有価証券報告書-第48期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/24 9:00
【資料】
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【項目】
147項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「幸せはこぶ住まいづくり」、「買っていただいたお客様に幸せになっていただくこと」を事業の目的とし、「富士山のように日本一愛される会社」にするという想いのもと創業された会社であります。大阪府全域、兵庫県南部及び和歌山県北部を主たる営業地盤として売りっ放し建てっ放しにしないお客様に顔を向けた責任のとれる住まいづくりを経営の基本として事業を展開しております。そのため、一時的な利益や事業拡大を求めるのではなく、長期的な安定経営によるつぶれない会社づくりが重要であると考えております。長期的な安定経営には、人財が必要不可欠であり、見識、胆識、洞察力の優れた立派なリーダーを育成することが重要であることから、人は財産であるという考えのもと、当社グループでは、「人材」ではなく「人財」と表現し、次のような経営理念と社訓を掲げております。
「経営理念」
・ 社員のため
・ 社員の家族のため
・ 顧客・取引先のため
・ 株主のため
・ 地域社会のため
・ ひいては国家のために当社を経営する
「社訓」
・ 我々はフジ住宅の社員である
・ 我々は熱意と誠意をもって仕事に接しよう
・ 我々は自己の仕事の責任と重要性を認識しよう
・ 我々は感謝と奉仕の精神をもって仕事をしよう
・ 我々は顧客・取引先に感謝されるような仕事をしよう
経営理念は、「社員のため」「社員の家族のため」から始まります。これは、社員と社員の家族が幸せでなければ、お客様に心から喜んでいただける仕事はできないと考えているためです。社員とその家族を大切にし、全社員が感謝の気持ちや仕事に対しての誇り、やりがい、生きがいを持つと、社員のモチベーションが高まり、社員は心からお客様を大切にすることができます。その結果、お客様をはじめ、お取引先様、株主様、地域社会、国家へと全てのステークホルダーの幸せにつながっていくと考えております。
上記の経営理念・方針を活かしながら、人財の成長に合わせて事業を拡大するという考えのもと、過去からの営業地域のさらなる深耕を図るとともに、府下最大のマーケットである大阪市内をはじめ大阪府北部地域及び兵庫県南部地域への積極的な地域拡大を図り、収益力の向上及び財務体質の強化を推進することにより、お客様、お取引先様、株主様から常に信頼され、事業を通じて社会のお役に立てる企業となることを目指しております。
(2)中長期的な会社の経営戦略
(安定した収益の確保)
不動産業界は好不調の激しい業界であるため、長期的な安定経営を行うことが重要と考え、不動産事業の中での多角化によるバランス経営を図るとともに、大阪府全域、兵庫県南部及び和歌山県北部を主たる営業地盤として地域密着型経営を行っております。
当社グループは、地域に根付いた住宅提供事業者として、新築戸建住宅、分譲マンション、改装付中古住宅の販売、土地有効活用提案によるアパート建設、サービス付き高齢者向け賃貸住宅建設、個人投資家向け一棟売賃貸アパート販売、分譲マンション管理、賃貸管理、建設関連など住宅・不動産に関するあらゆる住まいのワンストップサービス企業としてお客様に心から喜んでいただける商品及びサービスの提供を目指して参ります。また、当社グループは、つぶれない会社づくりをするため、大きな景気変動下でも揺るがない経営体質を保持し、土地有効活用事業や賃貸及び管理事業の非分譲事業の比率を高めるなど、賃貸収入を生むストック型ビジネスを拡大することで継続的に安定した収益の確保を行い、経営のさらなる安定化を目指して参ります。
(ESGに関する取り組み)
当社グループは「社員のため、社員の家族のため、顧客・取引先のため、株主のため、地域社会のため、ひいては国家のために当社を経営する」という経営理念のもと、創業以来、事業活動を通じて社会貢献活動に取り組んで参りました。現在、世界的に大きな影響を及ぼしている新型コロナウイルス感染症の拡大に対する対策や国連で採択された「SDGs」(持続可能な開発目標)など、社会課題に対する企業が果たす役割の重要性が増しております。ESG(環境・社会・企業統治)及びSDGsと地域密着型経営である当社の事業活動との関連を意識し、社会貢献に取り組むことにより、今後も社会とともに持続的に成長し、信頼される企業グループを目指して参ります。
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(新型コロナウイルス感染症の拡大による影響)
新型コロナウイルス感染症の拡大による国内外における経済活動の抑制、個人消費や企業収益の減少などが経済全体に深刻な影響を及ぼしております。当社グループにおいては、第1四半期連結会計期間に積極的な営業活動ができず、一時的に受注契約高が落ち込んだものの、それ以降は通常の営業活動に戻りました。新型コロナウイルス感染症の今後の広がり方や収束時期が不透明であることから、今後も営業活動の縮小による受注減や、サプライチェーンの不安定化による建築物件の設備等の納品遅れやウッドショックに伴う引渡しの延期、また、消費者の所得減少等に伴う一時的な購買意欲の低下による業績低迷が懸念されます。しかしながら、インバウンドの状況に影響を受けるホテル事業や、テレワークの普及に影響を受けるオフィス事業とは異なり、住宅の需要は根強いものがあり、中長期的には住まいに関する需要は続くものと考えております。そのため、新型コロナウイルス感染症による影響が、中長期的に当社グループの経営環境に大きな変化をもたらすとは考えにくく、経営方針、経営戦略等や経営環境への影響については記載しておりません。当社グループにおいては、これまでに培ったお取引先様等の協力関係を基礎として、売りっ放し建てっ放しにしないお客様に顔を向けた責任のとれる住まいづくりを着実に実行し、また、社員に対してはテレワークの推進等の安心・安全に就業できる環境の整備を行うことで、引き続き長期的な安定経営を目指して参ります。なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、有価証券報告書提出日現在で入手可能な情報に基づき想定しており、新型コロナウイルス感染症の拡大が想定以上に続き、財務諸表等に重要な影響を及ぼすことが判明した場合には、四半期報告書や臨時報告書、適時開示等において、速やかに情報開示します。
(3)目標とする経営指標
当社グループは、企業価値の向上と継続的な成長を図り、企業の経営効率を判断する指標である自己資本当期純利益率(ROE)を重要な経営指標として意識し、10%以上を目標としております。
また、財政状態の安全性及び健全性の確保のため、当連結会計年度より自己資本比率25%以上を目標とすることとしました。当社グループは不動産事業の多角化によるバランス経営を行っていることから、事業形態が異なる事業部門ごとに、定期的に事業部門別貸借対照表を作成することや、事業形態ごとに売上高に対する在庫の金額をコントロールする目標比率を設定し、事業部門ごとに在庫の回転状況を検証しております。また、全社的な安全性の指標として、在庫に対する有利子負債の額をコントロールする目標比率や、急激な土地の時価下落に備えるため純資産額に対する在庫の金額をコントロールする目標比率を設定しており、これらの指標についても定期的にモニタリングを行うことで、経営のさらなる安定化と収益力の向上を目指しております。
2019年5月8日開催の取締役会で決定しました中期利益計画(2020年3月期~2022年3月期)の最終年度となる2022年3月期の業績目標は、以下のとおりであります。
2022年3月期計画
連結売上高1,250億円
連結営業利益73億円
連結経常利益68億円
親会社株主に帰属する当期純利益46億円
ROE10%以上

(4)報告セグメントごとの経営環境
① 分譲住宅事業
分譲住宅事業では、地域密着型経営の強みを活かし、良質な分譲用地の選別や、お客様のニーズへの対応等を図り、顧客満足日本一を目指しております。また、長期的には、少子高齢化が進むにつれ新築住宅市場は縮小するため、厳しい環境になっていくことが予想されます。しかしながら、住宅業界は特定の大手企業が寡占している状態ではなく、地元の工務店や中小企業など数多くの不動産会社が存在している業界であるため、さらにシェアを増やすことができると考えております。また、新型コロナウイルス感染症の影響により自宅で過ごす時間が増えるなど新しい生活様式や、テレワークの定着といった新しいワークスタイルの変化に合わせて快適な住空間を求める世帯が増加し、住宅の購入意欲や住宅性能への関心も高まっております。
当社グループは、特許取得システム「炭の家」の使用権を当社グループ営業地域内(大阪府・兵庫県の一部・和歌山県の一部)で取得しております。「炭の家」は、炭の自浄作用を活用して外気からの有害物質を除去する独自の換気システムであり、新築戸建住宅ではこの換気システムを採用した「炭の家/ピュアエア」を販売しております。
新築戸建住宅の建築にあたっては、耐震や耐風性能と同時に、通風と気密性を両立させたフジ住宅独自の「FX-WOOD 工法」を採用する等により、国土交通省で定められた住宅性能表示制度で最も高い耐震性を表す耐震等級3を実現し、また、地震の揺れを大幅に低減する制震ダンパーを採用するなど、強度や耐震性、耐久性を追求した住まいづくりを行っております。
分譲マンションの販売においては、当連結会計年度より大阪市内及び大阪府北部を対象に、これまでに培った住まいづくりの知恵と技術を集結し、都市生活にふさわしいマンションの在り方を追求した新ブランドの都市邸宅型マンション「ブランニード」の販売を開始しました。今後、より幅広いエリア及び顧客のニーズに対応できるマンションの供給を行って参ります。
このように、独自の商品による競合他社との差別化やお客様にとって安心できる住まいづくりを提供することにより、少子高齢化社会による市場の縮小や新型コロナウイルス感染症等による経済活動への影響など、様々な要因によって経営環境が大きく変化する中においても、引き続き地域密着型経営を行い営業地域内でのシェアを増やすことで、事業の拡大を図ることが十分できると考えております。
② 住宅流通事業
当社グループは、新築住宅に加えて中古一戸建住宅や中古マンションを取り扱うことによって、住宅販売での多角経営の強みを活かしております。新築住宅に比べ低価格帯である中古住宅の需要は根強く、中古住宅の需要は一層高まっております。また、既存住宅を活かし再生させる住宅流通事業では、人口減少にともなう空家増加問題を解決し、新築住宅の建築と比較して二酸化炭素の排出量や木材の使用量等を大幅に抑えられることから、新たな建設にかかるエネルギー消費を抑え、持続可能な社会へ貢献することができる事業となっております。
当社グループの住宅流通事業では、中古住宅の買い取りを行い、リフォームし、安心して購入していただけるように独自のアフターサービス保証を付けて販売しております。
中古住宅販売は、新築住宅に比べ低価格帯である中古住宅を取り扱うため、1物件当たりの利益額は少なくなりますが、取り扱い物件数を増やすことでセグメント利益を確保する事業です。そのため、物件取得から引渡しまでの在庫保有期間が長期化することは、資金効率を低下させ、財務体質の悪化を招く可能性があります。当社グループでは、在庫保有期間は半年を目途に設定し、在庫回転率を意識した効率的な販売を行うことで、収益及び資金の両面からバランスのとれた経営を行って参ります。
③ 土地有効活用事業
建築コストの高止まり等により厳しい事業環境が続いておりますが、土地有効活用事業は資産承継や相続税対策を背景とした需要の高い事業であります。また、少子高齢化が進むにつれて、今後もサービス付き高齢者向け賃貸住宅の需要が一層高まっていくことが予想されます。さらに、金融緩和の影響を受け、個人投資家向け一棟売り賃貸アパートについても引き続き需要が見込まれる状況となっております。
当社グループの土地有効活用事業では、100%紹介営業を行っており、オーナー様にとって有益とならない、また、アパート等の経営をするには厳しい立地であると当社グループが判断した場合は、オーナー様及び紹介者の信頼を裏切らないよう、建築請負をお断りしております。このような経営姿勢によって、既オーナー様のリピート受注率は競合他社と比べて高くなっており、引き続きリピート率のさらなる向上を目指すとともに、「日本一愛される土地有効活用事業部」を目指した経営を行って参ります。
④ 賃貸及び管理事業
今後、人口流入や少子高齢化により、都市部における賃貸住宅及びサービス付き高齢者向け賃貸住宅の需要の拡大が予想されます。良質の賃貸・管理サービスは提案型の建築請負の営業支援となり、引渡し後の賃貸管理の引き受けと併せて、土地有効活用事業と相乗効果が高い事業となっております。
サービス付き高齢者向け賃貸住宅「フジパレスシニア」では、「自分の親を安心して預けられる住まい」をコンセプトに、介護業者スタッフが24時間常勤し、巡回や見守りを行い安否確認を万全に整えるなど安心・安全なサービスの確保や、健康面でバランスのとれた食事の提供を行っております。また、全戸個室でありながら家賃は低価格を実現するなど、入居者や入居者のご家族のさまざまなニーズに応えております。
経営のさらなる安定化を目指し、非分譲事業である賃貸及び管理事業の比率を高め、継続的に安定した収益の確保を行うため、引き続き顧客満足度の高いサービスの提供に注力して参ります。
⑤ 建設関連事業
前連結会計年度において、土地有効活用事業の需要へのさらなる対応に向けて、鉄骨造や鉄筋コンクリート造等の建築工事で実績のある雄健建設㈱、関西電設工業㈱及び日建設備工業㈱の3社を株式取得の方法により、100%連結子会社化しました。
建設関連事業では、土地有効活用事業とリンクしたサービス付き高齢者向け賃貸住宅「フジパレスシニア」において木造以外の住宅提供を行うほか、建築工事や土木工事を中心とした公共工事も行っております。工事の大小を問わず、「お客様に満足・安心・信頼を提供する」という考えをもとに、ご利用になる方々の気持ちになって施工を実施しております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループが対処すべき主な課題は以下のとおりです。
① 優秀な人財の採用及び育成並びに働き甲斐のある環境の整備
当社グループの長期的な安定経営を継続するためには、能力と熱意を兼ね備え、当社グループの経営理念・方針や価値観に共感する優秀な人財を採用すること、また、そのような人財が長期にわたってやりがいを感じるとともに明るく元気にイキイキとストレスのない働きやすい就業環境を整備することが、重要であると考えております。業績向上の原動力は、経営理念や方針の理解、実践と同一の価値観を共有する人財の育成にあると考え、役員を含め社員、パート社員全員が全員を評価する人事評価システムを採用し、直属の上司からの評価にとどまらず、他部署を含めた部下や同僚など全方面から評価する360度の公平・公正な人事評価・査定を行うことで、年齢に関係なく実力・実績に応じた役職に登用しております。加えて、社員の専門的かつ高度な知識獲得のために資格取得支援制度を充実させることで、各種業務資格の取得を促進しております。働きやすい環境の整備としましては、いつでも電話相談できる健康相談ダイヤル活用の積極的な推奨、テレワークによる柔軟な働き方の推進、パートタイマーを含め全役職員対象の診断項目の充実した健康診断の実施、部屋型の高気圧酸素ボックスを社内に設置することで打ち合わせや休憩に利用できるようにするなど、社員が働きやすく、健康を維持できる就業環境づくりを行っております。当社グループは、社員の健康管理に積極的に取り組む企業として、経済産業省が東京証券取引所と共同で選定を行う「健康経営銘柄」に2016年、2018年、2019年の3回選定されました。また、2021年3月4日付で経済産業省が日本健康会議と共同で認定を行う「健康経営優良法人2021 大規模法人部門(ホワイト500)」にも認定されました。こちらは初年度より5年連続での認定となっております。経営トップが先頭に立ち、全ての社員が健康への意識を高め、心身の健康を維持できるよう、枠にとらわれず柔軟性を活かし様々な環境を整えていることを評価いただいたものと認識しております。さらに、2018年度には総務省が表彰する「テレワーク先駆者百選 総務大臣賞」を受賞しており、当連結会計年度には一般社団法人日本テレワーク協会主催の「第21回テレワーク推進賞」において「優秀賞」を受賞しました。「テレワーク推進賞」は、一般社団法人日本テレワーク協会が「ICT(情報通信技術)を活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方」であるテレワークの一層の普及促進を目的とした取組みの一環として、2000年度より実施しているもので、今回、コロナ禍において多数の企業がテレワークを実施する中での「テレワーク推進賞 優秀賞」の受賞はたいへん光栄なことであります。今後も継続的に優秀な人財を採用し、社員が長く活躍できる環境づくりを進めて参ります。
② 認知度の向上
当社グループは大阪府全域、兵庫県南部及び和歌山県北部を主たる営業地盤として地域密着型経営を行っており、優秀な人財の確保、お客様からの信頼向上、お取引先様との良好な関係の維持及び安定的な株主構造の構築のため、より一層の当社グループの社会的な認知度の向上が必要となります。
当社グループでは、社会貢献の一環として、多くの地域活動を実施しております。地域に愛されるきれいな道路づくりや地域の環境美化のため、本社ビルや各店舗の前面道路を含む周辺道路一帯の道路清掃を行っており、また、建築現場ではごみの分別や整理整頓、週1回の現場一斉清掃などを行っております。さらに、地域防犯活動の一環として、青色回転灯を装備したパトロールカーで地域を巡回する「フジ住宅青色防犯パトロール隊」により週1回下校時間にパトロールを行うなど、企業として地域防犯にも取り組んでおります。これらの地域活動が、認知度の向上につながっております。
これからも、安全で住みよい街づくりへ貢献し、地域に根付いた住宅提供事業者として、認知度の向上に努めて参ります。
③ 既存事業による収益基盤の維持・強化
好不調の激しい不動産業界においては、長期的な安定経営を行うことが重要と考えております。大きな景気変動下でも揺るがない経営体質の保持のため、当社グループでは、分譲住宅事業、住宅流通事業、土地有効活用事業、賃貸及び管理事業、建設関連事業と不動産事業の中での多角化を図っております。経営の安定化・つぶれない会社づくりを重点にした基本方針を継続し、土地有効活用事業や賃貸及び管理事業の非分譲事業の比率を高めることにより、経営のさらなる安定化を目指して参ります。

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