臨時報告書

【提出】
2021/04/22 16:43
【資料】
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提出理由

当社は、2021年4月22日開催の当社の取締役会において、当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)の併合(以下「本株式併合」といいます。)を目的とする、2021年5月31日開催予定の臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を招集することを決議いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の4の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。

株式の併合を目的とする株主総会の招集の決定

1.本株式併合の目的
2021年2月8日付当社プレスリリース「MBKP Life合同会社による当社株式に対する公開買付けに関する意見表明のお知らせ」(以下「本意見表明プレスリリース」といいます。)においてお知らせいたしましたとおり、MBKP Life株式会社(同社は、2021年4月9日に合同会社から株式会社への組織変更をしております。以下「公開買付者」といいます。)は、当社株式が上場廃止となることを前提とした、当社株式の全て(但し、公開買付者が所有する当社株式、株式会社津久井企画(以下「津久井企画」といいます。)が所有する当社株式(以下「本不応募株式」といいます。)及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得、所有することにより、当社を完全子会社化することを目的とした一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、2021年2月9日から2021年3月24日までの間、当社株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)を行い、その結果、本公開買付けの決済の開始日である2021年3月31日をもって、当社株式45,719,157株(議決権所有割合(注)64.07%)を所有するに至りました。
(注) 「議決権所有割合」は、当社が2021年2月10日付で公表した「2021年3月期 第3四半期決算短信[日本基準](連結)」に記載された2020年12月31日現在の発行済株式総数(72,460,800株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(但し、同日現在の株式付与信託(J-ESOP)の信託口が所有する当社株式295,200株を除きます。)(1,102,684株)を控除した株式数(71,358,116株)に係る議決権の数(713,581個)を分母として計算し、また、小数点以下第三位を四捨五入しております。
本公開買付け並びに当社の株主(当社を除きます。)を公開買付者及び津久井企画のみとするための本株式併合を含む本取引の目的及び背景の詳細は、本意見表明プレスリリースにおいてお知らせいたしましたとおりですが、以下に改めてその概要を申し上げます。なお、以下の記載のうち公開買付者に関する記述は、公開買付者が2021年2月9日に提出した公開買付届出書その他公開買付者が公表した情報及び公開買付者から受けた説明に基づくものです。
① 当社を取り巻く事業環境、当社の経営課題
当社は、1969年6月に土木事業を目的とした津久井土木株式会社として設立され、1978年11月に津久井産業株式会社に商号を変更いたしました。その後、1983年3月に、創業者である津久井督六氏が、自身の経験から「介護が本当に大変だと知ったこと、だからこそ介護の仕事をして世の中の役に立ちたい」という想いを持ち、福祉事業部を新設して介護事業を開始し、1999年11月に株式会社ツクイに商号を変更いたしました。2004年4月には日本証券業協会に店頭登録銘柄として株式の店頭登録を行い、2004年12月に株式会社ジャスダック証券取引所(以下「ジャスダック証券取引所」といいます。)(2008年12月に行われた株式会社大阪証券取引所(以下「大阪証券取引所」といいます。)によるジャスダック証券取引所の子会社化、2010年4月に行われた大阪証券取引所によるジャスダック証券取引所の吸収合併、及び2013年7月に行われた株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)と大阪証券取引所の統合等を経て、現在は株式会社東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)市場)に上場し、2011年3月に東京証券取引所市場第二部に上場し、同年5月に大阪証券取引所JASDAQ(スタンダード)市場における株式を上場廃止した後、2012年3月に東京証券取引所市場第一部に指定されました。その後、2016年1月に人材事業を分社化して株式会社ツクイスタッフ(現在、当社の連結子会社であり、以下「ツクイスタッフ」といいます。)の設立、2017年4月に子会社として福祉車両や福祉機器のリース事業を目的とした株式会社ツクイキャピタル(以下「ツクイキャピタル」といいます。)の設立、2020年9月に子会社としてIT事業を目的とした株式会社DIGITAL LIFE(以下「DIGITAL LIFE」といいます。)の設立を行い、2020年10月に会社分割により持株会社体制に移行し、商号を株式会社ツクイホールディングスに変更するとともに、介護事業を含む事業部門を子会社である株式会社ツクイ(以下「ツクイ」といいます。)に承継させております。
当社グループ(当社、当社の子会社であるツクイ、ツクイスタッフ、DIGITAL LIFE及びツクイキャピタル並びにツクイキャピタルが出資したツクイ・ケアテック投資事業有限責任組合をいいます。以下同じです。)は、Mission「超高齢社会の課題に向き合い人生100年幸福に生きる時代を創る」、Vision「ながいきリスクを希望に変えて自分らしく生きられる未来を創造する」、Value「わたしたちの誠実な挑戦が、だれかの希望と安心になる。」の3つをグループ企業理念として、全国47都道府県での直営による介護サービス事業等を展開しております。具体的には、介護保険法に基づく通所介護サービス(デイサービス)を提供するデイサービス事業のほか、住まい事業として、都道府県又は政令指定都市、中核市から介護保険法に基づく「特定施設入居者生活介護」の事業者指定を受けた介護付有料老人ホーム「ツクイ・サンシャイン」、高齢者住まい法に基づく高齢者向け住宅の提供、生活支援サービス及び介護保険サービス等を行うサービス付き高齢者向け住宅「ツクイ・サンフォレスト」、介護保険法に規定する認知症対応型共同生活介護(グループホーム)を展開しております。また、在宅事業として、訪問介護、訪問入浴介護、福祉用具販売、小規模多機能型居宅介護、訪問看護及び介護保険法に基づく介護サービスを提供するほか、介護保険制度を利用して介護サービスを受けるために必要な介護保険の申請代行から居宅サービス計画(ケアプラン)の作成等の居宅介護支援サービスや、運営を受託している住まいについてのサービスを提供しております。さらに、ツクイスタッフにおいて人材事業として、労働者派遣法に基づく労働者派遣事業、職業安定法に基づく有料職業紹介事業、福祉施設等の従業員向けに行う教育研修事業を展開しており、ツクイキャピタルにおいて、福祉車両や福祉機器を専門に取り扱うリース事業を展開しております。
当社グループは、いわゆる団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けた長期的な目標「ツクイビジョン2025」を掲げ、ここで3つの大方針「デイサービスで圧倒的No1の地位を盤石化」「ツクイの考える地域包括ケアの確立」「従業員の幸せの実現」の達成を通じて、持続可能な介護サービスを提供していく存在でありたいというビジョンを示しております。また、2021年3月期を最終年度とした「ツクイ第二次中期経営計画」において、「地域サービスづくり」「地域連携拠点づくり」「地域人財づくり」「全社基盤の改革」の4つを中心に捉え、地域戦略による力強い成長を目指すとともに、介護サービス事業周辺領域のニーズに対応するため新たな価値を創造する新規事業への取り組みも開始しております。2021年3月期は中期経営計画「ツクイ第二次中期経営計画」の最終年度となりますが、2020年2月以降、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が社会に深刻な影響を及ぼすなか、介護事業を提供する当社グループとしては、社会的責任を果たすべく新型コロナウイルス感染症の拡大状況を注視するとともに、当社に設置した対策本部(持株会社体制移行後はツクイに設置しています。)が中心となり、ガイドラインに基づいた様々な感染予防及び事業継続について対応をしてまいりました。当社グループの事業の顧客である高齢者や従業員の感染防止及び安全の確保に努める等、様々な施策を講じ、行政機関と連携して可能な限りサービス提供を継続しました。しかしながら、2020年11月末頃からも、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う外出自粛、感染予防の観点からデイサービスの利用控えによるキャンセルが増加し、感染の終息が見通せない状況下では、今後も利用控えは引き続き発生するものと想定されます。また、当社グループとしても積極的な営業活動及び顧客の受け入れを自粛してきたことから新規顧客数の獲得は例年より減少する等、先行きは不透明です。
当社グループが属する介護業界におきましては、2025年に向けて高齢者の増加に伴い要介護者が増加することから市場の拡大は確実であるものの、介護業界における人材不足、厳しい介護報酬改定等の介護事業政策やお客様のニーズの変化等、当社グループを取り巻く事業環境は急速に変化しています。また、2040年を見据えると、これらの事業環境の変化に加えて、生産年齢人口の減少により労働力の制約が強まり、事業の提供基盤の継続性が懸念されています。
また、介護保険制度の改正が行われる中で、2018年4月に介護報酬が改定され、団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けて、心身状態に応じた適切なサービスを受けられるよう、質が高く効率的な介護の提供体制の整備の推進が盛り込まれました。また、一部のサービスについては、2018年4月に介護予防給付から地域支援事業へ完全移行されました。さらに、2018年8月より一定の所得がある第1号被保険者(65歳以上)の自己負担が2割から3割に引き上げられました。当社は、こうした介護保険制度の改正への的確な対処のため、人員配置基準の見直しや加算の積極的取得を進め、安定した事業収益の確保を目指すことが必要であると認識しております。
さらに、当社は、2020年3月期の連結売上高に占めるデイサービス事業、住まい事業及び在宅事業の構成比が88.5%であり、介護報酬の一部のマイナス改定部分の影響を受けやすい経営体質となっております。当社は、こうした介護報酬改定リスクに対応するため、利用率の更なる向上等により利益率改善に取り組むとともに、加算の積極的取得による増収と人員配置の見直しによるコスト削減の両面から、安定した事業収益の確保が必要と認識しております。また、本質的に介護報酬改定リスクを回避し、中長期的・安定的な成長を実現するためには、10万人規模に達する当社の顧客基盤を活かすとともに、成長領域である介護業界自体を顧客とする、人材派遣や有料職業紹介、教育研修サービス等の人材事業や、福祉車両・福祉機器等のリース事業等を含む介護保険外サービスを積極的に開発し、事業の柱として成長させる必要があると認識しております。
加えて、地域完結型医療への転換、療養病床の再編、特別養護老人ホームの中重度者への重点化、及び高齢者夫婦のみの世帯や独居世帯も急速に増加する等の背景により、介護事業各社の競争が激化しております。当社では、各自治体の介護保険事業計画等の情報収集及び詳細な調査に努めるとともに、綿密なマーケティングリサーチを行い、需要の増加が見込まれる首都圏及び地方中核都市を中心に拠点の新設を進めることが必要であると認識しており、引き続き初期投資の負担を軽減させる方法を活用しながら、持続的な成長が可能となるよう適正な投資水準の維持を図り、健全な財務体質を構築することが重要な課題と認識し、ツクイビジョン2025として、「ツクイの考える地域包括ケアの確立」を重要方針の一つと位置づけ、当社の強みが発揮できる重点地域においてさらに顧客ニーズに応じた拠点展開を行い、介護サービスの多層化を進めていくことが必要であると認識しております。
人材の採用、育成及び定着においては、少子高齢化の進展により労働力人口が減少する中、介護サービス業界においては、従業員の労働環境が厳しく、給与水準が低いこともあって離職率が高く慢性的な人材不足の状態が続いており、人材の採用及び育成が継続的な課題となっております。当社は、人材の採用を強化するために、採用担当者を増員して人材の採用に努めるとともに、外国人技能実習生の受入れも必要であると認識しております。また、Eラーニングを活用した研修体制の更なる充実や資格取得支援により従業員のスキル向上を図るとともに、社内検定制度の導入による適正な人事評価とキャリアパス制度の定着、従業員の人事制度の改定等、介護人材の採用・育成・定着に向けた施策をさらに推進していくことが必要であると認識しております。併せて従業員専用の相談窓口の設置等により、労働環境の整備と従業員の定着率向上を図り、質の高いサービス提供に向けて人材の育成を強化することが必要であると認識しております。さらにコーポレート・ガバナンスやリスク管理、コンプライアンスについての継続的な教育により、業務の適正の確保に引き続き取り組むことが必要であると認識しております。
その一方、足元の状況としては、新型コロナウイルス感染症の感染者数の増加がお客様の利用回数に影響を与えるため、感染者数の減少するタイミングが業績と大きく相関することになり、2021年3月期への影響は必須ですが、当社は、当社が提供する介護サービスが、お客様やそのご家族の生活を継続する上で欠かせないものであり、お客様に対して必要な介護サービスが継続的に提供されることが重要であることから、お客様や従業員の安全確保及び感染症対策を行った上で、可能な限りサービスの提供を継続していくことが社会的に求められていると認識しています。
② 当社における意思決定の過程及び理由
津久井企画は、当社が今後さらなる成長を実現するためには、当社独自の経営努力に加え、外部の経営資源をも活用することが有益であると考え、当社の競争力の強化及び企業価値の向上を図る観点から新たな当社の資本パートナーを検討するため、2020年10月初旬から2020年11月下旬にかけて、当社に検討を開始した旨を連絡した上で津久井企画の所有する当社株式の全ての譲渡に関して7社の事業会社又はファンドに選定プロセスへの参加を打診し、津久井企画によれば、成長戦略についてのMBKパートナーズグループ(MBKパートナーズ株式会社又はその関係会社を総称していいます。以下同じです。)の提案が具体的かつ当社の中長期の経営計画の方向性に適うものと考えられたこと、提示条件(当社株式価値総額)が買手候補先の中で最も高かったこと等の条件を考慮し、MBKパートナーズグループが最終買付候補者として選定されたとのことです。
当社は、2020年12月2日、最終買付候補先として選定されたMBKパートナーズグループから本取引に関する提案を受けたため、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」及び「② 当社における独立した法律事務所からの助言」に記載のとおり、本公開買付けを含む本取引に関する当社取締役会の意思決定の公正性及び適正性を担保するため、2020年12月16日に、本取引についての、公開買付者、MBKパートナーズグループ、津久井企画、当社の代表取締役である津久井宏氏(以下「津久井氏」といいます。)及び当社グループのいずれからも独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として山田コンサルティンググループ株式会社(以下「山田コンサル」といいます。)を、リーガル・アドバイザーとしてTMI総合法律事務所をそれぞれ選任するとともに、本取引に関する提案を検討するための当社の諮問機関として特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。なお、本特別委員会の構成及び具体的な活動内容等については、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を設置いたしました。
当社は、上記の体制を整備した後、MBKパートナーズ株式会社による本取引に関する提案についての検討を行い、本特別委員会により事前に確認された交渉方針や交渉上重要な局面における意見、指示及び要請に基づいた上で、山田コンサル及びTMI総合法律事務所の助言を受けながら、当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)その他の本取引の諸条件についてMBKパートナーズ株式会社と協議・交渉を重ねてまいりました。
その上で、当社は、山田コンサルから取得した株式価値算定書(以下「本株式価値算定書」といいます。)の内容、リーガル・アドバイザーであるTMI総合法律事務所から受けた本公開買付けを含む本取引に関する意思決定に当たっての留意点についての法的助言を踏まえつつ、本特別委員会から提出された2021年2月5日付答申書(以下「本答申書」といいます。)の内容を最大限尊重しながら(本答申書の概要については、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)、本取引について、企業価値向上を図ることができるか、本取引に関する諸条件は妥当なものか等の観点から慎重に協議及び検討を行いました。
その結果、以下の観点から本取引は、当社の企業価値の向上に資するものであると判断しております。
(a)重要地域における拠点展開の多様化・効率化による事業規模の拡大
上記のとおり、当社は、需要の増加が見込まれる首都圏及び地方都市部を中心に拠点の新設を進めるとともに、当社の強みが発揮できる重点地域においてさらに顧客ニーズに応じた拠点展開、既存施設の移転・統合等に加え、従来の単一的な出店形態からリノベーション等の多様な出店形態へと転換を行い、介護サービスの多層化を進めていく必要があると考えております。
MBKパートナーズグループは、これまでの投資活動において、株式会社コメダや株式会社アコーディア・ゴルフなど、シニアへのサービス提供も軸とする多施設型のビジネスに多く携わってきた経験を有しており、出店戦略の立案支援や分析フォーマットの作成支援等により、投資先の拠点の新設による事業規模の拡大に貢献してきた実績を有していると認識しています。
当社の拠点展開においても、過去の経験に基づく知見・ノウハウを活用し、必要な不動産の調達方法に応じた経済性比較分析、金融機関・ヘルスケアREIT等のパートナー候補の紹介等により、拠点展開の多様化・効率化への貢献が期待できると考えております。
(b)施設の利用率の向上や人員配置適正化による利益率改善
上記のとおり、デイサービスにおいては、利用率の更なる向上等による利益率の改善が課題となっております。利用率の向上のためには、新たな利用者の獲得ルートの開拓や、単一サービスではなく複数のサービスを組み合わせて地域全体の稼働率を向上させるなどの施策が考えられるところ、MBKパートナーズグループは、これまでの投資先における多施設型のビジネスにおいても、新たな販売チャネルを確立させるなどの経験を有しており、施設の利用率の向上の点においても、MBKパートナーズグループの過去の経験に基づく外部からの視点による助言・指摘を受けることにより、当社単独での取り組みよりも、多様な顧客獲得の仕組みづくりや拠点運営改善による利益率の向上を実現できる可能性があると考えております。
(c)介護保険外サービスの開発・拡大
上記のとおり、当社は、介護保険制度改正、報酬改定の影響を大きく受ける経営体質となっていることから、当社の中長期的・安定的な成長のためには、人材派遣や有料職業紹介、教育研修サービス等の人材事業や、福祉車両・福祉機器等のリース事業等を含む介護保険外サービスを拡大していくことが必要であると考えております。
介護保険外サービスの拡大のためには、積極的な投資や、当該サービスについての専門的な知見を有する人材の確保が重要であるところ、MBKパートナーズグループは、本取引後の当社の経営に関し、通常の運転資金とは別に、相当額の成長投資資金を提供することを確約しているとともに、我が国における継続的な投資活動に根差した幅広いネットワークの中から、当社が必要とするプロフェッショナル人財を適時に招聘することが期待でき、介護保険外サービスの拡大のために重要である、積極的な投資や当該サービスについての専門的な知見を有する人材の確保等の貢献も期待できると考えております。
(d)成長に必要な人材の確保
当社の中長期的な成長のためには、今後さらに介護人材の不足が想定されるなか、質の高いサービス提供に向けた介護人材の確保が必要不可欠であるところ、MBKパートナーズグループは、これまでの投資活動においても、投資先の従業員の採用、研修、定着率強化や人事制度改革をサポートしてきた実績を有しており、これらの経験に基づく知見・ノウハウを、当社における介護人材の採用・育成・定着に向けた施策に活用することができると考えております。
(e)拠点拡大及び保険外サービス開発でのM&Aの積極的な活用
当社の中長期的な成長のためには、介護事業・介護保険外サービスのいずれにおいても、M&Aを積極的に活用することが考えられるところ、MBKパートナーズグループは、投資先の買収支援を得意としており、M&Aの実行支援・資金提供、案件ソーシングから買収後の統合(PMI:ポスト・マージャー・インテグレーション)までのすべてのステップにおいて、知見、ネットワーク、リソースを最大限活用した全面的な支援が期待できると考えております。
また、本取引により当社が非公開化した場合、短期的な利益にとらわれない中長期的な観点からの投資を行いやすくなる側面があると考えられることから、短期的にはのれんの償却負担が利益を圧迫するものの、中長期的な観点からは企業価値の向上に資することが期待できるようなM&Aに積極的に取り組みやすくなることも期待できると考えております。
(f)非公開化に伴う意思決定の迅速化
上記のとおり当社グループを取り巻く事業環境が急速に変化する中で、これに適時に対応する形で上記の施策を実行していくためには、当社として迅速な意思決定体制を構築し、経営の柔軟性を向上することが不可欠であるところ、非公開化することで、機動的な意思決定を可能とする経営体制を構築し、拠点拡大や事業開発のスピードを向上させることができると考えております。
また、当社は、本取引の実施方法等について、MBKパートナーズグループから本公開買付け及び当社自己株式取得(本公開買付けの成立及び本株式併合の効力発生を条件として当社によって実施される自己株式取得をいいます。以下同じです。)を組み合わせたスキームが提案されたことから、当該スキームについても検討を行いました。その結果、①公開買付けのみを行うスキームと比べ、当該スキームの方が、津久井企画に法人税法(昭和40年法律第34号。その後の改正を含みます。以下「法人税法」といいます。)に定めるみなし配当の益金不算入規定が適用されることが見込まれることから、そのような津久井企画の税務メリットの享受を活かし、公開買付価格を高く、自己株式取得価格を低い価格に設定することで、当社の少数株主の皆様が享受し得る金額を増加させることが可能となること、②公開買付者による、当社自己株式取得を実行するための資金を確保することを目的とした、当社に対する、当社自己株式取得に係る対価に充てる資金の提供(以下「本自己株式取得資金提供」といいます。)が実施されること、③本自己株式取得資金提供に係る融資契約においては、同種の融資契約に通常定められる契約条件が規定される予定であることが確認されました。
このため、本取引のスキームは公開買付けのみを行うスキームと比べて、当社の財務状況に殊更悪影響を与えるということにはならず、当社の少数株主の皆様だけでなく当社にとっても不利益なスキームではないと考えております。
また、本取引のスキームにおいて、本公開買付け及びその後のスクイーズ・アウト手続の他に、公開買付者による当社に対する貸付け並びに当社自己株式取得が予定されているため、公開買付けのみを行うスキームと比べ、完全子会社化の完了の時期が遅れるものの、その点は、本取引のスキームにより当社の少数株主の皆様が享受できる金額を多くするというメリットを踏まえれば、特段憂慮すべき問題ではないと判断いたしました。
その上で、当社は、本公開買付価格(当社株式1株当たり924円)について、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(2)当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」に記載のとおり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して、合理的なプレミアムを付した価格及び合理的な諸条件により当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
以上より、当社は、2021年2月8日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議をいたしました。
当該取締役会の決議の詳細については、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「④ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員を含む。)全員の承認」をご参照ください。
その後、上記のとおり本公開買付けは成立いたしましたが、公開買付者は、本公開買付けにより、当社株式の全て(公開買付者が所有する当社株式、本不応募株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することができなかったことから、当社に対して、当社の株主(当社を除きます。)を公開買付者及び津久井企画のみとするため本株式併合の実施を要請いたしました。そのため、当社は、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本臨時株主総会において株主の皆様のご承認をいただくことを条件として、当社株式17,839,446株を1株に併合する本株式併合を実施いたします。本株式併合により、公開買付者及び津久井企画以外の株主の皆様の所有する当社株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。
2.本株式併合の割合
当社株式について、17,839,446株を1株に併合いたします。
3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠
(1)1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法
① 会社法第235条第1項又は同条第2項において準用する同法第234条第2項のいずれの規定による処理を予定しているかの別及びその理由
上記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり、本株式併合により、公開買付者及び津久井企画以外の株主の皆様の所有する当社株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。
本株式併合の結果生じる1株に満たない端数につきましては、その合計数(会社法第235条第1項の規定により、その合計数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。)に相当する数の株式を売却し、その売却により得られた代金を端数が生じた株主の皆様に対して、その端数に応じて交付いたします。
当該売却において、本株式併合が、当社を完全子会社化することを目的とした本取引の一環として行われるものであり、かかる目的との関係では公開買付者が端数相当株式の買受人となるのが整合的であること、及び当社において自己株式数を増加させる必要も存しないことから、当社は会社法第235条第2項が準用する同法第234条第2項の規定に基づき、裁判所の許可を得た上で、当該端数の合計数に相当する当社株式を公開買付者に売却することを予定しております。
この場合の売却価格につきましては、必要となる裁判所の許可が予定どおり得られた場合には、株主の皆様の所有する当社株式の数に本公開買付価格と同額である924円を乗じた金額に相当する金銭が交付されるような価格に設定することを予定しております。
② 売却に係る株式を買い取る者となると見込まれる者の氏名又は名称
上記「① 会社法第235条第1項又は同条第2項において準用する同法第234条第2項のいずれの規定による処理を予定しているかの別及びその理由」に記載のとおり、公開買付者であるMBKP Life株式会社に対して端数相当株式を売却することを予定しております。
③ 売却に係る株式を買い取る者となると見込まれる者が売却に係る代金の支払のための資金を確保する方法及び当該方法の相当性
本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、公開買付者は、本株式併合により生じる端数の合計額に相当する当社株式の取得にかかる資金を、株式会社三菱UFJ銀行(以下「三菱UFJ銀行」といいます。)及び株式会社横浜銀行(以下「横浜銀行」といいます。)からの借入れにより賄うことを予定しているところ、当社は、三菱UFJ銀行からの借入れに関する融資証明書及び横浜銀行からの借入れに関する融資証明書を確認することによって、公開買付者の資金確保の方法を確認しております。
また、公開買付者によれば、その設立以降、上記の出資及び借入によるもの以外に、公開買付者の資産及び負債に大きな変動を生じさせる事由は発生しておらず、今後も、端数相当株式の売却に係る代金の支払いに支障を及ぼす事象の発生は見込まれていないとのことです。
したがって、公開買付者による端数相当株式の売却に係る代金の支払のための資金を確保する方法は相当であると判断しております。
④ 売却する時期及び売却により得られた代金を株主に交付する時期の見込み
当社は、本株式併合の効力発生後、会社法第235条第2項の準用する会社法第234条第2項の規定に基づき、本株式併合の結果生じる1株に満たない端数の合計数に相当する当社株式の売却について、2021年7月上旬を目途に裁判所に許可を求める申立てを行うことを予定しています。当該許可を得られる時期は裁判所の状況等によって変動しますが、同年7月中旬を目途に裁判所の許可を得て、2021年7月中を目途に公開買付者に売却し、その後、当該売却により得られた代金を株主の皆様に迅速かつ円滑に交付するための準備を行った上で、同年8月中旬を目途に株主の皆様に端数相当株式の売却代金を交付することを見込んでおります。
当社は、本株式併合と同様に完全子会社化手続の一環として行われる株式併合の他社事例における裁判所に許可を求める申立て、裁判所の許可の取得及び当該売却に係る代金を交付するために要する期間、当社のために当該売却に係る代金の交付を行う当社の株主名簿管理人との協議、並びに公開買付者による当該売却に係る代金の支払のための資金の準備状況及び確保手段を踏まえて、上記のとおり、それぞれの時期に、本株式併合の結果生じる1株に満たない端数の合計数に相当する当社株式の売却が行われる見込みがあり、また、当該売却により得られた代金の株主への交付が行われる見込みがあるものと判断しております。
(2)当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠
本株式併合により生じる端数の処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額は、上記「(1)1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法」の「① 会社法第235条第1項又は同条第2項において準用する同法第234条第2項のいずれの規定による処理を予定しているかの別及びその理由」に記載のとおり、株主の皆様の所有する当社株式の数に本公開買付価格と同額である924円を乗じた金額に相当する金銭が交付されるような価格に設定することを予定しております。
本公開買付価格につきましては、(a)山田コンサルによる当社株式の株式価値の算定結果によれば、当社株式の1株当たり株式価値は、市場株価法によると569円から640円、類似会社比較法によると587円から815円、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)によると710円から941円とされているところ、本公開買付価格は、924円であり、市場株価法及び類似会社比較法による算定結果の上限値を上回るとともに、DCF法による算定結果の上位4分の1に位置する金額であること、(b)本公開買付けの公表日の前営業日である2021年2月5日の東京証券取引所市場第一部における当社株式の終値640円に対して44.38%、2021年2月5日までの過去1ヶ月間の東京証券取引所市場第一部における当社株式の終値単純平均値571円に対して61.82%、2021年2月5日までの過去3ヶ月間の東京証券取引所市場第一部における当社株式の終値単純平均値569円に対して62.39%、2021年2月5日までの過去6ヶ月間の東京証券取引所市場第一部における当社株式の終値単純平均値575円に対して60.70%のプレミアムをそれぞれ加えた価格であって、かかるプレミアムの水準は、同種他社事例における平均的なプレミアム水準と比して当社株主にとって有利な水準であること、(c)下記「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載の本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置が十分に講じられ、特別委員会から取得した本答申書においても、本取引の条件(本公開買付価格(当社株式1株当たり924円)を含む。)には妥当性が認められると判断されていること等を踏まえ、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して、合理的なプレミアムを付した価格及び合理的な諸条件により当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
また、当社は、2021年2月8日開催の当社取締役会において、本公開買付けに賛同する意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議をした後、2021年4月22日の当社取締役会の開催時点に至るまでに、本公開買付価格の算定の基礎となる諸条件に重大な変更が生じていないことを確認しております。
以上のことから、当社は、本株式併合によって生じる端数の処理により株主の皆様に交付することが見込まれる金銭の額については、相当であると判断しております。
(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置
本株式併合は、本取引の一環として、本公開買付け後のいわゆる二段階買収の二段階目の手続として行われるものであるところ、本公開買付けは、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)ではなく、支配株主による公開買付けにも該当しませんが、公開買付者が当社を完全子会社とすることを企図していること、公開買付者が当社の主要株主であり、かつ、本公開買付けの決済の開始日まで当社の筆頭株主であった津久井企画との間で、津久井企画が所有する本不応募株式について本公開買付けに応募しないこと、並びに津久井氏が所有する当社株式(なお、津久井氏が所有する当社株式数には、津久井氏が当社の株式累積投資を通じて間接的に所有する単元未満株式は含まれておりません。)を本公開買付けに応募することを含めた、本取引に係る諸条件について合意し、かかる諸条件について定めた不応募契約が締結されており、当社において津久井企画が所有する当社株式を取得する当社自己株式取得を実施することが想定されていること等を踏まえ、当社及び公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するとともに、本取引に関する意思決定の恣意性を排除し、当社の意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保し、利益相反を回避するため、以下の措置を講じてまいりました。
なお、以下の記載のうち、公開買付者において講じられた措置については、公開買付者から受けた説明に基づくものです
① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
当社は、本公開買付けに関する意見を決定するにあたり、公開買付者、MBKパートナーズグループ、津久井企画、津久井氏及び当社グループのいずれからも独立した第三者算定機関である山田コンサルに対して、当社の株式価値の算定を依頼し、2021年2月5日付で同社から本株式価値算定書を取得いたしました。なお、山田コンサルは、公開買付者、MBKパートナーズグループ、津久井企画、津久井氏及び当社グループのいずれの関連当事者にも該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して、重要な利害関係を有しておりません。なお、当社は、山田コンサルから本公開買付けの価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
また、本特別委員会は、第1回の特別委員会において、山田コンサルの独立性及び専門性に問題がないことから、当社の第三者算定機関かつフィナンシャル・アドバイザーとして選任されたことを承認した上で、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認しております。
なお、本取引に係る山田コンサルに対する報酬の相当な部分は、本取引の公表及び公開買付者以外の株主に対するスクイーズ・アウトの完了を条件に支払われる取引報酬とされており、当社は、同種の取引における一般的な実務慣行等も勘案の上、上記の報酬体系により山田コンサルを当社のフィナンシャル・アドバイザー及び第三者評価機関として選任いたしました。
本株式価値算定書の概要につきましては、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。
② 当社における独立した法律事務所からの助言
当社は、当社取締役会の意思決定の公正性及び適正性を担保するために、公開買付者、MBKパートナーズグループ、津久井企画、津久井氏及び当社グループのいずれからも独立したリーガル・アドバイザーとしてTMI総合法律事務所を選任し、本公開買付け及びその後の一連の手続に対する当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の意思決定にあたっての留意点に関する法的助言を受けております。なお、TMI総合法律事務所は、公開買付者、MBKパートナーズグループ、津久井企画、津久井氏及び当社グループのいずれの関連当事者にも該当せず、本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。
また、本特別委員会は、第1回の特別委員会において、TMI総合法律事務所の独立性及び専門性に問題がないことから、当社のリーガル・アドバイザーとして選任されたことを承認した上で、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認しております。
③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得
当社取締役会は、本公開買付価格の公正性を担保するとともに、本取引に関する意思決定の恣意性を排除し、当社の意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保し、利益相反を回避することを目的として、2020年12月16日、当社において本取引の是非を検討するに際して、企業価値の向上及び少数株主の利益を図る立場から、その是非やストラクチャーを含む取引条件の妥当性、手続きの公正性などについて検討及び判断を行う任意の合議体として、宮直仁氏(当社社外取締役)、鳥養雅夫氏(当社社外取締役)、山田謙次氏(当社社外取締役)及び栗原千亜希氏(当社社外取締役)の4名から構成される、公開買付者、MBKパートナーズグループ、津久井企画、津久井氏及び当社グループのいずれからも独立した本特別委員会を設置いたしました(なお、本特別委員会の委員は、設置当初から変更しておらず、委員の互選により本特別委員会の委員長として鳥養雅夫氏を選定しております。また、本特別委員会の委員の報酬については、固定額となっており、成功報酬は採用しておりません。)。
また、当社取締役会は、本特別委員会に対し、本公開買付けを含む本取引に関して、(a)本取引の目的の合理性(本取引は当社企業価値の向上に資するかを含みます。)に関する事項、(b)本取引の取引条件の妥当性に関する事項、(c)本取引の手続の公正性に関する事項、(d)上記を踏まえ、本取引(本取引において公開買付けが実施される場合、当該公開買付けに係る意見表明の内容を含みます。)が少数株主に不利益でないこと(以下「本諮問事項」といいます。)について諮問し、これらの点についての答申を当社に提出することを委託いたしました。当社取締役会は、本公開買付けに関する意見の決定を行うに際して、本特別委員会の意見を最大限尊重し、本特別委員会が本取引の条件について妥当でないと判断した場合には、本公開買付けに賛同しないことを併せて決議しております。なお、本公開買付けに係る意見表明は、本公開買付けの完了後に完全子会社化手続が実施されることを前提として検討しております。
加えて、当社取締役会は、本特別委員会に対し、(a)本取引に係る調査(本取引に関係する当社の役員若しくは従業員又は本取引に係る当社のアドバイザーに対し、本諮問事項の検討に必要な事項について質問を行い、説明を求めることを含みます。)を行うことができる権限、(b)当社に対し、(ⅰ)特別委員会としての提案その他の意見又は質問を買収候補者に伝達すること、及び(ⅱ)特別委員会自ら公開買付者及びMBKパートナーズグループ(本取引に関与するその役職員及び本取引に係るそのアドバイザーを含みます。)と協議する機会の設定を要望することができる権限(なお、特別委員会よりかかる要望を受領した場合には、当社は特別委員会の要望を実現するよう最大限努力するものとしております。)、(c)当社が選任したアドバイザーの独立性に問題があると判断した場合、当社が選任したアドバイザーを承認しないことができる権限(そのような場合、当社は特別委員会の意向を最大限尊重しなければならないものとしております。)、(d)当社の費用で、特別委員会独自のアドバイザーを選任できる権限を付与いたしました。
本特別委員会は、当社の第三者算定機関であり、かつフィナンシャル・アドバイザーである山田コンサル及びリーガル・アドバイザーであるTMI総合法律事務所につき、いずれも独立性及び専門性に問題がないことから、それぞれ、当社の第三者算定機関及びフィナンシャル・アドバイザー、リーガル・アドバイザーとして承認し、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認いたしました。
本特別委員会は、2020年12月21日から2021年2月5日までの間に合計6回にわたって開催され、特別委員会の各開催日間においても電子メール等を通じて審議・意思決定等を行う等して、本諮問事項に関して、慎重に協議及び検討を行いました。
具体的には、本特別委員会は、山田コンサル及びTMI総合法律事務所から、本取引に至る経緯、スキーム概要、想定スケジュールの概要及び本件において想定される公正性担保措置等についての説明を受け、これらの点に関して本特別委員会の委員に求められる役割等の質疑応答を行っております。
本特別委員会は、MBKパートナーズグループに対して、本取引の実施に至る背景・目的、本取引のスキームの内容、本取引の公正性担保のために行う予定の施策、本取引後の経営体制及び経営方針等について質問を行い、MBKパートナーズグループから回答を受け、これらの点に関する検討を行いました。加えて、公開買付者が本取引の実行にあたり締結予定の契約内容に関する確認も併せて行っております。
また、本特別委員会は、当社より、当社を取り巻く事業環境、経営課題とそれに対する現状の当社の取組み、本取引のメリット・デメリット、MBKパートナーズグループとのシナジーの有無、MBKパートナーズグループの提案する公開買付価格に対する評価、本取引実行後に想定される施策の内容・経営方針、当社における本取引の検討状況、MBKパートナーズグループとの協議内容等について説明を受け、十分な質疑応答を行っております。
さらに、本特別委員会は、当社のフィナンシャル・アドバイザー及び第三者評価機関である山田コンサルより、当社株式の価値算定について説明を受け、算定方法の選択理由、各算定方法における算定過程等に関する質疑応答を行い、TMI総合法律事務所から、本取引に関する当社の意思決定の過程及び方法その他の留意点についての法的助言を受けて審議・検討を行っております。
本特別委員会は、以上の経緯の下、本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、2021年2月5日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致により、大要以下の内容の本答申書を提出いたしました。
(ⅰ)本取引の目的の合理性
本特別委員会は、本取引の目的及び本取引が当社の企業価値に与える影響について、当社から説明を受け、質疑を行った。それらの内容をまとめると、概要は以下のとおりである。
(a)(直近の状況)当社においては、2021年3月期は中期経営計画「ツクイ第二次中期経営計画」の最終年度となるところ、2020年2月以降、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が社会に深刻な影響を及ぼすなかで、当社グループ事業の顧客である高齢者や従業員の感染防止及び安全の確保に努める等、様々な施策を講じながら、サービス提供を継続してきた。感染症の流行期には利用控えの発生及び新規顧客獲得数の減少などの影響があったが、政府の支援策もあり2021年3月期は、利益は一定水準が確保される見通しである。しかし、まだ感染の終息が見通せず、来年度以降の見通しは不透明である。
(b)(介護業界の経営環境)一方で、介護業界においては、2025年に向けて高齢者の増加に伴い要介護者が増加することから市場の拡大は確実であるが、生産年齢人口の減少により事業提供基盤の継続性が懸念されているほか、財政事情に伴う介護報酬改定に業績が左右される不安定さが指摘されている。
(c)(当社の戦略)当社は主力事業が介護保険全体でのウエイトが高いデイサービスであるため、介護報酬の一部のマイナス改定部分の影響を受けやすい経営体質である。このような介護報酬改定リスクに対応するため、利用率の更なる向上等による利益率改善や、加算の積極的取得による増収と人員配置の見直しによるコスト削減の両面から、安定した事業収益の確保が必要である。加えて、需要の増加が見込まれる首都圏及び地方中核都市など当社の強みが発揮できる重点地域においてさらに顧客ニーズに応じた拠点展開を行い、介護サービスの多層化を進めていくことが必要である。更に、本質的に介護報酬改定リスクを回避するためには、10万人規模に達する顧客基盤を活かすとともに、成長領域である介護業界自体を顧客とする、保険外サービスを積極的に開発し、事業の柱として成長させる必要がある。
(d)(当社の人材及びコーポレート・ガバナンス)このような状況の中において、当社においても、離職率が高く慢性的な人材不足の状態が続いており、人材の採用、育成及び定着が継続的な課題である。研修体制の更なる充実や資格取得支援による従業員のスキル向上、適正な人事評価とキャリアパス制度の定着、従業員の人事制度の改定等、介護人材の採用・育成・定着に向けた施策をさらに推進する必要がある。さらに、公共性の高い事業であることから、コーポレート・ガバナンスやリスク管理、コンプライアンスなど業務の適正確保への取組みを継続する必要がある。
(e)(介護サービス継続の重要性)新型コロナウイルス感染症の流行の中でも、当社が提供する介護サービスは、利用者やその家族の生活を継続する上で欠かせないものであり、利用者や従業員の安全確保及び感染症対策を行った上で、可能な限りサービスの提供を継続していくことが社会的に求められている。
以上の当社を取り巻く事業環境及び当社の経営課題を踏まえると、当社は、本取引を実施することで、次のような効果を期待でき、これによって上記の事業環境の変化への適応及び経営課題への対応が可能であり、当社の企業価値のより一層の向上に資するものであるとの結論に至った。
(a)重点地域における拠点展開の多様化・効率化等による事業規模の拡大
株式会社コメダや株式会社アコーディア・ゴルフなど、シニアへのサービス提供も軸とする多施設型のビジネスに多く携わってきた経験に基づくMBKパートナーズグループの知見・ノウハウを活用し、必要な不動産の調達方法に応じた経済性比較分析、金融機関・ヘルスケアREIT等のパートナー候補の紹介等により、拠点展開の多様化・効率化への貢献が期待できる。
(b)施設の利用率の向上や人員配置適正化による利益率改善
施設の利用率の向上の点において、これまでの投資先での多施設型のビジネスにおける新たな販売チャネルを確立させる等の経験に基づくMBKパートナーズグループの外部からの視点による助言・指摘を受けることにより、当社単独での取組みよりも、多様な顧客獲得の仕組みづくりや拠点運営改善による利益率の向上を実現できる可能性があると考えられる。
(c)介護保険外サービスの開発・拡大
MBKパートナーズグループは、本取引後の当社の経営に関し、通常の運転資金とは別に相当額の成長投資資金を提供することを確約しているとともに、我が国における継続的な投資活動に根差した幅広いネットワークの中から当社が必要とするプロフェッショナル人財を適時に招聘することが期待でき、介護保険外サービスの拡大のために重要である、積極的な投資や当該サービスについての専門的な知見を有する人材の確保等の貢献も期待できる。
(d)成長に必要な人材の確保
これまでの投資活動における投資先の従業員の採用、研修、定着率強化や人事制度改革をサポートしてきた経験に基づくMBKパートナーズグループの知見・ノウハウを、当社における介護人材の採用・育成・定着に向けた施策に活用することができると考えられる。
(e)拠点拡大及び保険外サービス開発でのM&Aの積極的な活用
投資先の買収支援を得意とするMBKパートナーズグループから、M&Aの実行支援・資金提供、案件ソーシングから買収後の統合(PMI:ポスト・マージャー・インテグレーション)までのすべてのステップにおいて、知見、ネットワーク、リソースを最大限活用した全面的な支援が期待できる。
また、本取引による当社の非公開化により、短期的な利益にとらわれない中長期的な観点からの投資が容易になる側面があると考えられることから、短期的にはのれんの償却負担が利益を圧迫するものの、中長期的な観点からは企業価値の向上に資することが期待できるようなM&Aに積極的に取り組みやすくなることも期待できる。
(f)非公開化に伴う意思決定の迅速化
上記の施策を実行するにあたって、当社株式を非公開化することで、機動的な意思決定を可能とする経営体制を構築し、拠点拡大や事業開発のスピードを向上させることができる。
以上のような当社の認識について、本特別委員会は、当社との質疑応答を行い、その合理性を検証したが、当社の認識に特に不合理な点は認められない。
また、本特別委員会は、上記の当社の認識についての合理性を検証するため、MBKパートナーズグループから、MBKパートナーズグループが本取引を通じて実現しようとしていること、MBKパートナーズグループが認識している当社の課題、本取引がそれをどのように解決する可能性があると考えているか、本取引後に想定している当社の企業価値向上のための施策、MBKパートナーズグループが想定する本取引のメリット・デメリット等について説明を受けた。また、本特別委員会は、当社とMBKパートナーズグループが、本取引後の当社の事業運営等について協議した内容を確認した。
それらを通じ、本特別委員会は、MBKパートナーズグループが、本取引後の経営方針として、当社が現在掲げている「ツクイビジョン2025」を踏襲しつつ、ⅰ)介護事業における重点地域戦略の強化、ⅱ)介護事業における継続的な利益率改善、ⅲ)介護保険外サービスの開発・拡大、ⅳ)従業員満足度の向上及び離職率の抑制、ⅴ)人材事業における営業戦略及び組織の強化、ⅵ)リース事業における外販体制の構築、に注力していくことを考えていることを認識した。
これらのことから、当社が本取引を通じてMBKパートナーズグループに期待している要素と、MBKパートナーズグループの本取引後の経営方針やMBKパートナーズグループが提供することができる経営資源は相当程度合致しているといえ、この点からも、上記の当社の認識に不合理な点はないと判断した。
さらに、本取引が当社の非公開化を前提とするものであることから、当社における非公開化のデメリットについても検討した。
一般論として、非公開化により資金調達に制約が生じ得るところ、当社によれば、現在の金融市場の状況からすれば、影響は少ないと見込んでいるとのことであった。
また、当社によれば、昨年行われた当社の持株会社化に際しても、事業会社であるツクイが非公開会社となったことによる従業員への悪影響は特に認められず、また、MBKパートナーズグループによれば、同社が関与した過去の非公開化案件に照らして考えた場合、非公開化することによって従業員がモチベーションを下げるということはないのではと考えているとのことであった。
さらに、MBKパートナーズグループによれば、当社と官公庁や地方自治体との関係においても、当社の取締役と協議する中では、非公開化によるリスクはないと考えているとのことであった。
以上のようなことから、当社における非公開化によるデメリットとして特に問題となる点は認められなかった。
以上のような点を踏まえ、本特別委員会において、慎重に協議及び検討した結果、本取引は、当社の中長期的観点からの企業価値の向上に資するものと認められ、その目的に合理性を有するものであると考えるに至った。
(ⅱ)本取引の取引条件の妥当性
(a)山田コンサルによる株式価値算定書
当社が、公開買付者、MBKパートナーズグループ、津久井企画、津久井氏及び当社グループのいずれからも独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である山田コンサルから取得した株式価値算定書によれば、当社株式の1株当たり株式価値は、市場株価法によると569円から640円、類似会社比較法によると587円から815円、DCF法によると710円から941円とされているところ、本公開買付価格は、924円であり、市場株価法及び類似会社比較法による算定結果の上限値を上回るとともに、DCF法による算定結果の上位4分の1に位置する金額である。
そして、本特別委員会は、山田コンサルから株式価値評価に用いられた算定方法等について詳細な説明を受けるとともに、山田コンサル及び当社に対して評価手法の選択、算定の基礎となる当社の事業計画に基づく財務予測を含む前提条件等に関する質疑応答を行った上で検討した結果、一般的な評価実務に照らして不合理な点は認められなかった。
加えて、本公開買付価格は、本公開買付けの公表日の前営業日である2021年2月5日の東京証券取引所市場第一部における当社株式の終値640円に対して44.38%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、株価に対するプレミアムの数値(%)について同じ。)、2021年2月5日までの過去1ヶ月間の東京証券取引所市場第一部における当社株式の終値単純平均値571円に対して61.82%、2021年2月5日までの過去3ヶ月間の東京証券取引所市場第一部における当社株式の終値単純平均値569円に対して62.39%、2021年2月5日までの過去6ヶ月間の東京証券取引所市場第一部における当社株式の終値単純平均値575円に対して60.70%のプレミアムをそれぞれ加えた価格であって、かかるプレミアムの水準は、同種他社事例における平均的なプレミアム水準と比して当社株主にとって有利な水準であることを確認した。
(b)交渉過程の手続の公正性
下記「(ⅲ)本取引の手続の公正性」記載のとおり、本公開買付けを含む本取引に係る交渉過程の手続は公正であると認められるところ、同(ⅲ)の「(d)当社による協議・交渉」記載のとおり、かかる交渉により、実際に公開買付者が提示した価格を引き上げており、本公開買付価格は、そのような交渉を経て決定されたものであると認められる。
(c)本取引の実施方法等
本取引の実施方法等について、MBKパートナーズグループから本公開買付け及び当社自己株式取得を組み合わせたスキームが提案されたことから、当社は、当該スキームについても検討を行っているところ、①公開買付けのみを行うスキームと比べ、当該スキームの方が、津久井企画に法人税法に定めるみなし配当の益金不算入規定が適用されることが見込まれることから、そのような津久井企画の税務メリットの享受を活かし、公開買付価格を高く、自己株式取得価格を低い価格に設定することで、当社の少数株主の皆様が享受し得る金額を増加させることが可能となること、②当社自己株式取得に要する資金については、本自己株式取得資金提供が行われること、③本自己株式取得資金提供に係る融資契約においては、同種の融資契約に通常定められる契約条件が規定される予定であることが確認された。
このため、本取引のスキームは公開買付けのみを行うスキームと比べて当社の財務状況に殊更悪影響を与えるということにはならず、当社の少数株主だけでなく当社にとっても不利益なスキームではないと考えられる。
また、本取引のスキームにおいて、本公開買付け及びその後のスクイーズ・アウト手続の他に、公開買付者による当社に対する貸付け並びに当社自己株式取得が予定されているため、公開買付けのみを行うスキームと比べ、完全子会社化の完了の時期が遅れるものの、その点は、本取引のスキームにより当社の少数株主の皆様が享受できる金額を多くするというメリットを踏まえれば、特段憂慮すべき問題ではないと判断したことは不合理ではないと考えられる。
なお、本取引では、本公開買付け後に株式併合を行う場合、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(公開買付者、当社及び津久井企画を除く。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう株式併合により生じる端数の合計数の売却代金が算定される予定である旨が、プレスリリース等で明示される予定であると認められる。
(d)対価の種類
実質的な公開買付者であるMBKパートナーズグループが、いわゆる投資ファンドであることからすると、株式を対価とする手法は基本的に考えられないため、金銭を本取引の対価とすることについても、特に不合理な点はないと考えられる。
(e)小括
以上のような点を踏まえ、本特別委員会において、慎重に協議及び検討した結果、本取引の取引条件は妥当であると判断するに至った。
(ⅲ)本取引の手続の公正性
(a)特別委員会の設置
MBKパートナーズグループが当社に対して本取引を提案した当初から特別委員会が設置され、アドバイザー等の選任権限が付与された上、当社において、特別委員会の答申内容について最大限尊重し、特別委員会が本件取引の条件について妥当でないと判断した場合には、本公開買付けに賛同しないこととする旨決議がされているところ、本特別委員会の独立性、専門性・属性などの構成、アドバイザーなどの検討体制についても特段の問題は認められない。
(b)当社による検討方法
当社は、公開買付価格の公正性の担保、本取引の実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性の排除及び利益相反の回避の観点から、本取引について検討するにあたっては、公開買付者、MBKパートナーズグループ、津久井企画、津久井氏及び当社グループのいずれからも独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である山田コンサル、並びにリーガル・アドバイザーであるTMI総合法律事務所から助言・意見等を得ながら、当社の企業価値向上ひいては株主共同の利益の観点、並びに、当社株主に対する合理的な条件での売却機会の提供の観点から、公開買付価格をはじめとする本公開買付けの買付条件の妥当性及び本取引の一連の手続の公正性といった点について慎重に検討及び協議を行っている。
また、本特別委員会としても、必要に応じて山田コンサル及びTMI総合法律事務所より専門的助言を受けることができることを確認し、現に助言・意見等を得ている。
(c)当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
当社は、本公開買付けに関する意見を決定するにあたり、山田コンサルに対して、当社の株式価値の算定を依頼し、2021年2月5日付で同社から本株式価値算定書を取得した。
(d)当社による協議・交渉
当社は、本特別委員会から提示された交渉方針及び助言に沿って、公開買付価格について、少数株主の利益保護の観点からその公正性を確保するための実質的な協議・交渉を公開買付者との間で複数回にわたって行っている。具体的には、当社は山田コンサルを通じて、延べ2回にわたり、本特別委員会から提示された交渉方針及び助言に従い、公開買付者に対して公開買付価格の引上げを求め、最終的に、公開買付者から、これ以上公開買付価格を引き上げることはできない旨の意向が示されるまで交渉を行った。
そして、かかる交渉により、公開買付者から提示される価格を引き上げた結果として、1株当たり924円という公開買付価格が決定されている。
(e)本取引の交渉過程及び意思決定過程における特別利害関係人の不関与
当社の立場で本取引を検討・交渉する取締役には、本取引に特別な利害関係を有する者は含まれておらず、その他、本取引に係る協議、検討及び交渉の過程で、公開買付者及びMBKパートナーズグループその他の本取引に特別な利害関係を有する者が当社側に不当な影響を与えたことを推認させる事実は認められない。
なお、津久井企画の代表取締役である津久井氏は、当社取締役会における本取引の検討に関する議題の審議には一切参加しておらず、当社の立場において本取引の検討、本取引に係る公開買付者との協議・交渉にも一切参加していない。
(f)マジョリティ・オブ・マイノリティ条件
本公開買付けにおいては、公開買付者は、当社の完全子会社化を企図しているため買付予定数の下限を29,316,000株(所有割合:41.08%)と設定しており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の数の合計が買付予定数の下限に満たない場合には、公開買付者は、応募株券等の全部の買付け等を行わないとしているため、本公開買付けの当事者であるといえる津久井企画及び津久井氏以外の株主の過半数が応募しない限り公開買付けが成立しない状態となっており、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)条件が設定されているといえる。
(g)対抗的な買付け等の機会を確保していること
①本公開買付けに関しては、公開買付期間が法令に定められた最短期間(20営業日)よりも長期である30営業日に設定される予定であるとともに、②公開買付者と当社とは、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が当社との間で接触等を行うことを制限するような内容の合意は一切行っておらず、上記公開買付期間の設定と併せ、対抗的な買付けの機会が確保されることにより、本公開買付けの公正性の担保について配慮されている。
(h)適切な情報開示
本取引においては、公開買付けが成立した場合に、その後に実施される予定の株式併合及び津久井企画からの自己株式取得について、公開買付者が提出する公開買付届出書、当社が公表するプレスリリース等において、十分な開示がなされることが予定されている。
なお、上記(ⅱ)(c)に記載のとおり、本公開買付け後に株式併合を行う場合、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(公開買付者、当社及び津久井企画を除く。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう株式併合により生じる端数の合計数の売却代金が算定される予定である旨が、プレスリリース等で明示される予定であると認められ、公開買付けに応募することの強圧性が低減される適切な措置が採られているといえる。
(i)小括
以上のような点を踏まえ、本特別委員会において、慎重に協議及び検討した結果、本取引においては適切な公正性担保措置が講じられており、本取引に係る手続は公正であると判断するに至った。
(ⅳ)本取引(本公開買付けに係る意見表明の内容を含む。)が少数株主に不利益か否かについて
上記(ⅰ)乃至(ⅲ)その他の事項を踏まえ慎重に検討した結果、当社取締役会が本取引の実施を決定することは当社の少数株主にとって不利益ではないと判断するに至った。すなわち、当社の取締役会が、①本公開買付けに賛同の意見を表明し、かつ、当社の株主が本公開買付けに応募することを推奨する旨を決定すること、②本公開買付け後に株式併合の方法を用いた当社の非公開化手続を実施することを決定すること、及び③当該株式併合の効力発生後に、当社が津久井企画から自己株式の取得を行うことを決定することは、当社の少数株主にとって不利益なものであるとはいえないと判断するに至った。
④ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員を含む。)全員の承認
当社の取締役会は、本株式価値算定書の内容及びTMI総合法律事務所から受けた法的助言を踏まえつつ、本特別委員会から提出された本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引に関して、当社の企業価値向上、本取引に関する諸条件の妥当性等の観点から慎重に協議及び検討を行いました。
その結果、当社は、上記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり、本公開買付けを含む本取引は当社の企業価値の向上に資するとともに、本公開買付価格は妥当性を有するものと考えており、当社の株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断し、2021年2月8日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議をいたしました。
上記の取締役会においては、当社の取締役8名のうち津久井氏を除く当社取締役7名全員(小泉正明氏、高畠毅氏、髙城敏和氏、栗原千亜希氏、宮直仁氏、鳥養雅夫氏、山田謙次氏)において審議の上、その全員一致で上記意見を表明する旨の決議を行いました。
本日開催の当社取締役会において、本臨時株主総会に、株式併合に関する議案並びに単元株式数の定めの廃止及び定款の一部変更に関する議案を付議することを決定するに際しても、同様の方法により、決議に参加した取締役の全員一致で決議しております。
なお、上記の各取締役会に参加した取締役7名において、当社の主要株主であり、かつ、本公開買付けの決済の開始日まで当社の筆頭株主であった津久井企画の役員との兼職関係にあるなど利害関係を有する役員は存在しておりません。
また、利益相反の疑いを回避し、本取引の公正性を担保する観点から、当社の取締役8名のうち、津久井企画の代表取締役である津久井氏は、当社取締役会における本取引の検討に関する議題の審議には一切参加しておらず、当社の立場において本取引の検討、本取引に係る公開買付者との協議・交渉にも一切参加しておりません。
⑤ 他の買付者からの買付機会を確保するための措置
本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け及び本取引後の経営方針」に記載のとおり、津久井企画は、その所有する当社株式の売却に関して複数の買手候補先に対して売却プロセスの開始と入札プロセスへの参加の打診を開始し、その後、各買手候補先に対して、当社経営陣との面談及び当社の代表取締役社長CEOであり、津久井企画の代表取締役である津久井氏との面談を行うことを要請したとのことです。このように、津久井企画はその有する当社株式の全ての譲渡を複数の買付候補者先に打診することによる入札プロセスを実施しており、一定の競争状態において、他の複数の買付候補者との比較を通じて、津久井企画により公開買付者が最終買付候補者として選定された経緯があるとのことです。したがって、公開買付者以外の者による当社株式に対する買付け等の機会は既に十分に設けられていたと考えているとのことですが、公開買付者は、本公開買付けにおける公開買付期間について、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、30営業日としております。このように、公開買付期間を比較的長期間に設定することにより、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を提供するとともに、公開買付者以外にも買付け等を行う機会を確保し、もって本公開買付価格の適正性も担保することを企図しているとのことです。
また、当社は、公開買付者との間で、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意を一切行っておらず、上記の公開買付期間の設定と併せ、対抗的な買付け等を行う機会を確保することにより、本公開買付けの公正性を担保することを企図しております。
⑥ 公開買付者による借入枠の設定に関する当社社外取締役からの意見書の取得
当社は、2021年3月31日付当社プレスリリース「資金調達に関するお知らせ」(以下「資金調達プレスリリース」といいます。)においてお知らせしましたとおり、公開買付者より、①本公開買付けを含む本取引の一環として当社が実施する予定の自己株式取得(以下「本自己株式取得」という。)の資金を確保すること、②当社及び当社の連結子会社による金融機関からの既存借入金のすべてを公開買付者からの借入金で返済し、借入先を集約すること、及び③運転資金等を調達することを目的とした借入枠の設定(以下「本借入」といいます。)を受けることを決定するにあたって、本借入が、借入実行時点では、当社の親会社であるMBKP Life株式会社との取引であり、支配株主との取引等に該当することとなり、また、その一部が、本取引の一環として、本自己株式取得の資金を確保するために行われることから、2021年3月31日に当社の監査等委員である社外取締役であり、東京証券取引所に独立役員として届け出ている宮直仁氏、鳥養雅夫氏、山田謙次氏及び当社の社外取締役であり、東京証券取引所に独立役員として届け出ている栗原千亜希氏から、本借入に係る決議を当社の取締役会が行うことは当社の少数株主にとって不利益なものではない旨の意見書を受領いたしました。当該意見書の概要は、本資金調達プレスリリースの「3.支払株主との取引等に関する事項」の「(3)少数株主にとって不利益なものではないことに関する支配株主と利害関係のない者から入手した意見の概要」をご参照ください。
4.本株式併合がその効力を生ずる日
2021年6月21日(予定)
以上