有価証券報告書-第18期(2022/01/01-2022/12/31)

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2023/03/27 15:04
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有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、2020年9月期に15周年を迎えたことを契機に、当社グループのありたい姿として「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」を掲げ、サステナビリティを軸とした事業を展開し、持続的な成長を図っております。
当社は、植物と動物の両方の性質を備えたユニークな生物であるユーグレナを「バイオマスの5F」の「用途」分野に沿って事業化することを基本戦略としつつ、その事業化に伴い「ビジネスモデル」や「素材・技術」の多様化を進めてまいりました。「バイオマスの5F」とは、重量単価(例:1kgあたりの値段)が高い順からFood(食料)、Fiber(繊維)、Feed(飼料)、Fertilizer(肥料)、Fuel(燃料)の各分野へ展開することを指しております。ユーグレナは、その豊富な栄養素や独自成分であるパラミロンの機能性等を活かして、機能性食品、化粧品、飼料として活用することが可能です。また、ユーグレナは光合成により二酸化炭素を吸収して成長する特徴を有しており、ユーグレナを低コストで大量に培養する技術を確立することで、ユーグレナに含まれる脂質成分をバイオ燃料原料として利用することも可能となります。
現在は「バイオマスの5F」のうち、最も価格が高いFood(食料)を主として食品及び化粧品の「用途」で事業化しており、「ビジネスモデル」は、原料販売から、OEM供給、流通チャネルでの卸売、直販、そして海外展開へと順次拡大しております。また今後は、培養技術の更なる向上・開発により原料の低コスト化を図り、Feed(飼料)、Fertilizer(肥料)及びFuel(燃料)等の「用途」での事業化を目指してまいります。このように当社グループは、ユーグレナ等の微細藻類の大量培養技術を出発点として、食品、化粧品、飼料、肥料、バイオ燃料等の様々な分野における事業展開と研究開発を行っております。
図 バイオマスの5F
0102010_001.jpgまた当社グループは、ユーグレナの事業展開を通じて培った事業基盤と知見を活かして、「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」という当社グループのありたい姿の実現に向けて、サステナビリティを軸に、ユーグレナ以外の素材や藻類培養以外のテクノロジーを用いた事業展開、並びに既存事業の周辺領域や新規領域への事業進出を進めております。今後も事業成長を通じた社会問題の縮小を目指して、成長投資、パートナーシップ、M&Aも広く活用しながら、多角的に事業を展開してまいります。
(2)中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標
当社グループのヘルスケア事業については、2019年より戦略的に取り組んできたブランドポートフォリオの拡充、デジタルマーケティングの強化、流通やECモール等のマルチチャネル展開の拡大等による収益の拡大や、M&Aの推進等により、持続的な成長を目指しております。市場平均を上回る売上高の成長率と業界平均以上の利益率を両立させることを中期的な経営指標とし、現在直面している課題の解決を成長機会に転じることで、サステナブルな成長の実現を目指してまいります。
バイオ燃料事業については、需給ギャップや政策インセンティブ等を背景として、バイオ燃料市場の飛躍的な拡大が見込まれていることから、この巨大な成長市場に速やかに参入し、気候変動問題の解決に貢献するべく、バイオ燃料製造・供給の商業化を着実に進めていく方針です。具体的には、2025年にバイオ燃料製造商業プラントを完成させることで商業生産体制の確立を目指すとともに、ユーグレナの大規模培養技術に関する研究開発を着実に進展させることで、バイオ燃料燃料用原料や飼料・肥料用原料としてのユーグレナの利活用も目指してまいります。
これまで、2020年3月に本格稼働した実証プラントで製造した次世代バイオディーゼル燃料及びバイオジェット燃料の供給先拡大を進めており、導入先は「陸・海・空」の全領域に広がっております。特に「空」の領域では、2021年6月に当社製造バイオジェット燃料による初フライトを達成し、2022年9月には国産SAFとしては初となる成田空港の給油ハイドラントシステムへの導入や国際線フライトを実現しております。今後は、バイオ燃料製造・供給の商業化に向けて、2022年12月に発表したPetroliam Nasional Berhad及びEni S.p.A.と3社共同で検討中のマレーシアにおけるバイオ燃料製造プラント建設・運転に向けたプロジェクト等を通じて、2025年の商業プラント完成を目指します。
当社グループは2023年12月期において、「1.(3)対処すべき課題」に記載する各種施策の実施によって更なる成長を目指し、売上高は過去最高となる45,000百万円を見込んでおります。また、2021年9月期から新たに経営者が目標とする経営指標として調整後EBITDAを開示しております。調整後EBITDAは一般に公正妥当と認められた会計基準に基づく営業利益に、当社グループにとって経常的に発生する収益や非現金支出を反映させた、当社のキャッシュ・フロー創出力を示す指標であり、2023年12月期の調整後EBITDAは1,800百万円を見込んでおります。
(3)対処すべき課題
当社グループは、当社グループのありたい姿として「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」を掲げ、サステナビリティを軸とした事業を展開し、持続的な成長を図っております。現状の市場環境及び事業進捗において、当社グループとして認識している対処すべき課題については以下のように考えております。
(ヘルスケア事業)
当社グループは、ヘルスケア事業の中長期的な成長に向けて、ブランド群の育成、デジタル化、マルチチャネル化という3つの基本戦略を推進しております。当社グループが対処すべき課題は以下のとおりと認識しており、これらの課題の解決を成長機会に転じることで、市場平均を上回る売上成長と安定した利益率を両立したサステナブルな成長の実現を目指してまいります。
①成長ブランドの創出
当社グループは、微細藻類ユーグレナを活用した健康食品ブランド「からだにユーグレナ」や化粧品ブランド「one」に加えて、キューサイ、エポラ、MEJ、LIGUNA等の各グループ会社が展開する商品ブランドから構成される、多様なブランドポートフォリオを有しております。競争が激しくトレンド変化も早いヘルスケア市場において、単一のブランドのみを成長させ続けることは容易ではなく、様々な年代の顧客ニーズに応えられる多様なブランド群を育成し、広告宣伝費等の投資配分を機動的にコントロールすることで、短期的な市場トレンドに左右されない分散型ポートフォリオの構築を目指しております。
2022年12月期においては、投資拡大ブランドの売上成長と投資抑制ブランドの売上減少が拮抗した結果、ポートフォリオ全体の売上は概ね横ばいで推移しました。ポートフォリオ全体の安定的な売上成長の実現には、成長ブランドの創出が不可欠であり、新ブランドの立ち上げや既存ブランドのリニューアル、商品ラインアップの拡充等を継続して進めてまいります。2022年12月期以降、「からだにユーグレナ」ブランドからユーグレナグラシリス由来パラミロン(β-1,3-グルカンとして)を機能性関与成分とした機能性表示食品を発売したほか、当社では「CONC」「lavita ORGANICS」「NEcCO」、グループ会社では「epo」「FUSARI」「THE KALE」「QetA」など、様々な新ブランドの立ち上げやブランドリニューアルを実施しております。今後も「サステナビリティ」「ウェルエイジング」「先進的市場創出」の3領域を主ターゲットとしてブランド群の新陳代謝を継続しながら、ポートフォリオ全体の成長を牽引する新たな投資ブランドの開発や育成に取り組んでいきます。
②顧客ロイヤルティの向上
定期購入顧客からの継続的な売上を中心とした直販チャネルなど、ヘルスケア事業の持続的な売上成長には、企業や商品に対する顧客のロイヤルティ(信頼・愛着)の向上に継続的に取り組むことが重要です。顧客ロイヤルティが向上し、顧客のファン化が進むことで、定期購入継続率の改善やクロスセルによる顧客単価の増加が進んでLTVが向上し、採算ラインの改善により広告投資の拡大が可能となることで顧客数が持続的に増加する、という好循環が生まれることが期待されます。当社グループは、顧客ロイヤルティの対象として、商品ブランド群の拡充と育成に取り組むとともに、独自のポジショニングを活かしたコーポレート・ブランドの確立と浸透に取り組んでおります。当社は、バイオ燃料事業やバングラデシュにおけるソーシャル・ビジネス等の企業活動をヘルスケア事業の顧客に知っていただき、また、そうした企業活動に共感する株主等の一般個人の方にヘルスケア事業の顧客となっていただくことで、「サステナビリティ」を軸としたコーポレート・ブランドに対する顧客ロイヤルティの醸成を進めております。また、キューサイも「ウェルエイジング」を軸としたコーポレート・ブランディングを強化しており、当社グループ内で様々なニーズや価値観を持つ顧客層へのアプローチを目指しております。
2022年12月期においては、当社グループ全体で、顧客ロイヤルティの対象となる商品ブランド群の拡充に向けて、既存ブランドのリニューアルや新ブランドの立ち上げを進めるとともに、ブランディング強化に向けたPR企画など様々な施策を実施いたしました。また、顧客接点となる販促物、ECサイト、メール等のデザインや内容を刷新することで、顧客体験(ユーザー・エクスペリエンス)の向上に取り組んだほか、顧客コミュニティづくり等も実施しました。今後も様々な施策を継続的に実施しながら顧客ロイヤルティの向上に取り組み、顧客のファン化によるLTVの最大化を目指していきます。
③チャネル販売力の強化
育成したブランド群を着実に売上へと導くためには、各チャネルの販売機能を多面的に強化する必要があります。
直販チャネルにおいては、広告運用力の強化に向けて、広告運用の内製化推進によりPDCAのスピードアップを図るとともに、2022年12月期にインターネットマーケティングに強みを持つマーケティング支援企業である株式会社はこ(以下、「はこ社」という。)を連結子会社化しました。また、SNSツールの活用やECサイトのリニューアル等によるデジタル顧客接点の強化や、データ活用やオフラインマーケティングの強化も進めており、これらの取り組みを通じて広告効率の改善とLTVの向上を目指していきます。
流通チャネルにおいては、2022年12月期に「からだにユーグレナ」から新発売した機能性表示食品や、当社及びグループ会社の新ブランド商品を、直販チャネルに加えて当社の流通チャネルでも同時に展開することで、直販・流通間の相乗効果やグループ内シナジーの創出に取り組んできました。今後は、流通取引先との連携強化、リアル顧客接点の強化や取扱いブランドの拡充を進めることで、配荷店舗数増加と店頭売上の向上に取り組んでいきます。
OEMチャネルにおいては、取引先に対する提案力の強化に向けて、ミドリ麹、カラハリスイカ、ユーグレナ化粧品等のユーグレナ食品以外の素材によるアプローチ先の拡大を図るとともに、機能性エビデンスの拡充や新素材・独自原料の開発を加速化していきます。
④コストシナジーの創出
ヘルスケア事業は、当社及びキューサイ、エポラ、MEJ、LIGUNA等のグループ会社で構成されております。各社とも直販を中心に事業を展開しており、事業運営やバックオフィスなど共通する業務領域において、グループ内での連携強化、ノウハウ共有、機能集約等を図ることで、コストシナジーの創出に取り組んでまいります。また、キューサイ及びエポラは健康食品の加工製造工場を、はこ社はマーケティング支援機能を有していることから、各領域におけるグループ外部への発注をグループ内部に集約することによるコストシナジーの創出も進めてまいります。
(バイオ燃料事業及びその他事業)
気候変動問題への対応策としてバイオ燃料に対する期待がグローバルに高まっており、国際的な規制強化や政策インセンティブも後押しして、今後飛躍的な市場拡大が見込まれております。当社グループは、バイオ燃料事業及びその他事業において、将来的な商業化を見据えたバイオジェット・ディーゼル燃料の製造・供給体制の構築と微細藻類ユーグレナのバイオ燃料用・飼料用原料としての利用可能性に関する研究開発を推進しております。バイオ燃料及びその他事業に関して当社グループが対処すべき課題は以下のとおりと認識しており、これらの課題を早急に解決することで、中長期的に新たな事業の柱として確立することを目指してまいります。
①バイオジェット・ディーゼル燃料の供給先の拡大
当社グループは、2020年3月に本格稼働を開始した神奈川県横浜市鶴見区の実証プラントにおいて、バイオジェット・ディーゼル燃料の製造、供給を続けております。2020年3月に完成した次世代バイオディーゼル燃料については、供給先がバス、鉄道、物流トラック、船舶など幅広い業種に拡大しております。また、2021年3月に完成したバイオジェット燃料については、2021年6月に国土交通省飛行検査機及び民間航空機でのフライトを実施し、2022年9月には成田国際空港における国産バイオジェット燃料(SAF)初となるハイドラント施設経由での給油及び国際線フライトを実現しました。将来的なバイオ燃料製造・供給の商業化に向けて、今後も実証プラントの稼働を継続しながら、「陸・海・空」の全ての領域においてバイオジェット・ディーゼル燃料の供給先の更なる拡大に取り組んでいきます。
②バイオジェット・ディーゼル燃料製造商業プラントの製造・供給体制の構築
当社グループは、2022年12月に、グローバル大手統合エネルギー企業であるPetroliam Nasional Berhad及びEni S.p.A.(以下、当社を含む3社を「本合弁パートナー」といいます。)と共同で、マレーシアにおいて商業規模のバイオ燃料製造プラント(以下「本商業プラント」といいます。)の建設及び運転するプロジェクト(以下「本プロジェクト」といいます。)を検討しており、本商業プラント建設に係る技術的・経済的な実現可能性評価を進めていることを発表しました。本プロジェクトの実現には、商業プラントの建設及び稼働開始に要する一連の建設関連資金の調達、バイオジェット・ディーゼル燃料の原料調達先や製品販売先の確保、プラントの設計・建設、プラント運転に要する人員・用役の確保等、様々な課題に取り組む必要があります。今後、本合弁パートナー間で連携しながら、技術的・経済的な実現可能性評価を推進し、2023年中に3社間で最終投資決定を行い、本商業プラントを2025年中に完成させることを目指していきます。
③バイオマス資源のバイオ燃料・飼料・肥料用原料としての利活用に関する研究開発
当社グループは、ユーグレナを中心とした微細藻類等やバイオマス系廃棄物等のバイオマス資源の、バイオ燃料・飼料・肥料用原料としての利用可能性に関する研究開発や実証を進めており、将来的な商業生産・活用の実現を目指しております。微細藻類の商業生産の実現には、生産コストの更なる削減、大規模生産技術の確立、大規模生産の候補地調査と現地データ収集、品種改良や用途に関する研究等、様々な課題に取り組む必要があります。微細藻類の大規模培養実証に関しては、当初予定していたインドネシアにおける実証計画がコロナ禍等の影響で準備が難航したため、国内を中心とした実証計画に変更して推進しておりますが、中長期的には引き続き海外における大規模培養実証・商業化を目指してまいります。また、微細藻類以外のバイオマス資源に関しても、当社グループ内外で生産や調達の可能性を検討するとともに、バイオ燃料・飼料・肥料用原料への転用に向けた研究開発を進めていきます。

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