有価証券報告書-第84期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/30 15:43
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123項目

有報資料

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、「顧客中心主義」の経営理念のもと、「業界最低水準の手数料で業界最高水準のサービス」の提供を通じ、更なる成長・企業価値の向上を実現していくことを目指しております。そのために、いかにして変化する顧客ニーズに応え、収益源の多様化を図っていくかが課題となっております。今後も、取扱商品の拡大・サービスの向上等により、既存の事業を一層拡充するとともに、新規事業分野への参入も検討していくことで、収益源の多様化を目指してまいります。
(2) 経営環境
2025年度において、個人の株式取引におけるインターネット経由の割合は9割以上に達しております(2026年3月31日当社推計)。また、政府が推進する「資産所得倍増プラン」及び「資産運用立国」の更なる推進、2024年1月に開始された新NISA制度の浸透、iDeCoを含む資産形成制度の拡充等を背景に、若年層を中心とした個人投資家の市場参加や、長期・積立・分散投資への関心が引き続き高まりました。
このような環境のもと、当社グループは、NISA・iDeCo、投資信託、国内外株式等を中心に商品・サービスの拡充及び利便性の向上に取り組んでまいりました。その結果、SBIグループの証券総合口座数は2026年3月末時点で1,582.5万口座となり、証券各社との比較において業界No.1の顧客基盤を維持しております。また、2026年5月には国内初となる証券総合口座1,600万口座を達成し、2026年3月末時点の預り資産残高は約66.1兆円で、2026年4月末には70兆円へ拡大いたしました。若年層を含む資産形成層の口座開設や投信積立等の利用拡大を背景に、当社の主要業務である個人投資家向けインターネット取引を取り巻く外部環境は、中長期的に良好であると認識しております。一方で、当社の業績は、株式等の市況や、国内外の経済情勢、地政学的なイベントなどによるリスクが常に存在します。当社は、顧客本位の業務運営を徹底するとともに、商品・サービスの高度化、利便性の向上及びセキュリティ対策の強化を通じて、個人投資家の安定的な資産形成を支援してまいります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
① 収益源の多様化
当社は、インターネットコースのお客さまを対象として、オンラインの国内株式売買手数料を無料化する「ゼロ革命」を2023年9月より実施しました。株式売買委託手数料に依存しない事業基盤を構築し、よりバランスの取れた収益体質を実現するべく、積極的に取扱商品の拡充や新規サービスの提供を行い、個人向け業務だけでなく、引受・募集業務や機関投資家営業等の法人向け業務の拡大にも注力してまいります。
さらに、SBIグループが推進するオープン・アライアンス戦略のもと、SBI新生銀行やSMBCグループ等との提携、地域金融機関との連携等を通じて、顧客接点の拡大、商品・サービス提供の強化に一層努めていきます。加えて、当社が展開する事業分野とのシナジー効果が期待できる分野においてM&A(企業の合併・買収)を行うことにより、業容拡大及び新たな収益機会の創出を図ってまいります。
② 金融・IT技術を活用した新規サービスの提供
当社は、個人投資家向けにインターネット経由で金融商品・サービスを提供することによって主たる収益を獲得しております。金融・ITの技術は絶えず進化を続けており、AI、IoT、ビッグデータ、ロボティクスのほか、FinTechの中核技術であるブロックチェーン等の分野での新技術開発が進展しているなか、これらの技術革新に遅れをとることなく、いち早く適応していくことが課題となっております。そのために、最新の技術動向を注視し、スマートフォン等を含む様々なサービスチャネルで新しい技術を活用したサービスを開発・提供し、競合他社との差別化、顧客の利便性向上に努めてまいります。
③ 経営管理態勢の強化
顧客基盤及び総資産の拡大、業務多様化、コンプライアンスに対する社会的な意識の高まり、ボラタイルな市場環境等により、当社グループが抱える経営管理上のリスクは常に変化しており、それらリスクへの対応が課題となっております。今後の事業展開と合わせ、自律的に管理態勢高度化への対応を実施してまいります。
システム面では、当社のビジネスの生命線であるシステムの安全性をいかにして確保するかが課題となっており、開発リスクの極小化、障害の未然防止策・発生時の拡大防止策の高度化を進めるとともに、利便性の高いサービスを提供することを第一に、将来のビジネスモデル実現に相応しいシステムの検討を進めてまいります。
リスク管理面では、当社グループの業容拡大に合わせたリスク管理態勢の構築や近年増加傾向にあるインターネット金融犯罪・サイバー攻撃への対策が課題となっており、保有資産に即した信用リスク・金利リスク・流動性リスク等の管理態勢の強化、高度化を進めるとともに、CSIRT専任部門を通じたセキュリティ対策の強化、顧客保護対策を一層進めてまいります。
コンプライアンス面では、口座数及び約定件数の増加等の業容拡大や新しい金融商品・サービスの導入等に加えて、益々高まる社会的要請にいかにして対応していくかが課題となっており、社内規程や社員研修等の管理態勢のより一層の充実を図ることで、コンプライアンス態勢の高度化に努めてまいります。
中長期的な経営戦略
SBIグループは、1999年の創業以来、「顧客中心主義」の徹底と、金融サービス事業を中心とする「企業生態系」の構築を通じて、証券・銀行・保険・資産運用・投資・暗号資産・次世代事業を有機的に結合させた、世界的にもユニークな総合金融グループとして発展してまいりました。2026年3月末時点におけるSBIグループの国内外顧客基盤は8,256万件、国内顧客基盤は約4,981万件、海外金融サービス事業の顧客基盤は約3,274万件となっています。
今後の持続的成長に向けて、SBIグループは創業30周年となる2029年3月期を見据え、企業価値のさらなる向上に向けた三大戦略目標を定めています。具体的には、①迅速なトップダウンでの意思決定の下、当企業グループの完全なAIドリブン化を断行すること、②オンチェーン化に向けた組織変革を断行し、世界に先駆けて次世代の金融サービスを提供すること、③既に融合しつつある既存の金融生態系とデジタルスペース生態系にネオメディア生態系を新たに構築・融合し、国内外でグループ顧客基盤を飛躍的に拡大することです。
当社は、新中期ビジョンにおいて、「証券口座数3,000万件の早期達成」を主要な定量目標の1つと定め、達成に向けては、このようにグループ全体に波及する証券顧客基盤の拡大が不可欠であることから、優良な顧客基盤を有する企業とのオープン・アライアンスの推進や、投資初心者や未経験者の多い若年層向けのアプローチを強化することで、新規顧客層の開拓に注力します。他にも、デジタルアセットなど次世代金融商品の取り扱いに係る対応力の向上も、今後の重要課題として位置づけております。
地域金融機関との連携を深めるとともに、セキュリティ・トークン(ST)などオンチェーン化の進展を見据えた新たな商品のほか、SBIラップ、iDeCo(個人型確定拠出年金)等のストック型ビジネスの拡大を通じて、収益基盤の一層の安定化を図ってまいります。また、最適な投資環境を提供するために、高度なセキュリティ管理体制の強化を継続し、システムの安定性及びユーザーエクスペリエンス(UX)の最適化に努めております。当社は今後も、「業界最低水準の手数料で業界最高水準のサービス」の提供を基本方針とし、顧客中心主義に立脚した経営のもと、環境変化に柔軟かつ機動的に対応しながら、持続的な企業価値の向上を図り、可能な限り早期にグループ証券口座数3,000万の達成を目指します。
新中期ビジョンの達成に向けた証券分野での施策
グループ証券口座数3,000万を早期に達成
当社は、顧客中心主義を体現する「ゼロ革命」(オンラインでの国内株式売買手数料等の無料化)を2023年9月30日注文受付分より開始し、証券口座数は短期間で著増しました。また、収益源の多様化・強靭化を図る取り組みは、ゼロ革命によって発生した逸失利益を相殺して余りあるものとなり、企業生態系の更なる拡大と収益基盤の強化に繋がりました。また、その効果は当企業グループの企業生態系という仕組みを通じて、他のグループ会社の顧客基盤拡大やサービスの認知拡大にも繋がり、グループ全体の成長を支える原動力となっています。
本ビジョンにおいては、「証券口座数3,000万件の早期達成」を主要な定量目標の1つと定め、ゼロ革命を通じてより拡大した顧客接点を、持続的な口座開設及び稼働化につなげる取組みを一層強化してまいります。具体的には、優良な顧客基盤を有する企業とのオープン・アライアンスの推進や、投資初心者や未経験者の多い若年層に対して、わかりやすい情報提供や資産形成の入口となるサービス導線の整備を進め、新規顧客層の開拓を図ります。他にも、デジタルアセットなど次世代金融商品の取り扱いに係る対応力の向上も、今後の重要課題として位置づけており、多様化する投資ニーズへの対応力を高めてまいります。
地域金融機関との連携を深めるとともに、セキュリティ・トークン(ST)などの新たな商品のほか、SBIラップ、iDeCo(個人型確定拠出年金)等のストック型ビジネスの拡大を通じて、収益基盤の一層の安定化を図ってまいります。また、SBIグループが企業価値のさらなる向上に向けて掲げる三大戦略目標を踏まえ、当社においても、AI、データ分析、ブロックチェーン等の先端技術を活用し、顧客接点、商品・サービス、業務プロセス及びリスク管理の高度化に取り組んでまいります。AIの活用にあたっては、株式会社Ridge-iをはじめとする外部パートナーの知見も活用しながら、顧客の金融リテラシーやニーズに応じた分かりやすい情報提供、各種手続きの利便性向上、資産形成支援の高度化等を推進してまいります。さらに、オンチェーン化の進展に対応した次世代金融商品の提供力を強化するとともに、SBIグループの金融生態系、デジタルスペース生態系及びネオメディア生態系との連携を通じて、新たな顧客接点の創出と顧客基盤の拡大を図り、投資初心者や未経験者、若年層を含む幅広い顧客層が、安心して当社サービスを利用できる環境の整備を進めてまいります。当社は今後も、「業界最低水準の手数料で業界最高水準のサービス」の提供を基本方針とし、顧客中心主義に立脚した経営のもと、環境変化に柔軟かつ機動的に対応しながら、持続的な企業価値の向上を図り、可能な限り早期にグループ証券口座数3,000万の達成を目指します。

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