有価証券報告書-第110期(2023/10/01-2024/09/30)

【提出】
2024/12/23 15:21
【資料】
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【項目】
132項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループを取り巻く事業環境は、コロナ禍を経て経済活動の正常化が進む中で、個人消費は持ち直しの動きが見えてきております。しかしながら、ウクライナ情勢、中東問題や国際的な原材料価格や燃料価格の高騰及び急速な円安の進行に伴う物価上昇等、さらなるインフレ懸念が予測されるなど厳しい経済状況が今後も続くと見込まれます。なお、県内においては、海外半導体企業の進出に伴う人流の活性化、外航の新規就航によるインバウンド需要の高まりなど景気が循環し一定の経済効果も見られ始めました。
こうした状況のなか、当社グループの課題は、公共交通相互間のアクセス向上策を推進し、公共交通の利用促進と合わせて、観光需要の取り込みを図ることにあります。さらに、既存事業の拡大、保有不動産の有効活用、将来計画の着実な進捗による「成長基盤の構築」を図り、株式上場も視野に入れたグループの企業価値を最大限に高めることにあります。
翌連結会計年度は、経営方針の「選ばれる存在になる」、経営スローガンの「熊本貢献企業としての自覚を持とう~プラス1の行動を~」を掲げ、社員1人ひとりが経営方針及び経営スローガンを強く意識し自らの行動に反映させ、個々のお客様のニーズに応じたサービスや商品の提供により収益を獲得し(顧客本位、需要創造)、お客様に選んで頂ける商品造成及びサービスの提供に注力(価値向上、営業力の強化)、更に社員満足度向上も同時に掲げ、収益確保に努めてまいります。
セグメント別の主な課題は以下のとおりであります。
① 自動車運送事業
自動車運送事業においては、お客様や従業員の安全に十分注意しお客様に安心してご利用いただけるよう車内環境の整備に努め、公共交通相互間のアクセス向上策や乗継情報をはじめとする商品情報の提供を充実し利用しやすい商品開発をすることで、交通機関の利用促進を図ることにあります。また、運転士不足も深刻化しており、その対策として待遇改善やダイヤの効率化等の施策を行ってまいります。
路線バス事業においては、継続して輸送人員の減少を食い止めることが最大の課題であります。また、渋滞が重なるエリアにおいては、時刻表を守れるダイヤを目指すとともに、バスロケーションシステム「バスきたくまさん」の導入後に得られた運行データを活用し柔軟かつ実効性の高いダイヤ改正を行い、「バスはいつ来るのか」というお客様の不安を解消し、利便性を高めてまいります。
高速バス事業においては、観光需要の高まりやイベントの増加により国内外の利用者は復調しております。また阿蘇山の噴火影響による観光客の回復に対応すべく、既存路線における利用者の安定確保と新規需要の創出を目指し、予約サイトの充実、新サービス及び新商品開発等を積極的に展開するとともに、利用者ニーズを的確に把握した事業計画を推進し、機動的な路線展開、運賃施策を目指してまいります。
貸切バス事業においては、乗務職員(運転士及びガイド)や保有車両を効率的に活用することによる収入拡大に加え、将来的には重複する運行管理体制の効率化によるコスト低減を行ってまいります。
また、バス車両及び施設の計画的な設備投資等により、安全・安心・快適な良質の輸送サービスの提供及び法令順守による安全性の向上に努めてまいります。
② 食堂・売店事業
食堂・売店事業においては、お客様のニーズに最適な形でお応えできるよう、日頃からの衛生管理に加え、安心・安全な商品を提供すべくお客様の視点に立った商品の開発及び販売、現場力を強化した店舗作りを通じて集客を図るとともに、飲食部門等のFL(フードレイバー)コストの改善、粗利益の向上及び収益向上に取り組んでまいります。
また、パンデミックにより甚大な影響を受けた反省も含め、収益の確保及び収益構造の見直しとして、お客様の生活様式も変化し続ける状況に対応すべく、各店舗の増収対策、コストの抑制、人員配置の見直しを図るとともに、将来の環境変化に耐えうる集客対策、売上対策を進めてまいります。人材基盤の安定化と人材力の強化としては、配置転換やマネジメント体制の見直しや、安定した人材基盤の構築に努め、店舗スタッフ一人ひとりのスキルアップを図り、少ない人員でも安定した店舗運営が行える体制を構築すべく、店舗指導体制の見直し、研修・育成制度の導入、管理業務の負担軽減のためのオペレーション・マネジメントシステムの簡素化・適正化及び仕組みづくりに取り組んでまいります。将来に向けた事業開発準備としては、過去の成功及び失敗事例の要因分析を行い、出店基準を更に明確にすること、またリスクを分散するために既存事業の商品・販路を活用できる周辺事業の掘り起し・開発や特定の事業に集中しすぎないバランスのとれた出店を進めることにより環境変化に強い事業展開を目指してまいります。
③ 旅行業
旅行業においては、経済環境が改善傾向に進んでいる状況のなか、旅行事業の主力であった団体旅行の積極的な営業活動を再開し、個人旅行等については、熊本空港国際線就航を追い風に海外旅行商品、インバウンド対応商品及び県内バスツアー商品の拡充等を図るとともに、株式会社エイチ・アイ・エスグループ傘下企業としての強みを活かすため、株式会社エイチ・アイ・エスの仕入力・商品企画力・手配力を活用し、多様化するお客様の年齢層やニーズに応じた最適な旅行提案ができるよう取扱商品の選択と集中を行い魅力ある旅行商品の造成を推進してまいります。自社の独自ツアーとして、クルーズ船商品造成、チャーター商品造成や官公庁へのセールス強化及びWebによる商品販売を継続的に強化し、各旅行セグメントのシェアNo.1を目指すとともに、利益確保を最優先課題と捉え、販売単価の向上及び付加手数料の獲得を目指してまいります。
④ 不動産賃貸業
不動産賃貸業においては、円安傾向によるインバウンド需要急伸のなか、物価高による個人消費の引き締めによる消費マインドの鎮静化やマーケット動向及びデジタルシフト化等による事業環境変化への対応が急務と捉えております。商業施設「SAKURA MACHI Kumamoto」、「熊本桜町バスターミナル」、駐車場、ホテル、マンション及び公益施設「熊本城ホール」と他に類のない城下町の立地を有した複合施設の強みを活かし、お客様や施設スタッフへの安心・安全の提供、集客力のあるイベント企画の継続実施、既存空床区画の早期解消を図り、お客様のニーズを把握した他施設との差別化、集客を高める販売促進計画を継続的に企画実行し、売上不振店舗のリモデル、運営オペレーションの効率化及びスタッフ教育等を行ってまいります。また、今後のゾーニング計画にて次世代対応のリモデルプラン構築に取り組み、お客様から選ばれる施設として、「SAKURA MACHI Kumamoto」の世界観を醸成し、事業の安定化と向上を図ってまいります。
⑤ 整備事業
整備事業全般について、自動車運送事業では引き続き車両の安全性と安定性の確保が重要な課題であります。車両の高性能化や電装品の充実と使用年数の長期化に伴い、従来以上のメンテナンス管理及び途中故障発生時の速やかな復旧作業が重要な課題となります。
また、一般整備事業では、「すまいる館」5店舗を中心に販売している主力商品「にっこり車検」について、早い・安心・満足をお客様に感じてもらう良質な自動車整備を提供してまいります。また、近年急増しておりますリース車両のメンテナンス受託についても、更なる拡大を図ってまいります。鈑金塗装事業では、自動車の先進安全装置の普及により事故車の入庫が減少傾向にあり、八代南インター店大型鈑金工場への従業員と設備集中を推進し、増収を図ってまいります。車両販売事業では、一部国産メーカーの出荷停止措置が相次ぐなか半導体等の部品不足からの新車納期の遅延による影響は収束しつつあります。お客様の年齢層やニーズに応じた商品のご提供ができるように人的サービスの向上及びサポート体制の充実に取り組んでまいります。
⑥ 航空代理店業
航空代理店業は、委託を受ける航空会社のニーズに沿った安全性(航空機安全・作業安全)・定時性(定刻出発率・遅延回復率)・快適性(接客サービス)の基本品質向上を目指し、品質評価による業務手数料単価の引き上げ等、受託料金の拡大に取り組んでまいります。
また、コロナ禍からの回復を果たし国内線の旅客需要は堅調に推移しており国際線においては運休便の復便や新規航空会社の就航があり、さらに今後も便数や利用者数の増加が想定されます。このようななか、国内線の増便や国際線の新規受託に対応していくため引き続き採用活動に注力し人材確保に努め、その定着化に向けては、研修等を通じて社内環境の充実を図るとともに、従業員の処遇改善並びに働きやすい職場環境作りに取り組んでまいります。また、貨物取扱いについては今後も半導体関連を中心に取扱量が増えることが想定されるため、合わせて人材確保に努めるとともに、そのハンドリングに向けても技量・技術の向上に努めてまいります。
⑦ 海上運送事業
海上運送事業は、国土交通省管轄の調査観測兼清掃船(海煌)等の運航を継続的に受託する体制の確立及び運航ノウハウの蓄積を図ってまいります。インバウンド需要が回復し国内需要も高まるなかにおいて観光事業者及び陸上輸送事業者と協力したパック商品等きめ細かい商品開発を行い、需要拡大に努めてまいります。
⑧ その他
コンサルティング事業は、行政事業の受託強化を図り、九州産交グループの経営資源活用及び連携を行い熊本県内地域の情報発信や収益化を推進してまいります。また、グループECサイト「KUMATOKU」業務の安定運営強化に努めてまいります。さらに「SAKURA MACHI Kumamoto」施設内、食堂・売店事業の「旬彩館さくら」のRENGAコーナーの販売促進及びPR活動の強化に努めてまいります。

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