有価証券報告書-第40期(平成29年6月1日-平成30年5月31日)

【提出】
2018/08/23 14:14
【資料】
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【項目】
105項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは「ワンストップ・ソリューション」という企業コンセプトのもと、不動産・旅行・人材と3つの事業領域から日本の未来を担う若者と、大学及び企業等の社会の若者を応援する人たちとをつなぎ、新たな価値を創造し、将来にわたり地域経済や社会に貢献することを経営目標としております。
不動産ソリューション事業におきましては、不動産を直接取得し開発するディベロッパー事業の他、企業及び個人オーナーに対する保有不動産の有効活用案件について、事業スキームの提案から、収支計画、設計、建設会社の紹介、融資金融機関の紹介、竣工後の一括借上げ、入居者募集、運営管理にいたるまで全ての機能をワンストップ体制で提供することで、管理戸数の安定拡大を図り、事業基盤の強化を進めてまいります。
学生生活ソリューション事業においては、学生が充実した学生生活を過ごすためのさまざまなサービスを提供する課外活動ソリューション部門と、企業と新卒学生人材とのマッチングサービスを提供する人材ソリューション部門を連携させ、就職率向上を目指す大学までも含めた新卒採用の課題解決をはかる学生生活ソリューションビジネスへと発展させてまいります。
(2) 目標とする経営指標
① 中期経営計画
当社グループは、経常利益の成長を第一の目標にしております。平成30年5月期初年度とする『中期経営計画(2018年5月期~2020年5月期)』を策定し、平成32年5月期に経常利益20億円を達成することを目標に掲げております。さらに、中期経営計画策定にあわせて、株主への利益還元の観点から連結配当性向についてもこれまでの30%以上から35%以上へと引き上げ、安定的かつ継続的に実施していくことを目標としております。
② 中期経営計画の進捗状況
中期経営計画の初年度である平成30年5月期は、売上、各利益ともに順調に推移し計画を上回りました。また、連結配当性向については、平成31年5月期以降これまでの30%以上から35%以上へとの引き上げることといたしました。
なお、各セグメントの主な取り組みの進捗状況は次のとおりであります。
不動産ソリューション事業(不動産デベロップメント部門)
・全国エリアの物件開発積極的推進・・・広島を含む7物件の土地の仕入が完了
・リノベーション物件による開発スピードアップ・・・「カレッジスクエア宮崎台」物件、今春オープン
不動産ソリューション事業(不動産マネジメント部門)
・ 最新のIT技術を駆使したWEB募集力の強化・・・5ヶ国語対応の新サイトオープン
・ 総合管理型物件のサブリース型物件への移行・・・5物件合計580戸をサブリース型へ移行
学生生活ソリューション事業(人材ソリューション部門)
・ ITとスマートフォンを駆使した新サービスの投入・・・新アプリ「キャンパスキャリア」9月オープン
・ 新卒人材と企業をつなぐ新しいマッチング手法の開発・・・OBとのマッチングの新アプリ開発へ
(3) 中長期的な会社の経営戦略
上記基本方針のもと、第一には不動産ソリューション事業を成長の中軸として、引き続き経営資源の集中投資を行います。第二には学生生活ソリューション事業において学生人材育成と企業人事への営業体制強化を図ります。この両面を展開することで学生生活に不可欠なサービスをさらに包括的に提供しうる事業体を構築し、地域経済や社会に貢献する企業グループへの進化を進めてまいります。
① 不動産ソリューション事業
(不動産デベロップメント部門)
・ 全国エリアの物件開発積極推進
・ 大手不動産会社との連携強化
・ 学生マンションのバリエーションの拡大
・ リノベーション物件による開発スピードUP
(不動産マネジメント部門)
・ 最新のIT技術を駆使したWEB募集力の強化
・ 総合管理型物件のサブリース型物件への移行
・ 管理物件の長期修繕計画に基づく工事の受注
・ 全国の不動産賃貸管理会社との協業・連携
② 学生生活ソリューション事業
(課外活動ソリューション部門)
・ 旅行事業の東京圏から関東圏への拡大
・ 関西圏での学生ネットワークの構築
・ 新ジャンル、新カテゴリーの開拓・営業強化
・ スポーツインバウンドを通じた地域活性化
(人材ソリューション部門)
・ ITとスマートフォンを駆使した新サービスの投入
・ 取引顧客数1,000社超への拡大
・ 新卒人材と企業をつなぐ新しいマッチング手法の開発
・ 東京、名古屋、大阪での新卒採用支援サービスの拡大を加速
(4) 会社の対処すべき課題
当社グループは「ワンストップ・ソリューション」という企業コンセプトを掲げつつ、学生向け賃貸住宅の開発・運営を強みとする不動産ソリューション事業を中軸に事業拡大を進めてまいりました。
今後につきましても、「ワンストップ・ソリューション」のコンセプトのもと、学生需要を的確に捉えるのみならず、その保護者や大学、そして企業のニーズをより敏感に受け止め、各事業がスピードと柔軟さをもって応えていく必要があります。
そのためには以下の2点を対処すべき課題として認識しております。
① 学生向け賃貸住宅開発促進のための基盤強化
不動産ソリューション事業においては、大学進学率の向上と首都圏進学志向の高まり、女子大生比率の増加等により、学生向け賃貸住宅の需要はますます高まると考えられ、当事業の拡大のためには入居者ニーズに応える商品バリエーションの拡充を含め、学生向け賃貸住宅開発の積極的な推進と効率化を図ることが不可欠です。そのためには、より多くの土地オーナー及び不動産を保有する企業のニーズに応える高度で幅広い事業ノウハウの蓄積と人材の確保を進めるとともに、主な情報入手先である金融機関等とのさらなる協力・連携の強化が重要であると考えております。
② 商品・サービスの拡充
学生生活ソリューション事業においては、キャンパスライフから就職までの学生生活ソリューションを提供するにあたり、商品・サービスの拡充が不可欠です。そのためには他企業とのアライアンスや各大学が設立を進める営利法人との関係強化、学生等の自己実現の「場」作りのための地域行政との連携を図る必要があると考えております。
特に人材ソリューション部門における新卒採用支援ビジネスは、企業の採用ニーズに合った登録学生の安定確保が課題であり、課外活動ソリューション部門や学生のキャリアアップ教育に力を入れる大学との連携を深めつつ、領域の拡大と収益化を進めてまいります。