以内 | 3年超 4年以内 | 4年超 5年以内 | 5年超 | |
(2)有価証券担保借入金 | 3,619,048 | - | - | - | - | - |
(3)預り金 | 243,908 | - | - | - | - | - |
(4)短期借入金 | 616,900 | - | - | - | - | - |
(5)関係会社短期借入金 | 1,277,400 | - | - | - | - | - |
(6)短期社債 | 163,000 | - | - | - | - | - |
(7)社債 | - | 34,200 | - | 49,200 | - | 9,800 |
(8)長期借入金 | - | 94,200 | 79,500 | 79,500 | 145,588 | 367,124 |
(9)関係会社長期借入金 | - | - | 150,000 | - | - | - |
合計 | 5,920,256 | 128,400 | 229,500 | 128,700 | 145,588 | 376,924 |
ヘッジ会計が適用されていないデリバティブ取引
「(有価証券およびデリバティブ取引の状況)1 トレーディングに係るもの(2) デリバティブ取引の契約額等および時価(注)4」をご参照ください。
ヘッジ会計が適用されているデリバティブ取引
「(有価証券およびデリバティブ取引の状況)2 トレーディングに係るもの以外(6) デリバティブの時価等に関する事項」をご参照ください。
当事業年度(2015年3月31日)
(単位:百万円) | ||||
貸借対照表 計上額 | 時価 | 差額 | ||
(1)現金・預金 | 591,750 | 591,750 | - | |
(2)預託金 | 89,906 | 89,906 | - | |
(3)トレーディング商品 | 3,949,294 | 3,949,294 | - | |
商品有価証券等 | 3,065,753 | 3,065,753 | - | |
デリバティブ取引 | 883,541 | 883,541 | - | |
(4)約定見返勘定 | 268,987 | 268,987 | - | |
(5)信用取引資産 | 268,480 | 268,480 | - | |
信用取引貸付金 | 248,834 | 248,834 | - | |
信用取引借証券担保金 | 19,646 | 19,646 | - | |
(6)有価証券担保貸付金 | 7,325,001 | 7,325,001 | - | |
借入有価証券担保金 | 6,725,304 | 6,725,304 | - | |
現先取引貸付金 | 599,697 | 599,697 | - | |
(7)立替金 | 3,031 | 3,031 | - | |
(8)短期差入保証金 | 1,309,883 | 1,309,883 | - | |
(9)短期貸付金 | 4,153 | 4,153 | - | |
資産計 | 13,810,485 | 13,810,485 | - | |
(1)トレーディング商品 | 4,080,943 | 4,080,943 | - | |
商品有価証券等 | 3,312,136 | 3,312,136 | - | |
デリバティブ取引 | 768,807 | 768,807 | - | |
(2)信用取引負債 | 72,509 | 72,509 | - | |
信用取引借入金 | 3,875 | 3,875 | - | |
信用取引貸証券受入金 | 68,634 | 68,634 | - | |
(3)有価証券担保借入金 | 4,538,901 | 4,538,901 | - | |
有価証券貸借取引受入金 | 1,374,815 | 1,374,815 | - | |
現先取引借入金 | 3,164,086 | 3,164,086 | - | |
(4)預り金 | 388,635 | 388,635 | - | |
(5)受入保証金 | 638,149 | 638,149 | - | |
(6)短期借入金 | 629,300 | 629,300 | - | |
(7)関係会社短期借入金 | 1,096,900 | 1,096,900 | - | |
(8)短期社債 | 121,400 | 121,400 | - | |
(9)1年内償還予定の社債 | 34,200 | 34,200 | - | |
(10)未払金 | 59,801 | 59,801 | - | |
(11)社債 | 53,896 | 56,977 | 3,081 | |
(12)長期借入金 | 877,595 | 874,857 | △2,738 | |
(13)関係会社長期借入金 | 100,000 | 102,499 | 2,499 | |
負債計 | 12,692,229 | 12,695,071 | 2,842 | |
ヘッジ会計が適用されていない デリバティブ取引 | ||||
資産 | 44,220 | 44,220 | - | |
負債 | 44,220 | 44,220 | - | |
ヘッジ会計が適用されている デリバティブ取引 | ||||
資産 | 2,659 | 2,659 | - | |
負債 | - | - | - |
資産
(1) 現金・預金
満期のない預金については、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額によっております。満期のある預金については、当事業年度末は該当ございません。
(2) 預託金
短期間で決済されるため、時価は帳簿価格と近似していることから、当該帳簿価格によっております。
(3) トレーディング商品
「(有価証券およびデリバティブ取引の状況)1 トレーディングに係るもの」をご参照ください。
(4) 約定見返勘定、(5) 信用取引資産
短期間で決済されるため、時価は帳簿価格と近似していることから、当該帳簿価格によっております。
(6)有価証券担保貸付金
有価証券貸借取引および現先取引にともなう取引相手先への貸付金額が計上されております。また、受入れた有価証券の時価の変動により貸付金額の調整を行っていることや短期間で決済されるため、時価は帳簿価格と近似していることから、当該帳簿価格によっております。
(7) 立替金、(8) 短期差入保証金、(9) 短期貸付金
短期間で決済されるため、時価は帳簿価格と近似していることから、当該帳簿価格によっております。
(注)金銭債権等の決算日後の償還等予定額
当事業年度(2015年3月31日)
(単位:百万円) | |
1年以内 | |
(1)現金・預金 | 591,750 |
(2)預託金 | 89,906 |
(5)信用取引資産 | 268,480 |
(6)有価証券担保貸付金 | 7,325,001 |
(7)立替金 | 3,031 |
(8)短期差入保証金 | 1,309,883 |
(9)短期貸付金 | 4,153 |
合計 | 9,592,204 |
負債
(1)トレーディング商品
「(有価証券およびデリバティブ取引の状況)1 トレーディングに係るもの」をご参照ください。
(2)信用取引負債
短期間で決済されるため、時価は帳簿価格と近似していることから、当該帳簿価格によっております。
(3)有価証券担保借入金
有価証券貸借取引および現先取引にともなう取引相手先からの借入金額が計上されております。また、差入れた有価証券の時価の変動により借入金額の調整を行っていることや短期間で決済されるため、時価は帳簿価格と近似していることから、当該帳簿価格によっております。
(4)預り金、(5)受入保証金、(6)短期借入金、(7)関係会社短期借入金、(8)短期社債、(9)1年内償還予定の社債、(10)未払金
短期間で決済されるため、時価は帳簿価格と近似していることから、当該帳簿価格によっております。
(11) 社債
当社の発行する社債の時価は、債券標準価格(JSプライス)を採用しております。
(12)長期借入金、(13)関係会社長期借入金
長期借入金および関係会社長期借入金は、一定の期間ごとに区分した当該借入金の元利金の合計額を同様の借入において想定される利率で割り引いて現在価値を算定しております。
(注)社債、借入金およびその他の有利子負債等の返済予定額
当事業年度(2015年3月31日)
(単位:百万円) | ||||||
1年以内 | 1年超 2年以内 | 2年超 3年以内 | 3年超 4年以内 | 4年超 5年以内 | 5年超 | |
(2)信用取引負債 | 72,509 | - | - | - | - | - |
(3)有価証券担保借入金 | 4,538,901 | - | - | - | - | - |
(4)預り金 | 388,635 | - | - | - | - | - |
(5)受入保証金 | 638,149 | - | - | - | - | - |
(6)短期借入金 | 629,300 | - | - | - | - | - |
(7)関係会社短期借入金 | 1,096,900 | - | - | - | - | - |
(8)短期社債 | 121,400 | - | - | - | - | - |
(9)1年内償還予定の社債 | 34,200 | - | - | - | - | - |
(10)未払金 | 59,801 | - | - | - | - | - |
(11)社債 | - | - | 49,200 | - | - | 4,700 |
(12)長期借入金 | - | 71,500 | 173,500 | 155,310 | 102,005 | 375,280 |
(13)関係会社長期借入金 | - | - | 100,000 | - | - | - |
合計 | 7,579,795 | 71,500 | 322,700 | 155,310 | 102,005 | 379,980 |
ヘッジ会計が適用されていないデリバティブ取引
「(有価証券およびデリバティブ取引の状況)1 トレーディングに係るもの(2) デリバティブ取引の契約額等および時価(注)4」をご参照ください。
ヘッジ会計が適用されているデリバティブ取引
「(有価証券およびデリバティブ取引の状況)2 トレーディングに係るもの以外(6) デリバティブの時価等に関する事項」をご参照ください。