有価証券報告書-第27期(2023/01/01-2023/12/31)

【提出】
2024/03/28 15:00
【資料】
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【項目】
174項目
③ 戦略
1) 人材マネジメント
当社グループは「採用」、「育成」、「定着」の3つを柱とした「Back to Basics Project」を2017年より実施し、「勝てる人材、勝てるチームを作る」という人事の基本目標に立ち返ることで、強い組織基盤作りに取り組んでいます。
・採用
求職者との相互理解の促進が優秀な人材の採用への鍵と捉え、オンラインとオフラインを融合したコミュニケーションの機会を大切にしています。当社グループの様々な仕事や企業文化を体感できる「インターンシッププログラム」や、求職中のポジションにマッチする知人や友人を従業員から紹介・推薦する「社員紹介プログラム」を実施しています。また、就活生向けの「Rakuten Career Conference」も毎年開催しており、2023年は約2,800名が参加しました。
・育成
当社グループは、一人ひとりの力が最大限発揮される「学び続ける組織(Learning Organization)」となることを目指しています。技術的なスキルはもちろん、自己啓発サポートや包括的なビジネススキルの習得を通じて、従業員のキャリア開発を後押しします。また、現場でのコミュニケーションを強化し、組織としての成果を最大化するため、チームメンバーとマネージャーが1対1で行う1on1ミーティングも定期的に実施しています。チームメンバーとマネージャー間の信頼関係の強化につながるだけでなく、相互のフィードバックを通じてお互いが学びを得られるため、例年アンケート結果が90%以上の満足度を維持する効果的な仕組みとなっています。
研修制度の一例
オンボーディング新入社員、新任マネージャーを対象に、組織やチーム、その役割にいち早くなじめるよう必要な情報や知識を提供
ビジネス基礎クリティカルシンキング、リーダーシップ、問題解決手法等、ビジネスパーソンに必要なスキルを学ぶ
階層別楽天主義に基づく行動実践の方法や、効果的な1on1ミーティング研修等、組織でより大きな裁量を持ち活躍できるスキルを習得するための研修を提供
データ&AI課題の特定、KPIの設定、仮説立案と検証、そして分析したデータを元に実践するまでの流れを学ぶ
ダイバーシティ&インクルージョン「無意識のバイアス」に関する研修や、異なるバックグラウンドを持つ従業員同士が仕事を進める上で必要な考え方を学ぶ
文化&言語TOEICサポートプログラムやビジネス英語プログラム等、効果的なコミュニケーション方法を構築するためのスキルを学ぶ
自己啓発オンライン学習講座や楽天デジタルライブラリーを通して自己学習を促進する機会を提供

・定着
近年、多様なキャリアの選択肢が増えたことや、働き方改革等の社会的変化に伴い、個人の労働観が大きく変化しています。このような中で、従業員が一つの組織で長くキャリアを築きたいと感じるかどうかには、様々な要因が影響しています。当社グループでは、従業員の満足度を高め、キャリアアップを奨励するために、公平で適切な報酬と福利厚生、柔軟なワークスタイル、快適かつ魅力的・健康的な職場を整備しています。様々な取組の結果、当社グループの2023年の離職率は、2017年時から2.4ポイント減少しています。
2) ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン(Diversity, Equity and Inclusion、以下「DEI」)
人種・国籍・性別・婚姻歴・子女の有無・宗教や政治思想・年齢・障がいの有無・性的指向・性自認等にかかわらず、全ての人に機会を提供する文化を醸成しています。世界中の従業員一人ひとりの多様な個性と価値観を尊重し、誰もが能力を最大限に発揮できる環境づくりにも努めています。また、グローバル展開を進める中、社内公用語を英語にし、世界中の優秀な人材の採用・登用が更に加速したことで、世界を舞台にしたビジネス展開の原動力となっています。
従業員一人ひとりの違いに配慮し適切な職場環境を整えることも重要です。子育て世代に対しては、キャリアセッションや産休前後セミナー等を実施しています。また、復職後の支援として搾乳室や託児所を設置しています。文化や宗教等異なるニーズを持つ従業員には、ハラルメニューの提供及び祈禱室を設置し、障がいのある従業員に対してはユニバーサルデザインを取り入れたオフィス環境を整備しています。

* 従業員の国籍数のデータ範囲は当社グループ。障がい者雇用率の対象組織は当社(単体)、楽天ソシオビジネス(株)及び楽天コミュニケーションズ(株)。その他は当社(単体)のデータ。当社におけるダイバーシティに関するデータは2024年1月1日時点のもの。
従業員の多様性を最大限に生かすためには、共通言語を持つだけではなく、全ての従業員が企業文化の根底にある価値観を理解し、共有することが必要不可欠です。当社グループの価値観・行動指針である「楽天主義」を理解し実践できるよう、全従業員を対象とする「楽天主義ワークショップ」を開催しています。2023年は、楽天主義ワークショップに全従業員の51.3%、これまでに17,000名以上が参加しました。ワークショップへの参加率は2022年から9.4ポイント改善しました。
3) 健康・ウェルネス
安全で健やかな職場環境を醸成することは、従業員の身を守るだけでなく、仕事に対する満足度を高め、優秀な人材の獲得・定着につながるため、従業員の心身の健康の増進や、健康的に働き続けられる組織風土づくりを目指しています。「ウェルビーイングサーベイ(調査)」を定期的に実施しており、従業員の心身の健康状態や課題を把握した上で、ウェルネス推進活動の効果測定をしています。これまでに実施した調査の結果、当社の従業員における3大健康課題として、運動不足、睡眠の質、体重管理が特定されました。今後は、それぞれの課題を感じている従業員数の低減を図っていきます。