当社グループの最重要パイプラインと位置付けていたETOREAT®については、長年にわたり米国の規制当局であるFDA(アメリカ食品医薬品局:Food and Drug Administration)と協議しながら開発を進めてまいりましたが、急性疼痛の一種としてFDAと合意したDOMS(Delayed Onset Muscle Soreness、遅発性筋肉痛)に関する病態モデルでの追加臨床試験を実施した結果、主要評価項目である累積痛みスコアにおいて、ETOREAT®投与群と対照薬(プラセボ)投与群の間で統計学的な有意差は示されず、ETOREAT®の米国における医療用医薬品としての開発を中止することといたしました。MRX-1OXTについては、米国において臨床試験を実施するための非臨床試験を平成27年11月より開始し、米国における治験薬製造の委託先であるTapemark社に対して製造技術移転を進めており、平成29年に第Ⅰ相臨床試験を開始する予定です。MRX-5LBTについては、平成28年5月に第Ⅰ相臨床試験の結果が判明し、米国においてピーク時年商約1,200億円であったリドカインパップ剤Lidoderm®と比較して皮下組織により早くより多くのリドカインを浸透させることを示唆する結果を得ました。当社では、ILTS®技術の優位性を示す結果を得ることができたと考えています。今後、早期の新薬承認申請(New Drug Application)を目指してさらに開発に注力してまいります。MRX-4TZTについては、平成28年10月より米国において第Ⅰ相臨床試験を実施し、市販されているチザニジン経口剤と同水準の血中濃度を示すことができました。このことは、経口剤と同様の有効性を示す可能性が高いことを示唆しています。また、経口剤投与群で観察された眠気等の副作用が、MRX-4TZT投与群ではほとんど観察されませんでした。チザニジン等の筋弛緩薬の米国市場規模は2014年度において12億ドルといわれており、現在、筋弛緩薬の経皮製剤が存在しない中、経皮製剤化することにより経口剤と比較して、有効血中濃度の持続性、眠気や肝障害等の副作用の低減等の利点が期待されます。早期のPOC(Proof of Concept)取得を目指して、臨床開発を進めるとともにライセンスアウトに向けた交渉を進めてまいります。MRX-5DMLについても、早期の臨床試験開始を目指して、非臨床試験を実施していく計画です。また、当社の上市製品である褥瘡・皮膚潰瘍治療剤「ヨードコート軟膏」等の製品を提携先の製薬会社を通じて販売してきました。
このような取り組みの結果、当連結会計年度の売上高は22百万円(前連結会計年度比59.4%)、研究開発費用とその他経費を合わせた販売費及び一般管理費は1,357百万円(前連結会計年度比132.40%)を計上し、営業損失は1,342百万円(前連結会計年度は999百万円の損失)、営業外収益に受取研究開発負担金24百万円、受取賃貸料4百万円、持分法適用関連会社で研究開発投資が先行しているものの当期において収益を計上することができたことから持分法の調整計算によって生じた持分法による投資利益15百万円、在外子会社の財務諸表項目の換算により生じた為替差益9百万円等、営業外費用に第1回無担保転換社債型新株予約権付社債及び第11回、第12回新株予約権の発行にかかる弁護士費用等の営業外支払手数料9百万円、第8回新株予約権(行使価額修正条項付き)(第三者割当て)の権利行使及び第1回無担保転換社債型新株予約権付社債の転換による新株発行に係る登録免許税等の株式交付費3百万円等により経常損失は1,301百万円(前連結会計年度は990百万円の損失)、特別利益として経済産業省の「平成26年度戦略的基盤技術高度化支援事業」から21百万円、公益財団法人かがわ産業支援財団の「平成26年度かがわ中小企業応援ファンド事業」から4百万円の助成金収入、投資有価証券の売却収入18百万円及び退職した従業員に係る新株予約権失効による新株予約権戻入益2百万円により親会社株主に帰属する当期純損失は1,259百万円(前連結会計年度は878百万円の損失)となりました。
ILTS®を活用した最初の完成製剤である消炎鎮痛貼付剤ETOREAT®(エトドラクテープ剤)を当社グループの最重要パイプラインと位置づけ、米国において軽度から中等度の急性疼痛を適応症とする医療用医薬品としての製造販売承認取得を目指してまいりました。急性疼痛の一種としてFDAと合意したDOMS(Delayed Onset Muscle Soreness、遅発性筋肉痛)に関する病態モデルでの臨床試験の結果、主要評価項目である累積痛みスコアにおいて、ETOREAT®投与群と対照薬(プラセボ)投与群の間で統計学的な有意差は示されなかったため、これまでのFDAとの協議内容を踏まえ、平成28年11月にETOREAT®の米国における医療用医薬品としての開発を中止することを決定いたしました。
2017/03/27 15:10