有価証券報告書-第20期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/07/30 16:00
【資料】
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【項目】
136項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、経営の透明性の向上とコンプライアンスを重視した経営を徹底するため、コーポレート・ガバナンスの充実を図りながら、経営環境の変化に迅速かつ柔軟に対応できる組織体制を構築することが重要な課題と位置付けた上で、組織改革を継続的に実施しております。また、当社グループは、企業倫理の徹底を経営方針に掲げており、企業倫理を社内に普及・浸透させるために様々な施策を講じております。
当社グループでは、経営責任を明確にする組織体制の構築と、経営の効率性を一層向上させることにより、企業としての社会的責任を果たしたいと考えております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループが重要と考えている経営指標は、営業利益であります。この経営指標を持続的に向上させることで、企業価値の向上を実現してまいります。しかしながら、中長期で継続的に企業規模を拡大するためには、新規事業及び既存事業への積極的な投資、事業拡大を支える人材・組織・体制等の経営基盤の強化も不可欠であると考えております。
このことから、個別案件ごとに十分な検討を行った上で、投資効果を考えながら事業展開してまいります。
(3) 新型コロナウイルス感染症の影響も含めた今後の見通し
今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルスの感染拡大により、さまざまな影響が長期化すると予測されることから、世界・日本経済において極めて厳しい状況が続くものと思われます。また、今後も様々な景気対策の検討がなされることも想定されますが、事態の収束は先行きの見えない状況であります。
このような状況下において、当社グループにおきましては、新型コロナウイルス感染拡大の影響による全国的な企業活動の縮小から、CCS事業における開発案件の失注、稼働率の低下といった業績への影響も少しずつ確認しております。状況の先行きを現段階で明確に見通すことは困難ではありますが、第5世代移動通信システムの関連技術等の技術開発は今後も拡大し、IT分野への人材の需要は高いまま推移すると予想されます。2020年1月より確立した技術者700名の基盤体制をより強固なものとしながら、採用の強化と教育体制の充実を継続して実施し、より質の高い人材を提供できる体制を整えてまいります。
一方、コンテンツ事業につきましては、外出自粛による消費者の巣籠もり消費の増加を受け、絵本アプリや知育アプリにおけるデジタルコンテンツのダウンロード数の増加といった、好影響の生じた部分もございます。当社グループが展開する「Challet」やモバイルコンテンツサービスは、モバイル端末一つでどこでも利用できるものが多く、生活者の行動自粛の影響を比較的受けないサービスであります。新型コロナウイルスの影響が残る状況において、多くの企業がリモートワーク等新しい働き方の見直しを図る中、感染症の終息後も引き続き在宅で利用できるサービスへの注目が集まると予測しております。市場の状況や消費者動向に合わせて、当社グループの擁するさまざまなコンテンツや知育・教育アプリを引き続き展開し、利用拡大につながる施策を実施してまいります。
(4) 対処すべき課題
<コンテンツ事業>① コンテンツユーザー数の拡大と継続利用促進
コンテンツ事業が持続的に成長するためには、サービスの認知度を向上させ、新規ユーザーを継続的に獲得し、ユーザー数を拡大していく必要があります。そのため、効果的な広告宣伝を実施し、サービスの知名度を向上させ、より多くのユーザーに利用してもらえる施策を実施することでユーザー数の拡大に努めてまいります。また、既存ユーザーに対してもそのコンテンツ力を高め、質の高いサービスを提供することにより、継続的に当社グループのサービスを利用していただけるよう努めてまいります。
② デジタルコンテンツ資産の有効活用
当社グループは、これまでのモバイルコンテンツの運営を通じて、当社グループがライセンスを保有する質の高いデジタルコンテンツを確保してまいりました。今後は、これらのコンテンツ資産を、当社グループの事業に有効活用することが重要であると認識しております。
③ 顧客満足度の向上
当社グループのカスタマーサポートは、会員一人一人のニーズを聴き、継続して利用してもらうための接点として、日々お客様のニーズを吸い上げております。その対応を一層充実、強化するため、当社グループでは広報・IR部門と事業部との連携強化を進め、会員一人一人のニーズを当社グループ全体で解決していける体制を整えてまいります。
④ 新技術への対応
モバイルコンテンツ業界においては、技術革新が絶え間なく行われております。当社グループは、これまでも、スマートフォン、タブレットのサービスにおける新技術に先進的に対応してまいりましたが、今後も、新たなサービスが今まで以上に普及する際には、更なる技術への対応が求められます。そのため、今後も先進的な技術への対応を進めてまいります。
⑤ システムの安定的な稼動
当社グループのサービスは、通信回線を活用した事業を展開しており、ユーザーへのサービス提供においては、安定的にシステムを運用していくことが重要であり、不具合等が発生した際には、迅速に対応する必要があると認識しております。
<コンテンツクリエイターサービス(CCS)事業>① 人材の確保及びサポート体制の充実
労働人口の減少が進行する中、クリエイタースタッフの確保が重要であり、業務上必要とされるクリエイタースタッフの雇用ができない場合、円滑なサービスの提供や積極的な受注活動が阻害され、業績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、継続的にクリエイタースタッフの募集・採用を図り、コミュニケーションも強化することで、クリエイタースタッフの満足度を高める制度・体制の整備を続け、クリエイタースタッフの定着率の更なる向上を図ってまいります。
② 営業体制の強化
CCS事業の継続的な成長には、既存取引関係の維持強化とあわせ、顧客の新たなニーズを引き出して常に新しい案件を開拓し続ける必要があります。そのため、取引先への迅速な対応ができる営業体制の強化を推進し、新規顧客開拓の強化などによる受注量の拡大を図り、顧客満足度の向上に努めてまいります。
③ 技術力の強化
当社グループは、クリエイタースタッフの技術力を向上させることが企業価値の源泉であると認識しております。そのため、クリエイタースタッフに対する入社研修、その後の定期研修を実施しております。また、研修内容を充実させることにより、クリエイタースタッフのキャリアチェンジを可能にし、多様化する顧客ニーズにあったサービス提供を図ってまいります。
④ 機密情報及び個人情報の漏洩の危険について
当社グループは、業務遂行において顧客企業の機密性の高い情報に触れる機会があるため、各種情報の漏洩や不正使用などの事態が生じた場合、損害賠償請求や社会的信用失墜等により当社グループ業績に影響を与える可能性があります。そのため、情報セキュリティ規程を定め、適正な情報管理を行うための体制を整え、全社員を対象とした教育・研修を継続的に実施することにより情報管理レベルの向上に努めております。