四半期報告書-第61期第3四半期(平成29年10月1日-平成29年12月31日)
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四半期連結財務諸表注記事項(IFRS)
1.報告企業
日立キャピタル㈱(以下、当社)は日本に拠点を置く株式会社であり、その株式を公開しております。要約四半期連結財務諸表は、当社及び子会社、並びにその関連会社及び共同支配企業に対する持分により構成されております。当社及び子会社からなる企業集団(以下、当社グループ)は、日本事業においては、多様化した顧客のニーズ(アカウント)に対し金融サービスを提供するアカウントソリューション、提携ベンダーの販売促進等のニーズに対し金融サービスを提供するベンダーソリューションの2事業セグメント、グローバル事業においては、地域セグメントを細分化した欧州、米州、中国、ASEANの4事業セグメントの6セグメントにわたって、リース、割賦、保険、信託等の機能の組み合わせや、日立グループをはじめとしたパートナーとの連携による金融サービスを展開しております。
要約四半期連結財務諸表は、2018年2月13日に代表執行役執行役社長兼CEO 川部誠治及び最高財務責任者である執行役 井上悟志によって承認されております。
2.作成の基礎
当社グループの要約四半期連結財務諸表は、「四半期連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(平成19年内閣府令第64号)第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たしていることから、同第93条の規定により、IAS第34号に準拠して作成しております。なお、年次連結財務諸表で求められている全ての情報が含まれていないため、前連結会計年度の連結財務諸表と併せて利用されるべきものであります。
要約四半期連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円建てで表示しており、百万円未満を切り捨てております。
IFRSに準拠した要約四半期連結財務諸表の作成において、経営者は会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行うことが義務付けられております。ただし、実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直されます。会計上の見積りの見直しによる影響は、その見積りを見直した会計期間と将来の会計期間において認識されます。
要約四半期連結財務諸表上で認識する金額に重要な影響を与える会計方針の適用に関する判断は、前連結会計年度の連結財務諸表と同様であります。
3.重要な会計方針
四半期連結会計方針
要約四半期連結財務諸表において適用する重要な会計方針は、前連結会計年度において適用した会計方針と同一であります。
なお、当第3四半期連結累計期間の法人所得税費用は、見積平均年次実効税率を基に算定しております。
4.セグメント情報
報告セグメント情報
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは報告セグメントを、日本、欧州、米州、中国、ASEANの地域毎に区分し、更に、日本においては、ビジネスモデル及びソリューションの提供先を勘案し、「アカウントソリューション」「ベンダーソリューション」の2つに区分し、6つの報告セグメントとしております。
それぞれの報告セグメントにおけるサービスの内容及びソリューションの提供先は下記のとおりであります。
(1) アカウントソリューション(日本)
当社グループのリース、割賦、保険及び信託等の多様な機能の組み合わせや、日立グループをはじめとしたパートナーとの連携により、企業、官公庁等のさまざまなニーズに対しソリューションを提供するもの。
(2) ベンダーソリューション(日本)
当社グループの主にリース、割賦等の金融サービスにより、提携ベンダーの販売促進等のニーズに対しソリューションを提供するもの。
(3) 欧州、米州、中国、ASEAN
当社グループの幅広い金融サービスや、日立グループをはじめとしたパートナーとの連携により、各地域における顧客ならびにベンダーに対しソリューションを提供するもの。
前第3四半期連結累計期間及び当第3四半期連結累計期間におけるセグメント情報は下記のとおりであります。
前第3四半期連結累計期間(自 2016年4月1日 至 2016年12月31日)
(単位:百万円) | |||||||||||
報告セグメント | その他 | 合計 | 調整額 | 連結 | |||||||
日本 | 欧州 | 米州 | 中国 | ASEAN | 計 | ||||||
アカウント ソリュー ション | ベンダー ソリュー ション | ||||||||||
売上収益 | |||||||||||
外部顧客への 売上収益 | 144,489 | 20,231 | 62,580 | 12,852 | 11,903 | 9,841 | 261,899 | 11,127 | 273,026 | △3,924 | 269,102 |
セグメント間の 内部売上収益 | 805 | 48 | ― | ― | ― | ― | 854 | 770 | 1,625 | △1,625 | ― |
計 | 145,295 | 20,280 | 62,580 | 12,852 | 11,903 | 9,841 | 262,753 | 11,898 | 274,651 | △5,549 | 269,102 |
税引前四半期利益 | 12,934 | 4,154 | 12,133 | 2,919 | 5,715 | 181 | 38,038 | 983 | 39,022 | △4,777 | 34,244 |
(注) 1 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、事業の開発及び再生により事業構造転換を図る会社等を含んでおります。
2 税引前四半期利益の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社費用等であります。
なお、全社費用は、主に報告セグメントに配分していない一般管理費であります。
3 当社グループは、最高経営意思決定者が使用する報告セグメントへ、資産及び負債を配分しておりません。
4 セグメント間取引は独立企業間価格で行っております。
5 2017年10月1日より、ヘルスケア事業の一部及びアグリ事業をベンダーソリューションへ移管したことにより、主にアカウントソリューション及びベンダーソリューションでセグメント区分の変更を行っております。なお、セグメント別の数値は、新区分にて表示しております。
当第3四半期連結累計期間(自 2017年4月1日 至 2017年12月31日)
(単位:百万円) | |||||||||||
報告セグメント | その他 | 合計 | 調整額 | 連結 | |||||||
日本 | 欧州 | 米州 | 中国 | ASEAN | 計 | ||||||
アカウント ソリュー ション | ベンダー ソリュー ション | ||||||||||
売上収益 | |||||||||||
外部顧客への 売上収益 | 153,886 | 19,689 | 74,844 | 16,044 | 12,734 | 11,678 | 288,877 | 10,639 | 299,517 | △2,719 | 296,798 |
セグメント間の 内部売上収益 | 530 | 68 | ― | ― | ― | ― | 598 | 823 | 1,422 | △1,422 | ― |
計 | 154,416 | 19,757 | 74,844 | 16,044 | 12,734 | 11,678 | 289,476 | 11,463 | 300,939 | △4,141 | 296,798 |
税引前四半期利益 | 13,630 | 4,178 | 13,261 | 2,978 | 5,869 | 733 | 40,651 | 949 | 41,601 | △5,379 | 36,221 |
(注) 1 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、事業の開発及び再生により事業構造転換を図る会社等を含んでおります。
2 税引前四半期利益の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社費用等であります。
なお、全社費用は、主に報告セグメントに配分していない一般管理費であります。
3 当社グループは、最高経営意思決定者が使用する報告セグメントへ、資産及び負債を配分しておりません。
4 セグメント間取引は独立企業間価格で行っております。
5 2017年10月1日より、ヘルスケア事業の一部及びアグリ事業をベンダーソリューションへ移管したことにより、主にアカウントソリューション及びベンダーソリューションでセグメント区分の変更を行っております。なお、セグメント別の数値は、新区分にて表示しております。
5.金融商品の公正価値
(1)金融資産の内訳及び公正価値
(単位:百万円) | |||||
前連結会計年度末 (2017年3月31日) | 当第3四半期連結会計期間末 (2017年12月31日) | ||||
帳簿価額 | 公正価値 | 帳簿価額 | 公正価値 | ||
金融資産 | |||||
ファイナンス・リース債権 | 1,124,531 | 1,168,075 | 1,140,194 | 1,176,788 | |
償却原価で測定される金融資産 | |||||
現金及び現金同等物 | 178,081 | 178,081 | 222,342 | 222,342 | |
受取手形 | 2,956 | 2,956 | 2,021 | 2,021 | |
売掛金 | 1,285,554 | 1,303,402 | 1,380,306 | 1,388,235 | |
売掛金及びその他の営業債権 | 1,288,511 | 1,306,359 | 1,382,327 | 1,390,257 | |
公債・社債 | 4,665 | 4,697 | 4,662 | 4,683 | |
預入期間が3ヵ月を超える 定期預金 | 2,500 | 2,500 | 2,500 | 2,500 | |
未収入金 | 18,100 | 18,100 | 19,936 | 19,936 | |
その他投資 | 4,623 | 4,623 | 4,729 | 4,729 | |
その他金融資産 | 346 | 346 | 714 | 714 | |
その他の金融資産 | 30,236 | 30,268 | 32,542 | 32,562 | |
FVTPLの金融資産 | |||||
その他投資 | 11,767 | 11,767 | 11,784 | 11,784 | |
その他の金融資産 | 11,767 | 11,767 | 11,784 | 11,784 | |
FVTOCIの金融資産 | |||||
株式 | 20,791 | 20,791 | 24,369 | 24,369 | |
その他投資 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
その他の金融資産 | 20,791 | 20,791 | 24,369 | 24,369 | |
デリバティブ金融資産 | |||||
金利スワップ | 276 | 276 | 424 | 424 | |
通貨スワップ | 22,762 | 22,762 | 9,679 | 9,679 | |
為替予約 | ― | ― | 5 | 5 | |
その他の金融資産 | 23,038 | 23,038 | 10,109 | 10,109 | |
金融資産 合計 | 2,676,958 | 2,738,382 | 2,823,670 | 2,868,214 |
① ファイナンス・リース債権
ファイナンス・リース取引により認識したファイナンス・リース債権のうち、将来のリース料を収受する権利に係る部分については、主に、債権の種類、個々の回収実績に応じた債権区分(内部格付等)及び期間に基づく区分毎に、早期完済、解約及び貸倒見積高を考慮した元利金の合計額をリスクフリー・レートで割引いて公正価値を算定しております。また、破綻懸念先債権については、保険、担保及び物件売却による回収見込額等に基づいて貸倒見積高を算定しているため、公正価値は帳簿価額から現在の貸倒見積高を控除した金額に近似しており、当該価額をもって公正価値としております。
② 償却原価で測定される金融資産
(ⅰ)売掛金
売掛金は大部分が固定金利によるものであり、ファイナンス・リース債権と同様の方法により公正価値を算定しております。
(ⅱ)受取手形、未収入金及び預入期間が3ヵ月を超える定期預金
受取手形、未収入金及び預入期間が3ヵ月を超える定期預金は、満期までの期間が短いため、公正価値は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額によっております。
(ⅲ)公債・社債及びその他投資
損害保険子会社では、資産運用目的で債券を中心に保有しております。市場価格で公正価値を測定できる公債・社債及びその他投資は、当該市場価格等に基づき公正価値を算定しております。
③ FVTPLの金融資産
その他投資
当社グループは、政策目的で信託受益権を保有及び投資事業組合へ出資をしております。
なお、FVTPLの金融資産の公正価値の算定方法については、注記「5.金融商品の公正価値 (3)公正価値測定」に記載しております。
④ FVTOCIの金融資産
株式
当社グループは、政策目的で上場株式及び非上場株式を保有しております。
なお、FVTOCIの金融資産の公正価値の算定方法については、注記「5.金融商品の公正価値 (3)公正価値測定」に記載しております。
⑤ デリバティブ金融資産
デリバティブ金融資産については、注記「5.金融商品の公正価値 (3)公正価値測定」に記載しております。
(2)金融負債の内訳及び公正価値
(単位:百万円) | |||||
前連結会計年度末 (2017年3月31日) | 当第3四半期連結会計期間末 (2017年12月31日) | ||||
帳簿価額 | 公正価値 | 帳簿価額 | 公正価値 | ||
金融負債 | |||||
ファイナンス・リース債務 | 6,423 | 6,423 | 5,574 | 5,574 | |
借入金及び社債等 | 6,423 | 6,423 | 5,574 | 5,574 | |
償却原価で測定される金融負債 | |||||
支払手形 | 1,042 | 1,042 | 966 | 966 | |
買掛金 | 174,386 | 174,386 | 80,780 | 80,780 | |
買掛金及びその他の営業債務 | 175,429 | 175,429 | 81,746 | 81,746 | |
短期借入金 | 532,590 | 532,590 | 626,535 | 626,535 | |
社債 | 637,170 | 642,752 | 815,097 | 821,063 | |
長期借入金 | 1,370,536 | 1,373,991 | 1,380,821 | 1,384,343 | |
借入金及び社債等 | 2,540,297 | 2,549,333 | 2,822,454 | 2,831,942 | |
未払金 | 13,580 | 13,580 | 11,809 | 11,809 | |
未払利息 | 2,595 | 2,595 | 3,444 | 3,444 | |
預り金 | 10,394 | 10,394 | 11,672 | 11,672 | |
金融保証契約 | 2,237 | 2,237 | 1,738 | 1,738 | |
契約保証金 | 32,334 | 31,699 | 31,843 | 31,187 | |
その他 | 2,033 | 2,033 | 1,994 | 1,994 | |
その他の金融負債 | 49,594 | 48,960 | 50,692 | 50,037 | |
デリバティブ金融負債 | |||||
金利スワップ | 2,954 | 2,954 | 2,476 | 2,476 | |
通貨スワップ | 1,923 | 1,923 | 6,554 | 6,554 | |
為替予約 | 4 | 4 | ― | ― | |
その他の金融負債 | 4,882 | 4,882 | 9,030 | 9,030 | |
金融負債 合計 | 2,790,208 | 2,798,610 | 2,981,308 | 2,990,140 |
① ファイナンス・リース債務
ファイナンス・リース債務の公正価値は、要約四半期連結財政状態計算書における重要性が無いため、最低リース料残高に対して当初認識時のリース計算利子率又は追加借入利子率で割引いた現在価値により算定しております。よって、公正価値は当該帳簿価額によっております。
② 償却原価で測定される金融負債
(ⅰ)支払手形、買掛金、短期借入金、未払金、未払利息及び預り金
これらは、主に1年以内の短期で決済されるため、公正価値は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額によっております。
(ⅱ)社債、長期借入金
社債の公正価値は、市場価格のあるものは市場価格に基づき、市場価格のないものは、元利金の合計額を当該社債の残存期間及び信用リスクを加味した利率で割引いた現在価値により算定しております。
長期借入金のうち変動金利によるものは、短期間で市場金利を反映し、また、当社グループの信用状態は実行後、大きく異なっていないことから、公正価値は当該帳簿価額によっております。
長期借入金のうち固定金利によるものは、一定の期間ごとに区分した当該調達の元利金の合計額を同様の調達において想定される利率で割引いて公正価値を算定しております。
(ⅲ)金融保証契約
金融保証契約の帳簿価額は、当初測定額から償却累計額を控除した金額と、金融保証契約に係る履行請求がなされることにより生ずる可能性が高い現在の債務を決済するために要する支出の最善の見積額とのいずれか高い方の金額で測定しており、その帳簿価額は公正価値と近似していることから、金融保証契約の公正価値は当該帳簿価額によっております。
(ⅳ)契約保証金
契約保証金とはファイナンス・リース債権、売掛金及びその他の営業債権に対する信用補完として、一部の顧客等から受け入れている金銭債務であり、通常は原債権の完済後に返還するものであります。
契約保証金のうち、返還時期が1年を超えると見込まれるものは、返還予定額を原債権と同様にリスクフリー・レートで割引いて公正価値を算定しております。
契約保証金のうち、返還時期が1年以内と見込まれるものは、1年以内の短期で返還されるため、公正価値は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額によっております。
③ デリバティブ金融負債
デリバティブ金融負債については、注記「5.金融商品の公正価値 (3)公正価値測定」に記載しております。
(3)公正価値測定
① 公正価値ヒエラルキー
当初認識後に経常的に公正価値で測定する金融商品は、測定に用いた観察可能なインプット及び重要性に応じて、公正価値ヒエラルキーの3つのレベルに分類しております。当該分類において、公正価値ヒエラルキーは以下のように定義しております。
レベル1
同一の資産又は負債の活発な市場における(無調整の)市場価格により測定した公正価値
レベル2
レベル1以外の直接又は間接的に観察可能なインプットを使用して測定した公正価値
レベル3
重要な観察可能でないインプットを使用して測定した公正価値
公正価値に複数のインプットを使用している場合には、その公正価値測定の全体において重要な最も低いレベルのインプットに基づいて公正価値のレベルを決定しております。
前第3四半期連結累計期間及び当第3四半期連結累計期間において公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替はありません。
② ファイナンス・リース債権の譲渡取引に関連して留保された劣後の権益
ファイナンス・リース取引により認識したファイナンス・リース債権には、IFRS第1号「国際財務報告基準の初度適用」の規定により、従前の会計原則に基づいて認識の中止を継続している、ファイナンス・リース債権の譲渡取引に関連して留保された劣後の権益が含まれており、当初認識後に経常的に公正価値で測定されております。
当該劣後の権益の公正価値を測定するための重要なインプットは観察不能であるため、当社グループは、劣後の権益をレベル3に分類しており、早期完済、解約、貸倒見積高及び劣後性を勘案した回収見込時期を考慮した劣後の権益の元利金合計額をリスクフリー・レートで割引く方法によって公正価値を決定しております。
なお、当該劣後の権益は前連結会計年度ですべての償還が完了し、当第3四半期連結会計期間末の残高はありません。
③ FVTPL及びFVTOCIの金融資産
市場価格で公正価値を測定できるその他の金融資産は、レベル1に分類されており、レベル1のその他の金融資産には上場株式が含まれております。
その他の金融資産の活発な市場が存在しない場合、類似のその他の金融資産の市場価格及び同一又は類似のその他の金融資産に対する投げ売りでない市場価格、観察可能な金利及び利回り曲線、クレジット・スプレッド又は債務の不履行を含むその他関連情報によって公正価値を決定しており、これらの投資はレベル2に分類されております。
金融商品の公正価値を測定するための重要なインプットが観察不能である場合、これらの投資はレベル3に分類されております。当社グループは、重要性に応じて、取引先金融機関等から提示された価格、投資先の割引将来キャッシュ・フロー、収益、利益性及び純資産に基づく評価モデル、類似業種比較法及び同一の残存期間で同条件の取引をした場合の金利を用いて、将来キャッシュ・フローを割引く方法によって公正価値を決定しております。レベル3のその他の金融資産には、非上場株式、信託受益権及び投資事業組合への出資等が含まれております。
④ デリバティブ
投げ売りでない市場価格、活発でない市場での価格、観察可能な金利及び利回り曲線や外国為替及び商品の先物及びスポット価格を用いたモデルに基づき測定されるデリバティブは、レベル2に分類されております。
レベル2に分類されるデリバティブには、主として金利スワップ、通貨スワップ、外国為替及び商品の先物及びオプション契約が含まれております。
なお、デリバティブ取引の公正価値は、取引先金融機関等から提示された価格等に基づき算定しております。
⑤ ファイナンス・リース債権、ファイナンス・リース債務
要約四半期連結財政状態計算書において公正価値で測定されておりませんが、公正価値を開示しているファイナンス・リース債権、ファイナンス・リース債務の公正価値は、レベル2に分類しております。
⑥ 償却原価で測定される金融資産及び金融負債
要約四半期連結財政状態計算書において公正価値で測定されておりませんが、公正価値を開示している償却原価で測定される金融資産及び金融負債の公正価値は、主にレベル2に分類しております。
経常的に公正価値により測定された金融商品は下記のとおりであります。
(単位:百万円) | ||||
前連結会計年度末(2017年3月31日) | ||||
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | |
資産 | ||||
その他の金融資産 | ||||
株式 | 17,900 | ― | 2,890 | 20,791 |
その他投資 | ― | ― | 11,767 | 11,767 |
デリバティブ金融資産 | ― | 23,038 | ― | 23,038 |
負債 | ||||
デリバティブ金融負債 | ― | 4,882 | ― | 4,882 |
(単位:百万円) | ||||
当第3四半期連結会計期間末(2017年12月31日) | ||||
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | |
資産 | ||||
その他の金融資産 | ||||
株式 | 21,468 | ― | 2,901 | 24,369 |
その他投資 | ― | ― | 11,784 | 11,784 |
デリバティブ金融資産 | ― | 10,109 | ― | 10,109 |
負債 | ||||
デリバティブ金融負債 | ― | 9,030 | ― | 9,030 |
公正価値ヒエラルキーのレベル3に区分される経常的に公正価値により測定された金融商品について期首残高から四半期末残高への調整は下記のとおりであります。
前第3四半期連結累計期間(自 2016年4月1日 至 2016年12月31日)
(単位:百万円) | ||||
ファイナンス ・リース債権 | その他の金融資産 | 合計 | ||
株式 | その他投資 | |||
期首残高 | 19,803 | 2,514 | 7,882 | 30,200 |
企業結合による取得 | ― | 7 | 0 | 7 |
純損益(注1) | △177 | ― | 7 | △169 |
その他の包括利益(注2) | ― | 268 | ― | 268 |
購入 | ― | 106 | 3,501 | 3,608 |
売却/償還 | △12,754 | △2 | △1,429 | △14,185 |
レベル3への振替 | ― | ― | ― | ― |
レベル3からの振替 | ― | ― | ― | ― |
その他 | ― | 0 | 31 | 32 |
四半期末残高 | 6,872 | 2,896 | 9,993 | 19,762 |
(注1) 純損益に含まれている利得及び損失は、FVTPLの金融資産に関するものであります。これらの損益は「売上収益」及び「売上原価」に含まれております。
(注2) その他の包括利益に含まれている利得及び損失は、FVTOCIの金融資産に関するものであります。これらの損益は「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」に含まれております。
当第3四半期連結累計期間(自 2017年4月1日 至 2017年12月31日)
(単位:百万円) | ||||
ファイナンス ・リース債権 | その他の金融資産 | 合計 | ||
株式 | その他投資 | |||
期首残高 | ― | 2,890 | 11,767 | 14,658 |
純損益(注1) | ― | ― | 319 | 319 |
その他の包括利益(注2) | ― | 308 | ― | 308 |
購入 | ― | 149 | 1,570 | 1,720 |
売却/償還 | ― | △453 | △1,914 | △2,368 |
レベル3への振替 | ― | ― | ― | ― |
レベル3からの振替 | ― | ― | ― | ― |
その他 | ― | 6 | 41 | 47 |
四半期末残高 | ― | 2,901 | 11,784 | 14,685 |
(注1) 純損益に含まれている利得及び損失は、FVTPLの金融資産に関するものであります。これらの損益は「売上収益」及び「売上原価」に含まれております。
(注2) その他の包括利益に含まれている利得及び損失は、FVTOCIの金融資産に関するものであります。これらの損益は「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」に含まれております。
⑦ 評価技法及びインプット
信託受益権の公正価値の測定に使用された観察可能でないインプットを使用した公正価値(レベル3)の評価技法及びインプットは、下記のとおりであります。
銘柄 | 評価技法 | 観察可能でない インプット | 観察可能でないインプットの範囲 | |
前連結会計年度末 (2017年3月31日) | 当第3四半期 連結会計期間末 (2017年12月31日) | |||
信託受益権 | 割引キャッシュ ・フロー法 | リスクフリー・レート | 0.04~0.14% | 0.08~0.17% |
非上場株式及び投資事業組合への出資の公正価値は、重要性に応じて投資先の割引将来キャッシュ・フロー、収益、利益性及び純資産に基づく評価モデル及び類似業種比較法により算定しております。
⑧ 感応度分析
レベル3に分類された信託受益権について、観察可能でないインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合の著しい公正価値の増減は無いと判断しております。
レベル3に分類された非上場株式及び投資事業組合への出資について、観察可能でないインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合の著しい公正価値の増減は無いと判断しております。
⑨ 評価プロセス
公正価値の測定は、所定のルールに従って、営業部門から独立した財務部門により行われており、金融商品の個々の資産性質、特徴ならびにリスクを最も適切に反映できる評価モデルを採用しております。
また、財務部門は時価変動に影響を与えうる重要な指標の推移をモニタリングし、価格変動との整合性の確認を行っております。検証の結果、金融商品の公正価値の著しい下落が一時的ではない場合は、財務管掌役員のレビューと承認を経て、執行役会、取締役会に報告しております。
6.その他の収益
その他の収益の内訳は下記のとおりであります。
(単位:百万円)
前第3四半期連結累計期間 (自 2016年4月1日 至 2016年12月31日) | 当第3四半期連結累計期間 (自 2017年4月1日 至 2017年12月31日) | |
その他の収益 | ||
負ののれん発生益 | 507 | ― |
その他 | 207 | 294 |
その他の収益合計 | 715 | 294 |
7.剰余金の配当
前第3四半期連結累計期間(自 2016年4月1日 至 2016年12月31日)及び当第3四半期連結累計期間(自 2017年4月1日 至 2017年12月31日)の配当金支払額は下記のとおりであります。
決議 | 株式の種類 | 配当金の 総額 (百万円) | 配当の原資 | 1株当たり 配当額(円) | 基準日 | 効力発生日 |
2016年5月26日 取締役会 | 普通株式 | 4,909 | 利益剰余金 | 42.00 | 2016年3月31日 | 2016年5月30日 |
2016年10月26日 取締役会 | 普通株式 | 5,026 | 利益剰余金 | 43.00 | 2016年9月30日 | 2016年11月29日 |
2017年5月25日 取締役会 | 普通株式 | 5,026 | 利益剰余金 | 43.00 | 2017年3月31日 | 2017年5月29日 |
2017年10月31日 取締役会 | 普通株式 | 5,026 | 利益剰余金 | 43.00 | 2017年9月30日 | 2017年11月28日 |
8.1株当たり利益情報
親会社の所有者に帰属する1株当たり四半期利益の計算は、下記のとおりであります。
親会社の所有者に帰属する希薄化後の1株当たり四半期利益については、希薄化効果を有する潜在株式が存在しないため記載しておりません。
前第3四半期連結累計期間 (自 2016年4月1日 至 2016年12月31日) | 当第3四半期連結累計期間 (自 2017年4月1日 至 2017年12月31日) | |
親会社の所有者に帰属する四半期利益(百万円) | 24,106 | 26,461 |
加重平均普通株式数(株) | 116,886,528 | 116,886,344 |
親会社の所有者に帰属する1株当たり四半期利益(円) | 206.24 | 226.39 |
前第3四半期連結会計期間 (自 2016年10月1日 至 2016年12月31日) | 当第3四半期連結会計期間 (自 2017年10月1日 至 2017年12月31日) | |
親会社の所有者に帰属する四半期利益(百万円) | 7,942 | 9,218 |
加重平均普通株式数(株) | 116,886,482 | 116,886,278 |
親会社の所有者に帰属する1株当たり四半期利益(円) | 67.95 | 78.87 |
9.企業結合
前第3四半期連結累計期間(自 2016年4月1日 至 2016年12月31日)
(Creekridge Capital LLCの事業譲受)
(1)企業結合の概要
当社グループは、米国の現地法人であるHitachi Capital America Corp.を通じて、米国ミネソタ州のCreekridge Capital LLC(以下、クリークリッジ・キャピタル社)が展開するヘルスケアITなどのベンダーファイナンス事業を同社から譲り受けました。
(2)企業結合を行った主な理由
米国ヘルスケア分野、特にITとの融合によるヘルスケアIT分野は、高成長が見込まれる有望分野であり、当社グループは、ヘルスケアとIT製品のベンダーファイナンス事業において強固な基盤を有するクリークリッジ・キャピタル社の事業プラットフォーム取得を決定いたしました。これにより、日立グループをはじめとしたパートナー向けのベンダーファイナンス機能を強化することで、成長戦略を推進しようとするものです。
(3)企業結合日
2016年6月6日
(4)企業結合の法的形式
事業譲受
(5)企業結合日に受け入れた資産及び負債の公正価値及びのれん
(単位:百万円)
金 額 | |
現金及び現金同等物 | 488 |
売掛金及びその他の営業債権 | 322 |
ファイナンス・リース債権 | 27,198 |
オペレーティング・リース資産 | 4,027 |
買掛金及びその他の営業債務 | △2,053 |
借入金及び社債等 | △27,086 |
その他 | 436 |
のれん | 7,230 |
合計 | 10,564 |
現金 | 9,765 |
現金を支出した条件付対価 | 513 |
現金を支出しない条件付対価 | 285 |
取得対価合計 | 10,564 |
のれんは、主に、期待される将来の超過収益力及び既存事業とのシナジー効果を反映したものであります。なお、当該のれんは税務上、一定期間にわたり損金計上されます。
取得対価には条件付対価を含んでおります。条件付対価は、1年後の営業資産がある一定の金額を超えるなど条件を満たした場合に、8百万米ドル(965百万円)を上限として支払われることになっており、時価価値を考慮しております。
(6)事業譲受による支出
(単位:百万円)
金 額 | |
取得対価合計 | 10,564 |
取得対価に含まれる現金を支出しない条件付対価 | △285 |
取得した事業に含まれる現金及び現金同等物 | △488 |
事業譲受による支出 | 9,790 |
(7)取得関連費用の金額及びその表示科目
当事業譲受にかかる取得関連費用は76百万円であり、前第3四半期連結累計期間の要約四半期連結損益計算書の「その他の費用」に計上しております。
(8)取得した債権の公正価値、契約上の未収金額及び回収不能見込額
取得した債権の公正価値27,521百万円について、契約金額の総額は29,572百万円であり、回収不能と見込まれる契約上のキャッシュ・フローの企業結合日現在の見積もりは98百万円であります。
(9)取得した事業の売上収益及び四半期利益
前第3四半期連結累計期間の要約四半期連結損益計算書に含まれる企業結合日以降における取得事業の売上収益は2,501百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は439百万円であります。
(プロフォーマ情報)
当事業譲受が、前第3四半期連結累計期間の期首である2016年4月1日に行われたと仮定した場合のプロフォーマ情報は、当該影響の概算額に重要性が乏しいため、記載を省略しております。
当第3四半期連結累計期間(自 2017年4月1日 至 2017年12月31日)
該当事項はありません。
10.後発事象
該当事項はありません。