有価証券報告書-第26期(2025/01/01-2025/12/31)
(2)戦略
①シナリオ分析の前提
当社グループでは、気候変動に係る中長期的な当社グループの事業へのリスクと機会を評価するためにシナリオ分析を実施しています。本年度の分析対象は当社グループの国内グループ全体とし、将来影響が想定されるリスクと機会を特定し、2030年度・2050年度における財務影響額を試算しました。前提とするシナリオとして、既存の政策のまま推移する4℃シナリオと、21世紀末の世界平均気温の上昇を産業革命前比で1.5℃に抑えるために脱炭素政策が積極的に進められる1.5℃シナリオを想定しました。
以下、今回実施したシナリオ分析の前提をまとめます。
※参照シナリオの概要:
IEA NZE…国際エネルギー機関(IEA)が公表している1.5℃相当シナリオ。2050年にネットゼロを達成するシナリオ。
IEA STEPS…国際エネルギー機関(IEA)が公表している4℃相当シナリオ。既存の政策のまま追加的な施策がなく推移するシナリオ。
IPCC…「気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change)」の略称。
IPCC SSP 1-1.9…IPCCによる1.5℃相当シナリオ。2050年頃にCO2排出量が実質ゼロになり、21世紀末時点の気温上昇が1.5℃に抑えられる。
IPCC SSP 5-8.5…IPCCによる4℃相当シナリオ。CO2排出量、平均気温ともに上昇し続け、21世紀末にかけて4℃以上気温上昇すると想定。
②シナリオ分析の実施プロセス
シナリオ分析として、まずはじめに当社グループのバリューチェーン全体において想定される気候関連の移行リスクと物理リスク及び機会をリスト化し、その中から特に自社への影響が大きいと考えられる項目を抽出しました。次に、抽出したリスクと機会の各項目に関して、各対象年度の1.5℃・4℃シナリオで想定される外部環境や当社グループの状況を外部シナリオを参照しながら検討し、財務影響算定のベースとなる算定ロジック及び算定に必要な社内外のデータを整理しました。(収集したデータにて実際に財務影響を算定した後、当社グループにおける重要度の評価を実施しました)
③財務影響の分析結果
シナリオ分析にて特定したリスクと機会と財務影響、及び対応方針は下記のとおりです。
特定したリスクにおいては財務影響へのリスクは比較的小さいと想定されました。一方、投資家のサステナビリティ意識の高まりに伴い、IR支援事業の売上は1.5℃シナリオの2030年及び2050年において大きな財務的影響が見込まれると想定しております。また、脱炭素市場における人材紹介事業は、1.5℃シナリオの2050年において中程度の財務的影響が見込まれると想定しており、当社グループの企業価値向上の機会があると認識しております。
今後も継続的にシナリオ分析を実施することでさらなる精度向上に努め、分析により立てた将来見通しを経営戦略の検討プロセスに組み込んでいくことにより、不確実な将来世界に対応できるレジリエンス性を高めてまいります。
※影響度大:40億円以上 影響度中:10億円以上40億円未満 影響度小:10億円未満
①シナリオ分析の前提
当社グループでは、気候変動に係る中長期的な当社グループの事業へのリスクと機会を評価するためにシナリオ分析を実施しています。本年度の分析対象は当社グループの国内グループ全体とし、将来影響が想定されるリスクと機会を特定し、2030年度・2050年度における財務影響額を試算しました。前提とするシナリオとして、既存の政策のまま推移する4℃シナリオと、21世紀末の世界平均気温の上昇を産業革命前比で1.5℃に抑えるために脱炭素政策が積極的に進められる1.5℃シナリオを想定しました。
以下、今回実施したシナリオ分析の前提をまとめます。
| 対象範囲 | 国内グループ全体 |
| 時間軸の定義 | 短期:2028年度、中期:2030年度、長期:2050年度 |
| 対象温度シナリオ | 1.5℃シナリオ、4℃シナリオ |
| 1.5℃シナリオ | 4℃シナリオ | |
| 想定内容 | 21世紀末の世界平均気温の上昇を産業革命前比で1.5℃に抑えるため、脱炭素に向けた政策・規制の導入や技術開発が進展することを想定するシナリオ。 | 21世紀末の世界平均気温が産業革命前比で4℃上昇し、台風などの物理的被害が増加するシナリオ。政策・規制、技術開発は既存のまま推移すると想定。 |
| 参照シナリオ※ | ・IEA Net Zero Emissions(NZE) ・IPCC SSP 1-1.9 | ・IEA Stated Policies Scenario(STEPS) ・IPCC SSP 5-8.5シナリオ |
※参照シナリオの概要:
IEA NZE…国際エネルギー機関(IEA)が公表している1.5℃相当シナリオ。2050年にネットゼロを達成するシナリオ。
IEA STEPS…国際エネルギー機関(IEA)が公表している4℃相当シナリオ。既存の政策のまま追加的な施策がなく推移するシナリオ。
IPCC…「気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change)」の略称。
IPCC SSP 1-1.9…IPCCによる1.5℃相当シナリオ。2050年頃にCO2排出量が実質ゼロになり、21世紀末時点の気温上昇が1.5℃に抑えられる。
IPCC SSP 5-8.5…IPCCによる4℃相当シナリオ。CO2排出量、平均気温ともに上昇し続け、21世紀末にかけて4℃以上気温上昇すると想定。
②シナリオ分析の実施プロセス
シナリオ分析として、まずはじめに当社グループのバリューチェーン全体において想定される気候関連の移行リスクと物理リスク及び機会をリスト化し、その中から特に自社への影響が大きいと考えられる項目を抽出しました。次に、抽出したリスクと機会の各項目に関して、各対象年度の1.5℃・4℃シナリオで想定される外部環境や当社グループの状況を外部シナリオを参照しながら検討し、財務影響算定のベースとなる算定ロジック及び算定に必要な社内外のデータを整理しました。(収集したデータにて実際に財務影響を算定した後、当社グループにおける重要度の評価を実施しました)
③財務影響の分析結果
シナリオ分析にて特定したリスクと機会と財務影響、及び対応方針は下記のとおりです。
特定したリスクにおいては財務影響へのリスクは比較的小さいと想定されました。一方、投資家のサステナビリティ意識の高まりに伴い、IR支援事業の売上は1.5℃シナリオの2030年及び2050年において大きな財務的影響が見込まれると想定しております。また、脱炭素市場における人材紹介事業は、1.5℃シナリオの2050年において中程度の財務的影響が見込まれると想定しており、当社グループの企業価値向上の機会があると認識しております。
今後も継続的にシナリオ分析を実施することでさらなる精度向上に努め、分析により立てた将来見通しを経営戦略の検討プロセスに組み込んでいくことにより、不確実な将来世界に対応できるレジリエンス性を高めてまいります。
| 分類 | カテゴリ | 項目 | 自社への影響 | 影響度※ | 対応方針 | |||
| 4℃ シナリオ | 1.5℃ シナリオ | |||||||
| 2030 | 2050 | 2030 | 2050 | |||||
| 移行 リスク | 政策 法規制 | 炭素税 | 調達(Scope3カテゴリ1)に対する炭素税の導入により、運営コストが増加する | 小 | 小 | 小 | 小 | 紙資源の削減やオフィス空調管理の徹底等を通じたGHG排出量の削減 |
| 市場 | 顧客行動の変化 | 気温上昇による熱中症や強雨による洪水リスクが高まることで、対面のキャリアスクール・学習塾ニーズが低下し個人開発Divisionの売上が減少する | 小 | 小 | 小 | 小 | オンライン講座の拡充に伴うオンライン授業割合の増加 | |
| 物理 リスク | 急性 | 異常気象 | 台風や強雨によりデータセンターが水没し、サーバーが停止した場合、機会損失によりクラウド事業の売上が減少する | 小 | 小 | 小 | 小 | クラウドとコンサルティングの両軸での拡大 |
| 洪水による浸水被害により教室型のスクールの運営が停止し、売上が減少する | 小 | 小 | 小 | 小 | オンライン講座の拡充に伴うオンライン授業割合の増加 | |||
| 機会 | 製品 サービス | 顧客行動の変化 | 投資家のサステナビリティへの意識向上を受けてIR対応ニーズが上昇し、IR支援事業の売上が増加する。加えて開示内容の改善文脈でコンサル・クラウド事業の売上増にも接続。 | 小 | 小 | 大 | 大 | ・組織開発Divisionにおける人員拡充 ・多様な開示ニーズに応えるサービス拡充 |
| 市場 | 脱炭素 市場 | 脱炭素社会・経済への移行により、化石燃料等の高排出産業からの人材移動により人材紹介のニーズが高まり、人材紹介事業の売上が増加する。加えて、人材移動に伴うエンゲージメント向上ニーズにより、コンサル・クラウド事業の売上増にも接続。 | 小 | 小 | 小 | 中 | ・多様なキャリアニーズに応えるサービス拡充 ・エンゲージメントの重要性の発信強化 | |
※影響度大:40億円以上 影響度中:10億円以上40億円未満 影響度小:10億円未満