有価証券報告書-第40期(2025/06/01-2026/05/31)
3.戦略
(1)全体戦略
当社は、サステナビリティに関するリスクや機会の重要課題(マテリアリティ)、及びマテリアリティKPIを下記①から⑤の過程を経て特定していきました。
① 直近の社会環境変化と当社の社会的課題の抽出
サステナビリティ委員会において、長期ビジョンの検討と社会的課題を抽出し、そのうえで企業理念・価値観や外部のステークホルダーも交えて情報の整理・検討。
② 社内外のヒアリング
従業員を対象にSDGsやサステナビリティに関する研修とアンケートを行い、幹部社員に対してはマテリアリティに関するアンケートを実施し、その内容について外部の有識者から意見を聴取。
③ グループ内における横断的な検討
アンケート結果を踏まえて、サステナビリティ委員会において、社会と当社グループに係るリスクと機会に関する重要課題(マテリアリティ)を検討。
④ 選出された課題の優先順位付けとマテリアリティの特定
サステナビリティ委員会において、外部コンサルタントと意見を交えながら、マテリアリティの優先順位付けを行い、そのうえで最終的なマテリアリティの特定と対応策を検討。
⑤ 5つのマテリアリティとそれらを具体化した21の課題に対して、マテリアリティKPIを設定
上記過程を経て、特定されたマテリアリティと設定された21の課題は下記のとおりです。
上記過程を経て、特定されたマテリアリティKPIは下記のとおりです。
(2)気候変動
当社グループは、気候変動問題はリスクとしても機会としても、非常に重要な経営課題であると認識しています。気候変動問題に関して、私たちが直面するリスクと機会並びに対応策について、以下の2つのシナリオに基づき検討・分析を行いました。
① 当社グループが直面している主要な気候変動関連のリスクと機会(シナリオ分析)
気候変動に関しては、主要国の温暖化対策の動向等により様々なシナリオが考えられます。当社グループでは、1)移行リスクシナリオ(1.5℃以下シナリオ)、2)物理的リスクシナリオ(4.0℃シナリオ)、の2つの代表的なシナリオを利用して、当社グループにおけるリスクと機会を検討しました。
1) 移行リスクシナリオ(1.5℃以下シナリオ)
2050年(令和32年)までに地球規模で温室効果ガス排出量ゼロを実現する規範的シナリオ。政策、エネルギー・産業構造、資源価格等は、IEA「World Energy Outlook 2022」の「NZE2050シナリオ」、平均気温等気候変動に関する想定は「IPCC第6次評価報告書」の「SSP1-1.9シナリオ」に原則として準拠。
2) 物理的リスクシナリオ(4.0℃シナリオ)
現時点で公表されている温室効果ガス削減に関する政策や目標の撤回を含めて、気候変動問題に対する有効な政策が実施されないシナリオ。政策、エネルギー・産業構造、資源価格等は、IEA「World Energy Outlook 2022」の「STEPSシナリオ」、平均気温等気候変動に関する想定は「IPCC第6次評価報告書」の「SSP5-8.5シナリオ」に原則として準拠。
リスクと機会の選出と特定、またその対応策については、当社グループ企業の幹部社員への意識調査に基づき、サステナビリティ委員会が外部有識者の意見も踏まえて検討・決定しました。その主要な検討結果は、以下のとおりです。
リスク
機会
② 財務的影響
移行リスクシナリオの中で、財務的な影響が特に大きいと予想されるのは、カーボンプライシン(炭素税導入)等による電力価格や輸送コストの上昇などです。物理的リスクシナリオの中で、財務的な影響が大きいと予想されるのは、大規模災害等の発生による営業停止リスク及び復旧コスト、店舗の気温上昇・洪水等への対策費の増加などです。その具体的な影響について、当社グループは試算を行う予定であり、同時に対応策の具体化を進める予定です。
(1)全体戦略
当社は、サステナビリティに関するリスクや機会の重要課題(マテリアリティ)、及びマテリアリティKPIを下記①から⑤の過程を経て特定していきました。
① 直近の社会環境変化と当社の社会的課題の抽出
サステナビリティ委員会において、長期ビジョンの検討と社会的課題を抽出し、そのうえで企業理念・価値観や外部のステークホルダーも交えて情報の整理・検討。
② 社内外のヒアリング
従業員を対象にSDGsやサステナビリティに関する研修とアンケートを行い、幹部社員に対してはマテリアリティに関するアンケートを実施し、その内容について外部の有識者から意見を聴取。
③ グループ内における横断的な検討
アンケート結果を踏まえて、サステナビリティ委員会において、社会と当社グループに係るリスクと機会に関する重要課題(マテリアリティ)を検討。
④ 選出された課題の優先順位付けとマテリアリティの特定
サステナビリティ委員会において、外部コンサルタントと意見を交えながら、マテリアリティの優先順位付けを行い、そのうえで最終的なマテリアリティの特定と対応策を検討。
⑤ 5つのマテリアリティとそれらを具体化した21の課題に対して、マテリアリティKPIを設定
上記過程を経て、特定されたマテリアリティと設定された21の課題は下記のとおりです。
| 5つのマテリアリティ | 21の課題 | 重要度 (リスク) | 重要度 (機会) |
| 健康と幸せを支えるパートナー、心を込めたホスピタリティ | ・「かかりつけ薬局・薬剤師」としての予防医療と心と体の健康維持の追求 ・超高齢化社会に対応したヘルスケアサービスの提供 ・製品・サービスの安全・品質管理の徹底 ・情報管理とプライバシー保護の徹底 | ◎ | ◎ |
| 新しい時代の地域医療システムの改革と協創 | ・地域を支える包括ケアシステム/ネットワークの構築 ・社会保障制度や財政の持続可能性への貢献 ・ステークホルダーとの価値協創 | ◎ | ◎ |
| サステナブルな社会と未来に向けての取り組み | ・気候変動問題への対応 ・循環型経済・社会実現への貢献 ・持続性あるエネルギー・天然資源の活用 ・生物多様性・地球環境の保全 | ◎ | 〇 |
| “知識”と“優しさ”をもった人財の育成 | ・安全・安心・公正・健全な雇用環境の整備 ・ヘルスケア分野の技術革新やDXへの対応と貢献 ・人権重視経営の徹底 ・多様性、公平性、包摂性(DEI)を重視した経営 | ◎ | ◎ |
| 「パーフェクト(完璧)」な経営の基盤構築 | ・コーポレート・ガバナンス体制の継続的な改善 ・法令順守・コンプライアンス、企業倫理、腐敗防止 ・自然災害へのレジリエンスの強化 ・基幹インフラの障害やサイバーセキュリティへの対策 ・リスク管理・BCP強化 ・ファーマライズ・ブランドの強化 | 〇 | △ |
上記過程を経て、特定されたマテリアリティKPIは下記のとおりです。
| 5つのマテリアリティ | 21の課題 | マテリアリティKPI |
| 健康と幸せを支えるパートナー、心を込めたホスピタリティ | ・「かかりつけ薬局・薬剤師」としての予防医療と心と体の健康維持の追求 ・超高齢化社会に対応したヘルスケアサービスの提供 ・製品・サービスの安全・品質管理の徹底 ・情報管理とプライバシー保護の徹底 | ・連携薬局数/ 150店舗 ・かかりつけ薬剤師数:全店舗1人以上配置 ・在宅・施設調剤実施/全薬局の90%以上 ・薬局店舗のバリアフリー化率100% ・ハッキングによる情報漏洩件数0を維持 ・従業員の情報管理トレーニング完了率100% |
| 新しい時代の地域医療システムの改革と協創 | ・地域を支える包括ケアシステム/ネットワークの構築 ・社会保障制度や財政の持続可能性への貢献 ・ステークホルダーとの価値協創 | ・健康サポート薬局/ 110店舗以上 ・GE医薬品比率のグループ平均90%以上 ・当社選定の一般用医薬品群を全店配置 ・認知症カフェ対応店舗の拡充(目標:50店舗) |
| サステナブルな社会と未来に向けての取り組み | ・気候変動問題への対応 ・循環型経済・社会実現への貢献 ・持続性あるエネルギー・天然資源の活用 ・生物多様性・地球環境の保全 | ・CO2排出削減/ 2022年度対比30%減 ・医薬品廃棄率0.07%以下 ・新店についてソーラーパネルを設置 ・既存店について再生エネルギー100%の電気プランへ切り替えを推進 ・取り組み内容について、引き続き検討中 |
| “知識”と“優しさ”をもった人財の育成 | ・安全・安心・公正・健全な雇用環境の整備 ・ヘルスケア分野の技術革新やDXへの対応と貢献 ・人権重視経営の徹底 ・多様性、公平性、包摂性(DEI)を重視した経営 | ・健康経営優良法人の取得 ・平均残業時間20%削減 ・全薬局の60%にあたる主要薬局にクラウドサービスを導入 ・各種ハラスメント研修受講率100% ・パパ育休取得率50% ・育休・育短申請取得率100%維持 |
| 「パーフェクト(完璧)」な経営の基盤構築 | ・コーポレート・ガバナンス体制の継続的な改善 ・法令順守・コンプライアンス、企業倫理、腐敗防止 ・自然災害へのレジリエンスの強化 ・基幹インフラの障害やサイバーセキュリティへの対策 ・リスク管理・BCP強化 ・ファーマライズ・ブランドの強化 | ・独立社外取締役1/3以上維持 ・コンプライアンス研修を年2回以上開催、受講率100% ・全拠点での防災訓練年2回以上 ・普通救命講習 1店舗あたり1名以上 ・災害時用の各拠点の備蓄100% ・UTMの導入率100% ・サイバーセキュリティに関する研修・トレーニング等を年に2回以上実施 ・BCP事業計画書の再構築と浸透 ・流通が不安定であっても、必ず患者の手元に医薬品を届ける(医薬品手配100%) ・年に1回以上の患者・顧客アンケートの実施(患者・顧客の思いを受けとめる) |
(2)気候変動
当社グループは、気候変動問題はリスクとしても機会としても、非常に重要な経営課題であると認識しています。気候変動問題に関して、私たちが直面するリスクと機会並びに対応策について、以下の2つのシナリオに基づき検討・分析を行いました。
① 当社グループが直面している主要な気候変動関連のリスクと機会(シナリオ分析)
気候変動に関しては、主要国の温暖化対策の動向等により様々なシナリオが考えられます。当社グループでは、1)移行リスクシナリオ(1.5℃以下シナリオ)、2)物理的リスクシナリオ(4.0℃シナリオ)、の2つの代表的なシナリオを利用して、当社グループにおけるリスクと機会を検討しました。
1) 移行リスクシナリオ(1.5℃以下シナリオ)
2050年(令和32年)までに地球規模で温室効果ガス排出量ゼロを実現する規範的シナリオ。政策、エネルギー・産業構造、資源価格等は、IEA「World Energy Outlook 2022」の「NZE2050シナリオ」、平均気温等気候変動に関する想定は「IPCC第6次評価報告書」の「SSP1-1.9シナリオ」に原則として準拠。
2) 物理的リスクシナリオ(4.0℃シナリオ)
現時点で公表されている温室効果ガス削減に関する政策や目標の撤回を含めて、気候変動問題に対する有効な政策が実施されないシナリオ。政策、エネルギー・産業構造、資源価格等は、IEA「World Energy Outlook 2022」の「STEPSシナリオ」、平均気温等気候変動に関する想定は「IPCC第6次評価報告書」の「SSP5-8.5シナリオ」に原則として準拠。
リスクと機会の選出と特定、またその対応策については、当社グループ企業の幹部社員への意識調査に基づき、サステナビリティ委員会が外部有識者の意見も踏まえて検討・決定しました。その主要な検討結果は、以下のとおりです。
リスク
| 分類 | 顕現する時期 | 重要なリスク | 対応策 | |
| 1.5℃シナリオ | 政策・法規制 | 短期 ~中期 | ・カーボンプライシング導入(炭素税等)による電力料金や輸送コスト等の増加 ・GHG規制強化による投資負担の増加 | ・電気料削減対策の推進、省電力設備、EV導入 ・輸送・在庫管理システムの効率化と省エネルギー化 ・他社と共同したクリーンエネルギー活用の物流網構築 |
| 短期 | ・情報開示コストの増大 | ・必要とされる情報を効率よく収集できる体制の構築 | ||
| 市場 | 中期 ~長期 | ・サプライヤー側のコスト増による原燃料価格の上昇リスク | ・取引業者と共同でのコスト管理 ・適正な価格転嫁の実施 | |
| 評判 | 短期 ~長期 | ・環境関連対策や情報開示の遅れによるレピュテーション・リスクの増大(ブランド、評判、採用難、離職者増等) | ・環境対策を始めとするサステナビリティ情報に関する情報開示や社内教育の徹底 ・GX(グリーントランスフォーメーション)の施策企画及び実施 | |
| 4.0℃シナリオ | 慢性 | 中期 ~長期 | ・店舗の気温上昇・洪水等への対策費の増加 | ・店舗・事務所内の温度管理の推進 ・防水対策の実施 |
| 急性 | 短期 ~長期 | ・大規模災害等の発生による営業停止リスク及び復旧コスト | ・BCPの作成、災害対策の強化 ・ハザードマップ周知と避難訓練実施 | |
| 短期 ~長期 | ・異常気象を起因とした大規模災害発生後の医薬品供給の不安定化 | ・医薬品等の在庫確保及び備蓄分散によるリスクヘッジ |
機会
| 分類 | 顕現する時期 | 重要なリスク | 対応策 | |
| 1.5℃シナリオ | 政策・法規制 | 短期 ~中期 | ・再生可能エネルギー活用などによるクリーンで効率的な営業拠点整備 | ・店舗等へのソーラーパネル・HEMSの設置や省エネ性の高い設備等の導入 |
| 評判 | 短期 ~長期 | ・環境関連対策や情報開示の強化によるレピュテーションの改善 ・環境対応の推進による人材維持・獲得 | ・環境対策を始めとするサステナビリティ情報に関する情報開示や社内教育の徹底 ・GX(グリーントランスフォーメーション)の施策企画及び実施 | |
| 短期 ~長期 | ・店舗の緊急時の補給拠点化など地域インフラの整備支援 | ・スマートシティ等への積極的な出店 | ||
| 4.0℃シナリオ | 慢性 | 中期 ~長期 | ・DXを活用した医療サービスの提供による新規取引拡大 ・高温多湿化や異常気象対策による商品ニーズの高まり | ・DXによる販売ネットワークのBCP機能強化 ・ドローンを活用した物流ネットワークの整備 ・関連商品の売上増加 |
| 急性 | 短期 ~中期 |
② 財務的影響
移行リスクシナリオの中で、財務的な影響が特に大きいと予想されるのは、カーボンプライシン(炭素税導入)等による電力価格や輸送コストの上昇などです。物理的リスクシナリオの中で、財務的な影響が大きいと予想されるのは、大規模災害等の発生による営業停止リスク及び復旧コスト、店舗の気温上昇・洪水等への対策費の増加などです。その具体的な影響について、当社グループは試算を行う予定であり、同時に対応策の具体化を進める予定です。