有価証券報告書-第24期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、イノベーションを通じて、人々と社会に力を与えること(エンパワーメント)を経営の基本理念としています。ユーザー及び取引先企業へ満足度の高いサービスを提供するとともに、多くの人々の成長を後押しすることで、社会を変革し豊かにしていくことに寄与していきます。グローバル イノベーション カンパニーであり続けるというビジョンのもと、当社グループの企業価値・株主価値の最大化を目指します。
(2) 目標とする経営指標
主な経営指標として、全社及び各事業の売上収益、Non-GAAP営業利益、流通総額(商品・サービスの取扱高)、会員数及びクロスユース率等のKPIs(Key Performance Indicators)を重視し、成長性や収益性を向上させることを目指します。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
① 経営環境
インターネットをはじめとする情報通信技術(ICT)の発展・普及がもたらした新しい経済、そして社会の姿は「デジタル経済」と呼ばれるようになってきており、政府は、その進化の先にある社会として、「Society 5.0」を掲げています。「Society 5.0」においては、IoT、ロボット、人工知能(AI)、ビッグデータといった社会の在り方に影響を及ぼす新たな技術があらゆる産業や社会生活に取り入れられ、経済発展と社会的課題の解決が両立されることが期待されています。こうした中で、これらの先端技術を利活用し、変革をもたらす企業が社会から求められていると当社は考えています。
経済産業省の調査によれば、2019年における日本のBtoC-EC市場規模は19兆円に達し、BtoC市場における物販系EC化率は6.76%となる等、商取引の電子化が引き続き進展しているとされています。また、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、対面サービスの需要が減少した一方で、いわゆる「巣ごもり消費」や人との接触機会を避けた購買活動等への需要が急増し、EC市場規模及びEC化率の更なる伸長が予想されます。
キャッシュレス決済においては、2018年4月に経済産業省により策定された「キャッシュレス・ビジョン」で、2025年までに我が国におけるキャッシュレス決済比率を40%まで引き上げることが目標とされ、更に将来的には左記比率を世界最高水準の80%まで引き上げることを目指すとされており、クレジットカード決済、QRコード・バーコード決済等の様々な決済手段によるキャッシュレス決済規模の拡大が見込まれます。
移動通信においては、国内移動通信市場の拡大が続いており、総務省の報告によれば、2020年9月末時点における携帯電話の契約数は、1億8,917万に達したほか、国内における移動通信トラヒックは大容量コンテンツの利用増等を背景に増大が続いています。
このように当社グループをとりまく経営環境はデジタル・トランスフォーメーションが加速する社会の中で、絶えず変化を続けており、当社グループにおいては恒常的な技術革新への対応や事業ポートフォリオの最適化等により、これらの変化に柔軟に対応していく必要があります。
(新型コロナウイルス感染症の影響)
当連結会計年度における日本経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響による生産活動や物流の停止、物資の不足、国境を越えたサプライチェーンの途絶等による供給面での制約による経済停滞に加え、感染拡大防止のための外出制限や自粛、渡航制限の導入に伴う対面サービス需要の縮小等による需要面での制約による経済停滞により、前連結会計年度に比べ大幅に下振れしました。日本経済は各種政策の効果等もあり、持ち直しの動きが続くことが期待されますが、大規模な感染症の再流行が経済活動に与える影響によっては、景気が下振れするリスクがあり、その影響が長期化した場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。一方で、厚生労働省は、通販や電子決済の活用を含む、感染症拡大防止のための「新しい生活様式」の実践を求めており、人との接触機会を減らしながら、商品を購入したり、サービスを享受することができるインターネットサービスや、オンライン金融サービス等を提供するIT企業に期待される社会的役割は一層増していると当社は考えています。
② 経営戦略
当社グループは、楽天グループ会員を中心としたユーザーに対し、様々なサービスを提供するビジネスモデル「楽天エコシステム」を構築し、拡大することを基本的事業戦略としています。当社グループが保有するメンバーシップ、データ及びブランドを結集したビジネス展開による「楽天エコシステム」の拡大により、国内外の会員がEC、フィンテック、デジタルコンテンツ、携帯キャリア事業等の複数のサービスを回遊的・継続的に利用できる環境を整備することで、会員一人当たりの生涯価値(ライフタイムバリュー)の最大化、顧客獲得コストの最小化等の相乗効果を創出し、グループ収益の最大化を目指します。
加えて、コンプライアンスの遵守や情報セキュリティ管理を徹底し、コーポレート・ガバナンスを率先して強化していくとともに、ダイバーシティ(多様性)の尊重や人材の育成に継続的に取り組むことで、一人ひとりが活躍できる社会の形成にも寄与していきます。
こうした取組を通じ、国内及び進出先国・地域の活性化、日本及び世界経済の発展に貢献し、ステークホルダーの皆様から信頼され続ける企業を目指します。
(4) 優先的に対処すべき課題
「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする」企業グループとして、事業環境の変化に柔軟に対応し、持続可能な成長に向けた仕組を構築することが、当社グループの対処すべき課題です。長期にわたる持続的な成長により、当社グループの企業価値・株主価値の最大化を図るとともに、社会全体に便益をもたらすグローバル イノベーション カンパニーであり続けることを目指します。
①事業戦略
当社グループが保有するメンバーシップ、データ及びブランドを核とする「楽天エコシステム」において、国内外の会員が複数のサービスを回遊的・継続的に利用できる環境を整備することで、会員一人当たりの生涯価値(ライフタイムバリュー)の最大化、顧客獲得コストの最小化等の相乗効果の創出、グループ全体の価値最大化を目指します。
EC及び旅行予約をはじめとしたインターネットサービスにおいては、ロイヤルカスタマーの醸成や新規顧客の獲得、クロスユースの促進に加え、「楽天エコシステム」のオープン化戦略、自社物流網の整備・強化等に注力することで、流通総額及び売上収益の更なる成長を目指します。
クレジットカード関連サービス、銀行サービス、証券サービス、保険サービス、電子マネーサービス等を提供するフィンテックにおいては、事業間の相乗効果の創出、クロスユースの促進、AIや音声認識等のテクノロジーとの融合を通じた一層の成長を目指します。また、キャッシュレス決済においては、政府によるキャッシュレス化が促進されており、決済サービス導入箇所の拡大や、QRコード・バーコード決済、電子マネー、ポイントを含む総合的なキャッシュレス決済の推進に取り組むとともに、決済サービスプラットフォーム構想の実現に向け、これらの決済手段を統合したペイメントアプリの機能拡充に引き続き注力します。
当連結会計年度より、移動通信事業の本格的なサービス開始を行ったモバイルにおいては、2018年4月に総務省より認定を受けた第4世代移動通信システムの普及のための特定基地局の開設計画及び2019年4月に認定を受けた第5世代移動通信システムの導入のための特定基地局の開設計画に則り、世界初(注)となるエンドツーエンドの完全仮想化クラウドネイティブモバイルネットワークの構築を行っています。今後は、全国における通信基地局の展開を進め、信頼性の高い通信サービスの提供を行うとともに、顧客基盤の拡大に取り組んでまいります。また、5Gにおいては、あらゆるモノがインターネットに繋がるIoTの進展に伴い、その基盤となる通信ネットワークの重要性が飛躍的に増大することが予想される中で、「超高速」、「超低遅延」、「多数同時接続」といった5Gの特性を生かした社会課題の解決が期待されており、当社グループにおいては、5Gを2020年代の社会インフラとして、消費者の利便性の向上のみならず、様々な分野における活用や新ビジネスの創出を通して、社会的諸課題の解決、地方創生等に貢献していくことを目指します。世界中の通信事業者や企業が、安全でオープンなモバイルネットワークを迅速かつ低コストで簡単に構築できるクラウドネイティブなプラットフォーム『Rakuten Communications Platform』については、政府機関、通信事業者や企業向けにグローバル展開することを目指し、鋭意開発を進めます。電子書籍サービス、ビデオストリーミング等のデジタルコンテンツサービスにおいては、モバイルサービスとのシナジーを生かした事業運営により、引き続き顧客基盤及び業容の拡大を図っていきます。
こうした個々のビジネスの成長や事業間シナジーの最大限の追求に加え、当社グループが持つメンバーシップやデータ、『楽天ポイント』等の活用による革新的なマーケティング手法の確立、グループシナジーを生かした広告事業の活用、世界共通の会員IDやロイヤルティプログラムを提供するグローバルIDプラットフォームの構築、サービスブランド統合、「FCバルセロナ」、NBA「ゴールデンステート・ウォリアーズ」等とのパートナーシップを通じたブランド価値向上等により、今後も「楽天エコシステム」を国内のみならずグローバルでも拡大していきたいと考えています。このためにはグローバル経営を一層強化する必要があり、経営資源配分の最適化を図るための事業ポートフォリオの見直しをはじめ、技術開発のグローバルでの最適化等に向けた体制強化へも力を入れていきます。
(注) 大規模商用モバイルネットワークとして(2019年10月1日時点)/ステラアソシエ調べ
②経営体制
当社グループは、イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントすることを経営の基本理念としています。ユーザー及び取引先企業へ満足度の高いサービスを提供するとともに、多くの人々の成長を後押しすることで、社会を変革し豊かにしていきます。その実践のために、コーポレート・ガバナンスの徹底を最重要課題の一つと位置付け、様々な施策を講じています。
当社は、監査役会設置会社であり、経営の監査を行う監査役会は、社外監査役が過半数を占める構成となっています。また、当社は、経営の監督と業務執行の分離を図るため執行役員制を導入しており、取締役会は経営の意思決定及び監督機能を担い、執行役員が業務執行機能を担うこととしています。
当社の取締役会においては、独立性が高く多様な分野の専門家である社外取締役を中心として客観的な視点から業務執行の監督を行うとともに、経営に関する多角的な議論を自由闊達に行っています。更に、取締役会とは別にグループ経営戦略等に関する会議を開催し、短期的な課題や取締役会審議事項に捉われない中長期的視野に立った議論も行うことで、コーポレート・ガバナンスの実効性を高めています。
加えて、業務執行における機動性の確保、アカウンタビリティ(説明責任)の明確化を実現するために社内カンパニー制を導入しています。
当社グループでは、今後もこうした取組を通じて、迅速な経営判断を可能にし、より実効性の高いガバナンス機能を有する経営体制を構築していきます。
当社グループは、イノベーションを通じて、人々と社会に力を与えること(エンパワーメント)を経営の基本理念としています。ユーザー及び取引先企業へ満足度の高いサービスを提供するとともに、多くの人々の成長を後押しすることで、社会を変革し豊かにしていくことに寄与していきます。グローバル イノベーション カンパニーであり続けるというビジョンのもと、当社グループの企業価値・株主価値の最大化を目指します。
(2) 目標とする経営指標
主な経営指標として、全社及び各事業の売上収益、Non-GAAP営業利益、流通総額(商品・サービスの取扱高)、会員数及びクロスユース率等のKPIs(Key Performance Indicators)を重視し、成長性や収益性を向上させることを目指します。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
① 経営環境
インターネットをはじめとする情報通信技術(ICT)の発展・普及がもたらした新しい経済、そして社会の姿は「デジタル経済」と呼ばれるようになってきており、政府は、その進化の先にある社会として、「Society 5.0」を掲げています。「Society 5.0」においては、IoT、ロボット、人工知能(AI)、ビッグデータといった社会の在り方に影響を及ぼす新たな技術があらゆる産業や社会生活に取り入れられ、経済発展と社会的課題の解決が両立されることが期待されています。こうした中で、これらの先端技術を利活用し、変革をもたらす企業が社会から求められていると当社は考えています。
経済産業省の調査によれば、2019年における日本のBtoC-EC市場規模は19兆円に達し、BtoC市場における物販系EC化率は6.76%となる等、商取引の電子化が引き続き進展しているとされています。また、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、対面サービスの需要が減少した一方で、いわゆる「巣ごもり消費」や人との接触機会を避けた購買活動等への需要が急増し、EC市場規模及びEC化率の更なる伸長が予想されます。
キャッシュレス決済においては、2018年4月に経済産業省により策定された「キャッシュレス・ビジョン」で、2025年までに我が国におけるキャッシュレス決済比率を40%まで引き上げることが目標とされ、更に将来的には左記比率を世界最高水準の80%まで引き上げることを目指すとされており、クレジットカード決済、QRコード・バーコード決済等の様々な決済手段によるキャッシュレス決済規模の拡大が見込まれます。
移動通信においては、国内移動通信市場の拡大が続いており、総務省の報告によれば、2020年9月末時点における携帯電話の契約数は、1億8,917万に達したほか、国内における移動通信トラヒックは大容量コンテンツの利用増等を背景に増大が続いています。
このように当社グループをとりまく経営環境はデジタル・トランスフォーメーションが加速する社会の中で、絶えず変化を続けており、当社グループにおいては恒常的な技術革新への対応や事業ポートフォリオの最適化等により、これらの変化に柔軟に対応していく必要があります。
(新型コロナウイルス感染症の影響)
当連結会計年度における日本経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響による生産活動や物流の停止、物資の不足、国境を越えたサプライチェーンの途絶等による供給面での制約による経済停滞に加え、感染拡大防止のための外出制限や自粛、渡航制限の導入に伴う対面サービス需要の縮小等による需要面での制約による経済停滞により、前連結会計年度に比べ大幅に下振れしました。日本経済は各種政策の効果等もあり、持ち直しの動きが続くことが期待されますが、大規模な感染症の再流行が経済活動に与える影響によっては、景気が下振れするリスクがあり、その影響が長期化した場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。一方で、厚生労働省は、通販や電子決済の活用を含む、感染症拡大防止のための「新しい生活様式」の実践を求めており、人との接触機会を減らしながら、商品を購入したり、サービスを享受することができるインターネットサービスや、オンライン金融サービス等を提供するIT企業に期待される社会的役割は一層増していると当社は考えています。
② 経営戦略
当社グループは、楽天グループ会員を中心としたユーザーに対し、様々なサービスを提供するビジネスモデル「楽天エコシステム」を構築し、拡大することを基本的事業戦略としています。当社グループが保有するメンバーシップ、データ及びブランドを結集したビジネス展開による「楽天エコシステム」の拡大により、国内外の会員がEC、フィンテック、デジタルコンテンツ、携帯キャリア事業等の複数のサービスを回遊的・継続的に利用できる環境を整備することで、会員一人当たりの生涯価値(ライフタイムバリュー)の最大化、顧客獲得コストの最小化等の相乗効果を創出し、グループ収益の最大化を目指します。
加えて、コンプライアンスの遵守や情報セキュリティ管理を徹底し、コーポレート・ガバナンスを率先して強化していくとともに、ダイバーシティ(多様性)の尊重や人材の育成に継続的に取り組むことで、一人ひとりが活躍できる社会の形成にも寄与していきます。
こうした取組を通じ、国内及び進出先国・地域の活性化、日本及び世界経済の発展に貢献し、ステークホルダーの皆様から信頼され続ける企業を目指します。
(4) 優先的に対処すべき課題
「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする」企業グループとして、事業環境の変化に柔軟に対応し、持続可能な成長に向けた仕組を構築することが、当社グループの対処すべき課題です。長期にわたる持続的な成長により、当社グループの企業価値・株主価値の最大化を図るとともに、社会全体に便益をもたらすグローバル イノベーション カンパニーであり続けることを目指します。
①事業戦略
当社グループが保有するメンバーシップ、データ及びブランドを核とする「楽天エコシステム」において、国内外の会員が複数のサービスを回遊的・継続的に利用できる環境を整備することで、会員一人当たりの生涯価値(ライフタイムバリュー)の最大化、顧客獲得コストの最小化等の相乗効果の創出、グループ全体の価値最大化を目指します。
EC及び旅行予約をはじめとしたインターネットサービスにおいては、ロイヤルカスタマーの醸成や新規顧客の獲得、クロスユースの促進に加え、「楽天エコシステム」のオープン化戦略、自社物流網の整備・強化等に注力することで、流通総額及び売上収益の更なる成長を目指します。
クレジットカード関連サービス、銀行サービス、証券サービス、保険サービス、電子マネーサービス等を提供するフィンテックにおいては、事業間の相乗効果の創出、クロスユースの促進、AIや音声認識等のテクノロジーとの融合を通じた一層の成長を目指します。また、キャッシュレス決済においては、政府によるキャッシュレス化が促進されており、決済サービス導入箇所の拡大や、QRコード・バーコード決済、電子マネー、ポイントを含む総合的なキャッシュレス決済の推進に取り組むとともに、決済サービスプラットフォーム構想の実現に向け、これらの決済手段を統合したペイメントアプリの機能拡充に引き続き注力します。
当連結会計年度より、移動通信事業の本格的なサービス開始を行ったモバイルにおいては、2018年4月に総務省より認定を受けた第4世代移動通信システムの普及のための特定基地局の開設計画及び2019年4月に認定を受けた第5世代移動通信システムの導入のための特定基地局の開設計画に則り、世界初(注)となるエンドツーエンドの完全仮想化クラウドネイティブモバイルネットワークの構築を行っています。今後は、全国における通信基地局の展開を進め、信頼性の高い通信サービスの提供を行うとともに、顧客基盤の拡大に取り組んでまいります。また、5Gにおいては、あらゆるモノがインターネットに繋がるIoTの進展に伴い、その基盤となる通信ネットワークの重要性が飛躍的に増大することが予想される中で、「超高速」、「超低遅延」、「多数同時接続」といった5Gの特性を生かした社会課題の解決が期待されており、当社グループにおいては、5Gを2020年代の社会インフラとして、消費者の利便性の向上のみならず、様々な分野における活用や新ビジネスの創出を通して、社会的諸課題の解決、地方創生等に貢献していくことを目指します。世界中の通信事業者や企業が、安全でオープンなモバイルネットワークを迅速かつ低コストで簡単に構築できるクラウドネイティブなプラットフォーム『Rakuten Communications Platform』については、政府機関、通信事業者や企業向けにグローバル展開することを目指し、鋭意開発を進めます。電子書籍サービス、ビデオストリーミング等のデジタルコンテンツサービスにおいては、モバイルサービスとのシナジーを生かした事業運営により、引き続き顧客基盤及び業容の拡大を図っていきます。
こうした個々のビジネスの成長や事業間シナジーの最大限の追求に加え、当社グループが持つメンバーシップやデータ、『楽天ポイント』等の活用による革新的なマーケティング手法の確立、グループシナジーを生かした広告事業の活用、世界共通の会員IDやロイヤルティプログラムを提供するグローバルIDプラットフォームの構築、サービスブランド統合、「FCバルセロナ」、NBA「ゴールデンステート・ウォリアーズ」等とのパートナーシップを通じたブランド価値向上等により、今後も「楽天エコシステム」を国内のみならずグローバルでも拡大していきたいと考えています。このためにはグローバル経営を一層強化する必要があり、経営資源配分の最適化を図るための事業ポートフォリオの見直しをはじめ、技術開発のグローバルでの最適化等に向けた体制強化へも力を入れていきます。
(注) 大規模商用モバイルネットワークとして(2019年10月1日時点)/ステラアソシエ調べ
②経営体制
当社グループは、イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントすることを経営の基本理念としています。ユーザー及び取引先企業へ満足度の高いサービスを提供するとともに、多くの人々の成長を後押しすることで、社会を変革し豊かにしていきます。その実践のために、コーポレート・ガバナンスの徹底を最重要課題の一つと位置付け、様々な施策を講じています。
当社は、監査役会設置会社であり、経営の監査を行う監査役会は、社外監査役が過半数を占める構成となっています。また、当社は、経営の監督と業務執行の分離を図るため執行役員制を導入しており、取締役会は経営の意思決定及び監督機能を担い、執行役員が業務執行機能を担うこととしています。
当社の取締役会においては、独立性が高く多様な分野の専門家である社外取締役を中心として客観的な視点から業務執行の監督を行うとともに、経営に関する多角的な議論を自由闊達に行っています。更に、取締役会とは別にグループ経営戦略等に関する会議を開催し、短期的な課題や取締役会審議事項に捉われない中長期的視野に立った議論も行うことで、コーポレート・ガバナンスの実効性を高めています。
加えて、業務執行における機動性の確保、アカウンタビリティ(説明責任)の明確化を実現するために社内カンパニー制を導入しています。
当社グループでは、今後もこうした取組を通じて、迅速な経営判断を可能にし、より実効性の高いガバナンス機能を有する経営体制を構築していきます。