有価証券報告書-第35期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/22 12:06
【資料】
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【項目】
154項目
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「楽しさの種をまく」を経営理念として掲げ、趣味性に富んだエンターテインメントコンテンツを創造し、より豊かで彩りのある社会をつくることへの貢献を目指しております。そのために、「価値を創り出す企業であり続ける」「信頼される企業であり続ける」「成長を目指し、環境に進化適応できる組織であり続ける」を経営方針として、企業活動を推進しております。
また、当社グループ設立以来の事業であるモバイル事業を核に、当社の強みである、特定分野のコアなファン層を中心とする人々に対し、そのニーズをくみ取ったユーザー本位のサービスを追求していくとともに、モバイル技術の進化にあわせた高品質なサービスの提供を目指してまいります。
(2)経営戦略等
当社グループの主軸であるモバイル事業においては、会員数700万人を誇る既存の「グリパチ」に加え、当連結会計年度に新規投入した「スロパチスピリット」を「バーチャルホール領域」として包括的に統合し、運営戦略の一本化と収益基盤の盤石化を進めております。
一方、スマートフォンゲーム市場はユーザーの嗜好やトレンドの移り変わりが激しいことから、持続的な成長のためにはオーガニックな成長に留まらない非連続な新規収益源の創出が不可欠です。当社グループは、不採算であったブロックチェーン事業の整理・撤退を計画どおり概ね完了させたことで収益構造を大幅に改善いたしました。今後は経営リソースを主力のモバイル事業へ集中させるとともに、急成長する周辺エンターテインメント/テック領域への積極的な成長投資を加速させ、次の目標を掲げて収益性の向上と業容拡大を図る所存であります。
① 主軸となる娯楽コンテンツ領域における既存事業の盤石化
a.「ワンソースマルチプラットフォーム戦略」に基づく既存コンテンツの多面的な展開
当社グループの得意とするパチンコ・パチスロ等のシミュレーターアプリ開発において、まずはGooglePlayやAppStore等の主要アプリストアを通じて高品質な有料アプリを提供します。さらに、これらの開発アセットやコンテンツを自社プラットフォームである「グリパチ」および「スロパチスピリット」へ横展開し、アイテム課金および広告収益を並行して展開する多面的なビジネスモデルを推進しております。また、これらのコンテンツ移植や開発プロセスをグループ内で内製化・共通化することにより、外注費等の原価圧縮を徹底し利益の最大化に努めております。さらに、手元流動性を高めストア手数料を削減する施策として、アプリ外課金決済サービス(「アプリペイ」など)の導入を推進し、マージンの改善を図っております。
b.自社タイトル運営ノウハウを生かした受託開発・運営
当社グループが長年培ってきた娯楽コンテンツの開発・運営ノウハウを活かし、請負型のクライアントワークを戦略的に展開しております。開発子会社である株式会社アイビープログレスを中心として、安定的かつ継続的に収益へ貢献する運営受託等の「ストック型案件」と、アプリ開発請負等の単発の「フロー型案件」をバランスよく受託し、グループ全体の技術ベースの維持向上と確実な収益の積み上げを両立させてまいります。
c.優良コンテンツを国内外向けに提供するゲームパブリッシング事業
成熟期を迎えつつあるスマートフォンアプリ市場において、国内外の良質なゲームタイトルを迅速に投下するパブリッシング事業を展開しております。特に海外プラットフォームへのコンテンツ提供をはじめとする「海外配信サービス分野」は、当連結会計年度においても前連結会計年度比10%以上の増収を達成するなど安定的な成長を見せております。今後はアジア圏を中心に現地ユーザーの特性や市場ニーズを捉えたローカライズおよびマーケティングを加速させ、新たな成長領域として拡大を目指してまいります。
② M&Aや資本提携を含む事業領域の拡大
当社グループは、既存事業の安定的な収益確保をベースとしつつ、中期経営計画に掲げる「2029年3月期における売上高50億円、時価総額100億円」の達成に向け、戦略的なアライアンスやM&Aを積極的に活用した非連続な成長を推進してまいります。その一環として、2026年4月に海外の有力なエンターテインメント関連企業との資本業務提携を決定いたしました。次世代のユーザーニーズを捉え、グローバルに急成長を遂げている新興デジタルコンテンツ領域へ本格参入することで、当社グループが長年培ってきた開発・パブリッシング力と、パートナー企業が有する強力なコンテンツ制作ノウハウやアセットを融合・横展開し、新たな収益の柱の創出とさらなる企業価値の向上を加速させてまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは既存事業の盤石化と新規領域でのサービスの早期軌道投入による収益の拡大、および中長期的な経営目標として掲げる「2029年3月期:売上高50億円、調整後営業利益5億円、時価総額100億円」の達成に向け、厳格な財務規律のもと経営管理を行っております。当社グループが利益率およびキャッシュ・フローを重視する理由は、新規投資を営業活動によるキャッシュ・フローの獲得予測範囲内および手元現金の健全な流動性維持に収めることで財務の安全性を両立させつつ、高い収益性を伴った持続的な利益成長を継続するためです。
また、当社グループは財務体質の抜本的な健全化、および今後の資本政策の柔軟性・機動性を確保し配当実施の早期化を図るため、2026年7月に資本金及び資本準備金の額を減少させ、これらをその他資本剰余金に振り替えたうえで、繰越利益剰余金の欠損填補に充当する財務政策を予定しております。当該政策に関しては2026年6月23日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「資本金及び資本準備金の額の減少並びに剰余金の処分の件」を上程しております。当該議案が承認可決されますと、今後はこの健全化した財務基盤のもとで、自己資本比率50%以上の維持および投資流動性の確保を目安とし、条件が整った段階で速やかに株主還元を目指す方針であります。
(4)経営環境
当社グループを取り巻く主要な市場であるパチンコ・パチスロ市場においては、遊技参加人口やパチンコホール数の減少が続いているものの、実機遊技機市場における「スマスロ(スマートパチスロ)」の急速な普及とヒット機種の台頭により、コアユーザーによる「スマートフォン向けシミュレーターアプリ」への需要が大幅に押し上げられるという好機を迎えております。オンラインゲームとして独自のコミュニティ基盤と競争要素を持つ当社の「グリパチ」および「スロパチスピリット」は、こうした市場のボラティリティに対する強い抵抗力を有していると認識しております。
一方で、世界的なスマートフォンゲーム市場の成熟化、および娯楽の多様化が進むなかで、ゲームを核とした周辺エンターテインメント領域への事業の多角化は不可避であります。特に、新たなデジタルテクノロジーを活用した新興コンテンツ市場の台頭や、多様化する次世代ユーザーのニーズを捉えた新規領域への進出は、当社グループにとって持続的な成長を実現するための極めて重要な機会を提供していると分析しております。
なお、前連結会計年度までにおいて極めてボラティリティが高くグループ業績の変動要因となっていたブロックチェーン事業の整理・撤退が計画どおり概ね完了したため、今後は暗号資産の価値変動リスク等の不確実要素は大幅に軽減される環境にあります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループが対処すべき課題は次のとおりであります。
①バーチャルホール領域を核とした収益基盤の盤石化
スマートフォンゲーム市場においては、市場環境やユーザーの嗜好、トレンドの変化が激しく、事業の継続性のために安定した収益基盤の維持が最重要課題です。当連結会計年度においては、主力タイトル「グリパチ」および「スロパチスピリット」を「バーチャルホール領域」として統合し、運営戦略の一本化を図っております。
今後は、両タイトルのユーザー基盤や運営ノウハウの共有化、リソースの適正配分、およびクロスマーケティングを強化することで、既存タイトルの効率的な運営体制への転換を完遂し、グループ全体の収益最大化を推進してまいります。
②事業ポートフォリオの最適化と成長投資の加速
当社グループが中長期的な成長を持続するためには、既存事業の安定的な収益確保と、将来を見据えた新たな成長投資のバランスを最適化させることが重要な経営課題です。
当連結会計年度において、ブロックチェーン事業の整理・撤退が計画どおり概ね完了したことで、不採算部門に伴う経営リスクと固定費負担は解消され、収益構造は大幅に改善されました。今後は、強みを持つモバイル事業への経営資源の集中を徹底いたします。あわせて、中期経営計画に基づき、自社開発のみならず、戦略的なアライアンスやM&Aを積極的に活用することで、新たな収益の柱となるコンテンツの創出と業容拡大を加速させてまいります。
③変化に対応する技術力・組織基盤の強化
当社グループの事業を取り巻く環境は、技術革新が極めて速いペースで進展しており、常に新たな技術やトレンドが出現し続けております。これらの変化に的確に対応し、積極的に事業へ取り込んでいくことが、競争力を維持・向上させる上で不可欠です。
特に昨今のAI技術の進展を重要な成長機会と捉え、組織を挙げてAI技術の積極的な活用を促進しております。AI導入による業務効率化や開発プロセスの高度化、さらには新たなユーザー体験の創出に注力することで、先端技術に対応できる専門人材の育成・確保をより一層強化してまいります。あわせて、変化に迅速かつ柔軟に対応可能な組織体制の構築・運用を継続的な重要課題として推進し、既存事業の高度化と革新的なサービス開発を着実に進めてまいります。

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