有価証券報告書-第66期(2023/04/01-2024/03/31)
(a)戦略
当社グループは、企業などが気候変動のリスクと機会を認識し経営戦略に織り込むこと、及びそれを開示することを推奨する気候関連財務情報開示タスクフォース「TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」の提言に賛同しています。TCFDフレームワークに基づき、気候変動により引き起こされる異常気象や、気候変動対策への社会要請の高まりなどが、将来的に当社に及ぼすリスクと機会を把握するとともに、現状の気候変動対策の有効性を検証し、必要に応じて将来の戦略策定に活かすことを目的としております。当社事業との関連性が高いと想定される主要なリスク・機会項目を特定し、移行シナリオ(1.5℃)及び現行シナリオ(4℃)の複数のシナリオに基づく影響分析を行い、リスク・機会が発生した際の財務影響を評価しております。なお、これまで移行シナリオは2℃未満を採用していましたが、2023年度より1.5℃のシナリオを採用し、対象範囲を全社的にしたうえでレジリエンスを再確認いたしました。
分析対象と前提条件
地域:全社的
範囲:サプライチェーン全体
期間:現在から2050年
主な採用シナリオ
1.5℃シナリオ:IEA※1 NZE※2(WEO※32022及び2023)、NGFS※4 Net Zero 2050
4℃シナリオ :IPCC※5 SSP5-8.5(AR6 WG1 SPM※6)、IEA STEPS※7(WEO2022及び2023)
※1 IEA:International Energy Agency(国際エネルギー機関)
※2 NZE:Net-Zero Emissions by 2050 Scenario
※3 WEO:World Energy Outlook
※4 NGFS:気候変動リスクに係る金融当局ネットワーク
※5 IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change(気候変動に関する政府間パネル)
※6 AR6 WG1 SPM:第6次評価報告書 第1作業部会報告書 政策決定者向け要約
※7 STEPS:Stated Policy Scenario
分析手順
1. TCFDの整理する気候関連リスク・機会についてディスカッションを重ね、森ビルの事業に大きな影響を与え得る要因を特定
2. 1で特定したリスク・機会について、採用シナリオの将来予測に基づき、1.5℃及び4℃シナリオ下での状況を整理・把握
3. 2の将来予測に基づき、当社における財務影響を算出。なお、情報不足などにより定量的な算出が困難である場合には、定性的な分析を実施
4. 3の結果への対応策を検討
特定したリスク・機会と財務インパクト
(注) 1 影響度は財務影響を算定し極小~大の評価で分類している
2 短期:現在~2025年、中期:~2030年、長期:~2050年
3 対応策は下表を参照
特定したリスク・機会への対応策
今後、再エネ導入及びさらなる低炭素化、脱炭素化に向けた対応策を早期に実行することで、当社は、機会の最大化とリスクの低減を進め、レジリエンスの強化に努めてまいります。
当社グループは、企業などが気候変動のリスクと機会を認識し経営戦略に織り込むこと、及びそれを開示することを推奨する気候関連財務情報開示タスクフォース「TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」の提言に賛同しています。TCFDフレームワークに基づき、気候変動により引き起こされる異常気象や、気候変動対策への社会要請の高まりなどが、将来的に当社に及ぼすリスクと機会を把握するとともに、現状の気候変動対策の有効性を検証し、必要に応じて将来の戦略策定に活かすことを目的としております。当社事業との関連性が高いと想定される主要なリスク・機会項目を特定し、移行シナリオ(1.5℃)及び現行シナリオ(4℃)の複数のシナリオに基づく影響分析を行い、リスク・機会が発生した際の財務影響を評価しております。なお、これまで移行シナリオは2℃未満を採用していましたが、2023年度より1.5℃のシナリオを採用し、対象範囲を全社的にしたうえでレジリエンスを再確認いたしました。
分析対象と前提条件
地域:全社的
範囲:サプライチェーン全体
期間:現在から2050年
主な採用シナリオ
1.5℃シナリオ:IEA※1 NZE※2(WEO※32022及び2023)、NGFS※4 Net Zero 2050
4℃シナリオ :IPCC※5 SSP5-8.5(AR6 WG1 SPM※6)、IEA STEPS※7(WEO2022及び2023)
※1 IEA:International Energy Agency(国際エネルギー機関)
※2 NZE:Net-Zero Emissions by 2050 Scenario
※3 WEO:World Energy Outlook
※4 NGFS:気候変動リスクに係る金融当局ネットワーク
※5 IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change(気候変動に関する政府間パネル)
※6 AR6 WG1 SPM:第6次評価報告書 第1作業部会報告書 政策決定者向け要約
※7 STEPS:Stated Policy Scenario
分析手順
1. TCFDの整理する気候関連リスク・機会についてディスカッションを重ね、森ビルの事業に大きな影響を与え得る要因を特定
2. 1で特定したリスク・機会について、採用シナリオの将来予測に基づき、1.5℃及び4℃シナリオ下での状況を整理・把握
3. 2の将来予測に基づき、当社における財務影響を算出。なお、情報不足などにより定量的な算出が困難である場合には、定性的な分析を実施
4. 3の結果への対応策を検討
特定したリスク・機会と財務インパクト
| リスク・機会 | 財務インパクト | 影響度(注)1 | 影響が最大化する時期(注)2 | 対応策 (注)3 | |||
| 1.5℃ | 4℃ | ||||||
| 移 行 リ ス ク | 政策 ・ 法規制 | 省エネビル基準(ZEBなど)の規制強化 | ZEB/環境建築物規制などの、対応のための建設コスト/修繕コスト増加 | 極小 | ― | 中~ 長期 | 1 |
| カーボンプライシング(炭素税、排出量取引制度)の進行 | 自社の排出量への炭素税課税による操業コストの増加 | 中 | ― | 中~ 長期 | 3,4 | ||
| サプライヤーへの炭素税の導入により、排出原単位の大きい原材料(鉄鋼、セメントなど)の価格が上昇し、建設コストが増加 | 小~中 | ― | 中~ 長期 | 6 | |||
| 技術 | 低炭素技術の開発と普及 | 新規技術への切り替えによる設備投資の増加 | 極小 | ― | 中~ 長期 | 1 | |
| 市場 | 再エネ電力価格高騰 | 再エネ電力の調達コスト増加 | 小 | ― | 中期 | 4 | |
| 環境意識の高まりから省エネ性を重視しない物件選びの減少 | 環境性能の低い物件の需要の減少 | 小~中 | ― | 中期 | 1,2,3,4 | ||
| 評判 | 気候変動対策に関するESG投資家の期待増 | 気候変動対策の不足・遅れによる投資家からの信頼低下と投資撤退(資金調達難) | 極小~中 | ― | 中~ 長期 | 1,2,3,4 | |
| 物 理 的 リ ス ク | 急性 | 自然災害/異常気象の激甚化(大雨、洪水、台風、水不足など) | 洪水の激甚化/頻発化による被害額/営業停止損失額の増加 | ― | 中 | 長期 | 5 |
| 慢性 | 平均気温上昇に伴い屋内での空調コスト等の増加を想定 | 気温上昇に伴う空調等水道光熱費の増加 | ― | 小 | 長期 | 3 | |
| 慢性 | 猛暑日などの異常気象の慢性化 | 猛暑日の増加に起因した工期の長期化による建設コストの増加 | ― | 極小 | 長期 | 6 | |
| 機 会 | 製品 ・ サービス | 環境性能の高い物件(環境認証ビル、高効率エネルギーなど)の需要拡大 | サステナブル志向のテナント入居率上昇による売上の増加 | 小~中 | ― | 中期 | 1,2,3,4 |
(注) 1 影響度は財務影響を算定し極小~大の評価で分類している
2 短期:現在~2025年、中期:~2030年、長期:~2050年
3 対応策は下表を参照
特定したリスク・機会への対応策
| 対応策 | 概要 | |
| 1 | ZEB導入 | 今後のビルはZEB・ZEH水準の性能を目指す 全ての既存ビルはZEB化を目指した改修の検討 |
| 2 | 企業姿勢の表明 | TCFD提言賛同、SBTi認定、RE100加盟 |
| 3 | 運営施設の低炭素化 | 既存建築物において省エネ技術、高効率設備及び再エネ導入で低炭素化を推進 |
| 4 | 再エネ導入目標の達成 | 再エネの導入目標達成に向け安定的かつ安価な調達を実施 |
| 5 | 物件の防災力の強化 | 最新のハザードマップや、物件や立地特性に基づく災害を想定した設計とする 最新の基準(災害の想定)に従って改修工事の検討 防災訓練の実施 |
| 6 | 工事における環境配慮の強化 | 建設工事の低炭素化を推進 CO2排出量の少ない鉄鋼やセメント選定の検討 建設工事の見積時にCO2排出量の提出と削減に向けた取り組み提案の提出を義務化 工期短縮に向けた施工業者との更なる連携強化 |
今後、再エネ導入及びさらなる低炭素化、脱炭素化に向けた対応策を早期に実行することで、当社は、機会の最大化とリスクの低減を進め、レジリエンスの強化に努めてまいります。