有価証券報告書-第22期(平成29年1月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2018/03/26 16:04
【資料】
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【項目】
102項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度における我が国の経済は、企業収益が改善傾向にあるのに加え、個人消費も緩やかに持ち直し、全体として景気回復基調が継続しました。景気の先行きについては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかに回復していくことが期待されています。
当社グループが属するインターネット広告市場は、スマートフォンの急速な普及と利用時間の増加にともない、スマートフォンを起点とするサービス消費やショッピング等が増加し、精度の高いターゲティング及び明確な効果測定が可能であるインターネット広告の需要がいっそう高まるなか、成長を続けております。また、アドテクノロジーの発展により、蓄積されたデータを分析・活用するマーケティング手法が広く浸透してきており、当該市場は、今後も新たな価値を創造しながら発展していくものと見込まれます。
こうした環境の下、当社グループは、「集客」から「接客」、「リテンション(顧客との関係維持)」まで提供する事業に一貫して注力した結果、当連結会計年度(平成29年1月1日~平成29年12月31日)における連結経営成績は次のとおりとなりました。
売上高は、主に広告事業のアフィリエイトマーケティングサービスにおいて、金融以外の分野は伸長したものの、金融分野のうち利益率の低い大型案件の広告出稿が減少したことにより、16,889,167千円(前期比3.5%減)となりました。
営業利益は、広告事業において、アフィリエイトマーケティングサービスが金融以外の分野の伸長により全体としては堅調であったこと、及びストアマッチサービスが堅調であったことに加え、CRM事業において、Yahoo!ショッピングのストア向けサービス「STORE's R∞(ストアーズ・アールエイト)」が好調だったことにより、2,223,051千円(前期比140.9%増)となりました。
経常利益は、営業外収益に持分法による投資利益29,513千円、営業外費用に投資事業組合運用損25,028千円を計上したこと等により、2,257,400千円(前期比125.4%増)となりました。
税金等調整前当期純利益は、特別損失に、サービスの発展・強化を目的として事業戦略の見直しを行ったことに伴い、広告事業のアドネットワークサービス「ADPRESSO(アドプレッソ)」及びCRM事業のマーケティングオートメーションサービス「R∞(アール・エイト)」について減損を認識したことにより減損損失585,150千円を計上したこと、広告事業のアフィリエイトマーケティングサービスに付随するメディアへの提供データ積算に不備があったことによりメディア費用特別負担金100,000千円を計上したこと等により、1,538,602千円(前期比143.7%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税等528,396千円を計上したことにより、1,010,206千円(前期比193.1%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
当連結会計年度より、業績管理の精度向上及び適切な事業運営を行うため、管理部門等からの各事業への費用の配賦を限定し、各事業において管理可能な費用が明確となるように、報告セグメントの利益又は損失の算定方法の変更を行いました。
なお、前連結会計年度のセグメントの業績は、変更後の算定方法に基づき作成しております。
①広告事業
「広告事業」は、ウェブサイト上で商品やサービスを販売しているeコマース事業者等の広告主の広告を、ウェブサイトやアプリの広告掲載メディアに配信する事業で、主に「アフィリエイトマーケティングサービス」「ストアマッチサービス」等を含みます。
当連結会計年度におきましては、主にアフィリエイトマーケティングサービスで、金融以外の分野は伸長したものの、金融分野のうち利益率の低い大型案件の広告出稿が減少したことにより、売上高を押し下げました。一方、セグメント利益は、アフィリエイトマーケティングサービス及びストアマッチサービスが堅調に推移しました。
この結果、セグメント売上高は15,403,888千円(前期比8.7%減)、セグメント利益は2,836,880千円(前期比23.9%増)となりました。
②CRM事業
「CRM事業」は、オンラインストアと実店舗での消費者の購買・行動データを一元管理・分析し、一人ひとりのニーズとタイミングに合わせた情報を発信することで、消費者が購入しやすい販路への誘導、再訪を促すサービスを提供する事業で、「マーケティングオートメーションサービス」等を含みます。
当連結会計年度におきましては、Yahoo!ショッピングのストア向けサービス「STORE's R∞(ストアーズ・アールエイト)」が好調に推移しました。
この結果、セグメント売上高は1,534,654千円(うち内部売上高は49,375千円)(前期比140.7%増)、セグメント利益は676,753千円(前期は342,053千円の損失)となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は5,002,511千円となり、前連結会計年度末と比べて1,402,248千円増加いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は2,205,267千円(前年同期は1,003,432千円の獲得)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益が1,538,602千円であり、プラス要因として、減価償却費が297,524千円、のれん償却額が142,840千円、減損損失が585,150千円、未払金の増加額が207,239千円、仕入債務の増加額が126,532千円であったものの、マイナス要因として、売上債権の増加額が486,661千円、未収入金の増加額が244,574千円、法人税等の支払額が226,890千円であったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は535,624千円(前年同期は1,087,985千円の使用)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出が24,414千円、無形固定資産の取得による支出が358,913千円、投資有価証券の取得による支出が169,311千円であったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は267,880千円(前年同期は510,095千円の使用)となりました。これは、主に配当金の支払額が160,879千円、自己株式の取得による支出が149,967千円であったことによるものです。