有価証券報告書-第25期(2023/06/01-2024/05/31)

【提出】
2024/08/30 13:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
97項目

事業内容

(1)事業内容の概況
当社は、企業が本業に専念するために、顧客企業の情報システム部門が担当しているような小型コンピュータ(PC/PCサーバー等)の導入段階・利用・廃棄に至るまでの様々な業務を、各企業にとって最適な方法で代行するアウトソースサービスを事業としております。
売上区分としましては、①顧客企業の情報システムの問題点やニーズの分析、顧客企業に適した製品・サービスの組合せ・選別の提案、ハードウェア・ソフトウェアのセットアップ・インストール、情報システムの資源管理※1・予防保守・障害対応・操作方法支援、ハードウェアの修理・改良・最適化、ソフトウェアライセンス管理、データ復旧、ハードウェアの廃棄等の様々な業務を、顧客の選択に応じて総合的に提供する「ITサービス売上」と、②ハードウェア・ソフトウェアのセットアップ、インストール等のITサービスに関連して、顧客の要望によってハードウェア・ソフトウェア等の各種IT商品※2を販売する「商品売上」に区分されます。
サービスの区分としましては、上記の各種アウトソースサービスをワンストップで継続的に提供する「ITAS(アイタス)※3」サービスと、「ITAS」サービスを補完し強化するための事業としてスポット業務的に提供する「ITAS-Plus(アイタス-プラス)」サービスに区分されます。
なお、ITアウトソース事業の単一セグメントであるため、サービス内容別に記載しております。
※1 情報システムの資源管理
:各種ソフトウェアの導入手順、各種ハードウェアの使用領域の取決め、通信方法の取決め等の各種設定に関する管理
※2 各種IT商品
:PC/PCサーバーやその付属機器等のハードウェア、業務用パッケージソフトウェア、OA用の汎用ソフトウェア、機器管理用ソフトウェア等のソフトウェア
※3 ITAS(アイタス)=IT Assemble Suite
:コンピュータの利用技術(複数製品の組み合わせとその設定)の統合の意
(2)ITASサービス
当社は、顧客企業との秘密保持契約と継続的なサービス契約に基づいて、顧客企業内で情報システム部門が中心となり担っているPC/サーバー分野の維持管理業務を、より効率的に代替する役務(アウトソース・サービス)として「ITAS」の名称で顧客企業へ提供しており、その目的は「情報システム部門の業務改革を含む効率化」「情報投資の適正化」「安定した情報インフラの維持・管理・評価」「情報戦略の立案・監理支援」です。
当社は基礎技術の研究や製品開発等の応用技術には関与せず、製品も保有せず、業務のアウトソースに不可欠な利用技術に特化する方針で事業を展開しております。利用技術に特化することによって、顧客企業の問題点やニーズを分析し、IT系企業が提供している製品や汎用サービスの中から顧客企業にとって最も効率的に利用できる製品・サービスを選別または組合せ、維持管理(資源管理・予防保守・障害対応・操作支援等)を行っております。
各顧客企業に対して提供する役務の内容は、各顧客企業の需要に応じて選択的に組み合わせたものとなっており、顧客企業ごとにその内容は異なります。
なお、当社の業務は様々なIT系企業が提供している多様な製品・汎用サービスの特徴・内容・操作方法等に精通することが必要となるため、特定の製品や一般的なサービスを持たず利用技術に特化することにより顧客企業の代理人として中立的な立場から個別企業向けのカスタマイズされた情報システムを提案する姿勢を重要視しております。そのために当社は多くのIT系企業とパートナーシップを組んでおりますが、これらは特定のIT系企業と営業目的を共有するものではなく、あくまでも技術情報交換を目的としたものとなっております。
0101010_001.pngまた、企業の情報システムは短い一定の期間で開発構築したものを長い期間利用してその価値を享受するものです。ITAS事業においては、長い維持管理期間(維持管理業務)を中心に捉え、顧客企業に開発構築の一時期だけではなく継続的な価値を提供することを目的としております。その際には、顧客企業が自社で効率的に維持管理しにくいもの、その効率性を強く求められる基盤環境を提供することを重視しております。これによって、大規模企業から中小企業まで企業規模に応じた効率の良いIT投資を提案することができます。
0101010_002.jpg(3)ITAS-Plusサービス
ITASサービスにおける業務内容だけでは対応できない顧客の抱える様々なIT化の要望/支援のニーズに対して、その解決策を提供する事業としてITAS-Plusサービスを行っております。ITAS-Plusサービスにおける業務の提供は、ITASサービスにおける顧客を中心として行っております。
「ITAS」を提供し顧客企業の状況や情報システムを理解することによって、顧客企業が抱える情報システム上の問題点やニーズの解決策を、実効性が高く効率的に提案することが可能となることによるものです。
サービス内容としては、大きく「ITサービス」と「各種IT商品販売」に分けられます。
「ITサービス」は、技術系のサービスと非技術系のサービスを行っております。
技術系のサービスとは、各種のPC/サーバー・システムの構築、情報系システムの開発、業務系システムの開発マネージメント、契約外の障害回復作業、セキュリティー関連システムの構築等で、主に顧客との継続契約(ITAS)に含まれない技術的作業を行うものです。
非技術系のサービスとは、購買支援に関するサービス※4や、ソフトウェアライセンスの管理等で、こちらは顧客によっては継続契約(ITAS)に含まれる場合もありますが、そうでない場合も顧客からの要望により提供しているものです。
「各種IT商品販売」については、“顧客企業のIT商品調達業務を代行する”という考え方を基本としており、各種IT商品の販売のみならず、各ベンダーとの各種の企業向け特別条件の交渉、きめ細かな納品支援等を含んでおります。
なお、当社では、顧客企業がIT商品を当社から調達した場合/当社以外から調達した場合のどちらでも「ITサービス」の対象として対応しておりますが、当社から調達した場合、「ITサービス」と「商品販売」の相乗効果により、IT商品の選定~購買~導入の時間を短縮することも提供サービスの一環として対応しております。
※4 購買支援に関するサービス
提案支援サービスや顧客に代わっての提案要求書作成、提案要求対象のベンダーの選定、提案要求の支援、提案の精査支援、価格の精査、各種条件交渉等のサービス
(4)顧客セグメント別のサービスについて
当社では、顧客企業の規模にあわせて、2つのサービスを提供しております。
ひとつは、従来より大企業から中堅企業向けに提供している、オーダーメイド型の小型コンピュータの基盤環境に関するサービスを提供する「ITAS-プレミアム」です。
もうひとつは中小企業向けの新しいサービスで、当社の利用技術のノウハウを予めパッケージしたレディメイド型の統合基盤サービスである「ITAS-スタンダード」です。
「ITAS-プレミアム」は、顧客企業毎のオーダーメイドサービスです。各種アウトソースサービスをワンストップで継続的に提供しております。
「ITASスタンダード」は、「ITAS-プレミアム」において顧客企業毎のフルオーダーメイドでサービスをお客様にフィッティングさせ提供してきた中で、中堅・中小企業では必要とする機能の多くが同一のものであることが判明しましたので、中堅・中小企業向けに、複数企業間で同一である可能性が高い機能をあらかじめ決定した上で提供するサービスパッケージです。
(5)事業系統図
以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりです。
0101010_003.png