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有価証券報告書-第32期(2025/07/01-2026/06/30)

【提出】
2026/09/24 11:05
【資料】
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【項目】
149項目
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループの企業理念は「医科学の研究成果を事業化し、人々の健康で安全な生活の実現に寄与する」であり、当社グループは、医学分野における大学の研究成果を人々の生活の身近なところで開花させることによって、人々の健康で安全な暮らしを実現し、医療費の抑制や生活快適性の向上等に貢献することを目指しております。
当社グループは、大学の研究成果を活かして創出するエビデンス(科学的根拠)に基づき、国民の健康の維持及び増進並びに医療資源の効率的活用等に資するサービスや商品を開発し、提供してまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、企業としての成長過程にあることに鑑み、安定的かつ継続的な成長を確保するための事業基盤を強化しつつ、事業規模の拡大を通じて企業価値を高めることを経営上の目標としております。数値目標としては、2030年6月期までに売上高60億円、営業利益5億円、ROE8%を目標としております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
我が国では、高齢化の進展や医療費の増加を背景として、医療の適正化、予防・健康づくりの推進及び保健事業の実効性向上に対する要請が一段と高まっており、科学的根拠に基づく評価・介入を支える社会のEBM(Evidence Based Medicine:科学的根拠に基づく医療)の重要性は引き続き高まっております。これに伴い、健康保険組合等におけるデータヘルス計画の推進、共通評価指標や健康スコアリングレポートの活用、事業主との連携によるコラボヘルスの進展など、健康経営を推進する企業を後押しする事業環境の整備が進んでおります。
また、機能性表示食品制度におきましても、届出・運用面の見直しを通じて制度の信頼性向上が図られるなど、科学的根拠の重要性は一層高まっております。さらに、オンライン資格確認、電子処方箋、電子カルテ情報の標準化等を柱とする医療DXの推進は、保健・医療データの利活用基盤の整備を通じて、国民の主体的な健康管理や予防行動を促進する環境を形成しております。
このような事業環境のもと、当社グループは、大学発のバイオマーカー技術に基づくエビデンスの構築と活用に関する実績やノウハウ、医学界や医療界における幅広いネットワーク等を活かし、医療DXを活用して予防から治療まで様々なヘルスケア関連サービス等を提供し、セルフメディケーション社会の構築に寄与することで、事業の拡大を図っていく方針であります。
当連結会計年度においては、構造改革及びヘルスケア事業を中核とした事業ポートフォリオの再編を推進するとともに、中長期的な成長基盤の構築に向け、医療DXを活用した総合ヘルスケアプラットフォームの構築に取り組んでまいりました。事業再編としては、中国での化粧品事業から撤退するとともに、日本国内の化粧品事業及び機能性素材開発事業を日本予防医薬㈱へ集約し、健康補助食品、化粧品、機能性素材開発及びOEM事業を一体的に運営する体制へ移行いたしました。また、同社において、中国・ASEAN市場を対象とした健康補助食品及び機能性素材を活用した商品の販売、現地企業向けOEM事業などの海外展開を推進するとともに、同社が保有するECサイト及び顧客基盤を活用し、総合ヘルスケアプラットフォームの事業基盤の構築を進めております。
これらの事業再編に伴い、2027年6月期から、報告セグメントを「生体評価システム事業」、「法人ヘルスケアサポート事業」及び「ヘルスケアプラットフォーム事業」の3区分へ変更し、事業の実態に即した経営管理体制へ移行いたします。従来の「ヘルスケアサポート事業」は「法人ヘルスケアサポート事業」へ名称を変更し、「健康補助食品事業」、「化粧品事業」及び「機能性素材開発事業」は「ヘルスケアプラットフォーム事業」へ統合いたします。
当社グループは、既存事業による安定した収益基盤を維持・強化するとともに、2027年6月期より本格展開する医療DXを活用したヘルスケアプラットフォーム事業を新たな成長ドライバーとして育成し、中国・ASEANを中心とした海外展開の拡大やM&A・業務提携を積極的に推進することで、中長期的な企業価値の向上及び持続的な利益成長の実現を目指してまいります。また、資本効率を意識した経営を推進し、株主価値の向上にも努めてまいります。
具体的な戦略は次のとおりであります。
① 総合ヘルスケアプラットフォームの構築
高齢化や医療従事者不足、海外駐在員の健康不安の深刻化など、医療アクセスを取り巻く課題が多様化する中、当社グループは、医療DXを推進し、健康補助食品・化粧品、OTC医薬品・漢方薬、郵送検査等のセルフメディケーションECサイトを基盤に、オンライン診療、オンライン薬局、セカンドオピニオンサービスなどを組み合わせ、「予防から治療まで」のサービスをシームレスに提供する「総合ヘルスケアプラットフォーム」の構築を進めております。
当該プラットフォームの構築にあたりましては、当社グループの経営資源を活用してまいります。顧客面では、日本予防医薬㈱が運営するECサイトの既存顧客に加え、法人ヘルスケアサポート事業を通じて接点を有する健康保険組合の保健事業対象者及び健康経営に取り組む企業の従業員を、当該プラットフォームへ誘導してまいります。併せて、当該プラットフォームで提供する各種サービスを新たな顧客接点とし、顧客基盤の拡大につなげてまいります。提供体制面では、これまで構築してまいりました専門医のネットワークを活用し、オンライン診療やセカンドオピニオンサービスを提供してまいります。商品面では、疲労感の軽減に資するイミダペプチドやフェムケア機能性素材であるラクトフェリンをはじめとする当社グループの機能性素材及びヘルスケア関連ノウハウを活用した自社商品の拡充を図るとともに、OTC医薬品・漢方薬・化粧品につきましても、取扱品目の充実を図ってまいります。これらに加え、M&Aや業務提携を積極的に活用し、事業領域を拡大してまいります。
また、システム面では、セルフメディケーションECサイトとオンライン診療、オンライン薬局等の各サービスを連携させるシステム基盤の開発、及び顧客データを統合・利活用するための投資を実施してまいります。当該投資につきましては、自社開発に加え、外部サービスとの連携も活用し、効率的かつ機動的に進めてまいります。
② エビデンスの取得、構築及び活用に向けた事業の推進
当社グループは、長年にわたり、主にトクホの許可取得及び機能性表示食品の届出を目的とした食品の評価試験や市販後調査、疲労プロジェクト等を通じて、エビデンスの取得、構築及び活用に向けた事業を行ってまいりました。当社グループでは、これまでに培ったノウハウや経験、インフラ等を活用し、当社グループの特長を発揮できる事業領域として、今後もこれらの事業に注力してまいります。
③ エビデンスに基づく独自性のある商品の開発
疲労プロジェクトは、「疲労」を客観的に評価・定量化するための評価システムを確立し、これまで適正な評価方法が無かったために有効性を評価することが不可能であった抗疲労候補成分等について、その効果を検証することによって、抗疲労トクホ及び抗疲労医薬品を世に送り出すことを目指して実施されたものであります。疲労プロジェクトの成果につきましては、当社グループの日本予防医薬㈱を含め、既に複数の参加企業が、臨床試験の実施等を経て事業化に成功し、商品の発売に至りました。
また、疲労プロジェクトで創出された製品である「イミダペプチド」は、2015年4月に施行された機能性表示食品制度において届出が受理され、「日常の生活で生じる身体的な疲労感を軽減する」という機能性を表示することができる我が国で初めての製品となりました。
当社グループでは、ヘルスケアプラットフォーム事業において、「イミダペプチド」を中心とした抗疲労機能性素材の研究開発を進めるとともに、OTC医薬品、医薬部外品、漢方薬などのセルフメディケーション関連商品の取扱品目の拡充を図ってまいります。さらに、「プラセンタ」、「ラクトフェリン」、「高機能ペプチド」を利活用した「肌の疲れを科学する」新たな化粧品の研究開発を実施してまいります。こうした研究開発投資を通じて、新製品の創出につなげてまいります。
④ 海外展開
当社グループは、日本発のエビデンスと品質を強みとして、中国・ASEAN市場における事業展開を推進してまいります。なお、化粧品事業につきましては中国市場から撤退し、国内市場における主力製品であるプラセンタ製品を中心に展開してまいります。
今後は、現地パートナー企業との協業を進め、各市場のニーズに即した健康補助食品の開発・販売及び現地企業向けOEM事業の拡大を図ってまいります。
⑤ 戦略的なM&A及び業務提携等の推進
当社グループは、各事業においてこれまで様々な外部の主体との業務提携等を推進してまいりました。
当社グループでは、今後も、既存事業の事業領域の拡大及び総合ヘルスケアプラットフォームの構築に向けて、医療DXを中心としたヘルスケア事業領域における積極的なM&Aによる事業拡大、総合ヘルスケアプラットフォームにおけるコンテンツの充実のための業務提携等、各事業でのシナジー効果が期待できる企業等との間で戦略的なM&A及び業務提携等を行い、業容の拡大及び経営資源の最適配分等を図る方針であります。
⑥ 企業価値向上に向けた財務戦略
当社グループは、資本コストや株価を意識した経営を推進し、2030年6月期にROE8%の達成を目指してまいります。
資本配分につきましては、総合ヘルスケアプラットフォームの構築に向けた研究開発・システム投資及びヘルスケア事業領域におけるM&A等の戦略的な成長投資を優先しつつ、財務の健全性を確保したうえで、株主還元の充実を図ってまいります。
株主還元につきましては、安定配当を基本方針とし、利益成長に応じて配当水準の見直しを実施してまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上の課題
①ヘルスケアプラットフォーム事業の早期収益化
2027年6月期より本格展開するヘルスケアプラットフォーム事業は、システム基盤の開発や商品・サービスの拡充に先行投資を要する事業であり、早期に顧客基盤を拡大し収益化を図ることが重要な課題であると認識しております。当社グループは、日本予防医薬㈱が運営するECサイトの既存顧客に加え、法人ヘルスケアサポート事業を通じて接点を有する健康保険組合の保健事業対象者及び企業の従業員を当該プラットフォームへ送客する導線を強化してまいります。また、会員数、購入顧客数、継続利用率等の指標を継続的にモニタリングし、投資の優先順位付けと規律ある投資判断を行ってまいります。
②既存事業の収益基盤の強化
生体評価システム事業におきましては、機能性表示食品制度の見直しにより、エビデンスの質及び試験の信頼性に対する要請が一層高まっております。当社グループは、大学発のバイオマーカー技術と長年の受託試験の実績を活かし、信頼性の高い臨床試験及び届出支援の体制を強化することで、受託の拡大を図ってまいります。
法人ヘルスケアサポート事業におきましては、第4期特定健康診査・特定保健指導においてアウトカム評価が導入されたことを踏まえ、成果に結びつく保健指導プログラムの開発・提供を進めてまいります。また、特定保健指導の受託等において重要な事業基盤である医療機関ネットワークの拡充に加え、これを効率的に運用するためのインフラの整備を進めてまいります。
③関連法令・規制への対応
ヘルスケアプラットフォーム事業では、健康補助食品・化粧品、OTC医薬品・漢方薬、郵送検査等のセルフメディケーション商品の販売に加え、オンライン診療、オンライン薬局、セカンドオピニオンサービス等の治療領域までサービスを提供することから、医療法、医薬品医療機器等法、健康増進法、景品表示法、食品表示法等の関連法令・規制への適合が不可欠であります。当社グループは、薬事・広告表現の審査体制の整備、管理薬剤師等の必要な人員の確保、法令改正の動向の継続的な把握を通じて、今後の法令等の改正への対応も含め、法令遵守体制を強化してまいります。
④知的財産権への対応
当社グループでは、研究開発の成果として生ずる成分や製品等について、大学研究者等との共同又は当社グループ単独にて特許権その他の知的財産権を取得することにより、その権利の確保を図っております。また、当社グループの事業に必要な大学研究成果が当社グループ以外で利用されることを防ぐため、当該研究成果について、一定の対価を支払う代わりにその特許を受ける権利の一部を譲り受け、発明者と当社の共同で特許を出願することも行っております。さらに、国内外ともに、当社グループが有する独自性の高い製品の模倣品による被害を防ぐため、商標登録、意匠登録等を適切に行い、権利保全を図る必要があります。以上のことから、当社グループは、引き続き知的財産権を戦略的に取得又は活用してまいります。
⑤人材の確保及び組織体制の強化
新規事業であるヘルスケアプラットフォーム事業を構築し、当社グループの成長を加速しつつ持続的な成長を維持するためには、事業環境の変化に適応する組織体制の強化が重要であると考えております。そのため、医療DX、EC運営、薬事等の専門人材の確保・育成を進めてまいります。また、M&A実施後の統合プロセス(PMI)を適切に推進し、グループ全体のガバナンス及び内部管理体制を強化することで、ヘルスケアプラットフォーム事業の安定的な運営及びM&A等による当社グループの拡大を支える強固な経営基盤を構築してまいります。

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