有価証券報告書-第19期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/16 13:04
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177項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) リスクマネジメント体制について
当社はグループ経営の中核として事業運営とグループ統括機能を担っており、当社グループ全体のリスクマネジメントの推進および必要な情報の共有を図るため、グループ全体のリスク管理に関する基本方針及び管理体制を整備しております。当該基本方針及び管理体制に基づき、リスクマネジメント統括責任者を委員長とするリスクマネジメント委員会において、事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行い、リスクの未然防止・リスクの低減に取り組んでおります。
具体的には、原則半期ごとに、また必要に応じて適宜、リスクマネジメントの対象とするリスク及びリスク評価の見直しを行い、各リスクの評価結果を踏まえて、当該リスクに対する対策を策定しております。リスク評価にあたっては、各リスクの発生頻度と影響度の積をリスクレベルと定義し、これをスコア化し分析しております。その結果、一定以上のリスクレベルとなるものを重大リスク(優先的に対策を講じるべきリスク)として定めております。また、洗い出されたリスクのうち、対策の緊急度が高いものについては、リスクレベルにかかわらず重大リスクとして定めております。これらの重大リスクについては、当該リスクを所管する部署において重点施策を策定し、リスクマネジメント委員会における協議・検討を経た上で経営会議及び取締役会等に報告するとともに、定期的にその進捗状況をモニタリングする体制を構築しております。
当社では、内部統制に係る各種委員会を設置し活動を行っており、リスクマネジメント委員会においても、必要に応じてこれらの委員会との間で情報共有を行っております。なお、気候変動関連のリスクについては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおり、サステナビリティ委員会において別途詳細な検討を行っており、その検討結果及び内容の報告を受けた上で、リスクマネジメント委員会においても必要な協議を行っております。
また、実際にリスクが顕在化した場合には、BCP(事業継続計画)、情報セキュリティ、サイバーセキュリティ等、各リスクに対応したマニュアルに従い、迅速かつ適切に対応するとともに、必要に応じてリスクマネジメント委員会を招集する体制を整え、グループ全体のリスクを適切にコントロールしております。

以下に記載するリスクは、当社グループが当連結会計年度におけるリスクマネジメント委員会での審議を踏まえ、重大リスクであると認識している項目について、その対策と併せて記載したものです。なお、ここに記載したリスクは、当社グループが直面するすべてのリスクを網羅したものではありません。また、当社グループが現時点では認識していない未知のリスクや、今後その重要性が増大し、当社グループの事業、財政状態、経営成績等に重大な影響を及ぼすリスクが生じる可能性があります。
(2) 当社グループが認識する重大リスクについて
<宇宙事業>
リスク名称① 衛星通信市場における競争力低下のリスク
リスク概要技術進展や競争環境の変化により、当社の主力製品・サービスの競争力が低下し、収益性に影響を及ぼすリスク
リスクオーナー宇宙事業部門長
リスクの状況世界規模で宇宙産業市場が拡大する一方、新たな事業者が宇宙ビジネスに参入し、大規模な低軌道衛星コンステレーションによる通信サービスが本格開始される等、衛星通信事業においては競争が激化しております。また、国際情勢、とりわけ、わが国を取り巻く環境の変化を受け、宇宙空間の重要性が高まっています。
このような競争環境下において、事業領域を拡大し、宇宙事業の持続的な成長を目指すことが課題となっております。
リスクへの対策各事業ポートフォリオの特性に応じた対策を推進してまいります。
(1)通信関連事業
国内衛星通信分野においては、既存顧客に対する長期契約の提案、衛星機器や当社グループの地上局設備を活用したサービス等の提供にて事業基盤を強化し、後継衛星についてはビームや帯域に可変性を持たせることで、お客様の多様なニーズに柔軟に対応してまいります。
また、安全保障領域を含む政府主導プロジェクトへ参画し、政府系衛星の運用、観測・監視サービス等、当社の経験と知見を活かした新たなサービスの提供を進めてまいります。
グローバル・モバイル分野においては、運用中のハイスループット衛星及び今後投入予定のフルデジタル衛星を活用し、航空機・船舶等の成長市場に向けた通信サービスの提供拡大を目指してまいります。また、アジア・オセアニア地域を中心に海外における営業展開を強化してまいります。
更に、パートナー企業と連携しながら、静止衛星に非静止衛星等を加えた多層的な通信ネットワークの構築を目指してまいります。
(2)スペースインテリジェンス事業
低軌道衛星コンステレーションの構築・保有、地球観測衛星事業者等との業務提携を推進し、衛星画像販売サービスの強化による収益の拡大を目指してまいります。
(3)開拓領域
㈱Space Compassほかパートナー企業と連携しながら、HAPS(高高度プラットフォーム)を用いた通信ネットワークと、光通信技術や宇宙コンピューティング技術を取り入れた宇宙空間でのICTインフラ基盤の構築を目指してまいります。衛星量子鍵配送、宇宙状況把握等、事業領域の更なる拡大を目指してまいります。
残存リスク現在想定している対策を講じていても、低軌道衛星等を利用した新たな衛星事業者の台頭によって市場環境が急速に変化する等、当社グループの提供する通信サービスが市場における競争力を維持できない可能性があります。
新規事業への取り組みは、事前の調査や分析を入念に行い、事業パートナーの選定や設備投資の規模等についても、事業計画を策定した上で、必要な判断プロセスを経て実施しますが、技術開発の遅延や事業パートナーの経営状況、当該新規事業で想定した市場の状況変化等、当初計画と異なる状況が発生した場合には、当社グループの事業及び経営指標に影響を及ぼす可能性があります。


リスク名称② 通信衛星調達に関するリスク
リスク概要衛星・地上設備等の調達において、納期・性能・コスト面の不確実性が顕在化し、事業計画に影響を及ぼすリスク
リスクオーナー宇宙事業部門長
リスクの状況通信衛星調達の際には、調達先における製造の遅延や打ち上げの遅延または失敗等のリスクがあります。これらの事由により、予定されていた通信衛星の運用開始が遅延し、継続的なサービス提供が不可能な期間が生じた場合、当該期間における収益の低下や顧客流出の可能性があります。
また、通信衛星の製造期間中に設計上その他の要因によって予定外の支出を負担することがあります。
リスクへの対策調達スケジュールを設定する際には、打ち上げ失敗の場合を想定し、予備衛星や既存衛星によるフリートバックアップ対策、もしくは代替衛星の早期納入をより確実にするための代替衛星用の長納期品の先行発注等の対応策を講じております。
調達先への支払いに関しては、衛星の製造、打ち上げサービスともに、進捗度に応じたマイルストーン支払いとしています。衛星の製造に関しては納期遅延時には一定額の賠償金請求ができる権利を確保することでリスク低減を図っており、打ち上げサービスに関しては、衛星の完成後できるだけ速やかに打ち上げが行えるよう、衛星の予定納期に合わせて打ち上げ予定時期を設定し、製造期間中も可能な限りの契約調整を行いますが、衛星の製造が大幅に遅延した場合等、当社の希望する条件や時期での打ち上げが行えない場合があります。
保険契約については、打ち上げ時及び軌道上における運行時それぞれの保険契約を締結しております。打ち上げ危険担保保険は、初期段階において通信衛星の全部または一部が損傷を受けた際に、通信衛星の再調達、その他修復に必要な費用を填補するもので、打ち上げ時点から、通常1年間有効となっております。
残存リスク現在想定している対策を講じていても、後継衛星の製造・打ち上げが技術開発の進捗及びサプライチェーンの問題や予期せぬ事故及び地政学的な状況により遅延するリスクが想定されます。また、衛星の打上げ失敗や軌道上での損傷時の金銭補償に関しては、衛星の損傷の度合いや原因その他の要因により、打ち上げ危険担保保険では打ち上げに要する費用の全額を補償できないリスク、宇宙保険市場環境の変動による保険料高騰のリスク及び戦争危険等の絶対免責に該当する場合に損害保険の対象にならないリスクが想定されます。


リスク名称③ 通信衛星の運用に関するリスク
リスク概要衛星フリートの構成や投入タイミングを誤ることで、サービス中断や顧客対応コストが発生するリスク
リスクオーナー宇宙事業部門長
リスクの状況当社グループが保有する通信衛星は15年以上の長期にわたって使用されますが、運用期間中に製造上の瑕疵、欠陥部品、太陽活動に伴う磁気嵐、デブリや隕石等との衝突、過度の燃料消費、衛星管制上または運用上の不具合その他の要因による衛星の機能不全または運用能力低下の可能性があります。このような事態が生じた場合、サービスの提供ができないことによる収益の低下や顧客の流出、あるいは当社グループ所有の別衛星への顧客移行に係わるコスト負担等で、収益性の低下等の悪影響を及ぼす可能性があります。
リスクへの対策当社グループはこれまで、軌道上にバックアップ専用の予備衛星を保有し、運用中の衛星に不具合が生じた場合に可能な限り短期間でバックアップができる体制をとってきましたが、後継機として調達した衛星のサービス開始予定日に遅れが見込まれているため、後継衛星のサービス開始まで、バックアップ専用の予備衛星を一時的に後継機として運用する計画としました。
そのため、運用中の衛星に不具合が生じた場合は、バックアップ専用の予備衛星を維持する軌道位置ではバックアップ専用衛星への切り替えを、それ以外の軌道位置では、衛星フリート計画に基づいて、当社グループの所有する他衛星を用いたサービスの継続等可能な対応を行いますが、不具合の発生した通信衛星の能力を完全には代替できない可能性があります。
当社グループでは、打ち上げ保険が期間満了となった後に効力を生じる軌道上危険担保保険契約を、打ち上げた通信衛星ごとに締結しています。ただし、この保険は通信衛星の技術上の機能不全に起因して当社グループが負う第三者賠償責任や収益の喪失等の営業上の損害を補填するものではありません。また、宇宙保険市場環境の変動による保険料高騰のリスクに対しては、適宜、補償範囲や補償金額の見直し等を行っています。
残存リスク現在想定している対策を講じていても、不測の事態により、当社グループ所有衛星による代替機能が提供できないことによる収益低下リスクが想定されます。また、運用中の衛星の損傷時は、保険契約の補償範囲の設定や通信衛星の機能不全の要因により、損害保険の対象にならないリスク、当社に生じる損害の一部が補填されないリスクが想定されます。


<メディア事業>
リスク名称④ 放送・配信事業の事業性低下に関するリスク
リスク概要視聴環境や顧客行動の変化により、放送・配信事業の収益性が低下するリスク
リスクオーナーメディア事業部門長
リスクの状況加入者の獲得及びその維持は、当社グループの収益拡大にとって重要な要素です。2026年3月末において2,454千件の加入件数を有していますが、将来にわたって当社グループの計画どおりに加入件数が推移する保証はありません。今後、コンテンツの差別化やプロモーションの強化、キャンペーン等の各種マーケティング施策の実施にもかかわらず、同様のコンテンツを提供するインターネット経由での動画配信サービスの浸透等、競合サービスとの競争激化やユーザーの視聴習慣の変化により加入件数の減少が継続または急激に発生した場合、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、競争の激化によって有力コンテンツを獲得できなかったこと等により当社グループのサービスの魅力が低下し、既存加入者の解約が想定以上に多く発生する場合には、累計の加入件数の減少につながり、これにより当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
リスクへの対策各事業ポートフォリオの特性に応じた対策を推進してまいります。
(1)放送・配信事業
プロ野球、モータースポーツ、韓流等の重点ジャンルを軸とした主力商品への注力により、顧客獲得および契約継続率の向上に取り組んでおります。また、採算性及び将来性の観点から各種施策を精査し、コスト削減や生産性の向上を通じて、持続的な事業運営を図ってまいります。
(2)メディアソリューション事業
放送・配信事業における既存資産や放送技術を活用し、映像中継・制作・伝送・配信等の課題を解決するソリューションサービスの更なる受注拡大に取り組んでまいります。
(3)光アライアンス事業
再送信サービスでは、アライアンス先との連携強化を通じて、接続世帯数を拡大してまいります。また、CATVパススルーサービスでは、ケーブルテレビ事業者の抱える課題へのソリューション対応力を高め、利用拡大を図ってまいります。
(4)開拓領域
アニメを中心とした映像コンテンツの企画、製作投資、販売及び周辺事業を推進し、グローバルに展開可能なアニメコンテンツIPビジネスの成長を図るとともに、新規事業の創出やM&Aを含むパートナー連携により新たな収益機会の獲得に取り組んでまいります。
残存リスク動画配信サービスの台頭が一層進んでいること等から、従前よりリスクレベルが上がっていると認識しており、現在想定している対策を講じていてもなお、競争激化による加入者の減少が想定以上となる場合、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。


<全般>
リスク名称⑤ 事業投資等に関するリスク
リスク概要不採算事業や新規事業の見直し・撤退判断の遅れや、出資・投資における管理不全により、経営資源の最適配分が進まず、投下資本の毀損や減損等が生じるリスク
リスクオーナー経営管理部門長
リスクの状況当社グループは、事業拡大のために、買収等や出資、他企業との提携及び協力体制構築等の検討を行い、その結果、将来の当社グループの事業戦略や経営成績に貢献すると判断した場合には、これらを実行いたします。
しかしながら、買収等の対象事業を当社グループの経営戦略に沿って統合することができなかった場合、当社グループの期待する相乗効果が得られなかった場合、買収等の対象事業に当社グループの内部統制体制を適用することができなかった場合、または当社グループに必ずしも経験や知見の無い技術分野における問題点を含む、想定しなかった重大な問題点が買収等の後に発見された場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、買収等により多額ののれん及び無形資産を計上する可能性があり、対象事業の収益性が低下した場合にはのれん及び無形資産の減損が発生するほか、事業再編等に伴う事業売却損、事業清算損その他これに伴う損失の発生等により、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
リスクへの対策投資に係る規程を整備し、出資・投資に際しては、事業計画、内部収益率、撤退基準、その他リスク等を検討して審議・判断しております。加えて、大型出資案件については、各部門の会議を経て、代表取締役執行役員社長の諮問機関である経営会議にも付議し、取締役会でも決議を行う等、複数のチェック体制を取っており、慎重に多角的な検討を行っております。
また、適切な内部統制構築・運用のため、必要に応じて出資先への人員派遣や当社グループで定めている規程等の遵守を求め、適正に管理を行っております。投資判断時には、マイルストーンを設定し、適切なタイミングでレビューを行っており、出資後においても、各出資先の財務状況、取組方針、収益性、資本コスト、保有意義、出資の適正性等についてレビューを行い、その結果を取締役会にて検証しております。
残存リスク現在想定している対策を講じていても、市場・競争環境の変化や出資・買収後の事業管理の不徹底等により、買収等をした事業における損失の発生、投資有価証券やのれんの減損等を完全に防止することは不可能であり、投資に見合う利益を確保できる保証はありません。
また、出資先でコンプライアンスに関する問題等が発生した場合には、当社グループの社会的信用を損なう可能性があります。


リスク名称⑥ 重要情報及び個人情報の流出や取扱い、サイバーセキュリティに関するリスク
リスク概要サイバー攻撃や人的ミス等により、重要情報・個人情報の漏洩やシステム停止が発生し、事業運営や社会的信用の低下、対応コストの発生につながるリスク
リスクオーナー経営管理部門長
リスクの状況当社グループは、宇宙事業においては技術情報を含む重要な情報を、メディア事業においては提供するサービスへの加入者情報をはじめとした顧客情報をそれぞれ保有しております。当該情報がハードウェア、ソフトウェアの不具合及び人為的ミスによるシステム障害や第三者による不正アクセス等により流出した場合や、個人情報の不適切な取扱いが発生した場合は、社会的信用の低下や損害賠償その他の対応に係るコスト負担等により、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、大規模なサイバー攻撃を受けた場合、当該情報が流出するのみならず、放送・配信サービス及び衛星通信サービスの運用に支障が生じる可能性があります。
リスクへの対策当社グループは、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の認証及びプライバシーマークを取得し、情報セキュリティ・個人情報保護マネジメントシステムを構築し、厳格な情報管理を行っております。当該活動の一環で、当社グループを対象とした情報セキュリティ管理委員会・個人情報管理委員会を設置し、情報セキュリティ管理の状況をモニタリングしております。
また、セキュリティインシデント発生時の対応を行う組織としてCSIRT(シーサート、Computer Security Incident Response Team)を設置し、訓練も実施しております。一方、システム対応として、個人情報及び事業上の重要情報保管時の暗号化サーバの利用、不正侵入防止システムやウィルス対策ソフトによる感染防止、各システムによるログの取得、セキュリティ診断による脆弱性の発見等を実施しております。
更に、サイバー攻撃の多様化、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進等によるサイバーセキュリティリスクの増加等を受け、最高情報セキュリティ責任者(Chief Information Security Officer)を任命し、サイバーセキュリティへの対策を実施・強化しております。
その他、マルウェアや不正な通信の検知力強化や社内ネットワーク構築基準の見直しを実施しています。
残存リスク現在想定している対策を講じていても、新技術を用いた高度なサイバー攻撃等、現在想定している対策を超える事態の発生により、情報流出やサービスに障害が発生する可能性があります。

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