有価証券報告書-第12期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)
有報資料
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、今後の社会経済情勢等の諸条件により変更されることがあります。
(1) 当社の民営化について
①経緯
政府の行政改革方針に基づき、当社の前身である新東京国際空港公団(以下「公団」という。)は、平成14年12月17日に閣議決定された「道路関係四公団、国際拠点空港及び政策金融機関の改革について」において、完全民営化に向けて、平成16年度に全額政府出資の特殊会社にすることとされました。
この計画の決定を受け、成田国際空港株式会社法案が第156回国会に提出され、平成15年7月11日に成立し、同18日に公布・施行されました。これにより、平成16年4月1日、全額政府出資の特殊会社として成田国際空港株式会社が設立されました。
②成田国際空港株式会社法[平成15年法律第124号]について ※( )内は、該当条項
ア 制定の目的等
当社の設立について定めるとともに、その目的(第1条)、事業(第5条)に関する事項等について規定しています。
当社は全額政府出資の特殊会社として設立され、成田国際空港株式会社法(以下「成田会社法」という。)により政府による一定の規制を受けておりますが、将来の完全民営化を前提としており、経営の一層の効率化、利用者利便の向上を図るため、事業運営の自由度が高まり、新規事業への進出が容易となりました。
当社が成田国際空港の運営を継続し、整備を進めるためには、これまで公団が行ってきた空港周辺地域における環境対策・共生策の適切かつ確実な実施が必要であることから、これを事業として規定(第5条第1項第4・5号)するとともに、その適切かつ確実な実施を義務づけております(第6条)。
イ 概要
(ア)国土交通大臣による認可を必要とする事項
a 会社の目的を達成するために必要な事業の認可(第5条第2項)
成田国際空港の施設の建設・管理や成田国際空港内での店舗運営など、成田会社法に列挙された事業以外の事業を行おうとするときは、あらかじめ国土交通大臣の認可を受けなければならない。
b 発行する株式、募集新株予約権若しくは募集社債を引き受ける者の募集、株式交換に際する株式、社債若しくは新株予約権の発行、弁済期限が1年を超える資金借入の認可(第9条)
会社法第199条第1項に規定するその発行する株式、同法第238条第1項に規定する募集新株予約権、若しくは同法第676条に規定する募集社債(社債、株式等の振替に関する法律第66条第1号に規定する短期社債を除く。)を引き受ける者の募集をし、株式交換に際して株式、社債(社債、株式等の振替に関する法律第66条第1号に規定する短期社債を除く。)若しくは新株予約権を発行し、又は弁済期限が1年を超える資金を借り入れようとするときは、国土交通大臣の認可を受けなければならない。
c 代表取締役等の選定等の決議の認可(第10条)
代表取締役又は代表執行役の選定及び解職並びに監査役の選任及び解任又は監査委員の選定及び解職の決議は、国土交通大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
d 事業計画の認可(第11条)
毎事業年度の開始前に、国土交通省令で定めるところにより、当該事業年度の事業計画を国土交通大臣に提出して、その認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
e 重要な財産の譲渡等の認可(第12条)
国土交通省令で定める重要な財産を譲渡し、又は担保に供しようとするときは、国土交通大臣の認可を受けなければならない。
f 定款の変更等の認可(第13条)
定款の変更、剰余金の配当その他の剰余金の処分、合併、分割及び解散の決議は、国土交通大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(イ)その他の規制事項
a 国土交通大臣が定める基本計画への適合(第3条)
成田国際空港及び成田国際空港における航空機の離陸又は着陸の安全を確保するために必要な航空法第2条第5項に規定する航空保安施設の設置及び管理は、国土交通大臣が定める基本計画に適合するものでなければならない。
b 財務諸表の提出(第14条)
毎事業年度終了後3月以内に、その事業年度の貸借対照表、損益計算書及び事業報告書を国土交通大臣に提出しなければならない。
c 国土交通大臣の監督・命令権限等(第15・16条)
国土交通大臣は、成田会社法の定めるところに従い当社を監督し、業務に関し監督上必要な命令をすることができるとともに、成田会社法を施行するために必要があると認めるときは、当社に対する報告の指示及び検査をすることができる。
(ウ)政府の財政支援
a 資金の貸付け(第8条)
成田国際空港は日本の社会経済活動を支える国際拠点空港としての公共性を有することから、成田国際空港が空港の機能に関わる基本的な施設の大規模な機能拡充及び大規模な災害を被った場合の復旧事業などに対しては政府が財政支援を行うことも必要となり得るという趣旨から、政府は、予算の範囲内において、当社に対し、空港の基本的な施設(滑走路等)並びに航空保安施設の設置及び管理事業に要する経費に充てる資金を無利子で貸付けることができる。
b 政府の出資(附則第14条)
上記aと同一の趣旨から、政府は、将来の完全民営化を目指す当社が経営基盤を確立するまでの当分の間、必要があると認めるときは、予算の範囲内において、当社に出資することができる。
c 債務保証(附則第15条)
政府は、将来の完全民営化を目指す当社が経営基盤を確立するまでの当分の間、国会の議決を経た金額の範囲内において、当社が空港機能を確保するために必要な事業に要する経費に充てるために発行する社債に係る債務について、保証契約をすることができる。
(エ)特例措置
a 一般担保(第7条)
社債権者は、当社の財産について、民法の規定による一般の先取特権に次いで優先弁済を受けることができる。
(オ)権利義務の承継等
a 権利義務の承継(附則第12条第1項)
本規定に基づき、公団は、当社の成立の時(平成16年4月1日)において解散し、その一切の権利及び義務は、その時において当社が承継している。
b 無利子貸付金(附則第12条第2・3項)
本規定に基づき、公団の解散時(平成16年4月1日)における政府の公団に対する出資金のうち政令で定める金額(1,496億5,300万円:成田会社法施行令附則第3条)は、公団の解散の時において、政府の当社に対する無利子貸付金とされ、当社は、毎会計年度3月31日までに、111億円を政府に償還することとなっている(残余額が111億円に満たない会計年度は、当該残余額を償還)(成田会社法施行令附則第5条第1項)。
なお、災害その他特別の事情により当該無利子貸付金の償還が著しく困難と認められるときは、政府は、償還期限を延長することができる(成田会社法施行令附則第5条第3項)。また、当社は、その判断により111億円を超えて無利子貸付金を償還することができる(成田会社法施行令附則第5条第2項)。
(2) 事業に係る法律関連事項
成田国際空港は、航空法や空港法などの法律の規制の適用を受けています。
当社が、空港等又は航空保安施設の設置(航空法第38条)・変更(同第43条)等を行う際には国土交通大臣の許可を受けなければなりません。また、空港供用規程の制定又は変更を行う際には国土交通大臣に届け出なければならず、国土交通大臣は、その内容が不適合と認めたときには変更命令を行うことができるとされています(空港法第12条)。また、空港の保安を確保するために遵守すべき事項を定めた空港保安管理規程を国土交通大臣に届け出なければならず、国土交通大臣は、その内容が不適合と認めたときは変更命令を行うことができるとされています(航空法第47条の2)。
当社が、着陸料などの空港使用料金を定めようとするときは、あらかじめ、国土交通大臣に届け出なければならないこととされ、国土交通大臣は、届け出られた料金が、特定の利用者に対し、不当な差別的取り扱いをするもの
であるとき又は社会的経済的事情に照らして著しく不適切であり、利用者が当該空港を利用することを著しく困難にするおそれがあるものであるときには、変更命令を行うことができるとされております(空港法第13条)。
また、当社が航空燃料輸送のために行っている千葉港と成田国際空港間の石油パイプライン事業については、主務大臣(経済産業大臣・国土交通大臣)の許可を受けなければならない(石油パイプライン事業法第5条)とともに、石油輸送に関する料金その他の条件について石油輸送規程を定めるとき又は変更するときは、主務大臣の認可を受けなければならないこととされております(同第20条)。
なお、当社は(1)②の成田会社法、上述の航空法、空港法、石油パイプライン事業法のほかにも「公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律」「特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法」などの法律の規制の適用を受けており、また当社グループは、それぞれが展開する各種事業において様々な法令・規則等の規制の適用を受けていることから、これら法的規制が変更された場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 航空機発着回数の増加について
平成22年10月に開催された四者協議会にて、年間発着回数30万回への容量拡大について合意し、平成27年3月に空港処理能力30万回化を実現しました。
なお、各種の環境の変化等により発着回数が増えない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 羽田空港国際化の影響
羽田空港においては4本目の滑走路と新国際線旅客ターミナルが平成22年10月に供用開始され、国際線の年間発着枠が6万回(昼間3万回、深夜早朝3万回)に拡大しました。更に、平成26年3月には昼間時間帯の国際線の年間発着枠が3万回増加し、国際線発着枠は9万回(昼間6万回、深夜早朝3万回)に拡大し、欧州・北米(カナダ)・東南アジアや中国路線への新規就航があったほか、一部未配分であった米国路線の増枠分についても、日本・米国航空当局間協議が合意に至ったことから、平成28年10月の冬ダイヤから新規就航が予定されています。
引き続き成田国際空港と羽田空港の首都圏空港が一体となって首都圏航空需要に応えていくものと推察しておりますが、今後も更なる羽田空港の国際化が進んだ場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(参考・成田国際空港平成27年度国際線航空機発着回数:18.4万回)
(5) 他の国際空港との競合
成田国際空港は、アジア・北米間の乗り継ぎ需要を中心とする三国間航空需要で東アジアの主要空港と一定の競合関係にあるといえますが、日本の経済力を背景とした旺盛な首都圏航空需要に基づく豊富なネットワークを有し、日本の表玄関としての役割を果たしていることから、この競合が成田国際空港に与える影響は限定的であると想定しております。
しかしながら、日本の経済力に大きな変化があった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 成田新高速鉄道(路線愛称名「成田スカイアクセス」)について
成田スカイアクセスは、都心(日暮里駅)と成田国際空港(空港第2ビル駅)とを最速36分で結ぶ新高速鉄道として、平成22年7月17日に開業いたしました。
当事業は、十分な検討の上で採算性を見込んでおりますが、各種の環境の変化等により事業が計画通りに進展しない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 芝山鉄道について
成田国際空港開港前年の昭和52年、芝山町が運輸省(現国土交通省)に成田国際空港の建設に関連して当時の京成電鉄本線を芝山町へ延伸するよう要望書を提出し、第3セクター方式により延伸されることになりました。
事業主体として、当社グループの芝山鉄道㈱が昭和56年に設立され、平成14年10月27日に開業いたしました。成田国際空港の中央にある京成電鉄の東成田駅から空港の地下を通り、空港南側の整備地区に隣接する「芝山千代田駅」までをつなぐ全長2.2kmの単線で、京成電鉄と相互直通運転を行っております。
芝山鉄道㈱は、厳しい経営状況が続いていることから、平成16年度から沿線自治体による補助金の交付を受けております。当社は、当該鉄道について成田国際空港を運営する上での地域共生策として不可欠な事業であると認識しております。
(8) 金利変動の影響
当社グループは、設備投資額が大きく多額の資金を債券及び借入金を中心に調達しております。(当連結会計年度末における当社グループ長期有利子債務残高(1年内に返済予定の社債及び長期借入金を含む。):457,973百万円)
よって、今後の金利動向及び格付けの変更により調達金利が変動すると、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 国際紛争、テロ、感染症の発生、天変地異、国際経済情勢の急変、事故等による影響
成田国際空港は、これまで、平成13年9月に発生した米国同時多発テロ、平成15年3月に開始されたイラク戦争、同年3月末に発生したSARS(重症急性呼吸器症候群)、平成20年秋以降の米国発世界金融危機及び平成21年4月末に発生した新型インフルエンザにより、国際線航空旅客数や国際線航空機発着回数が大幅に減少いたしました。また、平成22年4月に発生したアイスランドの火山噴火では、ヨーロッパ便で一部運休、平成23年3月に発生した東日本大震災では、東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響もあり、全方面の便において運休、減便がありました。
今後も、国際紛争、テロ、感染症の発生、天変地異、原油価格の急騰や世界の経済情勢の急変、空港運営に支障が生じる大規模な事故並びに主要な航空会社の経営悪化等により国際線航空旅客数や国際線航空機発着回数が減少した場合、さらに、これら事象の発生に伴い成田国際空港などの混雑国際空港におけるスロットの有効活用を目的とした運用方法に変更が生じる等した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)訴訟等に係るリスク
現在、当社グループが係争中の主な訴訟事件として、平成22年12月31日に千葉地方裁判所に提起された空港建設に反対する空港周辺住民らによる成田国際空港のB滑走路及び西側誘導路等の使用差し止めを求める訴訟があります。
当社グループは、事業活動を展開していく中で、第三者から訴訟の提起等を受ける可能性があります。訴訟及び法的手続き固有の不確実性により、当社グループが当事者となる訴訟及び法的手続きの結果を予測することは困難ですが、当社グループに不利な結果が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)首都圏空港の機能強化の影響
首都圏空港の機能強化に関しては、首都圏空港機能強化技術検討小委員会が取りまとめた技術的な選択肢が示され、「首都圏空港機能強化の具体化に向けた協議会」において、国、関係自治体、航空会社等の関係者間で具体化について協議が行われているところです。
このうち、成田空港の更なる機能強化については、四者協議会において、具体的な議論が進められています。
首都圏空港の機能強化の具体化の内容によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、今後の社会経済情勢等の諸条件により変更されることがあります。
(1) 当社の民営化について
①経緯
政府の行政改革方針に基づき、当社の前身である新東京国際空港公団(以下「公団」という。)は、平成14年12月17日に閣議決定された「道路関係四公団、国際拠点空港及び政策金融機関の改革について」において、完全民営化に向けて、平成16年度に全額政府出資の特殊会社にすることとされました。
この計画の決定を受け、成田国際空港株式会社法案が第156回国会に提出され、平成15年7月11日に成立し、同18日に公布・施行されました。これにより、平成16年4月1日、全額政府出資の特殊会社として成田国際空港株式会社が設立されました。
②成田国際空港株式会社法[平成15年法律第124号]について ※( )内は、該当条項
ア 制定の目的等
当社の設立について定めるとともに、その目的(第1条)、事業(第5条)に関する事項等について規定しています。
当社は全額政府出資の特殊会社として設立され、成田国際空港株式会社法(以下「成田会社法」という。)により政府による一定の規制を受けておりますが、将来の完全民営化を前提としており、経営の一層の効率化、利用者利便の向上を図るため、事業運営の自由度が高まり、新規事業への進出が容易となりました。
当社が成田国際空港の運営を継続し、整備を進めるためには、これまで公団が行ってきた空港周辺地域における環境対策・共生策の適切かつ確実な実施が必要であることから、これを事業として規定(第5条第1項第4・5号)するとともに、その適切かつ確実な実施を義務づけております(第6条)。
イ 概要
(ア)国土交通大臣による認可を必要とする事項
a 会社の目的を達成するために必要な事業の認可(第5条第2項)
成田国際空港の施設の建設・管理や成田国際空港内での店舗運営など、成田会社法に列挙された事業以外の事業を行おうとするときは、あらかじめ国土交通大臣の認可を受けなければならない。
b 発行する株式、募集新株予約権若しくは募集社債を引き受ける者の募集、株式交換に際する株式、社債若しくは新株予約権の発行、弁済期限が1年を超える資金借入の認可(第9条)
会社法第199条第1項に規定するその発行する株式、同法第238条第1項に規定する募集新株予約権、若しくは同法第676条に規定する募集社債(社債、株式等の振替に関する法律第66条第1号に規定する短期社債を除く。)を引き受ける者の募集をし、株式交換に際して株式、社債(社債、株式等の振替に関する法律第66条第1号に規定する短期社債を除く。)若しくは新株予約権を発行し、又は弁済期限が1年を超える資金を借り入れようとするときは、国土交通大臣の認可を受けなければならない。
c 代表取締役等の選定等の決議の認可(第10条)
代表取締役又は代表執行役の選定及び解職並びに監査役の選任及び解任又は監査委員の選定及び解職の決議は、国土交通大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
d 事業計画の認可(第11条)
毎事業年度の開始前に、国土交通省令で定めるところにより、当該事業年度の事業計画を国土交通大臣に提出して、その認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
e 重要な財産の譲渡等の認可(第12条)
国土交通省令で定める重要な財産を譲渡し、又は担保に供しようとするときは、国土交通大臣の認可を受けなければならない。
f 定款の変更等の認可(第13条)
定款の変更、剰余金の配当その他の剰余金の処分、合併、分割及び解散の決議は、国土交通大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(イ)その他の規制事項
a 国土交通大臣が定める基本計画への適合(第3条)
成田国際空港及び成田国際空港における航空機の離陸又は着陸の安全を確保するために必要な航空法第2条第5項に規定する航空保安施設の設置及び管理は、国土交通大臣が定める基本計画に適合するものでなければならない。
b 財務諸表の提出(第14条)
毎事業年度終了後3月以内に、その事業年度の貸借対照表、損益計算書及び事業報告書を国土交通大臣に提出しなければならない。
c 国土交通大臣の監督・命令権限等(第15・16条)
国土交通大臣は、成田会社法の定めるところに従い当社を監督し、業務に関し監督上必要な命令をすることができるとともに、成田会社法を施行するために必要があると認めるときは、当社に対する報告の指示及び検査をすることができる。
(ウ)政府の財政支援
a 資金の貸付け(第8条)
成田国際空港は日本の社会経済活動を支える国際拠点空港としての公共性を有することから、成田国際空港が空港の機能に関わる基本的な施設の大規模な機能拡充及び大規模な災害を被った場合の復旧事業などに対しては政府が財政支援を行うことも必要となり得るという趣旨から、政府は、予算の範囲内において、当社に対し、空港の基本的な施設(滑走路等)並びに航空保安施設の設置及び管理事業に要する経費に充てる資金を無利子で貸付けることができる。
b 政府の出資(附則第14条)
上記aと同一の趣旨から、政府は、将来の完全民営化を目指す当社が経営基盤を確立するまでの当分の間、必要があると認めるときは、予算の範囲内において、当社に出資することができる。
c 債務保証(附則第15条)
政府は、将来の完全民営化を目指す当社が経営基盤を確立するまでの当分の間、国会の議決を経た金額の範囲内において、当社が空港機能を確保するために必要な事業に要する経費に充てるために発行する社債に係る債務について、保証契約をすることができる。
(エ)特例措置
a 一般担保(第7条)
社債権者は、当社の財産について、民法の規定による一般の先取特権に次いで優先弁済を受けることができる。
(オ)権利義務の承継等
a 権利義務の承継(附則第12条第1項)
本規定に基づき、公団は、当社の成立の時(平成16年4月1日)において解散し、その一切の権利及び義務は、その時において当社が承継している。
b 無利子貸付金(附則第12条第2・3項)
本規定に基づき、公団の解散時(平成16年4月1日)における政府の公団に対する出資金のうち政令で定める金額(1,496億5,300万円:成田会社法施行令附則第3条)は、公団の解散の時において、政府の当社に対する無利子貸付金とされ、当社は、毎会計年度3月31日までに、111億円を政府に償還することとなっている(残余額が111億円に満たない会計年度は、当該残余額を償還)(成田会社法施行令附則第5条第1項)。
なお、災害その他特別の事情により当該無利子貸付金の償還が著しく困難と認められるときは、政府は、償還期限を延長することができる(成田会社法施行令附則第5条第3項)。また、当社は、その判断により111億円を超えて無利子貸付金を償還することができる(成田会社法施行令附則第5条第2項)。
(2) 事業に係る法律関連事項
成田国際空港は、航空法や空港法などの法律の規制の適用を受けています。
当社が、空港等又は航空保安施設の設置(航空法第38条)・変更(同第43条)等を行う際には国土交通大臣の許可を受けなければなりません。また、空港供用規程の制定又は変更を行う際には国土交通大臣に届け出なければならず、国土交通大臣は、その内容が不適合と認めたときには変更命令を行うことができるとされています(空港法第12条)。また、空港の保安を確保するために遵守すべき事項を定めた空港保安管理規程を国土交通大臣に届け出なければならず、国土交通大臣は、その内容が不適合と認めたときは変更命令を行うことができるとされています(航空法第47条の2)。
当社が、着陸料などの空港使用料金を定めようとするときは、あらかじめ、国土交通大臣に届け出なければならないこととされ、国土交通大臣は、届け出られた料金が、特定の利用者に対し、不当な差別的取り扱いをするもの
であるとき又は社会的経済的事情に照らして著しく不適切であり、利用者が当該空港を利用することを著しく困難にするおそれがあるものであるときには、変更命令を行うことができるとされております(空港法第13条)。
また、当社が航空燃料輸送のために行っている千葉港と成田国際空港間の石油パイプライン事業については、主務大臣(経済産業大臣・国土交通大臣)の許可を受けなければならない(石油パイプライン事業法第5条)とともに、石油輸送に関する料金その他の条件について石油輸送規程を定めるとき又は変更するときは、主務大臣の認可を受けなければならないこととされております(同第20条)。
なお、当社は(1)②の成田会社法、上述の航空法、空港法、石油パイプライン事業法のほかにも「公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律」「特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法」などの法律の規制の適用を受けており、また当社グループは、それぞれが展開する各種事業において様々な法令・規則等の規制の適用を受けていることから、これら法的規制が変更された場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 航空機発着回数の増加について
平成22年10月に開催された四者協議会にて、年間発着回数30万回への容量拡大について合意し、平成27年3月に空港処理能力30万回化を実現しました。
なお、各種の環境の変化等により発着回数が増えない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 羽田空港国際化の影響
羽田空港においては4本目の滑走路と新国際線旅客ターミナルが平成22年10月に供用開始され、国際線の年間発着枠が6万回(昼間3万回、深夜早朝3万回)に拡大しました。更に、平成26年3月には昼間時間帯の国際線の年間発着枠が3万回増加し、国際線発着枠は9万回(昼間6万回、深夜早朝3万回)に拡大し、欧州・北米(カナダ)・東南アジアや中国路線への新規就航があったほか、一部未配分であった米国路線の増枠分についても、日本・米国航空当局間協議が合意に至ったことから、平成28年10月の冬ダイヤから新規就航が予定されています。
引き続き成田国際空港と羽田空港の首都圏空港が一体となって首都圏航空需要に応えていくものと推察しておりますが、今後も更なる羽田空港の国際化が進んだ場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(参考・成田国際空港平成27年度国際線航空機発着回数:18.4万回)
(5) 他の国際空港との競合
成田国際空港は、アジア・北米間の乗り継ぎ需要を中心とする三国間航空需要で東アジアの主要空港と一定の競合関係にあるといえますが、日本の経済力を背景とした旺盛な首都圏航空需要に基づく豊富なネットワークを有し、日本の表玄関としての役割を果たしていることから、この競合が成田国際空港に与える影響は限定的であると想定しております。
しかしながら、日本の経済力に大きな変化があった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 成田新高速鉄道(路線愛称名「成田スカイアクセス」)について
成田スカイアクセスは、都心(日暮里駅)と成田国際空港(空港第2ビル駅)とを最速36分で結ぶ新高速鉄道として、平成22年7月17日に開業いたしました。
当事業は、十分な検討の上で採算性を見込んでおりますが、各種の環境の変化等により事業が計画通りに進展しない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 芝山鉄道について
成田国際空港開港前年の昭和52年、芝山町が運輸省(現国土交通省)に成田国際空港の建設に関連して当時の京成電鉄本線を芝山町へ延伸するよう要望書を提出し、第3セクター方式により延伸されることになりました。
事業主体として、当社グループの芝山鉄道㈱が昭和56年に設立され、平成14年10月27日に開業いたしました。成田国際空港の中央にある京成電鉄の東成田駅から空港の地下を通り、空港南側の整備地区に隣接する「芝山千代田駅」までをつなぐ全長2.2kmの単線で、京成電鉄と相互直通運転を行っております。
芝山鉄道㈱は、厳しい経営状況が続いていることから、平成16年度から沿線自治体による補助金の交付を受けております。当社は、当該鉄道について成田国際空港を運営する上での地域共生策として不可欠な事業であると認識しております。
(8) 金利変動の影響
当社グループは、設備投資額が大きく多額の資金を債券及び借入金を中心に調達しております。(当連結会計年度末における当社グループ長期有利子債務残高(1年内に返済予定の社債及び長期借入金を含む。):457,973百万円)
よって、今後の金利動向及び格付けの変更により調達金利が変動すると、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 国際紛争、テロ、感染症の発生、天変地異、国際経済情勢の急変、事故等による影響
成田国際空港は、これまで、平成13年9月に発生した米国同時多発テロ、平成15年3月に開始されたイラク戦争、同年3月末に発生したSARS(重症急性呼吸器症候群)、平成20年秋以降の米国発世界金融危機及び平成21年4月末に発生した新型インフルエンザにより、国際線航空旅客数や国際線航空機発着回数が大幅に減少いたしました。また、平成22年4月に発生したアイスランドの火山噴火では、ヨーロッパ便で一部運休、平成23年3月に発生した東日本大震災では、東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響もあり、全方面の便において運休、減便がありました。
今後も、国際紛争、テロ、感染症の発生、天変地異、原油価格の急騰や世界の経済情勢の急変、空港運営に支障が生じる大規模な事故並びに主要な航空会社の経営悪化等により国際線航空旅客数や国際線航空機発着回数が減少した場合、さらに、これら事象の発生に伴い成田国際空港などの混雑国際空港におけるスロットの有効活用を目的とした運用方法に変更が生じる等した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)訴訟等に係るリスク
現在、当社グループが係争中の主な訴訟事件として、平成22年12月31日に千葉地方裁判所に提起された空港建設に反対する空港周辺住民らによる成田国際空港のB滑走路及び西側誘導路等の使用差し止めを求める訴訟があります。
当社グループは、事業活動を展開していく中で、第三者から訴訟の提起等を受ける可能性があります。訴訟及び法的手続き固有の不確実性により、当社グループが当事者となる訴訟及び法的手続きの結果を予測することは困難ですが、当社グループに不利な結果が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)首都圏空港の機能強化の影響
首都圏空港の機能強化に関しては、首都圏空港機能強化技術検討小委員会が取りまとめた技術的な選択肢が示され、「首都圏空港機能強化の具体化に向けた協議会」において、国、関係自治体、航空会社等の関係者間で具体化について協議が行われているところです。
このうち、成田空港の更なる機能強化については、四者協議会において、具体的な議論が進められています。
首都圏空港の機能強化の具体化の内容によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。