有価証券報告書-第78期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
当社グループの「経営方針」「経営環境、経営戦略および優先的に対処すべき課題等」「報告セグメントごとの経営環境、経営戦略および優先的に対処すべき課題等」は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。また、文中の当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標(以下「KPI」といいます。)の各数値については、本有価証券報告書提出日現在において、予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。
(1) 経営方針
当社グループは、SOMPOホールディングス株式会社が定める以下のグループ経営理念およびSOMPOグループが中長期的に実現を目指す社会および社会に提供する価値を示した「SOMPOのパーパス」に沿った事業活動を行います。
(グループ経営理念)
SOMPOグループは、お客さまの視点ですべての価値判断を行い、保険を基盤としてさらに幅広い事業活動を通じ、お客さまの安心・安全・健康に資する最高品質のサービスをご提供し、社会に貢献します。
(SOMPOのパーパス)

(2) 経営環境、経営戦略および優先的に対処すべき課題等
① 前中期経営計画(2016~2020年度)の総括
SOMPOグループの前中期経営計画においては、グループの実質的な収益力と資本効率を示すために、修正連結利益と修正連結ROEを経営指標に用いております。5年間の中期経営計画の最終年度にあたる2020年度のSOMPOグループ全体の修正連結利益は過去最高となる2,021億円、修正連結ROEは8.0%となりました。なお、2020年11月に発表した通期業績予想は、修正連結利益が2,000億円、修正連結ROEが8.5%でありました。
当社グループは、親会社であるSOMPOホールディングス株式会社のもと、国内損害保険事業や海外保険事業などを通じて、SOMPOグループの中期経営計画の達成に向けて取り組んでまいりました。国内自然災害の影響を除くと各事業の収益基盤は着実に成長しており、SOMPOグループ全体の修正連結利益に占める割合は、国内損害保険事業が64%、海外保険事業が15%となっております。
② 新中期経営計画(2021~2023年度)
◆経営環境および経営戦略
気候変動による自然災害の多発や激甚化、国内における急速な少子化・高齢化に加え、低金利環境の長期化やテクノロジーの指数関数的進化による既存ビジネスモデルの変革など、SOMPOグループを取り巻く環境は大きく変化しております。また、新型コロナウイルス感染症の影響も、未だ多くの企業の経営基盤に影響を与え、ステークホルダーの生命や健康を脅かし続けております。これらはいずれも、国連が提唱するSDGs(持続可能な開発目標)等に通じる社会共通の課題となっております。
SOMPOグループはこうした急激な変化に敏捷かつ柔軟に対応し、資本・リスク・リターンのバランスを適切にコントロールするERM(戦略的リスク経営)を実践していくことで強固な経営基盤を維持するとともに、すべての社員、お客さま等の安全が確保されるよう、各企業において感染症対策等も引き続き徹底してまいります。そして、「安心・安全・健康のテーマパーク」を通じて社会に価値を提供し続け、それにより、あらゆる人が自分らしい人生を健康で豊かに楽しむことのできる社会を実現することを「SOMPOのパーパス」として、経営戦略の根幹に位置づけて取り組んでまいります。
「安心・安全・健康のテーマパーク」とは、安心・安全・健康という抽象的な概念を目に見える形に変え、社会の中心である「人」の人生に寄り添い、デジタルテクノロジーなどのあらゆる先進技術を適切に活用することで、事業を通じて社会課題を解決するとともに、お客さまの人生や暮らしをひとつなぎで支えていく存在として社会貢献を果たす当社グループの目指す姿です。
SOMPOグループは、あらゆるリスクに対する備えをご提供し、事故や災害を未然に防ぎ、レジリエントな社会に貢献することで、社会が直面する未来のリスクから人々を守ってまいります。また、健康長寿に向けたソリューションをご提供し、持続可能な高齢社会に貢献することで、健康で笑顔あふれる未来社会を創ってまいります。そして、それらの取組の中で、経済・社会・環境が調和したグリーンな社会づくりにも貢献してまいります。さらには、多様性ある人材の実現や、パートナーシップのプラットフォーム構築を果たすことで、未来社会を変える力を育むことも目指してまいります。
◆新中期経営計画の到達点と基本戦略
こうした社会への価値提供を具体的に進め、SDGsも積極的に経営に取り込みながら「SOMPOのパーパス」を実現することを目指して、SOMPOホールディングス株式会社はこのたび新たな3か年の中期経営計画をスタートさせることを決定しました。計画は、既存事業の収益性を高めて利益の安定化を図る「規模と分散の追求」、リアルデータの利活用等による「新たな顧客価値の創造」、そして、「働き方改革」の3つの基本戦略で構成されております。それぞれの戦略には具体的な戦略と到達目標(KPI)が設定されており、修正連結利益3,000億円以上、修正連結ROE10%以上の達成およびリスク分散効果の発揮、保険の枠組みを超えたソリューションプロバイダーへの進化等に向けて取り組んでまいります。
当社グループは、SOMPOグループが掲げる新たな中期経営計画において、保険事業とその先の安心・安全・健康の領域で、お客さまにとって価値ある商品・サービスを創造することで、社会に貢献してまいります。
<新中期経営計画の全体像>
SOMPOグループの新中期経営計画におけるグループ経営数値目標は以下のとおりであります。
<グループ経営数値目標(修正連結利益・修正連結ROE・リスク分散比率・海外事業比率>
(注)2021年度以降のSOMPOグループの事業部門別修正利益、修正連結利益、修正連結ROE、リスク分散比率および海外事業比率(地域分散比率)の計算方法は、以下のとおりであります。

(3) 報告セグメントごとの経営環境、経営戦略および優先的に対処すべき課題等
① 国内損害保険事業
ア.前中期経営計画(2016~2020年度)の総括
◆KPIの達成状況
国内損害保険事業では、事業規模や実質的な収益力を表す指標として、主要事業会社である損害保険ジャパン株式会社の「正味収入保険料」(※)と国内損害保険事業の「修正利益」をKPIとしておりました。
5年間の中期経営計画の最終年度にあたる2020年度の損害保険ジャパン株式会社の正味収入保険料については、前年度と概ね同水準の19,034億円となりました。国内損害保険事業の修正利益については、1,301億円となり、冬季の雪害や福島県沖地震の発生などにより2020年11月発表の通期業績予想を58億円下回りましたが、前年度比では693億円増加する結果となりました。
(※) 自賠責・家計分野地震保険に関する金額および海外グループ会社へ移管した受再契約分を補正しております。
◆前中期経営計画の成果
前中期経営計画の期間中は、自然災害の激甚化等による利益の押し下げ影響があったものの、再保険戦略の転換や、既存ビジネスの収益性を強化するための構造改革に取り組むことで、利益創出につなげるとともに、将来の持続的成長のための基盤を構築してまいりました。


イ. 新中期経営計画(2021~2023年度)
◆国内損害保険事業が目指す姿
国内損害保険事業は、SOMPOのパーパスを受けてVisionとMission、ブランドスローガンを定めました。また、2021年5月に2023年度を最終年度とする3年間の中期経営計画を新たに策定しました。目指す姿の実現に向けて新中期経営計画に取り組んでまいります。

◆経営環境および経営戦略
国内損害保険マーケットにおける当社グループのシェアは約3割を占めており、現状、保険料収入は安定的に推移しております。一方、国内損害保険事業を取り巻く環境につきましては、自然災害の多発化や激甚化、デジタル技術の進化などによる産業構造やビジネスモデルの変化に加え、新型コロナウイルス感染症がお客さまの生活スタイルや事業環境へ大きな影響を与えました。
損害保険ジャパン株式会社は、このような環境変化の中においても、SOMPOグループの中核会社として、グループが目指す「安心・安全・健康のテーマパーク」を具現化するための成長戦略に取り組んでまいります。
◆新中期経営計画の到達点と基本戦略
新中期経営計画では、前中期経営計画において構築した経営基盤をベースに、「成長戦略の加速」「レジリエンスの向上」「事業基盤の強化」を3つの基本戦略として取り組み、着実な利益成長を図ってまいります。当社は、保険事業とその先の安心・安全・健康の領域で、お客さまにとって価値ある商品・サービスを創造することで、引き続き社会に貢献してまいります。
<新中期経営計画における3つの基本戦略>
◆KPI
国内損害保険事業におけるKPIは以下のとおりであります。
「正味収入保険料」については年平均成長率約1.5%を見込むとともに、「修正利益」については成長戦略の加速や収益構造改革の完遂などにより、2023年度時点で1,500億円以上を目指してまいります。

※1 事業別ROEの計算方法は、以下のとおりであります。
「事業別ROE=事業別修正利益÷配賦資本」
2 国内損害保険事業の合計値であり、自賠責・家計分野地震保険に関する金額を除いております。
3 損害保険ジャパン株式会社単体の数値であり、自賠責・家計分野地震保険を除いております。
4 損害保険ジャパン株式会社単体の数値であります。
② 海外保険事業
ア.前中期経営計画(2016~2020年度)の総括
◆KPIの達成状況
海外保険事業では、実質的な収益力を示すため、「修正利益」をKPIとしております。2016年~2019年の4年間で修正利益は2.5倍超となり、グループ利益への貢献度を高めてまいりました。2020年度の修正利益については、新型コロナウイルスや自然災害等の影響により、前年度を200億円下回る300億円となりました。
◆前中期経営計画の成果
2017年のEndurance Specialty Holdings Ltd.買収後、グローバルプラットフォームを通じたオーガニック成長(既存事業を活用した成長)と規律あるM&Aを一貫した戦略としながら、事業を拡大させてまいりました。
特に農業保険においては、Sompo Internationalの農業保険グローバルブランドであるAgriSompoの強化に向けて、米国の農業保険を提供しているCGB Diversified Services, Inc.の買収などを行い、その結果、合算元受収入保険料が2,000億円を超える、米国および世界の農業保険において確固たるポジションを確立しました。
イ. 新中期経営計画(2021~2023年度)
◆経営環境および経営戦略
新型コロナウイルス感染症の拡大や多くの自然災害による保険損失の増加など、2020年は世界の損害保険マーケット全体にマイナス影響を与える事象が複数発生し、引き続き不確実性の高い状況にあると認識しております。一方、このような環境下で新たなリスクに対する保険カバーのニーズは増しており、企業分野では大規模災害やソーシャルインフレーションによる賠償額の高騰化などに伴い、マーケットのハード化が継続し、収入保険料の増加につながっております。
このような環境下、海外保険事業では引き続きグローバルプラットフォームを通じたオーガニック成長と規律あるM&Aの両輪を通じてグループ利益に貢献してまいります。

◆新中期経営計画の到達点と基本戦略
海外保険事業においては、グループの基本戦略の1つとなる、規模と分散を通じたさらなる成長と収益性に資する取り組みとして、コマーシャル分野ではマーケットのハード化を踏まえた保険料収入の増加、損害率の改善、ポートフォリオの最適化、成長と分散の加速を支えるボルトオンM&Aなどを実施してまいります。リテール分野では収益性向上と中長期的な成長を目指し、経営企画、法務、財務、人事、IT開発などの間接部門の統合によるオペレーションの効率化に取り組み、統合されたグローバルネットワークを通じて、ベストプラクティスやノウハウを他国や他地域に提供してまいります。これらの取組を通して、社会課題の解決と企業価値向上を目指してまいります。
また、迅速かつ全体戦略に沿った意思決定や機動的な資本政策を遂行し、新たなリスク・ニーズに対するソリューションの提供ができるよう、リテール各社をSompo International Holdings Ltd.傘下に移行する組織再編を引き続き進めるとともに、先進国のコマーシャル事業と新興国のリテール事業の実質的な一体運営を確保してまいります。
◆KPI
海外保険事業におけるKPIは以下のとおりであります。実質的な収益力を示すため、全体では引き続き「修正利益」をKPIといたします。また、コマーシャル分野につきましては、「グロス保険料成長率」と「E/Iコンバインド・レシオ」もKPIとして設定し、収益性を伴う成長、規模と分散への貢献を実現させてまいります。

※ グロス保険料成長率およびE/Iコンバインド・レシオは、コマーシャル分野固有のKPIであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。また、文中の当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標(以下「KPI」といいます。)の各数値については、本有価証券報告書提出日現在において、予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。
(1) 経営方針
当社グループは、SOMPOホールディングス株式会社が定める以下のグループ経営理念およびSOMPOグループが中長期的に実現を目指す社会および社会に提供する価値を示した「SOMPOのパーパス」に沿った事業活動を行います。
(グループ経営理念)
SOMPOグループは、お客さまの視点ですべての価値判断を行い、保険を基盤としてさらに幅広い事業活動を通じ、お客さまの安心・安全・健康に資する最高品質のサービスをご提供し、社会に貢献します。
(SOMPOのパーパス)

(2) 経営環境、経営戦略および優先的に対処すべき課題等
① 前中期経営計画(2016~2020年度)の総括
SOMPOグループの前中期経営計画においては、グループの実質的な収益力と資本効率を示すために、修正連結利益と修正連結ROEを経営指標に用いております。5年間の中期経営計画の最終年度にあたる2020年度のSOMPOグループ全体の修正連結利益は過去最高となる2,021億円、修正連結ROEは8.0%となりました。なお、2020年11月に発表した通期業績予想は、修正連結利益が2,000億円、修正連結ROEが8.5%でありました。
当社グループは、親会社であるSOMPOホールディングス株式会社のもと、国内損害保険事業や海外保険事業などを通じて、SOMPOグループの中期経営計画の達成に向けて取り組んでまいりました。国内自然災害の影響を除くと各事業の収益基盤は着実に成長しており、SOMPOグループ全体の修正連結利益に占める割合は、国内損害保険事業が64%、海外保険事業が15%となっております。
② 新中期経営計画(2021~2023年度)
◆経営環境および経営戦略
気候変動による自然災害の多発や激甚化、国内における急速な少子化・高齢化に加え、低金利環境の長期化やテクノロジーの指数関数的進化による既存ビジネスモデルの変革など、SOMPOグループを取り巻く環境は大きく変化しております。また、新型コロナウイルス感染症の影響も、未だ多くの企業の経営基盤に影響を与え、ステークホルダーの生命や健康を脅かし続けております。これらはいずれも、国連が提唱するSDGs(持続可能な開発目標)等に通じる社会共通の課題となっております。
SOMPOグループはこうした急激な変化に敏捷かつ柔軟に対応し、資本・リスク・リターンのバランスを適切にコントロールするERM(戦略的リスク経営)を実践していくことで強固な経営基盤を維持するとともに、すべての社員、お客さま等の安全が確保されるよう、各企業において感染症対策等も引き続き徹底してまいります。そして、「安心・安全・健康のテーマパーク」を通じて社会に価値を提供し続け、それにより、あらゆる人が自分らしい人生を健康で豊かに楽しむことのできる社会を実現することを「SOMPOのパーパス」として、経営戦略の根幹に位置づけて取り組んでまいります。
「安心・安全・健康のテーマパーク」とは、安心・安全・健康という抽象的な概念を目に見える形に変え、社会の中心である「人」の人生に寄り添い、デジタルテクノロジーなどのあらゆる先進技術を適切に活用することで、事業を通じて社会課題を解決するとともに、お客さまの人生や暮らしをひとつなぎで支えていく存在として社会貢献を果たす当社グループの目指す姿です。
SOMPOグループは、あらゆるリスクに対する備えをご提供し、事故や災害を未然に防ぎ、レジリエントな社会に貢献することで、社会が直面する未来のリスクから人々を守ってまいります。また、健康長寿に向けたソリューションをご提供し、持続可能な高齢社会に貢献することで、健康で笑顔あふれる未来社会を創ってまいります。そして、それらの取組の中で、経済・社会・環境が調和したグリーンな社会づくりにも貢献してまいります。さらには、多様性ある人材の実現や、パートナーシップのプラットフォーム構築を果たすことで、未来社会を変える力を育むことも目指してまいります。
◆新中期経営計画の到達点と基本戦略
こうした社会への価値提供を具体的に進め、SDGsも積極的に経営に取り込みながら「SOMPOのパーパス」を実現することを目指して、SOMPOホールディングス株式会社はこのたび新たな3か年の中期経営計画をスタートさせることを決定しました。計画は、既存事業の収益性を高めて利益の安定化を図る「規模と分散の追求」、リアルデータの利活用等による「新たな顧客価値の創造」、そして、「働き方改革」の3つの基本戦略で構成されております。それぞれの戦略には具体的な戦略と到達目標(KPI)が設定されており、修正連結利益3,000億円以上、修正連結ROE10%以上の達成およびリスク分散効果の発揮、保険の枠組みを超えたソリューションプロバイダーへの進化等に向けて取り組んでまいります。
当社グループは、SOMPOグループが掲げる新たな中期経営計画において、保険事業とその先の安心・安全・健康の領域で、お客さまにとって価値ある商品・サービスを創造することで、社会に貢献してまいります。
<新中期経営計画の全体像>

SOMPOグループの新中期経営計画におけるグループ経営数値目標は以下のとおりであります。
<グループ経営数値目標(修正連結利益・修正連結ROE・リスク分散比率・海外事業比率>

(注)2021年度以降のSOMPOグループの事業部門別修正利益、修正連結利益、修正連結ROE、リスク分散比率および海外事業比率(地域分散比率)の計算方法は、以下のとおりであります。

(3) 報告セグメントごとの経営環境、経営戦略および優先的に対処すべき課題等
① 国内損害保険事業
ア.前中期経営計画(2016~2020年度)の総括
◆KPIの達成状況
国内損害保険事業では、事業規模や実質的な収益力を表す指標として、主要事業会社である損害保険ジャパン株式会社の「正味収入保険料」(※)と国内損害保険事業の「修正利益」をKPIとしておりました。
5年間の中期経営計画の最終年度にあたる2020年度の損害保険ジャパン株式会社の正味収入保険料については、前年度と概ね同水準の19,034億円となりました。国内損害保険事業の修正利益については、1,301億円となり、冬季の雪害や福島県沖地震の発生などにより2020年11月発表の通期業績予想を58億円下回りましたが、前年度比では693億円増加する結果となりました。
(※) 自賠責・家計分野地震保険に関する金額および海外グループ会社へ移管した受再契約分を補正しております。
◆前中期経営計画の成果
前中期経営計画の期間中は、自然災害の激甚化等による利益の押し下げ影響があったものの、再保険戦略の転換や、既存ビジネスの収益性を強化するための構造改革に取り組むことで、利益創出につなげるとともに、将来の持続的成長のための基盤を構築してまいりました。


イ. 新中期経営計画(2021~2023年度)
◆国内損害保険事業が目指す姿
国内損害保険事業は、SOMPOのパーパスを受けてVisionとMission、ブランドスローガンを定めました。また、2021年5月に2023年度を最終年度とする3年間の中期経営計画を新たに策定しました。目指す姿の実現に向けて新中期経営計画に取り組んでまいります。

◆経営環境および経営戦略
国内損害保険マーケットにおける当社グループのシェアは約3割を占めており、現状、保険料収入は安定的に推移しております。一方、国内損害保険事業を取り巻く環境につきましては、自然災害の多発化や激甚化、デジタル技術の進化などによる産業構造やビジネスモデルの変化に加え、新型コロナウイルス感染症がお客さまの生活スタイルや事業環境へ大きな影響を与えました。
損害保険ジャパン株式会社は、このような環境変化の中においても、SOMPOグループの中核会社として、グループが目指す「安心・安全・健康のテーマパーク」を具現化するための成長戦略に取り組んでまいります。
◆新中期経営計画の到達点と基本戦略
新中期経営計画では、前中期経営計画において構築した経営基盤をベースに、「成長戦略の加速」「レジリエンスの向上」「事業基盤の強化」を3つの基本戦略として取り組み、着実な利益成長を図ってまいります。当社は、保険事業とその先の安心・安全・健康の領域で、お客さまにとって価値ある商品・サービスを創造することで、引き続き社会に貢献してまいります。
<新中期経営計画における3つの基本戦略>

◆KPI
国内損害保険事業におけるKPIは以下のとおりであります。
「正味収入保険料」については年平均成長率約1.5%を見込むとともに、「修正利益」については成長戦略の加速や収益構造改革の完遂などにより、2023年度時点で1,500億円以上を目指してまいります。

※1 事業別ROEの計算方法は、以下のとおりであります。
「事業別ROE=事業別修正利益÷配賦資本」
2 国内損害保険事業の合計値であり、自賠責・家計分野地震保険に関する金額を除いております。
3 損害保険ジャパン株式会社単体の数値であり、自賠責・家計分野地震保険を除いております。
4 損害保険ジャパン株式会社単体の数値であります。
② 海外保険事業
ア.前中期経営計画(2016~2020年度)の総括
◆KPIの達成状況
海外保険事業では、実質的な収益力を示すため、「修正利益」をKPIとしております。2016年~2019年の4年間で修正利益は2.5倍超となり、グループ利益への貢献度を高めてまいりました。2020年度の修正利益については、新型コロナウイルスや自然災害等の影響により、前年度を200億円下回る300億円となりました。
◆前中期経営計画の成果
2017年のEndurance Specialty Holdings Ltd.買収後、グローバルプラットフォームを通じたオーガニック成長(既存事業を活用した成長)と規律あるM&Aを一貫した戦略としながら、事業を拡大させてまいりました。
特に農業保険においては、Sompo Internationalの農業保険グローバルブランドであるAgriSompoの強化に向けて、米国の農業保険を提供しているCGB Diversified Services, Inc.の買収などを行い、その結果、合算元受収入保険料が2,000億円を超える、米国および世界の農業保険において確固たるポジションを確立しました。
イ. 新中期経営計画(2021~2023年度)
◆経営環境および経営戦略
新型コロナウイルス感染症の拡大や多くの自然災害による保険損失の増加など、2020年は世界の損害保険マーケット全体にマイナス影響を与える事象が複数発生し、引き続き不確実性の高い状況にあると認識しております。一方、このような環境下で新たなリスクに対する保険カバーのニーズは増しており、企業分野では大規模災害やソーシャルインフレーションによる賠償額の高騰化などに伴い、マーケットのハード化が継続し、収入保険料の増加につながっております。
このような環境下、海外保険事業では引き続きグローバルプラットフォームを通じたオーガニック成長と規律あるM&Aの両輪を通じてグループ利益に貢献してまいります。

◆新中期経営計画の到達点と基本戦略
海外保険事業においては、グループの基本戦略の1つとなる、規模と分散を通じたさらなる成長と収益性に資する取り組みとして、コマーシャル分野ではマーケットのハード化を踏まえた保険料収入の増加、損害率の改善、ポートフォリオの最適化、成長と分散の加速を支えるボルトオンM&Aなどを実施してまいります。リテール分野では収益性向上と中長期的な成長を目指し、経営企画、法務、財務、人事、IT開発などの間接部門の統合によるオペレーションの効率化に取り組み、統合されたグローバルネットワークを通じて、ベストプラクティスやノウハウを他国や他地域に提供してまいります。これらの取組を通して、社会課題の解決と企業価値向上を目指してまいります。
また、迅速かつ全体戦略に沿った意思決定や機動的な資本政策を遂行し、新たなリスク・ニーズに対するソリューションの提供ができるよう、リテール各社をSompo International Holdings Ltd.傘下に移行する組織再編を引き続き進めるとともに、先進国のコマーシャル事業と新興国のリテール事業の実質的な一体運営を確保してまいります。
◆KPI
海外保険事業におけるKPIは以下のとおりであります。実質的な収益力を示すため、全体では引き続き「修正利益」をKPIといたします。また、コマーシャル分野につきましては、「グロス保険料成長率」と「E/Iコンバインド・レシオ」もKPIとして設定し、収益性を伴う成長、規模と分散への貢献を実現させてまいります。

※ グロス保険料成長率およびE/Iコンバインド・レシオは、コマーシャル分野固有のKPIであります。