有価証券報告書-第13期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)
3.重要な会計方針
(1)連結の基礎
当社グループの連結財務諸表は、当社及び当社の子会社の財務諸表を含んでおります。子会社とは、当社により直接又は間接に支配されている企業をいいます。当社グループがある企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、当該企業に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、当社グループは当該企業を支配していることとなります。
子会社の財務諸表は、当社グループが支配を獲得した日から支配を喪失する日まで、連結の対象に含めております。
報告日が異なる子会社の財務諸表は、連結報告日現在で実施した仮決算に基づく財務諸表を使用しております。
子会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、当該子会社の財務諸表に調整を加えております。当社グループ間の債権債務残高及び内部取引高、並びに当社グループ間の取引から発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。
支配の喪失を伴わない子会社に対する持分の変動があった場合には、資本取引として会計処理しております。非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本の部に直接認識されております。
連結子会社の純損益及びその他の包括利益の各内訳項目は、親会社の所有者と非支配持分に帰属させており、たとえ非支配持分が負の残高となる場合であっても、親会社の所有者と非支配持分に帰属させております。子会社の包括利益については、非支配持分が負の残高となる場合であっても、親会社の所有者と非支配持分に帰属させております。
(2)企業結合
企業結合は取得法を用いて会計処理しております。取得対価は、被取得企業の支配と交換に譲渡した資産、取得企業に発生した被取得企業の旧所有者に対する負債及び当社が発行する持分金融商品の取得日の公正価値の合計として測定されます。取得対価と被取得企業に対する非支配持分の金額の合計金額が識別可能な資産及び負債の公正価値を超過する場合は、連結財政状態計算書においてのれんとして計上しております。反対に下回る場合には、直ちに連結損益計算書において収益として計上しております。
仲介手数料、弁護士費用、デュー・デリジェンス費用等の、企業結合に関連して発生する取引費用は、発生時に費用処理しております。
非支配持分の追加取得については、資本取引として会計処理しているため、当該取引からのれんは認識しておりません。
被取得企業における識別可能な資産及び負債は、取得日(被取得企業に対する支配開始日)の公正価値で測定され、該当する場合は条件付対価を含めております。条件付対価の公正価値は報告日ごとに再測定し、その後の変動を純損益で認識しております。
共通支配下における企業結合とは、企業結合当事企業もしくは事業のすべてが、企業結合の前後で同一の企業により最終的に支配され、かつ、その支配が一時的でない場合の企業結合であります。当社グループは、すべての共通支配下における企業結合取引について、継続的に帳簿価額に基づき会計処理しております。
(3)外貨換算
① 外貨建取引
当社グループの各企業は、その企業が営業活動を行う主たる経済環境の通貨として、それぞれ独自の機能通貨を定めており、各企業の取引はその機能通貨により測定しております。
各企業が個別財務諸表を作成する際、その企業の機能通貨以外の通貨での取引の換算については、取引日の為替レートを使用しております。
期末日における外貨建貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで換算しております。
換算又は決済により生じる換算差額は、純損益として認識しております。
② 在外営業活動体の財務諸表
在外営業活動体の資産及び負債については期末日の為替レート、収益及び費用については為替レートが著しく変動している場合を除き、期中平均為替レートを用いて日本円に換算しております。在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しております。在外営業活動体の換算差額は、在外営業活動体が処分された期間に損益として認識されます。
(4)金融商品
① 金融資産
(ⅰ)分類
金融資産は、当初認識時に償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。IFRS第9号に基づく金融資産の分類は、原則として金融資産を管理している事業モデル及び契約上のキャッシュ・フローの特徴に基づいて行われます。
金融資産は、以下の条件を満たす場合に償却原価で測定しております。
- その資産を、契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルの中で保有している。
- 金融資産の契約条件により、所定の日に、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが生じる。
負債性金融商品への投資は以下の条件をともに満たす場合に、その他の包括利益を通じて公正価値で測定しております。
- その資産を、契約上のキャッシュ・フローと金融資産の売却の両方によって目的が達成される事業モデルの中で保有している。
- 金融資産の契約条件により、所定の日に、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが生じる。
上記に記載された償却原価又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定するものに区分されないすべての金融資産は純損益を通じて公正価値で測定されます。
当社グループでは、償却原価で測定する金融資産及び純損益を通じて公正価値で測定する金融資産を保有しております。
(ⅱ)当初認識及び測定
当社グループでは、金融商品の契約の当事者になった時点で金融資産を認識しております。
金融資産は、公正価値(純損益を通じて公正価値で測定する金融資産を除き、公正価値に取得に直接起因する取引コストを加算した金額)で測定しております。
なお、重大な金融要素を含んでいない営業債権は、取引価格で測定しております。
(ⅲ)事後測定
金融資産の当初認識後の測定は、分類に応じて以下のとおり測定しております。
(a)償却原価で測定する金融資産
これらの金融資産は、実効金利法による償却額により測定しております。償却原価からは減損損失が控除されます。利息収益、為替差損益及び減損損失は純損益に認識します。認識の中止時に利得又は損失が生じた場合は純損益に認識します。
(b)純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
これらの金融資産は、公正価値で測定しております。受取配当金、利息収益を含む利得及び損失は純損益に認識しております。
(ⅳ)金融資産の認識の中止
当社グループでは、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は金融資産の所有のリスクと経済価値のほとんどすべてを移転している認識の中止要件を満たす場合にその金融資産の認識の中止を行っております。
② 金融資産の減損
IFRS第9号では、償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品及び契約資産が金融資産の減損の対象となりますが、資本性金融商品への投資には適用されません。
IFRS第9号では、貸倒引当金を以下のいずれかにより測定します。
- 12ヶ月の予想信用損失:報告日から12ヶ月以内に発生する可能性のある不履行事象に起因する予想信用損失
- 全期間の予想信用損失:金融商品の残存期間にわたり生じる可能性のあるすべての不履行事象に起因する予想信用損失
当社グループでは、金融資産に係る信用リスクが著しく増大していない場合には、当該金融資産に係る貸倒引当金を12ヶ月の予想信用損失に等しい金額で測定しております。一方で、金融資産に係る信用リスクが著しく増大している場合には、当該金融資産に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。なお、上記にかかわらず、重大な金融要素を含んでいない営業債権等は、貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。
当社グループでは、原則として契約で定められた支払期限を30日超過した場合に、金融資産の信用リスクが当初認識時より著しく増大していると判断しており、支払期限を90日超過した場合に債務不履行が生じていると判断しております。また、発行者又は債務者の著しい財政的困難などを考慮し、金融資産の全部又は一部分を回収できないと合理的に判断される場合は、金融資産の帳簿価額を直接償却しております。また、回収の合理的な見込みがあるか否かに基づき直接償却の時期及び金額を個々に評価しております。当社グループは、直接償却した金額を大幅に回収することは見込んでおりませんが、直接償却された金融資産であっても、当社グループの未収金回収手続きに従い、回収活動の対象となります。
予想信用損失は、契約に基づいて当社グループが受け取るべき契約上のキャッシュ・フローと、当社グループが受け取ると見込んでいるキャッシュ・フローとの差額の現在価値です。
金融資産を認識後の信用状況の変動は見積りの変更として純損益に計上しております。
③ 金融負債
(ⅰ)分類
金融負債は、償却原価で測定される金融負債に分類しております。当社グループは、金融負債の当初認識時に当該分類を決定しております。
(ⅱ)当初認識及び測定
当社グループでは、償却原価で測定される金融負債については発行日に当初認識し、当初認識時に公正価値からその発行に直接起因する取引コストを控除した金額で測定しております。
(ⅲ)事後測定
償却原価で測定される金融負債は、当初認識後、実効金利法による償却原価で測定しております。実効金利法による償却額及び認識が中止された場合の利得及び損失は、純損益に認識しております。
(ⅳ)金融負債の認識の中止
金融負債は、義務が履行されたか、免除されたか、又は失効した場合に認識を中止しております。
④ 金融商品の公正価値
各報告日現在で活発な金融市場において取引されている金融商品の公正価値は、市場における公表価格を参照しております。
活発な市場が存在しない金融商品の公正価値は、適切な評価技法を使用して算定しております。
(5)現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。
(6)有形固定資産
有形固定資産については、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で測定しております。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、解体・除去等の原状回復費用が含まれております。
土地及び建設仮勘定以外の各資産の減価償却費は、それぞれの見積耐用年数にわたり、定額法で計上されております。主要な資産項目ごとの見積耐用年数は以下のとおりであります。
・建物及び構築物 8-15年
・工具器具及び備品 3-15年
なお、見積耐用年数、残存価額及び減価償却方法は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
(7)のれん
企業結合から生じたのれんは、取得原価から減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
のれんは償却を行わず、企業結合のシナジーから便益を得ると見込まれる資金生成単位又は資金生成単位グループに配分し、年次及び減損の兆候がある場合はその都度、減損テストを実施しております。のれんの減損損失は純損益として認識され、その後の戻入れは行っておりません。
なお、のれんの当初認識時点における測定は、「3.重要な会計方針 (2)企業結合」に記載しております。
(8)無形資産
個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定しております。
無形資産は、当初認識後、耐用年数を確定できない無形資産を除いて、それぞれの見積耐用年数にわたって定額法で償却され、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した帳簿価額で計上されます。主要な無形資産の見積耐用年数は以下のとおりであります。なお、耐用年数を確定できない無形資産はありません。
・自社利用のソフトウエア 5年
なお、見積耐用年数、残存価額及び償却方法は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
(9)リース
当社グループは、契約の締結時に契約がリースであるか又はリースを含んでいるかを判定します。契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合には、当該契約はリースであるか又はリースを含んでおります。契約が特定された資産の使用を支配する権利を移転しているか否かを評価するために、当社グループは以下のことを検討しております。
- 契約が特定された資産の使用を含むか。これは明記される場合もあれば黙示的に識別される場合もあり、特定された資産は、物理的に別個のものであるか物理的に別個の資産の稼働能力のほとんどすべてを表すものでなければなりません。リースの貸手が資産を入れ替える実質的な権利を有している場合は、資産は特定されておりません。
- 当社グループが使用期間全体にわたり資産の使用からの経済的便益のほとんどすべてを得る権利を有しているか。
- 当社グループの資産の使用を指図する権利を有しているか。資産の使用方法及び使用目的の変更に最も関連性のある意思決定権を有している場合、当社グループはその権利を有しております。資産の使用方法及び使用目的が事前に決定されているまれな場合には、以下のいずれかである場合に、当社グループは資産の使用を指図する権利を有しております。
- 当社グループが資産を稼働させる権利を有しているか。
- 当社グループが、資産の使用方法及び使用目的を事前に決定するように、資産を設計したか。
実務上の便法として、リース契約については非リース構成部分をリース構成部分と区別せずに、各リース構成部分及び関連する非リース構成部分を単一のリース構成部分として会計処理することを選択しております。
この会計方針は2019年1月1日以降に締結又は変更された契約に適用しております。
借手としてのリース
当社グループは、リースの開始日に使用権資産とリース負債を認識します。
使用権資産は、取得原価で当初測定しております。この取得原価は、リース負債の当初測定額に、開始日又はそれ以前に支払ったリース料を調整し、発生した当初直接コストと原資産の解体及び除去、原資産又は原資産の設置された敷地の原状回復の際に生じるコストの見積りを加え、受領済みのリース・インセンティブを控除して算定します。
当初認識後、使用権資産は、開始日から使用権資産の耐用年数の終了時又はリース期間の終了時のいずれか早い方の日まで、定額法により減価償却します。使用権資産の見積耐用年数は、自己所有の有形固定資産と同様に決定します。さらに、使用権資産は、減損損失によって減額され、特定のリース負債の再測定に際して調整されます。
リース負債は、開始日時点で支払われていないリース料をリースの計算利子率を用いて割り引いた現在価値で当初測定しております。リースの計算利子率が容易に算定できない場合には、当社グループの追加借入利子率を用いており、一般的に、当社グループは追加借入利子率を割引率として使用しております。
リース負債の測定に含めるリース料総額は、以下で構成されます。
- 固定リース料(実質的な固定リース料を含む)
- 指数又はレートに基づいて算定される変動リース料。当初測定には開始日現在の指数又はレートを用いる
- 残価保証に基づいて支払うと見込まれる金額
- 当社グループが行使することが合理的に確実である場合の購入オプションの行使価格、延長オプションを行使することが合理的に確実である場合のオプション期間のリース料、及びリースの早期解約に対するペナルティの支払額(当社グループが早期解約しないことが合理的に確実な場合を除く)
リース負債は、実効金利法による償却原価で測定しております。指数又はレートの変動により将来のリース料が変動した場合、残価保証に基づいて支払うと見込まれる金額の見積が変動した場合、又は購入、延長、あるいは解約オプションを行使するかどうかの判定が変化した場合、リース負債は再測定されます。
このようにリース負債を再測定する場合、対応する修正は使用権資産の帳簿価額を修正するか、使用権資産の帳簿価額がゼロまで減額されている場合には損益として認識します。
当社グループは、財政状態計算書において、使用権資産を「有形固定資産」、リース負債を「その他の金融負債」に含めて表示しております。
当社グループは、リース期間が12ヶ月以内の短期リース及びIT機器のリースを含む少額資産のリース資産について、使用権資産及びリース負債を認識していないことを選択しております。当社グループは、これらのリースに係るリース料をリース期間にわたり定額法により費用として認識しております。
当社グループは、「新型コロナウイルス感染症に関連した賃料減免(IFRS第16号の改訂)」を適用しております。実務上の便法を適用しており、これによって新型コロナウイルス感染症の感染拡大の直接的な結果として受けたレント・コンセッションが、リースの条件変更に該当するか否かを評価する必要がありません。当社グループは、類似の特性を有し、かつ類似の状況にある契約には、実務上の便法を一貫して適用します。当社グループが実務上の便法を適用しないことを選択するリースのレント・コンセッション、又は実務上の便法の対象にあたらないリースのレント・コンセッションについて、当社グループはリースの条件変更であるかどうか評価します。
貸手としてのリース
当社グループがリースの貸手である場合、リース契約時にそれぞれのリースをファイナンス・リース又はオペレーティング・リースに分類します。それぞれのリースを分類するにあたり、当社グループは、原資産の所有に伴うリスクと経済価値が実質的に全て移転するか否かを総合的に評価しております。移転する場合はファイナンス・リースに、そうでない場合はオペレーティング・リースに分類します。この評価の一環として、当社グループは、リース期間が原資産の経済的耐用年数の大部分を占めているかなど、特定の指標を検討します。当社グループが中間の貸手である場合、ヘッドリースとサブリースは別個に会計処理します。サブリースの分類は、原資産ではなくヘッドリースから生じる使用権資産を参照して判定します。ヘッドリースが上記の免除規定を適用して会計処理する短期リースである場合、サブリースはオペレーティング・リースとして分類します。
(10)非金融資産の減損
繰延税金資産を除く当社グループの非金融資産の帳簿価額は、期末日ごとに減損の兆候の有無を判断しております。減損の兆候が存在する場合は、当該資産の回収可能価額を見積っております。なお、のれん及び未だ使用可能ではない無形資産については償却を行わず、連結会計年度末までに最低年に一度、及び減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しております。
資産又は資金生成単位の回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうちいずれか大きい方の金額としております。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産に固有のリスクを反映した税引前の利率を用いて現在価値に割引いております。減損テストにおいて個別にテストされない資産は、継続的な使用により他の資産又は資産グループのキャッシュ・インフローから、概ね独立したキャッシュ・インフローを生成する最小の資金生成単位に統合しております。
当社グループの全社資産は、独立したキャッシュ・インフローを生成いたしません。全社資産に減損の兆候がある場合、全社資産が帰属する資金生成単位の回収可能価額を決定しております。
減損損失は、資産又は資金生成単位の帳簿価額が見積回収可能価額を超過する場合に損益として認識いたします。のれんを含む資金生成単位の減損損失の認識にあたっては、まず、その単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に資金生成単位内のその他の資産の帳簿価額を比例的に減額するように配分いたします。
その他の資産については、過去に認識した減損損失は、毎期末日において損失の減少又は消滅を示す兆候の有無を評価しております。回収可能価額の決定に使用した見積りが変化した場合は、減損損失を戻し入れます。減損損失は、減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費及び償却額を控除した後の帳簿価額を超えない金額を上限として戻し入れます。
(11)従業員給付
① 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算は行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として計上しております。
賞与及び有給休暇費用については、それらを支払う法的もしくは推定的な債務を負っており、信頼性のある見積りが可能な場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積られる額を負債として認識しております。
② 退職後給付
当社グループは選択型の確定給付制度を有しております。
確定給付制度について、確定給付制度債務の現在価値を負債として認識しております。なお、確定給付制度債務から控除すべき制度資産はありません。
確定給付制度債務は、予測単位積増方式に基づいて算定され、算定に用いる割引率は、将来の給付支払見込日までの期間を設定し、割引期間に対応した期末日時点の優良社債の利回りに基づいて決定しております。
③ その他の長期従業員給付
その他の長期従業員給付として、一定の勤続年数に応じた特別休暇制度を有しております。その他の長期従業員給付に対する債務は、従業員が当連結会計年度までに提供したサービスの対価として獲得した将来給付の見積額を現在価値に割引くことによって算定しております。
(12)株式に基づく報酬
当社は、持分決済型の株式報酬制度として、ストック・オプション制度を採用しております。
権利確定条件の充足を条件とするストック・オプションは、付与日における公正価値によって見積り、最終的に権利確定すると予想されるストック・オプションの数を考慮した上で、権利確定期間にわたって費用として認識し、同額を資本の増加として認識しております。
権利確定条件以外の条件が付されたストック・オプションは、付与日に権利確定条件以外のすべての条件を考慮にいれた上で公正価値を見積り、ストック・オプションの付与数に基づいて一時の費用として認識し、同額を資本の増加として認識しております。
付与されたオプションの公正価値は、オプションの諸条件を考慮し、モンテカルロ・シミュレーション等の評価技法を用いて算定しております。また、条件については定期的に見直し、必要に応じて権利確定数の見積りを修正しております。
また、当社は、譲渡制限付株式報酬制度を採用しております。
譲渡制限付株式報酬は、付与日における公正価値を測定し、付与日から権利確定期間にわたって費用として認識し、対応する金額を資本の増加として認識しております。譲渡制限付株式報酬の公正価値は、付与した当社株式の公正価値を参照して測定しております。
(13)引当金
引当金は、過去の事象の結果として、当社グループが、現在の法的又は推定的債務を負っており、当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に認識しております。引当金は、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及び当該負債に特有のリスクを反映した税引前の利率を用いて現在価値に割引いております。時の経過に伴う割引額の割戻しは金融費用として認識しております。
資産除去債務については、賃借契約終了時に原状回復義務のある賃借事務所の原状回復費用見込額について、資産除去債務を計上しております。
(14)顧客との契約から生じる収益
当社グループは、IFRS第15号に従い、以下の5つのステップアプローチに基づき、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:企業の履行義務の充足時に(又は充足するにつれて)収益を認識する
① アドバイザリー事業
アドバイザリー事業にかかる履行義務は、買収・合併に関する案件の成立等に関するアドバイスを提供することで充足されます。顧客との契約に基づき、契約時に着手金、作業時間に応じた作業報酬、案件成立時に成功報酬をそれぞれ得ております。着手金については、契約時に受領する対価を契約負債に計上し、作業報酬等の関連する履行義務の充足に伴い、契約期間に渡って収益を認識しております。作業報酬については、当社グループが完了した履行の顧客にとっての価値に直接対応する金額で顧客から対価を受ける権利を有している為、発生した時間数に基づいた、顧客への請求権の獲得時点をもって履行義務を充足したと判断し、収益を認識しております。成功報酬については、重大な戻し入れが生じない可能性が非常に高い時点であると判断した案件成立時において、収益を認識しております。
② アセットマネジメント事業
アセットマネジメント事業にかかる履行義務は、ファンドの管理業務を行うことで充足されます。顧客との契約に基づき、ファンドの管理業務の対価として管理報酬を得ております。よって、管理報酬は契約に基づく一定期間にわたって、収益を認識しております。
なお、いずれの事業においても、サービスを顧客に提供する時点とその対価を受領する時点が1年以内であるため、重大な金融要素は含まれておりません。
また、当社におきましては、重要な契約獲得の増分コストは発生しておりません。
(15)法人所得税
法人所得税は、当期税金及び繰延税金から構成されております。これらは、企業結合に関連するもの及び直接資本又はその他の包括利益で認識される項目を除き、純損益として認識しております。
当期税金は、税務当局に対する納付又は税務当局から還付が予想される金額で測定されます。税額の算定にあたっては、当社グループが事業活動を行い、課税対象となる損益を稼得する国において、連結会計年度末日までに制定又は実質的に制定されている税率及び税法に従っております。
繰延税金は、決算日における資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除に対して認識しております。
なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産及び負債を計上しておりません。
・企業結合取引を除く、会計上の利益にも税務上の課税所得にも影響を与えない取引によって発生する資産及び負債の当初認識により生じる一時差異
・子会社及び関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異のうち、解消時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金負債は原則としてすべての将来加算一時差異について認識され、繰延税金資産は将来減算一時差異を使用できるだけの課税所得が稼得される可能性が高い範囲内で、すべての将来減算一時差異について認識されます。
繰延税金資産の帳簿価額は毎期見直され、繰延税金資産の全額又は一部が使用できるだけの十分な課税所得が稼得されない可能性が高い部分については、帳簿価額を減額しております。未認識の繰延税金資産は毎期再評価され、将来の課税所得により繰延税金資産が回収される可能性が高くなった範囲内で認識されます。
繰延税金資産及び負債は、連結会計年度末日において制定されている、又は実質的に制定されている法定税率及び税法に基づいて資産が実現する期間又は負債が決済される期間に適用されると予想される税率及び税法によって測定されます。
繰延税金資産及び負債は、当期税金負債と当期税金資産を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合、相殺しております。
なお、法人所得税の不確実な税務ポジションについて、税法の解釈に基づき税務ポジションが発生する可能性が高い場合には、合理的な見積額を資産又は負債として認識しております。
(16)1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期損益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しております。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整して計算しております。
(17)事業セグメント
事業セグメントとは、他の事業セグメントとの取引を含む、収益を稼得し費用を発生させる事業活動の構成単位であります。すべての事業セグメントの事業の成果は、個別にその財務情報が入手可能なものであり、かつ各セグメントへの経営資源の配分及び業績の評価を行うために、当社の取締役会が定期的にレビューしております。
(18)自己資本
① 普通株式
普通株式は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上しております。普通株式の発行に係る付随費用は、税効果控除後の金額にて資本から控除しております。
② 自己株式
自己株式は取得原価で評価され、資本から控除しております。当社の自己株式の購入、売却又は消却において利得又は損失は認識しておりません。なお、帳簿価額と売却時の対価との差額は、資本剰余金として認識されます。
(1)連結の基礎
当社グループの連結財務諸表は、当社及び当社の子会社の財務諸表を含んでおります。子会社とは、当社により直接又は間接に支配されている企業をいいます。当社グループがある企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、当該企業に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、当社グループは当該企業を支配していることとなります。
子会社の財務諸表は、当社グループが支配を獲得した日から支配を喪失する日まで、連結の対象に含めております。
報告日が異なる子会社の財務諸表は、連結報告日現在で実施した仮決算に基づく財務諸表を使用しております。
子会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、当該子会社の財務諸表に調整を加えております。当社グループ間の債権債務残高及び内部取引高、並びに当社グループ間の取引から発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。
支配の喪失を伴わない子会社に対する持分の変動があった場合には、資本取引として会計処理しております。非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本の部に直接認識されております。
連結子会社の純損益及びその他の包括利益の各内訳項目は、親会社の所有者と非支配持分に帰属させており、たとえ非支配持分が負の残高となる場合であっても、親会社の所有者と非支配持分に帰属させております。子会社の包括利益については、非支配持分が負の残高となる場合であっても、親会社の所有者と非支配持分に帰属させております。
(2)企業結合
企業結合は取得法を用いて会計処理しております。取得対価は、被取得企業の支配と交換に譲渡した資産、取得企業に発生した被取得企業の旧所有者に対する負債及び当社が発行する持分金融商品の取得日の公正価値の合計として測定されます。取得対価と被取得企業に対する非支配持分の金額の合計金額が識別可能な資産及び負債の公正価値を超過する場合は、連結財政状態計算書においてのれんとして計上しております。反対に下回る場合には、直ちに連結損益計算書において収益として計上しております。
仲介手数料、弁護士費用、デュー・デリジェンス費用等の、企業結合に関連して発生する取引費用は、発生時に費用処理しております。
非支配持分の追加取得については、資本取引として会計処理しているため、当該取引からのれんは認識しておりません。
被取得企業における識別可能な資産及び負債は、取得日(被取得企業に対する支配開始日)の公正価値で測定され、該当する場合は条件付対価を含めております。条件付対価の公正価値は報告日ごとに再測定し、その後の変動を純損益で認識しております。
共通支配下における企業結合とは、企業結合当事企業もしくは事業のすべてが、企業結合の前後で同一の企業により最終的に支配され、かつ、その支配が一時的でない場合の企業結合であります。当社グループは、すべての共通支配下における企業結合取引について、継続的に帳簿価額に基づき会計処理しております。
(3)外貨換算
① 外貨建取引
当社グループの各企業は、その企業が営業活動を行う主たる経済環境の通貨として、それぞれ独自の機能通貨を定めており、各企業の取引はその機能通貨により測定しております。
各企業が個別財務諸表を作成する際、その企業の機能通貨以外の通貨での取引の換算については、取引日の為替レートを使用しております。
期末日における外貨建貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで換算しております。
換算又は決済により生じる換算差額は、純損益として認識しております。
② 在外営業活動体の財務諸表
在外営業活動体の資産及び負債については期末日の為替レート、収益及び費用については為替レートが著しく変動している場合を除き、期中平均為替レートを用いて日本円に換算しております。在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しております。在外営業活動体の換算差額は、在外営業活動体が処分された期間に損益として認識されます。
(4)金融商品
① 金融資産
(ⅰ)分類
金融資産は、当初認識時に償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。IFRS第9号に基づく金融資産の分類は、原則として金融資産を管理している事業モデル及び契約上のキャッシュ・フローの特徴に基づいて行われます。
金融資産は、以下の条件を満たす場合に償却原価で測定しております。
- その資産を、契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルの中で保有している。
- 金融資産の契約条件により、所定の日に、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが生じる。
負債性金融商品への投資は以下の条件をともに満たす場合に、その他の包括利益を通じて公正価値で測定しております。
- その資産を、契約上のキャッシュ・フローと金融資産の売却の両方によって目的が達成される事業モデルの中で保有している。
- 金融資産の契約条件により、所定の日に、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが生じる。
上記に記載された償却原価又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定するものに区分されないすべての金融資産は純損益を通じて公正価値で測定されます。
当社グループでは、償却原価で測定する金融資産及び純損益を通じて公正価値で測定する金融資産を保有しております。
(ⅱ)当初認識及び測定
当社グループでは、金融商品の契約の当事者になった時点で金融資産を認識しております。
金融資産は、公正価値(純損益を通じて公正価値で測定する金融資産を除き、公正価値に取得に直接起因する取引コストを加算した金額)で測定しております。
なお、重大な金融要素を含んでいない営業債権は、取引価格で測定しております。
(ⅲ)事後測定
金融資産の当初認識後の測定は、分類に応じて以下のとおり測定しております。
(a)償却原価で測定する金融資産
これらの金融資産は、実効金利法による償却額により測定しております。償却原価からは減損損失が控除されます。利息収益、為替差損益及び減損損失は純損益に認識します。認識の中止時に利得又は損失が生じた場合は純損益に認識します。
(b)純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
これらの金融資産は、公正価値で測定しております。受取配当金、利息収益を含む利得及び損失は純損益に認識しております。
(ⅳ)金融資産の認識の中止
当社グループでは、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は金融資産の所有のリスクと経済価値のほとんどすべてを移転している認識の中止要件を満たす場合にその金融資産の認識の中止を行っております。
② 金融資産の減損
IFRS第9号では、償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品及び契約資産が金融資産の減損の対象となりますが、資本性金融商品への投資には適用されません。
IFRS第9号では、貸倒引当金を以下のいずれかにより測定します。
- 12ヶ月の予想信用損失:報告日から12ヶ月以内に発生する可能性のある不履行事象に起因する予想信用損失
- 全期間の予想信用損失:金融商品の残存期間にわたり生じる可能性のあるすべての不履行事象に起因する予想信用損失
当社グループでは、金融資産に係る信用リスクが著しく増大していない場合には、当該金融資産に係る貸倒引当金を12ヶ月の予想信用損失に等しい金額で測定しております。一方で、金融資産に係る信用リスクが著しく増大している場合には、当該金融資産に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。なお、上記にかかわらず、重大な金融要素を含んでいない営業債権等は、貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。
当社グループでは、原則として契約で定められた支払期限を30日超過した場合に、金融資産の信用リスクが当初認識時より著しく増大していると判断しており、支払期限を90日超過した場合に債務不履行が生じていると判断しております。また、発行者又は債務者の著しい財政的困難などを考慮し、金融資産の全部又は一部分を回収できないと合理的に判断される場合は、金融資産の帳簿価額を直接償却しております。また、回収の合理的な見込みがあるか否かに基づき直接償却の時期及び金額を個々に評価しております。当社グループは、直接償却した金額を大幅に回収することは見込んでおりませんが、直接償却された金融資産であっても、当社グループの未収金回収手続きに従い、回収活動の対象となります。
予想信用損失は、契約に基づいて当社グループが受け取るべき契約上のキャッシュ・フローと、当社グループが受け取ると見込んでいるキャッシュ・フローとの差額の現在価値です。
金融資産を認識後の信用状況の変動は見積りの変更として純損益に計上しております。
③ 金融負債
(ⅰ)分類
金融負債は、償却原価で測定される金融負債に分類しております。当社グループは、金融負債の当初認識時に当該分類を決定しております。
(ⅱ)当初認識及び測定
当社グループでは、償却原価で測定される金融負債については発行日に当初認識し、当初認識時に公正価値からその発行に直接起因する取引コストを控除した金額で測定しております。
(ⅲ)事後測定
償却原価で測定される金融負債は、当初認識後、実効金利法による償却原価で測定しております。実効金利法による償却額及び認識が中止された場合の利得及び損失は、純損益に認識しております。
(ⅳ)金融負債の認識の中止
金融負債は、義務が履行されたか、免除されたか、又は失効した場合に認識を中止しております。
④ 金融商品の公正価値
各報告日現在で活発な金融市場において取引されている金融商品の公正価値は、市場における公表価格を参照しております。
活発な市場が存在しない金融商品の公正価値は、適切な評価技法を使用して算定しております。
(5)現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。
(6)有形固定資産
有形固定資産については、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で測定しております。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、解体・除去等の原状回復費用が含まれております。
土地及び建設仮勘定以外の各資産の減価償却費は、それぞれの見積耐用年数にわたり、定額法で計上されております。主要な資産項目ごとの見積耐用年数は以下のとおりであります。
・建物及び構築物 8-15年
・工具器具及び備品 3-15年
なお、見積耐用年数、残存価額及び減価償却方法は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
(7)のれん
企業結合から生じたのれんは、取得原価から減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
のれんは償却を行わず、企業結合のシナジーから便益を得ると見込まれる資金生成単位又は資金生成単位グループに配分し、年次及び減損の兆候がある場合はその都度、減損テストを実施しております。のれんの減損損失は純損益として認識され、その後の戻入れは行っておりません。
なお、のれんの当初認識時点における測定は、「3.重要な会計方針 (2)企業結合」に記載しております。
(8)無形資産
個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定しております。
無形資産は、当初認識後、耐用年数を確定できない無形資産を除いて、それぞれの見積耐用年数にわたって定額法で償却され、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した帳簿価額で計上されます。主要な無形資産の見積耐用年数は以下のとおりであります。なお、耐用年数を確定できない無形資産はありません。
・自社利用のソフトウエア 5年
なお、見積耐用年数、残存価額及び償却方法は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
(9)リース
当社グループは、契約の締結時に契約がリースであるか又はリースを含んでいるかを判定します。契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合には、当該契約はリースであるか又はリースを含んでおります。契約が特定された資産の使用を支配する権利を移転しているか否かを評価するために、当社グループは以下のことを検討しております。
- 契約が特定された資産の使用を含むか。これは明記される場合もあれば黙示的に識別される場合もあり、特定された資産は、物理的に別個のものであるか物理的に別個の資産の稼働能力のほとんどすべてを表すものでなければなりません。リースの貸手が資産を入れ替える実質的な権利を有している場合は、資産は特定されておりません。
- 当社グループが使用期間全体にわたり資産の使用からの経済的便益のほとんどすべてを得る権利を有しているか。
- 当社グループの資産の使用を指図する権利を有しているか。資産の使用方法及び使用目的の変更に最も関連性のある意思決定権を有している場合、当社グループはその権利を有しております。資産の使用方法及び使用目的が事前に決定されているまれな場合には、以下のいずれかである場合に、当社グループは資産の使用を指図する権利を有しております。
- 当社グループが資産を稼働させる権利を有しているか。
- 当社グループが、資産の使用方法及び使用目的を事前に決定するように、資産を設計したか。
実務上の便法として、リース契約については非リース構成部分をリース構成部分と区別せずに、各リース構成部分及び関連する非リース構成部分を単一のリース構成部分として会計処理することを選択しております。
この会計方針は2019年1月1日以降に締結又は変更された契約に適用しております。
借手としてのリース
当社グループは、リースの開始日に使用権資産とリース負債を認識します。
使用権資産は、取得原価で当初測定しております。この取得原価は、リース負債の当初測定額に、開始日又はそれ以前に支払ったリース料を調整し、発生した当初直接コストと原資産の解体及び除去、原資産又は原資産の設置された敷地の原状回復の際に生じるコストの見積りを加え、受領済みのリース・インセンティブを控除して算定します。
当初認識後、使用権資産は、開始日から使用権資産の耐用年数の終了時又はリース期間の終了時のいずれか早い方の日まで、定額法により減価償却します。使用権資産の見積耐用年数は、自己所有の有形固定資産と同様に決定します。さらに、使用権資産は、減損損失によって減額され、特定のリース負債の再測定に際して調整されます。
リース負債は、開始日時点で支払われていないリース料をリースの計算利子率を用いて割り引いた現在価値で当初測定しております。リースの計算利子率が容易に算定できない場合には、当社グループの追加借入利子率を用いており、一般的に、当社グループは追加借入利子率を割引率として使用しております。
リース負債の測定に含めるリース料総額は、以下で構成されます。
- 固定リース料(実質的な固定リース料を含む)
- 指数又はレートに基づいて算定される変動リース料。当初測定には開始日現在の指数又はレートを用いる
- 残価保証に基づいて支払うと見込まれる金額
- 当社グループが行使することが合理的に確実である場合の購入オプションの行使価格、延長オプションを行使することが合理的に確実である場合のオプション期間のリース料、及びリースの早期解約に対するペナルティの支払額(当社グループが早期解約しないことが合理的に確実な場合を除く)
リース負債は、実効金利法による償却原価で測定しております。指数又はレートの変動により将来のリース料が変動した場合、残価保証に基づいて支払うと見込まれる金額の見積が変動した場合、又は購入、延長、あるいは解約オプションを行使するかどうかの判定が変化した場合、リース負債は再測定されます。
このようにリース負債を再測定する場合、対応する修正は使用権資産の帳簿価額を修正するか、使用権資産の帳簿価額がゼロまで減額されている場合には損益として認識します。
当社グループは、財政状態計算書において、使用権資産を「有形固定資産」、リース負債を「その他の金融負債」に含めて表示しております。
当社グループは、リース期間が12ヶ月以内の短期リース及びIT機器のリースを含む少額資産のリース資産について、使用権資産及びリース負債を認識していないことを選択しております。当社グループは、これらのリースに係るリース料をリース期間にわたり定額法により費用として認識しております。
当社グループは、「新型コロナウイルス感染症に関連した賃料減免(IFRS第16号の改訂)」を適用しております。実務上の便法を適用しており、これによって新型コロナウイルス感染症の感染拡大の直接的な結果として受けたレント・コンセッションが、リースの条件変更に該当するか否かを評価する必要がありません。当社グループは、類似の特性を有し、かつ類似の状況にある契約には、実務上の便法を一貫して適用します。当社グループが実務上の便法を適用しないことを選択するリースのレント・コンセッション、又は実務上の便法の対象にあたらないリースのレント・コンセッションについて、当社グループはリースの条件変更であるかどうか評価します。
貸手としてのリース
当社グループがリースの貸手である場合、リース契約時にそれぞれのリースをファイナンス・リース又はオペレーティング・リースに分類します。それぞれのリースを分類するにあたり、当社グループは、原資産の所有に伴うリスクと経済価値が実質的に全て移転するか否かを総合的に評価しております。移転する場合はファイナンス・リースに、そうでない場合はオペレーティング・リースに分類します。この評価の一環として、当社グループは、リース期間が原資産の経済的耐用年数の大部分を占めているかなど、特定の指標を検討します。当社グループが中間の貸手である場合、ヘッドリースとサブリースは別個に会計処理します。サブリースの分類は、原資産ではなくヘッドリースから生じる使用権資産を参照して判定します。ヘッドリースが上記の免除規定を適用して会計処理する短期リースである場合、サブリースはオペレーティング・リースとして分類します。
(10)非金融資産の減損
繰延税金資産を除く当社グループの非金融資産の帳簿価額は、期末日ごとに減損の兆候の有無を判断しております。減損の兆候が存在する場合は、当該資産の回収可能価額を見積っております。なお、のれん及び未だ使用可能ではない無形資産については償却を行わず、連結会計年度末までに最低年に一度、及び減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しております。
資産又は資金生成単位の回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうちいずれか大きい方の金額としております。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産に固有のリスクを反映した税引前の利率を用いて現在価値に割引いております。減損テストにおいて個別にテストされない資産は、継続的な使用により他の資産又は資産グループのキャッシュ・インフローから、概ね独立したキャッシュ・インフローを生成する最小の資金生成単位に統合しております。
当社グループの全社資産は、独立したキャッシュ・インフローを生成いたしません。全社資産に減損の兆候がある場合、全社資産が帰属する資金生成単位の回収可能価額を決定しております。
減損損失は、資産又は資金生成単位の帳簿価額が見積回収可能価額を超過する場合に損益として認識いたします。のれんを含む資金生成単位の減損損失の認識にあたっては、まず、その単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に資金生成単位内のその他の資産の帳簿価額を比例的に減額するように配分いたします。
その他の資産については、過去に認識した減損損失は、毎期末日において損失の減少又は消滅を示す兆候の有無を評価しております。回収可能価額の決定に使用した見積りが変化した場合は、減損損失を戻し入れます。減損損失は、減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費及び償却額を控除した後の帳簿価額を超えない金額を上限として戻し入れます。
(11)従業員給付
① 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算は行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として計上しております。
賞与及び有給休暇費用については、それらを支払う法的もしくは推定的な債務を負っており、信頼性のある見積りが可能な場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積られる額を負債として認識しております。
② 退職後給付
当社グループは選択型の確定給付制度を有しております。
確定給付制度について、確定給付制度債務の現在価値を負債として認識しております。なお、確定給付制度債務から控除すべき制度資産はありません。
確定給付制度債務は、予測単位積増方式に基づいて算定され、算定に用いる割引率は、将来の給付支払見込日までの期間を設定し、割引期間に対応した期末日時点の優良社債の利回りに基づいて決定しております。
③ その他の長期従業員給付
その他の長期従業員給付として、一定の勤続年数に応じた特別休暇制度を有しております。その他の長期従業員給付に対する債務は、従業員が当連結会計年度までに提供したサービスの対価として獲得した将来給付の見積額を現在価値に割引くことによって算定しております。
(12)株式に基づく報酬
当社は、持分決済型の株式報酬制度として、ストック・オプション制度を採用しております。
権利確定条件の充足を条件とするストック・オプションは、付与日における公正価値によって見積り、最終的に権利確定すると予想されるストック・オプションの数を考慮した上で、権利確定期間にわたって費用として認識し、同額を資本の増加として認識しております。
権利確定条件以外の条件が付されたストック・オプションは、付与日に権利確定条件以外のすべての条件を考慮にいれた上で公正価値を見積り、ストック・オプションの付与数に基づいて一時の費用として認識し、同額を資本の増加として認識しております。
付与されたオプションの公正価値は、オプションの諸条件を考慮し、モンテカルロ・シミュレーション等の評価技法を用いて算定しております。また、条件については定期的に見直し、必要に応じて権利確定数の見積りを修正しております。
また、当社は、譲渡制限付株式報酬制度を採用しております。
譲渡制限付株式報酬は、付与日における公正価値を測定し、付与日から権利確定期間にわたって費用として認識し、対応する金額を資本の増加として認識しております。譲渡制限付株式報酬の公正価値は、付与した当社株式の公正価値を参照して測定しております。
(13)引当金
引当金は、過去の事象の結果として、当社グループが、現在の法的又は推定的債務を負っており、当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に認識しております。引当金は、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及び当該負債に特有のリスクを反映した税引前の利率を用いて現在価値に割引いております。時の経過に伴う割引額の割戻しは金融費用として認識しております。
資産除去債務については、賃借契約終了時に原状回復義務のある賃借事務所の原状回復費用見込額について、資産除去債務を計上しております。
(14)顧客との契約から生じる収益
当社グループは、IFRS第15号に従い、以下の5つのステップアプローチに基づき、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:企業の履行義務の充足時に(又は充足するにつれて)収益を認識する
① アドバイザリー事業
アドバイザリー事業にかかる履行義務は、買収・合併に関する案件の成立等に関するアドバイスを提供することで充足されます。顧客との契約に基づき、契約時に着手金、作業時間に応じた作業報酬、案件成立時に成功報酬をそれぞれ得ております。着手金については、契約時に受領する対価を契約負債に計上し、作業報酬等の関連する履行義務の充足に伴い、契約期間に渡って収益を認識しております。作業報酬については、当社グループが完了した履行の顧客にとっての価値に直接対応する金額で顧客から対価を受ける権利を有している為、発生した時間数に基づいた、顧客への請求権の獲得時点をもって履行義務を充足したと判断し、収益を認識しております。成功報酬については、重大な戻し入れが生じない可能性が非常に高い時点であると判断した案件成立時において、収益を認識しております。
② アセットマネジメント事業
アセットマネジメント事業にかかる履行義務は、ファンドの管理業務を行うことで充足されます。顧客との契約に基づき、ファンドの管理業務の対価として管理報酬を得ております。よって、管理報酬は契約に基づく一定期間にわたって、収益を認識しております。
なお、いずれの事業においても、サービスを顧客に提供する時点とその対価を受領する時点が1年以内であるため、重大な金融要素は含まれておりません。
また、当社におきましては、重要な契約獲得の増分コストは発生しておりません。
(15)法人所得税
法人所得税は、当期税金及び繰延税金から構成されております。これらは、企業結合に関連するもの及び直接資本又はその他の包括利益で認識される項目を除き、純損益として認識しております。
当期税金は、税務当局に対する納付又は税務当局から還付が予想される金額で測定されます。税額の算定にあたっては、当社グループが事業活動を行い、課税対象となる損益を稼得する国において、連結会計年度末日までに制定又は実質的に制定されている税率及び税法に従っております。
繰延税金は、決算日における資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除に対して認識しております。
なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産及び負債を計上しておりません。
・企業結合取引を除く、会計上の利益にも税務上の課税所得にも影響を与えない取引によって発生する資産及び負債の当初認識により生じる一時差異
・子会社及び関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異のうち、解消時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金負債は原則としてすべての将来加算一時差異について認識され、繰延税金資産は将来減算一時差異を使用できるだけの課税所得が稼得される可能性が高い範囲内で、すべての将来減算一時差異について認識されます。
繰延税金資産の帳簿価額は毎期見直され、繰延税金資産の全額又は一部が使用できるだけの十分な課税所得が稼得されない可能性が高い部分については、帳簿価額を減額しております。未認識の繰延税金資産は毎期再評価され、将来の課税所得により繰延税金資産が回収される可能性が高くなった範囲内で認識されます。
繰延税金資産及び負債は、連結会計年度末日において制定されている、又は実質的に制定されている法定税率及び税法に基づいて資産が実現する期間又は負債が決済される期間に適用されると予想される税率及び税法によって測定されます。
繰延税金資産及び負債は、当期税金負債と当期税金資産を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合、相殺しております。
なお、法人所得税の不確実な税務ポジションについて、税法の解釈に基づき税務ポジションが発生する可能性が高い場合には、合理的な見積額を資産又は負債として認識しております。
(16)1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期損益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しております。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整して計算しております。
(17)事業セグメント
事業セグメントとは、他の事業セグメントとの取引を含む、収益を稼得し費用を発生させる事業活動の構成単位であります。すべての事業セグメントの事業の成果は、個別にその財務情報が入手可能なものであり、かつ各セグメントへの経営資源の配分及び業績の評価を行うために、当社の取締役会が定期的にレビューしております。
(18)自己資本
① 普通株式
普通株式は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上しております。普通株式の発行に係る付随費用は、税効果控除後の金額にて資本から控除しております。
② 自己株式
自己株式は取得原価で評価され、資本から控除しております。当社の自己株式の購入、売却又は消却において利得又は損失は認識しておりません。なお、帳簿価額と売却時の対価との差額は、資本剰余金として認識されます。