有価証券報告書-第71期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/26 13:56
【資料】
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【項目】
139項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日現在において当社グループ(当社および連結子会社)が判断したものであります。
(1) 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」に記載のとおりですが、特に以下の事項に関する会計方針および見積りが当社グループの連結財務諸表の作成に大きな影響を及ぼすと考えております。
① 金融商品の時価の算定方法
金融商品の時価は、原則として市場価格に基づいておりますが、一部の市場価格のない金融商品については、将来予想されるキャッシュ・フローの現在価値や、契約期間その他の契約を構成する要素を基礎として算定した価格等を時価としております。当該時価の算定においては一定の前提条件等を採用しているため、異なる前提条件等によった場合、当該時価が変動することもあります。
② 有価証券の減損
その他有価証券で時価のあるものについては、原則として、期末日の時価が取得原価に比べて30%以上下落したものを減損の対象としております。今後、有価証券市場が変動した場合には、有価証券評価損の計上が必要となる可能性があります。
③ 固定資産の減損
固定資産については、資産または資産グループの回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に、その差額を減損損失に計上しております。回収可能価額は、資産または資産グループの時価から処分費用見込額を控除した正味売却価額と割引後将来キャッシュ・フローとして算定される使用価値のいずれか大きい方としていることから、固定資産の使用方法を変更した場合または不動産取引相場や賃料相場などが変動した場合には、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
④ 繰延税金資産
当連結会計年度における繰延税金資産および繰延税金負債の内訳は、「第5 経理の状況」の「注記事項(税効果会計関係)」に記載したとおりであります。繰延税金資産の計上に際しては、将来の課税所得の見積りに基づき、回収可能性の見込めない部分を評価性引当額として、繰延税金資産から控除しております。将来、経営環境の変化等により課税所得の見積りが大きく変動した場合や、税制改正により税率の変更等が生じた場合には、繰延税金資産の計上額が変動する可能性があります。
⑤ 貸倒引当金
貸倒引当金の計上基準は、「第5 経理の状況」の「注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載したとおりであります。将来、貸付先等の財政状態が変化した場合には、貸倒引当金の計上額が変動する可能性があります。
⑥ 支払備金
支払備金は、支払義務が発生した保険金等のうち、まだ支払っていない金額の見積額を計上しております。このうち、既発生未報告の支払備金については、主として統計的な見積方法により算出しております。将来、インフレや為替の影響、さらには裁判の判例の動向などにより支払備金の必要額が変動する可能性があります。
⑦ 責任準備金等
保険契約に基づく将来の債務の履行に備え、責任準備金等を積み立てております。また、一部の長期の保険契約について標準責任準備金を積み立てております。当初想定した環境・条件等が大きく変動し予期せぬ損害の発生が見込まれる場合には、責任準備金等の必要額が変動する可能性があります。
⑧ 退職給付債務等
退職給付費用および退職給付債務の計算の基礎は、「第5 経理の状況」の「注記事項(退職給付関係)」に記載したとおりであります。これらの計算の基礎と実績値が異なる場合、または計算の基礎が変更された場合には、将来の退職給付費用および退職給付債務が変動する可能性があります。
(2) 経営成績の分析
① 経常収益
当連結会計年度の経常収益は、保険引受収益が1兆7,391億円、資産運用収益が1,475億円、その他経常収益が85億円となった結果、前連結会計年度に比べて932億円増加して1兆8,951億円となりました。
報告セグメント別では、損害保険事業におきましては、主力の自動車保険を中心に火災保険なども好調に推移したことから、正味収入保険料が前連結会計年度に比べて1,768億円増加して1兆5,852億円となりました。生命保険事業におきましては、生命保険料が前連結会計年度に比べて33億円増加して71億円となりました。
② 経常費用
当連結会計年度の経常費用は、保険引受費用が1兆5,280億円、資産運用費用が119億円、営業費及び一般管理費が2,643億円、その他経常費用が127億円となった結果、前連結会計年度に比べて850億円増加して1兆8,171億円となりました。
③ 経常損益および当期純損益
経常収益から経常費用を差し引いた当連結会計年度の経常損益は、前連結会計年度に比べて81億円増加して780億円の経常利益となりました。
経常利益に特別利益、特別損失、法人税等合計および少数株主損益を加減した当期純損益は、前連結会計年度に比べて37億円増加して355億円の当期純利益となりました。
報告セグメント別の当期純損益では、損害保険事業におきましては、有価証券評価損の減少などにより、前連結会計年度に比べて33億円増加して351億円の当期純利益となりました。生命保険事業におきましては、前連結会計年度に比べて3億円減少して1億円の当期純利益となりました。
(3) 財政状態の分析
① 資産の部
当連結会計年度末の資産の部合計は、有価証券の増加などにより、前連結会計年度末に比べて2,165億円増加して5兆769億円となりました。
② 負債の部
当連結会計年度末の負債の部合計は、支払備金や責任準備金の増加などにより、前連結会計年度末に比べて1,051億円増加して4兆2,903億円となりました。
③ 純資産の部
当連結会計年度末の純資産の部合計は、その他有価証券評価差額金の増加などにより、前連結会計年度末に比べて1,114億円増加して7,866億円となりました。
(4) キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度における区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、正味収入保険料の増加などにより、前連結会計年度に比べて1,345億円増加して359億円となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の社債の発行による資金を有価証券等に投資したことなどにより、前連結会計年度に比べて1,616億円減少して△88億円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に社債の発行による収入があったことなどにより、前連結会計年度に比べて1,371億円減少して△284億円となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べて64億円増加して4,399億円となりました。
なお、現金及び現金同等物は、手許資金、随時引き出し可能な預金および容易に換金可能な一定範囲の短期投資(価値の変動について僅少なリスクしか負わない、取得日から満期日または償還日までの期間が3か月以内の定期預金等)からなっており、日々の支払必要額の予期せぬ変動に備えて、十分確保しています。
さらに、巨大災害の発生に伴う巨額の保険金支払などの資金繰り悪化のリスクに備え、巨大災害時の保険金支払などの資金流出額を予想したうえで、十分な流動性資産を確保しています。