有価証券報告書-第43期(平成28年7月1日-平成29年6月30日)

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2017/09/28 14:56
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業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、海外経済も緩やかに回復している状況の中、不確実性などの景気下振れリスクを抱えつつ、政府の各種政策の効果もあって、企業の生産活動、輸出、設備投資等に持ち直しの動きが続いており、企業収益にも改善の傾向が見られております。また、雇用や所得環境の改善が進み、個人消費についても緩やかに持ち直していることから、総体的に緩やかな回復基調が続きました。
北海道経済におきましても、公共工事や民間設備投資等に増加の動きがみられ、生産活動にも持ち直しの動きがみられております。観光においても好調に推移しており、道内への外国人入国者数が顕著に増加して、雇用環境も着実に改善していることを背景に、個人消費を含めた道内経済全体として持ち直しの傾向が続いております。
当社グループの主要事業セグメントであるプロモーションパートナー事業においても、広告業界全体の景況としては堅調に推移しておりますが、広告販促費の効率化や最適化の動きが活発であるため、インターネット広告分野の割合が増加し、マスコミ四媒体広告分野などは近年微減傾向となっております。広告業界はメディアの多様化により全体的な広告戦略の内容見直しと費用対効果の検証等が行われ受注競争の激しさは続いております。
このような業界動向の中、当社グループは地域のクライアントに適した企画提案力の強化を進め、引続き既存クライアントからの受注拡大並びに新規クライアント獲得に努めて参りました。さらにはインターネット広告分野をはじめとする新規サービスの拡大等を行い、旧来より幅広い内容での受注獲得を実現できたため、売上構成に変化が見られた結果、当連結会計年度においては前年同期と比較して減収増益の業績となりました。
また、主要事業セグメントを補完する収益基盤事業のうち、債権投資事業においては、債権の回収は概ね当初計画どおりに推移し、また、新たな新規債権投資の購入案件もなかったことから、経年に伴う回収可能債権の減少によって、前年同期と比較して減収減益となりました。
介護福祉事業においても、既存事業所については、概ね前年同様、計画通りの業績となりましたが、平成29年1月に新設したグループホームふわり藻岩下の入居率が計画に対し、未達で推移したことにより、前年同期と比較して増収となりましたが、同施設の一時的な開設準備費用が発生した結果、損失計上となりました。
また、前連結会計年度の平成28年2月25日に新たに開始したケアサービス事業においては、徐々に来院数なども増加し地域に認知されて、業績は改善されて来ておりますが、当連結会計年度における来院数が計画を下回っていたことから、損失計上となりました。
この結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高が2,007,227千円(前年同期比1.0%減)となりましたが、プロモーションパートナー事業の受注する構成の変更の影響もあり、売上総利益は397,497千円(同3.4%増)と増益となりました。一方、グループホームふわり藻岩下にかかる開設準備に伴う一時的な費用並びにケアサービス事業の損失計上が影響し、営業利益は18,695千円(同5.1%増)、経常利益は21,151千円(同8.1%減)となり、法人税等の費用負担の影響により、親会社株主に帰属する当期純利益は4,853千円(同39.9%減)となりました。
当連結会計年度における報告セグメント別の業績の状況は次のとおりであります。
1)プロモーションパートナー事業
当社グループの主要事業分野である広告業界において、国内全体の総広告費は順調に推移しております。北海道においても、全般的に企業業績に回復基調が見られるものの、経済の先行きに不透明感を感じるクライアント企業が地域的な経済環境を背景として、広告戦略の内容見直しを行う等、直接的な集客効果や売上拡大効果が広告販促費に求められる傾向が一層強まっております。今後も新規クライアントの獲得競争を含め、同業他社との競争は一段と厳しくなっている状況です。
このような環境の中、当社の強みであるデザインとマーケティング調査に基づいた企画提案力の強化を進め、クライアント企業の集客や売上拡大に対する、費用対効果が検証可能かつ新規性のある広告販促方法の提案を行い、既存クライアントからの受注拡大並びに新規クライアントの獲得にも努め、官公庁事業の受注獲得にも積極的に取り組んで参りました。
クライアント企業の広告戦略見直しや広告費用の効率化ニーズにも柔軟に対応しつつも、インターネット広告分野等の受注に顕著な伸びが見られたことから、当連結会計年度においては前年同期と比較して減収増益となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は1,702,829千円(前年同期比1.5%減)となり、セグメント利益は134,059千円(同7.5%増)となりました。
<参考・当社における品目別の売上高>当社個別業績における商品品目別の売上高と前事業年度からの増減は次のとおりです。
新聞折込チラシの売上高377,141千円(前年同期比11.0%減)
マスメディア4媒体の売上高522,991千円(同1.0%減)
販促物の売上高635,666千円(同5.2%減)
その他品目の売上高167,029千円(同58.4%増)
2)債権投資事業
当社グループの債権投資事業は、不良債権化した金融債権のセカンダリー市場において投資対象債権を購入するものであります。
不良債権の流動化マーケットは、近年の傾向として景気の回復を背景とした倒産企業件数の減少、金融機関の貸倒引当余力の増加により金融機関等から市場へ出る金融債権は近年低調となっております。その中、取扱債権数は前年度を上回る年間1,100万件を超える状況で推移しておりますが、サービサーへ譲渡された取扱い債権額は年間14.1兆円と前期と比較して1.1兆円減少しております(平成29年3月22日付 法務省 統計調査 債権回収会社(サービサー)の業務状況について:出所)。
また、平成29年2月3日付金融庁が公表した不良債権(金融再生法開示債権)の状況によれば、その残高は平成28年9月期には全国銀行合計で7.9兆円となっており、一年前の平成27年9月期と比較して0.7兆円の減少、平成28年3月期と比較して0.5兆円の減少傾向になっておりますが、平成28年3月期と比較して要管理債権残高は0.2兆円増加しており、また、一定水準の残高傾向にあり、未だ約8兆円弱の残高を金融機関が保有していることから、継続的に不良債権の処理市場は一定規模で推移することが想定されます。
当該事業セグメントにおいては、債権の集合体(グループ債権)の回収金額及び融資による営業貸付金利息を売上高としております。債権の回収が順調に進み、債権購入からの経年により回収可能な債権が減少してきていることから、債権回収額は当初の予想どおり減少傾向にて推移しており、概ね計画通りの業績となりました。
当連結会計年度の売上高は47,636千円(前年同期比35.4%減)となり、セグメント利益は10,884千円(前年同期比35.9%減)となりました。
引き続き、セカンダリー市場における投資債権(個別債権の集合体)購入の実現などを図り、債権回収額の回復などによる収益の確保に努めて参ります。
3)介護福祉事業
当社グループの介護福祉事業は、当連結会計年度において、札幌市内にグループホーム2ヶ所、訪問介護(ヘルパー)ステーション1ヶ所、サービス付き高齢者向け住宅2ヶ所を運営し、新規を除く通年営業施設のグループホームの入居率は97.1%、サービス付き高齢者向け住宅の入居率は96.1%となりました。なお、入居率は暦日による加重平均方式によって計算しております。
当該事業セグメントでは、平成29年1月4日にグループホームふわり藻岩下(2ユニット18名定員)を開設しており、入居者の生活に影響が無いペースで受け入れを行った結果、当初計画と比較して入居のペースが低調となりました。その影響もあり、当連結会計年度末でのグループホーム全体の入居率は77.0%と低下いたしましたが、新施設も順次受け入れを行う計画であることから、全体として適正な入居率を確保し、維持を図って参ります。
既存事業所の入居率が適正水準に維持されたことと新規事業所の開設により、当連結会計年度の売上高は230,626千円(前年同期比5.8%増)となり、のれんを4,661千円償却した既存事業所の利益はほぼ当初計画どおりでしたが、新規事業所のグループホームふわり藻岩下の一時的な開設準備費用の増加並びに同施設の入居率が計画に対し低調であったことにより、セグメント損失は17,441千円(前年同期は6,210千円のセグメント利益)となりました。
4)ケアサービス事業
前第2四半期連結会計期間より開始した当該事業セグメントにおいては、適正な来院者数を集客し継続的に維持することにより、早期に採算を軌道に乗せ、当社グループ全体の収益安定化に貢献する計画です。
引き続き新規来院者数の増加に努めた結果、1月当たりの来院者数については概ね計画の水準ラインに届きましたが、当連結会計年度の来院数が計画を下回っていたことが影響して損失計上となっております。当連結会計年度の売上高は36,377千円(前年同期比251.8%増)となり、セグメント損失8,519千円(前年同期は22,872千円のセグメント損失)となりました。
引き続き、地域住民の皆様の健康を様々な面からサポートする「ほねつぎ伏古はり灸接骨院」に対する地域の認知度を高めることにより新規来院者数を増させ、早期に業績を改善し、併せて丁寧な施術対応とサービスの向上によって安定的な来院者数の確保と維持に一層努めて参ります。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、140,446千円増加して322,535千円(前年同期は79,214千円減少して182,089千円)となりました。その主な要因は、営業貸付金の減少等により、営業活動によるキャッシュ・フローが116,836千円の資金収入となったことによるものです。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローは116,836千円の資金収入(前年同期は38,362千円の資金支出)となりました。その主な要因は、税金等調整前当期純利益を21,151千円計上したことに加えて、営業貸付金の減少による収入86,637千円、減価償却費の計上14,914千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動によるキャッシュ・フローは94,971千円の資金支出(前年同期は72,238千円の資金支出)となりました。その主な要因は、有形固定資産の取得による支出95,800千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動によるキャッシュ・フローは118,581千円の資金収入(前年同期は31,387千円の資金収入)となりました。その主な要因は、長期借入れによる収入148,000千円が、長期借入金の返済による支出11,625千円、リース債務の返済による支出4,246千円及び配当金の支払いによる支出13,547千円を上回ったことによるものであります。