有価証券報告書-第35期(令和2年6月1日-令和3年5月31日)
(1)経営環境
当連結会計年度の上半期を中心に、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により世界規模で経済活動が縮小しました。その後は感染拡大の状況に応じて断続的に経済活動の再開が進められたことで回復に向かいましたが、そのペースは各国で異なっています。日本においては依然として経済活動への影響が継続しておりますが、今後はワクチン接種の進展等に伴い市況は緩やかに回復することが予想されます。
当社においては、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大及び長期化の影響を受け、中期経営計画策定時に前提とした当社グループの事業環境が大きく変化したため、計画の一部が想定通りに進捗していない状況となっております。特に、貨物・旅客輸送に関わる市場において市況が低迷したことにより、航海気象や航空気象において当初の販売計画に対して遅れが発生しております。また、費用面においても、継続的な利益成長実現のため、運営人員の最適化を目的としたオペレーション業務のシステム化やサービスメニュー開発のDevOps化を計画しておりましたが、その前提となるシステム開発人材の採用において、各企業が急激にリモートワークにシフトしたことに伴うIT人材の需要の増加が発生し、採用計画に遅れが発生しております。これらの状況を踏まえ、事業環境の変化に対する体制整備を進めるため、中期経営計画の期間を2020年5月期~2022年5月期の3年間から、2020年5月期~2023年5月期までの4年間に延長いたします。なお、中期経営計画の基本戦略及び最終年度における業績目標数値について変化はございません。
気象環境については、気候変動による世界的な極端気象や激甚災害が引き続き増加しており、気象リスクに対する一層の対応策ニーズを実感しております。当社は気象をドメインとし、また「いざというときに人の役に立ちたい」という理念を持つ企業として、日々のサービス提供を通じて気象リスクの最小化と気候変動及びその影響の緩和に貢献しております。
(2)対処すべき課題(中期経営計画)
1.中長期的な会社の経営戦略
<当社のミッション>当社グループは「全世界78億人の情報交信台」という夢に向かって、サポーターとともに最多・最速・最新の気象コンテンツサービスにより気象・環境に関する社会的リスクに対応する「気象コンテンツ・メーカー」になることを基本コンセプトとしており、気象コンテンツ市場のフロントランナーとして、独創的に新たな市場を創造しながら「サポーター価値創造」と企業価値の最大化を目指します。
また、このコンセプトの実現のため、「世界最大のデータベース・世界No.1の予報精度・あらゆる市場でのRisk Communicator」をコアコンピタンスと考え、Full Service“Weather & Climate” Companyとなることが当社のミッションであると認識しています。
<第4成長期のビジョン>当社では、第1成長期(1986年6月から1995年5月)は「事業の成長性」、第2成長期(1995年6月から2004年5月)は「ビジネスモデルの多様性」、第3成長期(2004年6月から2012年5月)は「経営の健全性」をテーマに掲げ、事業を展開してまいりました。第4成長期(2012年6月から2023年5月)は「革新性」をテーマに掲げ、サービスを本格的にグローバル展開することを目指します。
<第4成長期の基本戦略>「Service CompanyからService & Infrastructure Company with the Supportersへ」
当社には、RC(Risk Communication)サービスを組織的に運営すると同時に顧客とともに革新的なインフラを整備し、交通気象・環境気象を中心としたビジネスを立ち上げてきた経験があります。この経験を基にアジア、欧州、米州において新たなグローバルビジネスを展開してまいります。
2020年5月期より、各市場の売上及び利益の責任を明確にするために、主要な事業をPlanning(Sea Planning:航海気象、Sky Planning:航空気象、Land Planning:陸上気象、Environment Planning:環境気象、Mobile・Internet Planning: モバイル・インターネット気象、Broadcast Planning:放送気象、Sports Planning:スポーツ気象)と称し、各市場に特化したサービス企画・運営・開発・営業を行い事業を推進しています。そしてBtoB市場において国内:海外のトールゲート売上比率50:50を目指します。
なお、各Planningに共通する部門(共同利用インフラ運営及び開発・管理部門)をSSIと称し、各Planningを専門的な見地でサポートし、会社全体での品質及び生産性の向上を実現します。また、取締役は事業全体を監督し、執行体制においてチェック・アンド・バランスを働かせます。
(事業分野別の戦略)
2.中期経営計画の概要とその進捗
当社では、2020年5月期からの4年間(2019年6月~2023年5月)を、「革新性」をテーマに交通気象のグローバル展開を目指す第4成長期のStage3として中期経営計画を策定しており、以下の4点を重点テーマとして推進することで事業の土台を一層安定させるとともに、第5成長期を見据えた新規発展事業の創出を目指します。なお、2021年7月1日付で中期経営計画の期間を1年延長し、2020年5月期~2022年5月期の3年間から2020年5月期~2023年5月期の4年間に変更しております。
1)既存事業の継続成長による収益基盤の強化
既存事業である航海気象、航空気象、環境気象、モバイル・インターネット気象は当社の基盤事業かつグローバルビジネスのポテンシャルを有していると認識しており、トールゲート売上の増加及びBtoB事業における国内:海外のトールゲート売上比率の50:50の達成に向けて、継続的に成長させ、収益基盤の強化を目指します。
<航海気象>航海気象は、国によるサービスが行われていない「公認民間市場(顕在化市場)」と言えます。当社は既にグローバル市場において航海気象サービスを展開しておりますが、サービス提供船は世界の外航船約20,000隻のうち30%程度です。第4成長期にはサービス品質を改善するとともに新サービスを開始し、世界の外航船約20,000隻の50%にあたる10,000隻へのサービス提供を目指します。
本サービスはサービスを提供する航海毎に課金することからサービス対象となる隻数をKPI(重要業績評価指標)として設定し、売上だけでなく市場占有率を含めた市場におけるポジショニングを示しています。
<航空気象>航空気象では日本・アジア市場を中心にサービス提供を進め、各国における当社のブランド認知度を高めています。また、欧州・米州市場でも市場シェア及び当社のブランド認知度を高めるため展開を推進しています。
本サービスは航空会社別に契約を締結しサービスを提供しており、目的地となる空港数で価格が決定するためお客様の就航路線により契約金額が異なります。市場占有率など市場におけるポジショニングと進捗を明確にするため、KPIは全世界の航空会社320社の約25%にあたる85社へのサービス提供を目指しています。
<環境気象>全世界的な自然エネルギー利活用へ向けた構造変革を受け新たな顧客ニーズを認識しており、日本、アジア、欧州のエネルギー企業に対し、需要予測の提供を中心とした環境気象の立ち上げと新規顧客の獲得を目指します。
新規市場においてはSymbolic Customer(象徴的な顧客)と共に当社サービスを構築し拡販サービスの開発に繋ぐことから、市場展開の進捗度を示すKPIにSymbolic Customerの数を設定し、顧客数を38社まで拡大することを目指します。
<モバイル・インターネット気象>各国の気象庁から提供される観測データ(Observation)だけでなく、独自の衛星、レーダー、小型観測機、ライブカメラ等に加え、サポーターから送られてくる膨大な写真や体感データに代表される“感測”データ(Eye-servation)をAI・Deep Learningなどの最新技術を活用して解析し、他社には模倣できないコンテンツを創造していきます。これらのコンテンツを自社以外の多様化する様々なプラットフォームにも展開することでト
ラフィックを増大させ有料会員を増やすとともに、広告事業も伸ばしていきます。
アプリ「ウェザーニュース」へのトラフィックの流入が有料会員数の増加や広告事業のブランドに繋がると分析しており、継続的なサービス利用者を示す指標である月間利用者数(MAU)をKPIと設定し、MAU5,600万人の到達を目指します。
2)世界最高品質の予報精度の追究とコンテンツ生産力の飛躍的向上
世界最大規模の気象・気候データベース及び独自AI解析を用いた世界No.1の予報精度の実現と、新たな基幹データベース・開発プラットフォーム及び独自AI技術を用いたコンテンツ生産力の向上を目指します。
当社ではこれまで整備してきたWNI衛星・WITHレーダーなどの独自気象観測インフラで観測した気象データ、各市場の顧客とコミュニケーションを交わす中で蓄積されてきたビジネスデータ、サポーターから提供される感測データ等から構成される世界最大規模の気象・気候データベースを保有しています。このデータベースとAIによる解析・予測等のIT技術を駆使することで90%以上の予報精度を維持し、当社の気象予報におけるブランド価値を高めます。また、画一的な予測ではない市場毎のニーズに合わせた「世界No.1の予報精度」の実現を目指しています。RCサービスの提供においても、従来の人による予測値の修正やコミュニケーションの一部を最新IT技術によって代替し、品質と生産力を高めて利益率の向上に繋げます。
3)マーケットを加速するITサービス基盤の整備
全世界78億人がデバイスなどの環境に関わらず迅速かつグローバルに気象情報を活用できるインフラ環境の整備、そして「事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)」を踏まえた事業の継続性の実現を目指しています。開発プラットフォームの整備に伴うシステム開発スピードの向上及びサーバの一極集中による災害時のシステム障害リスクに対するレジリエンスの強化を見据え、物理サーバからクラウドサーバへの移行を推進します。また、気象情報の外部連携によるマーケットへの価値創造サイクルの推進を目指し、ITインフラのクラウド化を通じてサービス開発の高速化と迅速な顧客へのサービス提供を可能とし、市場展開や他業種・グローバルでのコラボレーションを加速します。
4)気候変動に対応した新規発展事業の創出
市場におけるビジネスリスクの調査と詳細分析、極端気象や気候変動による事業リスクに適応するサービスの創造等、気象リスクに対するあらゆる角度からのサービスの開発・提供を目指します。また、地方自治体などSymbolic Customerとの業務提携を通じて、従来の気象環境による事業運営リスクに対する支援だけでなく、継続的に経済的損害が発生するような事業構造リスクへの対応へと事業領域を拡大することで長期的な成長を実現します。
(3) 今後の見通し
新型コロナウイルスの影響については、経済活動の水準が緩やかに回復しつつあると認識しているものの、依然として収束時期が不透明な状態であることから、2022年5月期においてもその影響は継続すると見込んでおります。
売上面では、BtoS市場においては、モバイル・インターネット気象のDevOpsによる自社配信コンテンツの充実の継続と、広告事業の最適化による更なる利益成長を見込んでおります。また、BtoB市場においては、航海気象では沿岸部の座礁リスクに対応する新サービスの本格的な展開を見込むと同時に、環境運航支援の文脈で新たなサービスの開発を進めています。一方で、新型コロナウイルスの影響が継続することが想定されるため、BtoB市場においては、中期経営計画策定当初の計画と比較して、特に航空気象を中心に販売進捗の遅れを見込んでおります。
利益面では、システム開発人財の獲得と基幹システムの整備による、ソフトウェアの開発生産性の向上とサービス運営人員の最適化を引続き行います。また、ニューノーマル時代に対応した働き方の変化に伴う旅費交通費などの営業活動費の水準の低下、及びリモートワークの増加に伴うオフィス最適化による費用の最適化も計画しております。一方で、前期に引き続き、ビジネスを成長させる広告投資が継続する予定です。
これらの結果により、2022年5月期は、売上高19,300百万円、営業利益2,600百万円、経常利益2,600百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,900百万円と見込んでいます。なお、この業績予想は、2022年5月期の期首より適用される「収益認識に関する会計基準」に基づいて算出しています。
(当期の進捗)
当連結会計年度の上半期を中心に、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により世界規模で経済活動が縮小しました。その後は感染拡大の状況に応じて断続的に経済活動の再開が進められたことで回復に向かいましたが、そのペースは各国で異なっています。日本においては依然として経済活動への影響が継続しておりますが、今後はワクチン接種の進展等に伴い市況は緩やかに回復することが予想されます。
当社においては、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大及び長期化の影響を受け、中期経営計画策定時に前提とした当社グループの事業環境が大きく変化したため、計画の一部が想定通りに進捗していない状況となっております。特に、貨物・旅客輸送に関わる市場において市況が低迷したことにより、航海気象や航空気象において当初の販売計画に対して遅れが発生しております。また、費用面においても、継続的な利益成長実現のため、運営人員の最適化を目的としたオペレーション業務のシステム化やサービスメニュー開発のDevOps化を計画しておりましたが、その前提となるシステム開発人材の採用において、各企業が急激にリモートワークにシフトしたことに伴うIT人材の需要の増加が発生し、採用計画に遅れが発生しております。これらの状況を踏まえ、事業環境の変化に対する体制整備を進めるため、中期経営計画の期間を2020年5月期~2022年5月期の3年間から、2020年5月期~2023年5月期までの4年間に延長いたします。なお、中期経営計画の基本戦略及び最終年度における業績目標数値について変化はございません。
気象環境については、気候変動による世界的な極端気象や激甚災害が引き続き増加しており、気象リスクに対する一層の対応策ニーズを実感しております。当社は気象をドメインとし、また「いざというときに人の役に立ちたい」という理念を持つ企業として、日々のサービス提供を通じて気象リスクの最小化と気候変動及びその影響の緩和に貢献しております。
(2)対処すべき課題(中期経営計画)
1.中長期的な会社の経営戦略
<当社のミッション>当社グループは「全世界78億人の情報交信台」という夢に向かって、サポーターとともに最多・最速・最新の気象コンテンツサービスにより気象・環境に関する社会的リスクに対応する「気象コンテンツ・メーカー」になることを基本コンセプトとしており、気象コンテンツ市場のフロントランナーとして、独創的に新たな市場を創造しながら「サポーター価値創造」と企業価値の最大化を目指します。
また、このコンセプトの実現のため、「世界最大のデータベース・世界No.1の予報精度・あらゆる市場でのRisk Communicator」をコアコンピタンスと考え、Full Service“Weather & Climate” Companyとなることが当社のミッションであると認識しています。
<第4成長期のビジョン>当社では、第1成長期(1986年6月から1995年5月)は「事業の成長性」、第2成長期(1995年6月から2004年5月)は「ビジネスモデルの多様性」、第3成長期(2004年6月から2012年5月)は「経営の健全性」をテーマに掲げ、事業を展開してまいりました。第4成長期(2012年6月から2023年5月)は「革新性」をテーマに掲げ、サービスを本格的にグローバル展開することを目指します。
<第4成長期の基本戦略>「Service CompanyからService & Infrastructure Company with the Supportersへ」
当社には、RC(Risk Communication)サービスを組織的に運営すると同時に顧客とともに革新的なインフラを整備し、交通気象・環境気象を中心としたビジネスを立ち上げてきた経験があります。この経験を基にアジア、欧州、米州において新たなグローバルビジネスを展開してまいります。
2020年5月期より、各市場の売上及び利益の責任を明確にするために、主要な事業をPlanning(Sea Planning:航海気象、Sky Planning:航空気象、Land Planning:陸上気象、Environment Planning:環境気象、Mobile・Internet Planning: モバイル・インターネット気象、Broadcast Planning:放送気象、Sports Planning:スポーツ気象)と称し、各市場に特化したサービス企画・運営・開発・営業を行い事業を推進しています。そしてBtoB市場において国内:海外のトールゲート売上比率50:50を目指します。
なお、各Planningに共通する部門(共同利用インフラ運営及び開発・管理部門)をSSIと称し、各Planningを専門的な見地でサポートし、会社全体での品質及び生産性の向上を実現します。また、取締役は事業全体を監督し、執行体制においてチェック・アンド・バランスを働かせます。
(事業分野別の戦略)
| 事業分野 | 事業戦略 |
| 航海気象 | ・10,000隻へルーティングサービスを拡大 |
| 航空気象 | ・欧州、米州市場への展開 |
| 陸上気象 | ・国内向けを中心とした極端気象に伴うサービス開発及びその強化 ・道路鉄道分野におけるアジア市場への展開 |
| 環境気象 | ・需要予測によるエネルギー会社等の環境エネルギー市場展開 ・販売量予測をもとにした流通小売市場展開 ・日本、アジア、欧州市場への展開 |
| モバイル・ インターネット気象 | ・日本における圧倒的No.1の気象コンテンツプラットフォーム |
| 放送気象 | ・市場の維持とともに、放送局向け新サービスの検討 |
| スポーツ気象 | ・国内外のスポーツ大会の運営支援、代表チームへのサポート ・アスリート向け新サービスの検討 |
2.中期経営計画の概要とその進捗
当社では、2020年5月期からの4年間(2019年6月~2023年5月)を、「革新性」をテーマに交通気象のグローバル展開を目指す第4成長期のStage3として中期経営計画を策定しており、以下の4点を重点テーマとして推進することで事業の土台を一層安定させるとともに、第5成長期を見据えた新規発展事業の創出を目指します。なお、2021年7月1日付で中期経営計画の期間を1年延長し、2020年5月期~2022年5月期の3年間から2020年5月期~2023年5月期の4年間に変更しております。
1)既存事業の継続成長による収益基盤の強化
既存事業である航海気象、航空気象、環境気象、モバイル・インターネット気象は当社の基盤事業かつグローバルビジネスのポテンシャルを有していると認識しており、トールゲート売上の増加及びBtoB事業における国内:海外のトールゲート売上比率の50:50の達成に向けて、継続的に成長させ、収益基盤の強化を目指します。
<航海気象>航海気象は、国によるサービスが行われていない「公認民間市場(顕在化市場)」と言えます。当社は既にグローバル市場において航海気象サービスを展開しておりますが、サービス提供船は世界の外航船約20,000隻のうち30%程度です。第4成長期にはサービス品質を改善するとともに新サービスを開始し、世界の外航船約20,000隻の50%にあたる10,000隻へのサービス提供を目指します。
本サービスはサービスを提供する航海毎に課金することからサービス対象となる隻数をKPI(重要業績評価指標)として設定し、売上だけでなく市場占有率を含めた市場におけるポジショニングを示しています。
<航空気象>航空気象では日本・アジア市場を中心にサービス提供を進め、各国における当社のブランド認知度を高めています。また、欧州・米州市場でも市場シェア及び当社のブランド認知度を高めるため展開を推進しています。
本サービスは航空会社別に契約を締結しサービスを提供しており、目的地となる空港数で価格が決定するためお客様の就航路線により契約金額が異なります。市場占有率など市場におけるポジショニングと進捗を明確にするため、KPIは全世界の航空会社320社の約25%にあたる85社へのサービス提供を目指しています。
<環境気象>全世界的な自然エネルギー利活用へ向けた構造変革を受け新たな顧客ニーズを認識しており、日本、アジア、欧州のエネルギー企業に対し、需要予測の提供を中心とした環境気象の立ち上げと新規顧客の獲得を目指します。
新規市場においてはSymbolic Customer(象徴的な顧客)と共に当社サービスを構築し拡販サービスの開発に繋ぐことから、市場展開の進捗度を示すKPIにSymbolic Customerの数を設定し、顧客数を38社まで拡大することを目指します。
<モバイル・インターネット気象>各国の気象庁から提供される観測データ(Observation)だけでなく、独自の衛星、レーダー、小型観測機、ライブカメラ等に加え、サポーターから送られてくる膨大な写真や体感データに代表される“感測”データ(Eye-servation)をAI・Deep Learningなどの最新技術を活用して解析し、他社には模倣できないコンテンツを創造していきます。これらのコンテンツを自社以外の多様化する様々なプラットフォームにも展開することでト
ラフィックを増大させ有料会員を増やすとともに、広告事業も伸ばしていきます。
アプリ「ウェザーニュース」へのトラフィックの流入が有料会員数の増加や広告事業のブランドに繋がると分析しており、継続的なサービス利用者を示す指標である月間利用者数(MAU)をKPIと設定し、MAU5,600万人の到達を目指します。
2)世界最高品質の予報精度の追究とコンテンツ生産力の飛躍的向上
世界最大規模の気象・気候データベース及び独自AI解析を用いた世界No.1の予報精度の実現と、新たな基幹データベース・開発プラットフォーム及び独自AI技術を用いたコンテンツ生産力の向上を目指します。
当社ではこれまで整備してきたWNI衛星・WITHレーダーなどの独自気象観測インフラで観測した気象データ、各市場の顧客とコミュニケーションを交わす中で蓄積されてきたビジネスデータ、サポーターから提供される感測データ等から構成される世界最大規模の気象・気候データベースを保有しています。このデータベースとAIによる解析・予測等のIT技術を駆使することで90%以上の予報精度を維持し、当社の気象予報におけるブランド価値を高めます。また、画一的な予測ではない市場毎のニーズに合わせた「世界No.1の予報精度」の実現を目指しています。RCサービスの提供においても、従来の人による予測値の修正やコミュニケーションの一部を最新IT技術によって代替し、品質と生産力を高めて利益率の向上に繋げます。
3)マーケットを加速するITサービス基盤の整備
全世界78億人がデバイスなどの環境に関わらず迅速かつグローバルに気象情報を活用できるインフラ環境の整備、そして「事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)」を踏まえた事業の継続性の実現を目指しています。開発プラットフォームの整備に伴うシステム開発スピードの向上及びサーバの一極集中による災害時のシステム障害リスクに対するレジリエンスの強化を見据え、物理サーバからクラウドサーバへの移行を推進します。また、気象情報の外部連携によるマーケットへの価値創造サイクルの推進を目指し、ITインフラのクラウド化を通じてサービス開発の高速化と迅速な顧客へのサービス提供を可能とし、市場展開や他業種・グローバルでのコラボレーションを加速します。
4)気候変動に対応した新規発展事業の創出
市場におけるビジネスリスクの調査と詳細分析、極端気象や気候変動による事業リスクに適応するサービスの創造等、気象リスクに対するあらゆる角度からのサービスの開発・提供を目指します。また、地方自治体などSymbolic Customerとの業務提携を通じて、従来の気象環境による事業運営リスクに対する支援だけでなく、継続的に経済的損害が発生するような事業構造リスクへの対応へと事業領域を拡大することで長期的な成長を実現します。
(3) 今後の見通し
新型コロナウイルスの影響については、経済活動の水準が緩やかに回復しつつあると認識しているものの、依然として収束時期が不透明な状態であることから、2022年5月期においてもその影響は継続すると見込んでおります。
売上面では、BtoS市場においては、モバイル・インターネット気象のDevOpsによる自社配信コンテンツの充実の継続と、広告事業の最適化による更なる利益成長を見込んでおります。また、BtoB市場においては、航海気象では沿岸部の座礁リスクに対応する新サービスの本格的な展開を見込むと同時に、環境運航支援の文脈で新たなサービスの開発を進めています。一方で、新型コロナウイルスの影響が継続することが想定されるため、BtoB市場においては、中期経営計画策定当初の計画と比較して、特に航空気象を中心に販売進捗の遅れを見込んでおります。
利益面では、システム開発人財の獲得と基幹システムの整備による、ソフトウェアの開発生産性の向上とサービス運営人員の最適化を引続き行います。また、ニューノーマル時代に対応した働き方の変化に伴う旅費交通費などの営業活動費の水準の低下、及びリモートワークの増加に伴うオフィス最適化による費用の最適化も計画しております。一方で、前期に引き続き、ビジネスを成長させる広告投資が継続する予定です。
これらの結果により、2022年5月期は、売上高19,300百万円、営業利益2,600百万円、経常利益2,600百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,900百万円と見込んでいます。なお、この業績予想は、2022年5月期の期首より適用される「収益認識に関する会計基準」に基づいて算出しています。
(当期の進捗)
| 事業分野 | KPI | 進捗 | |
| 23.5期末 目標 | 21.5期末 実績 | ||
| BtoB事業全体の TG売上比率 (国内:海外) | 50:50 | 61:39 | ・BtoB事業全体のTG(トールゲート)売上は増収したが、海外売上を牽引する航海気象及び航空気象において新型コロナウイルス感染拡大の影響が継続したため海外売上が伸び悩む。 |
| 1)既存事業の継続成長による収益基盤の強化 | |||
| 航海気象 (隻数) | 9,200 | 5,300 | ・市況低迷の底から脱するも、船舶の稼働率の回復が鈍く、サービス提供隻数が計画を下回る。 ・21年5月に提供開始した新サービスのNARによる隻数増加を見込む。 |
| 航空気象 (顧客数) | 85 | 59 | ・新型コロナウイルス感染拡大の影響継続で東南アジアのエアライン顧客を中心に獲得数が計画を下回る。また、欧州、米州市場での顧客獲得計画にも遅れが発生している。 |
| 環境気象 (顧客数) | 38 | 16 | ・顧客数はほぼ計画通りに増加。 ・新規市場でのサービスメニューの共創に引続き取り組む。 |
| モバイル・インターネット気象 (MAU:万人) | 5,600 | 3,849 | ・DevOpsによるコンテンツの充実や広告投資の効果で当期計画値を大きく上回る。 ・来期も継続して広告投資を実施予定。 |
| 2)世界最高品質の予報精度の追究とコンテンツ生産力の飛躍的向上 | |||
| 予報精度 (%) | 90.0 以上 | 91.2 | ・ナウキャスト及び欧州の予報精度が向上。 ・引続き日本での予報精度90%維持を目指すとともに、グローバルの精度向上に取り組む。 |