有価証券報告書-第21期(2025/01/01-2025/12/31)
有報資料
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年3月30日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)事業に関するリスク
① SNSに関するリスク
当社グループでは、デジタル・ソーシャルに強いマーケティング支援を行っており、とりわけInstagram、X(旧Twitter)、LINE、TikTok等の各種SNSプラットフォームを活用したマーケティング支援を行っております。これらのSNSは、自社で運用しているものではないことから、1)新たなSNSの登場により既存のSNSの影響力が低下するリスク、2)SNS運営事業者の広告に関する方針変更により、当社グループが提供するサービスが突如として規制対象となるリスク、3)連携するSNSサービスの不具合により当社サービスが利用できなくなるリスク、4)顧客企業の広告予算の月ごとの変動により業績が変動しやすいリスクがあると認識しております。
当社グループは、これらのリスクに対応するため、SNS運営事業者との連携を強化するとともに、特定のSNSに依存し過ぎないサービスの設計等を進めております。当社のVOCデータ分析ソリューション「Kaname.ax」は、SNS上のUGCに加え、レビュー、アンケート、コールセンターデータ等の多様なデータソースに対応しており、特定のSNSプラットフォームへの依存度を低減する構造となっております。しかしながら、これらのリスクが急激に発生・拡大した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
② 人材の確保及び育成に関するリスク
当社グループでは、マーケティングAX支援事業における「三層支援モデル」の推進を成長戦略の柱としており、マーケティング実行レイヤーの人材に加え、データ分析・戦略立案が可能な上流人材、AI技術を活用したプロダクト開発人材、及びクリエイティブ人材の確保が不可欠となっております。
また、新たに参入したクリプト領域においては、暗号資産の運用・管理、ブロックチェーン技術、DeFi等に関する高度な専門知識を有する人材の確保が必要であり、当該領域における人材獲得競争は激化しております。
当社グループは今後の事業拡大に応じて必要な人材の確保と育成に努めていく方針でありますが、必要な人材の確保が計画通り進まなかった場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因が生じる可能性があり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
③ システム障害のリスク
当社グループが提供するソフトウェアの不具合、連携するSNSサービスの不具合、サイトへのアクセスの急増等の一時的な過負荷や電力供給の停止、コンピューターウィルスや外部からの不正な手段によるコンピューターへの侵入、自然災害、事故等、当社グループの予測不可能な様々な要因によってコンピューター又は当社サービスのシステムがダウンした場合、当社グループの事業活動に支障を生ずる可能性があります。
特に、当社グループのデータ分析基盤である「Kaname.ax」は、AIエージェントによるVOCデータの自動分析・CEPs抽出等の処理を行っており、AIモデルの精度低下、学習データの品質問題、外部AIサービス(大規模言語モデル等)の障害やAPI仕様変更等が発生した場合、サービスの品質低下や提供の遅延が生じる可能性があります。
また、サーバーの作動不能や欠陥に起因して、当社グループの信頼が失墜し取引停止等に至る場合や、損害賠償請求が発生する場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
④ AI技術に関するリスク
当社グループは、VOCデータ分析ソリューション「Kaname.ax」を中核に据え、AIを活用したマーケティング支援の高度化を推進しております。累計4,165万件の生活者の声データをAIで分析し、マーケティング戦略の立案から施策の実行・検証までを一気通貫で支援するビジネスモデルを構築しており、AI技術は当社グループの競争力の源泉となっております。
しかしながら、生成AI技術の急速な進化により、競合他社が同様又はより高度なAI分析サービスを低コストで提供する可能性があります。また、当社グループが利用する外部のAIサービス(大規模言語モデル等)について、サービス提供者による利用規約の変更、料金体系の改定、サービスの中止等が発生した場合、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
加えて、AI技術の利用に関する法規制の整備が国内外で進んでおり、EU AI規制法をはじめとする各国の規制強化、著作権やプライバシーに関する法的論点の顕在化等によって、当社グループのAI活用に制約が生じる可能性があります。さらに、AIの出力結果の正確性には一定の限界があり、誤った分析結果に基づく施策の提案が行われた場合には、顧客との信頼関係や当社グループの評判に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 事業構造転換に伴うリスク
当社グループは、従来のマーケティング実行レイヤー中心の事業構造から、データ分析を起点とした「三層支援モデル」への転換を推進しております。この事業構造転換により、マーケティング戦略レイヤー及び経営・事業戦略レイヤーへと支援領域を拡大し、顧客単価の向上と収益性の改善を図っております。
当連結会計年度においては、旧プロダクト事業と旧ソリューション事業を統合し「マーケティングAX支援事業」に一本化いたしました。2027年12月期には売上高50億円・営業利益5億円(営業利益率10%)を中期目標として掲げておりますが、三層支援モデルの浸透が想定通りに進まない場合、ソリューション比率の拡大が計画を下回る場合、又は顧客企業における上流支援ニーズが十分に顕在化しない場合には、中期目標の達成が困難となり、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(2)経営環境に関するリスク
① インターネット広告市場に関するリスク
当社グループが対象とするインターネット広告市場は、2021年にマスコミ四媒体広告費を上回って以降も成長を続けており、今後も当該市場は拡大していくものと推測されます。当社グループの売上の多くは顧客企業における広告予算のうち、インターネット広告費に区分されております。
しかしながら、企業の広告宣伝活動は景気動向や業績、事業方針の影響を受け易いものであり、また、インターネット広告は今後も他の広告媒体との競合が継続していくと考えられることから、今後においてこれらの状況に変化が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
なお、当社グループは収益の柱をプロダクト(SaaSツール)からソリューション(データ分析・戦略立案・施策実行の一気通貫支援)へシフトする事業構造転換を進めており、ソリューション比率を2027年に80%へ拡大する方針です。この構造転換により、インターネット広告市場の変動が当社グループの業績に与える影響は相対的に緩和される方向にありますが、ソリューション事業においても顧客企業のマーケティング予算に依存する構造に変わりはないため、広告市場全体の縮小は引き続きリスク要因であります。
また、景品表示法の改正により、ステルスマーケティング(注)を含む偽装広告や不正な情報操作が法律によって明確に禁止されました。当社グループでは、ガイドラインを作成し、適正サイト内の確認を行う他、違法確認機能の開発等の対応を図っておりますが、広告主の不安が高まった場合等には、ソーシャルメディアを利用した広告市場の拡大に悪影響を与え、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(※)ステルスマーケティングとは、消費者に宣伝と気づかれないように宣伝行為をすること。
② サイトの健全性に関するリスク
当社グループが提供するサービスを展開するSNS上では不特定多数の利用者同士が独自にコミュニケーションを図っており、こうしたコミュニケーションにおいては、他人の知的財産権、名誉、プライバシーその他の権利等の侵害が生じる危険性が存在しております。
このため、当社グループサービスの利用者には利用規約に禁止事項を明記するとともに、利用規約に基づいた利用がされていることを確認するためにユーザーサポート体制を整備し、利用規約に違反した利用者に対してはユーザーサポートから改善要請等を行っているため、一定の健全性は維持されているものと認識しております。
なお、利用規約に明記されている禁止事項の内容は以下のとおりであります。
(ア)当社、他の利用者もしくは第三者の著作権、商標権等の知的財産権を侵害する行為、又は侵害するおそれのある行為
(イ)他の会員もしくは第三者の財産、プライバシーもしくは肖像権を侵害する行為、又は侵害するおそれのある行為
(ウ)特定個人の氏名・住所・電話番号・メールアドレス等第三者が見て個人を特定できる情報の提供
(エ)一人の利用者が複数のメールアドレスを利用して重複してIDを取得する行為
(オ)IDの使用を停止ないし無効にされた利用者に代わりIDを取得する行為
しかしながら、急速な利用者数の増加による急速な利用者の増加に対しては、サイト内における不適切行為等を完全に把握することは困難であり、サイト内においてトラブルが発生した場合には、規約の内容に関わらず、当社グループが法的責任を問われる可能性があり、この場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
③ 海外事業及びグローバル事業に関するリスク
当社グループは、中国・香港・台湾向けインバウンド及びアウトバウンドのプロモーション支援を行うグローバル事業を展開しております。当該事業においては、中国版Instagram等と言われるRED(小紅書)等の中国SNSプラットフォームの活用を中心に、訪日インバウンド客の集客支援や、日本企業の中国市場向けプロモーション支援を行っております。
当該事業は、日中関係や中国政府の政策動向、中国における経済環境の変化、中国のインターネット・SNSに関する規制の変更、為替変動(特に人民元・円の為替レート)等の影響を受けます。特に、中国政府によるSNS規制の強化、日中間の政治的緊張の高まり、訪日中国人観光客数の変動等が生じた場合には、当社グループのグローバル事業の業績に影響を与える可能性があります。
また、当社グループは、当連結会計年度においてクリプト領域の新規事業を開始しており、今後シンガポール等海外拠点の活用を検討しております。海外事業の展開においては、現地の法規制、税制、商慣習の違い、政治・経済の不安定性等のリスクが存在し、これらの変化が当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
なお、当社グループは前連結会計年度において、シンガポールの連結子会社であったSuperFaction Pte. Ltd.について事業継続が困難であると判断し、同社の解散と清算手続の申立てを行い、海外事業からは一度撤退しております。
④ 法的規制に関するリスク
当社グループ事業を規制する主な法規制として、(ア)「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」、(イ)「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」(以下「プロバイダ責任制限法」という。)及び(ウ)「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」(以下「不正アクセス禁止法」という。)があります。
特定電子メールの送信の適正化等に関する法律については、無差別かつ大量に短時間の内に送信される広告等といった迷惑メールを規制し、インターネット等を良好な環境に保つものです。また、当社グループは、プロバイダ責任制限法における「特定電気通信役務提供者」に該当し、不特定の者によって受信されることを目的とする電気通信による情報の流通において他人の権利の侵害があった場合に、権利を侵された者に対して、権利を侵害した情報を発信した者に関する情報の開示義務が課されております。さらに、当社グループには、不正アクセス禁止法における「アクセス管理者」として、努力義務ながら不正アクセス行為からの一定の防御措置を講ずる義務が課されております。
上記に加え、公正取引委員会より公表されている「インターネット上で行われる懸賞企画の取扱いについて」、消費者庁より公表された「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項」、及び「一般消費者が事業者の表示であることが困難である表示の運用基準」についても、業界に対して影響を及ぼす可能性があります。
加えて、当連結会計年度よりクリプト領域の事業を開始したことに伴い、資金決済に関する法律(資金決済法)、金融商品取引法等の暗号資産関連の法規制への対応が必要となっております。暗号資産に関する法規制は国内外で整備途上にあり、今後の規制強化や新たな法令の制定により、当社グループのクリプト領域事業の運営に制約が生じる可能性があります。
その他、インターネット上の情報流通や電子商取引のあり方等については現在も様々な議論がなされており、インターネット関連事業を規制する法令は徐々に整備されてきている状況にあります。今後、インターネットの利用や関連するサービス及びインターネット関連事業を営む事業者を規制対象として、新たな法令等の制定や、既存法令等の解釈変更等がなされた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
⑤ 自然災害・テロ・感染症等のリスク
当社グループは、国内に複数の事業拠点を有しております。各拠点では、不慮の災害や感染症発生等に対する防災・防疫対策等を施しておりますが、想定を超えた大規模な地震、台風や洪水等の自然災害やそれに起因する大規模停電、未知の感染症の流行、テロ等の犯罪行為等によって大きな被害を受ける可能性があります。
それらの影響を受け、情報通信インフラの損壊・途絶及び中枢機能の障害もしくは顧客自身に大きな被害が生じた場合など、受注や供給が長期間にわたって滞り、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)新規事業・M&Aに関するリスク
① クリプト領域事業に関するリスク
当社グループは、2026年3月に、子会社アライドクリプト株式会社を設立し、クリプト領域における新規事業(次世代DAT事業、運用支援事業、導入支援事業)に参入いたしました。当該事業は、暗号資産のポートフォリオ運用、DeFi・ステーキング等による利回り運用、及び日本企業のオンチェーン実装支援を主な事業内容としております。
クリプト領域事業には固有のリスクが存在いたします。暗号資産に関する各国の法規制は整備途上にあり、規制の強化や予期しない法改正が行われた場合には、事業の継続や拡大に制約が生じる可能性があります。また、DeFiプロトコルやスマートコントラクトには、ハッキング、プログラムの脆弱性等の技術的リスクが内在しており、これらのリスクが顕在化した場合にはサービスの安定提供に支障が生じる可能性があります。
当社グループは、最高暗号資産責任者(CCO)の新設、グローバルなパートナーネットワークの構築、AIを活用した運用手法の確立等により、これらのリスクの低減に努めてまいります。
なお、クリプト領域事業に関連する財務リスク(暗号資産の価格変動リスク、運用資産の毀損リスク、先行投資の回収リスク)については、「(4)財務リスク ③ クリプト領域事業に係る財務リスク」に記載しております。
② M&A・新規事業投資に関するリスク
当社グループは、マーケティングAX支援事業を基盤としつつ、クリプト関連事業やM&A・新規事業への投資を通じた事業多角化を成長戦略の一つとして位置づけております。
M&Aの実行にあたっては、対象企業の事業内容、財務状況、法的リスク等について十分なデューデリジェンスを実施する方針でありますが、事前の調査で把握できなかったリスクが買収後に顕在化する可能性があります。また、買収後のPMI(経営統合プロセス)が計画通りに進捗しない場合、想定したシナジー効果が発揮されない可能性があります。
新規事業への投資においても、事業環境の急変や投資回収が想定通りに進まないリスクが存在します。これらの結果、のれんの減損損失の計上や投資の回収が困難となった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは、小規模のM&Aから開始するとともに、体制構築、専任人材の配置、PMI計画と実行の徹底等により、これらのリスクの低減を図ってまいります。
(4)財務リスク
① 資金繰りに関するリスク
当社グループは、営業活動から生じるキャッシュ・フローに加え、主として銀行からの借入金により手元資金を確保しております。取引銀行との間では良好な関係を築いておりますが、当社グループの財政状態・経営成績が悪化した場合には機動的な資金調達が困難となり、事業活動に支障が生じるリスクがあります。
当連結会計年度は、不適切会計事案に係る調査費用(729百万円)等の一過性費用の発生により営業損失を計上いたしましたが、調査委員会活動等は2025年6月に終了しており、当該費用は一巡しております。2026年12月期においては営業黒字への転換を見込んでおりますが、事業計画通りに収益が回復しない場合には、資金繰りに影響を与える可能性があります。
かかるリスクが顕在化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 新株予約権行使による株式価値の希薄化に関するリスク
当社では、取締役、従業員に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。
今後においても同様の目的で新株予約権を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権について行使が行われた場合には、保有株式の価値が希薄化する可能性があります。
③ クリプト領域事業に係る財務リスク
当社グループのクリプト領域事業においては、暗号資産のポートフォリオ運用及びDeFi・ステーキング等による利回り運用を行っております。暗号資産の価格は極めて変動性が高く、ビットコイン、イーサリアム等の暗号資産の市場価格が大幅に下落した場合には、当社グループが保有又は運用する暗号資産の評価額が減少し、財政状態及び業績に重大な影響を与える可能性があります。
また、DeFiプロトコルやスマートコントラクトを利用した運用においては、ハッキング、プログラムの脆弱性、流動性の枯渇等のリスクが内在しており、これらのリスクが顕在化した場合には、運用資産の毀損が生じる可能性があります。
なお、クリプト領域事業は現在投資フェーズにあり、2026年12月期の業績予想には売上を織り込んでおりません。当該事業が計画通りに収益貢献しない場合、先行投資が回収できないリスクがあります。
④ 上場維持基準に関するリスク
当社グループは、2025年12月末時点における東京証券取引所グロース市場の上場維持基準への適合状況について、時価総額基準が基準に適合せず、2026年1月1日より改善期間に入っております。2026年12月末までに適合しない場合には、監理銘柄・整理銘柄(原則として6か月)に指定後、2027年7月1日に上場廃止となります。
そのため、当社グループは改善期間内での基準適合に取り組んでまいります。
また、東京証券取引所グロース市場において、2030年より、グロース市場上場5年経過後の企業に対し、時価総額100億円以上の上場維持基準が適用されます。当社は2013年に上場しており、2030年時点で既に基準適用対象となります。
当社グループは、2030年適用の上場維持基準(時価総額100億円)を重要な経営課題として認識しており、2027年12月期中期目標(売上高50億円・営業利益5億円)の達成を起点に、成長性・収益性・資本効率・ガバナンスの改善を通じて企業価値向上を図り、基準適合を目指す方針であります。加えて、当社は2025年12月に東京証券取引所スタンダード市場への市場区分変更申請に向けた準備を開始することを決議しており、投資家層の拡大、株式流動性の向上及び企業としての信用力・認知度の向上を通じて、持続的な成長と企業価値の向上を目指しております。
しかしながら、スタンダード市場への変更申請については、現時点で申請日や承認日は未定であり、準備を中止する可能性や、申請が東京証券取引所の承認を受けられない可能性があります。また、グロース市場に留まる場合、当社の時価総額は現時点では上場維持基準を下回っておりませんが、時価総額は株式市場の評価の結果であり、事業環境の変化や市場動向等により、今後基準を下回るリスクがあります。当社の取り組みのみでは基準の充足を確約できるものではなく、基準を充足できない場合には、上場廃止となるリスクがあり、当社株式の流動性及び企業価値に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(5)その他のリスク
① コンプライアンス・ガバナンスに関するリスク
当社グループでは、法令遵守と適切な企業統治の確保を重要な経営課題として位置づけております。
当社グループは、前連結会計年度において、グローバル事業における不適切な会計処理が発覚したことを受け、調査委員会を設置し調査を実施いたしました。調査委員会活動等は2025年6月に終了し、調査関連費用729百万円の計上をもって、不適切会計事案への緊急対応は一区切りとなりました。
当社グループは、本件を重く受け止め、再発防止策として以下の取り組みを実施しております。ガバナンス強化の観点から、会計・コンプライアンス教育の継続実施、三線ディフェンスの強化(事業部門・管理部門・内部監査の三層による牽制体制)、リスク管理委員会の設置、外部アドバイザー4名の選任による経営体制の補強等を進めております。
しかしながら、これらの再発防止策が十分に機能しない場合や、類似の事案が再び発生した場合には、社会的信用の失墜、行政処分、損害賠償等により、当社グループの事業及び業績に重大な影響を与える可能性があります。当社グループは、内部統制システムの継続的な改善とコンプライアンス意識の醸成を通じて、このリスクの低減に努めてまいります。
② 個人情報管理に関するリスク
当社グループはサービス提供にあたり、顧客、サービス利用会員等の個人に関連する情報を取得しております。また、当社グループのVOCデータ分析基盤「Kaname.ax」においては、SNS上のUGC、レビューデータ、アンケートデータ、コールセンターデータ等、累計4,165万件を超える大量の生活者の声データを収集・蓄積・分析しております。
これらの情報の取り扱いには、外部からの不正アクセスや内部からの情報漏洩を防ぐため、セキュリティ環境の強化、従業員に対する個人情報の取り扱いに対する教育等、十分な対策を行うと同時に、個人情報として管理すべき情報の範囲についても厳密な判断が必要であると考えております。特に、大量のVOCデータの取り扱いにおいては、個人情報保護法をはじめとするデータ保護関連法令を遵守するとともに、データの匿名化処理やアクセス制御等の技術的措置を講じております。
しかし、今後何らかの理由により個人情報が漏洩した場合には、損害賠償や信用力の失墜により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年3月30日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)事業に関するリスク
① SNSに関するリスク
当社グループでは、デジタル・ソーシャルに強いマーケティング支援を行っており、とりわけInstagram、X(旧Twitter)、LINE、TikTok等の各種SNSプラットフォームを活用したマーケティング支援を行っております。これらのSNSは、自社で運用しているものではないことから、1)新たなSNSの登場により既存のSNSの影響力が低下するリスク、2)SNS運営事業者の広告に関する方針変更により、当社グループが提供するサービスが突如として規制対象となるリスク、3)連携するSNSサービスの不具合により当社サービスが利用できなくなるリスク、4)顧客企業の広告予算の月ごとの変動により業績が変動しやすいリスクがあると認識しております。
当社グループは、これらのリスクに対応するため、SNS運営事業者との連携を強化するとともに、特定のSNSに依存し過ぎないサービスの設計等を進めております。当社のVOCデータ分析ソリューション「Kaname.ax」は、SNS上のUGCに加え、レビュー、アンケート、コールセンターデータ等の多様なデータソースに対応しており、特定のSNSプラットフォームへの依存度を低減する構造となっております。しかしながら、これらのリスクが急激に発生・拡大した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
② 人材の確保及び育成に関するリスク
当社グループでは、マーケティングAX支援事業における「三層支援モデル」の推進を成長戦略の柱としており、マーケティング実行レイヤーの人材に加え、データ分析・戦略立案が可能な上流人材、AI技術を活用したプロダクト開発人材、及びクリエイティブ人材の確保が不可欠となっております。
また、新たに参入したクリプト領域においては、暗号資産の運用・管理、ブロックチェーン技術、DeFi等に関する高度な専門知識を有する人材の確保が必要であり、当該領域における人材獲得競争は激化しております。
当社グループは今後の事業拡大に応じて必要な人材の確保と育成に努めていく方針でありますが、必要な人材の確保が計画通り進まなかった場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因が生じる可能性があり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
③ システム障害のリスク
当社グループが提供するソフトウェアの不具合、連携するSNSサービスの不具合、サイトへのアクセスの急増等の一時的な過負荷や電力供給の停止、コンピューターウィルスや外部からの不正な手段によるコンピューターへの侵入、自然災害、事故等、当社グループの予測不可能な様々な要因によってコンピューター又は当社サービスのシステムがダウンした場合、当社グループの事業活動に支障を生ずる可能性があります。
特に、当社グループのデータ分析基盤である「Kaname.ax」は、AIエージェントによるVOCデータの自動分析・CEPs抽出等の処理を行っており、AIモデルの精度低下、学習データの品質問題、外部AIサービス(大規模言語モデル等)の障害やAPI仕様変更等が発生した場合、サービスの品質低下や提供の遅延が生じる可能性があります。
また、サーバーの作動不能や欠陥に起因して、当社グループの信頼が失墜し取引停止等に至る場合や、損害賠償請求が発生する場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
④ AI技術に関するリスク
当社グループは、VOCデータ分析ソリューション「Kaname.ax」を中核に据え、AIを活用したマーケティング支援の高度化を推進しております。累計4,165万件の生活者の声データをAIで分析し、マーケティング戦略の立案から施策の実行・検証までを一気通貫で支援するビジネスモデルを構築しており、AI技術は当社グループの競争力の源泉となっております。
しかしながら、生成AI技術の急速な進化により、競合他社が同様又はより高度なAI分析サービスを低コストで提供する可能性があります。また、当社グループが利用する外部のAIサービス(大規模言語モデル等)について、サービス提供者による利用規約の変更、料金体系の改定、サービスの中止等が発生した場合、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
加えて、AI技術の利用に関する法規制の整備が国内外で進んでおり、EU AI規制法をはじめとする各国の規制強化、著作権やプライバシーに関する法的論点の顕在化等によって、当社グループのAI活用に制約が生じる可能性があります。さらに、AIの出力結果の正確性には一定の限界があり、誤った分析結果に基づく施策の提案が行われた場合には、顧客との信頼関係や当社グループの評判に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 事業構造転換に伴うリスク
当社グループは、従来のマーケティング実行レイヤー中心の事業構造から、データ分析を起点とした「三層支援モデル」への転換を推進しております。この事業構造転換により、マーケティング戦略レイヤー及び経営・事業戦略レイヤーへと支援領域を拡大し、顧客単価の向上と収益性の改善を図っております。
当連結会計年度においては、旧プロダクト事業と旧ソリューション事業を統合し「マーケティングAX支援事業」に一本化いたしました。2027年12月期には売上高50億円・営業利益5億円(営業利益率10%)を中期目標として掲げておりますが、三層支援モデルの浸透が想定通りに進まない場合、ソリューション比率の拡大が計画を下回る場合、又は顧客企業における上流支援ニーズが十分に顕在化しない場合には、中期目標の達成が困難となり、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(2)経営環境に関するリスク
① インターネット広告市場に関するリスク
当社グループが対象とするインターネット広告市場は、2021年にマスコミ四媒体広告費を上回って以降も成長を続けており、今後も当該市場は拡大していくものと推測されます。当社グループの売上の多くは顧客企業における広告予算のうち、インターネット広告費に区分されております。
しかしながら、企業の広告宣伝活動は景気動向や業績、事業方針の影響を受け易いものであり、また、インターネット広告は今後も他の広告媒体との競合が継続していくと考えられることから、今後においてこれらの状況に変化が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
なお、当社グループは収益の柱をプロダクト(SaaSツール)からソリューション(データ分析・戦略立案・施策実行の一気通貫支援)へシフトする事業構造転換を進めており、ソリューション比率を2027年に80%へ拡大する方針です。この構造転換により、インターネット広告市場の変動が当社グループの業績に与える影響は相対的に緩和される方向にありますが、ソリューション事業においても顧客企業のマーケティング予算に依存する構造に変わりはないため、広告市場全体の縮小は引き続きリスク要因であります。
また、景品表示法の改正により、ステルスマーケティング(注)を含む偽装広告や不正な情報操作が法律によって明確に禁止されました。当社グループでは、ガイドラインを作成し、適正サイト内の確認を行う他、違法確認機能の開発等の対応を図っておりますが、広告主の不安が高まった場合等には、ソーシャルメディアを利用した広告市場の拡大に悪影響を与え、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(※)ステルスマーケティングとは、消費者に宣伝と気づかれないように宣伝行為をすること。
② サイトの健全性に関するリスク
当社グループが提供するサービスを展開するSNS上では不特定多数の利用者同士が独自にコミュニケーションを図っており、こうしたコミュニケーションにおいては、他人の知的財産権、名誉、プライバシーその他の権利等の侵害が生じる危険性が存在しております。
このため、当社グループサービスの利用者には利用規約に禁止事項を明記するとともに、利用規約に基づいた利用がされていることを確認するためにユーザーサポート体制を整備し、利用規約に違反した利用者に対してはユーザーサポートから改善要請等を行っているため、一定の健全性は維持されているものと認識しております。
なお、利用規約に明記されている禁止事項の内容は以下のとおりであります。
(ア)当社、他の利用者もしくは第三者の著作権、商標権等の知的財産権を侵害する行為、又は侵害するおそれのある行為
(イ)他の会員もしくは第三者の財産、プライバシーもしくは肖像権を侵害する行為、又は侵害するおそれのある行為
(ウ)特定個人の氏名・住所・電話番号・メールアドレス等第三者が見て個人を特定できる情報の提供
(エ)一人の利用者が複数のメールアドレスを利用して重複してIDを取得する行為
(オ)IDの使用を停止ないし無効にされた利用者に代わりIDを取得する行為
しかしながら、急速な利用者数の増加による急速な利用者の増加に対しては、サイト内における不適切行為等を完全に把握することは困難であり、サイト内においてトラブルが発生した場合には、規約の内容に関わらず、当社グループが法的責任を問われる可能性があり、この場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
③ 海外事業及びグローバル事業に関するリスク
当社グループは、中国・香港・台湾向けインバウンド及びアウトバウンドのプロモーション支援を行うグローバル事業を展開しております。当該事業においては、中国版Instagram等と言われるRED(小紅書)等の中国SNSプラットフォームの活用を中心に、訪日インバウンド客の集客支援や、日本企業の中国市場向けプロモーション支援を行っております。
当該事業は、日中関係や中国政府の政策動向、中国における経済環境の変化、中国のインターネット・SNSに関する規制の変更、為替変動(特に人民元・円の為替レート)等の影響を受けます。特に、中国政府によるSNS規制の強化、日中間の政治的緊張の高まり、訪日中国人観光客数の変動等が生じた場合には、当社グループのグローバル事業の業績に影響を与える可能性があります。
また、当社グループは、当連結会計年度においてクリプト領域の新規事業を開始しており、今後シンガポール等海外拠点の活用を検討しております。海外事業の展開においては、現地の法規制、税制、商慣習の違い、政治・経済の不安定性等のリスクが存在し、これらの変化が当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
なお、当社グループは前連結会計年度において、シンガポールの連結子会社であったSuperFaction Pte. Ltd.について事業継続が困難であると判断し、同社の解散と清算手続の申立てを行い、海外事業からは一度撤退しております。
④ 法的規制に関するリスク
当社グループ事業を規制する主な法規制として、(ア)「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」、(イ)「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」(以下「プロバイダ責任制限法」という。)及び(ウ)「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」(以下「不正アクセス禁止法」という。)があります。
特定電子メールの送信の適正化等に関する法律については、無差別かつ大量に短時間の内に送信される広告等といった迷惑メールを規制し、インターネット等を良好な環境に保つものです。また、当社グループは、プロバイダ責任制限法における「特定電気通信役務提供者」に該当し、不特定の者によって受信されることを目的とする電気通信による情報の流通において他人の権利の侵害があった場合に、権利を侵された者に対して、権利を侵害した情報を発信した者に関する情報の開示義務が課されております。さらに、当社グループには、不正アクセス禁止法における「アクセス管理者」として、努力義務ながら不正アクセス行為からの一定の防御措置を講ずる義務が課されております。
上記に加え、公正取引委員会より公表されている「インターネット上で行われる懸賞企画の取扱いについて」、消費者庁より公表された「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項」、及び「一般消費者が事業者の表示であることが困難である表示の運用基準」についても、業界に対して影響を及ぼす可能性があります。
加えて、当連結会計年度よりクリプト領域の事業を開始したことに伴い、資金決済に関する法律(資金決済法)、金融商品取引法等の暗号資産関連の法規制への対応が必要となっております。暗号資産に関する法規制は国内外で整備途上にあり、今後の規制強化や新たな法令の制定により、当社グループのクリプト領域事業の運営に制約が生じる可能性があります。
その他、インターネット上の情報流通や電子商取引のあり方等については現在も様々な議論がなされており、インターネット関連事業を規制する法令は徐々に整備されてきている状況にあります。今後、インターネットの利用や関連するサービス及びインターネット関連事業を営む事業者を規制対象として、新たな法令等の制定や、既存法令等の解釈変更等がなされた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
⑤ 自然災害・テロ・感染症等のリスク
当社グループは、国内に複数の事業拠点を有しております。各拠点では、不慮の災害や感染症発生等に対する防災・防疫対策等を施しておりますが、想定を超えた大規模な地震、台風や洪水等の自然災害やそれに起因する大規模停電、未知の感染症の流行、テロ等の犯罪行為等によって大きな被害を受ける可能性があります。
それらの影響を受け、情報通信インフラの損壊・途絶及び中枢機能の障害もしくは顧客自身に大きな被害が生じた場合など、受注や供給が長期間にわたって滞り、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)新規事業・M&Aに関するリスク
① クリプト領域事業に関するリスク
当社グループは、2026年3月に、子会社アライドクリプト株式会社を設立し、クリプト領域における新規事業(次世代DAT事業、運用支援事業、導入支援事業)に参入いたしました。当該事業は、暗号資産のポートフォリオ運用、DeFi・ステーキング等による利回り運用、及び日本企業のオンチェーン実装支援を主な事業内容としております。
クリプト領域事業には固有のリスクが存在いたします。暗号資産に関する各国の法規制は整備途上にあり、規制の強化や予期しない法改正が行われた場合には、事業の継続や拡大に制約が生じる可能性があります。また、DeFiプロトコルやスマートコントラクトには、ハッキング、プログラムの脆弱性等の技術的リスクが内在しており、これらのリスクが顕在化した場合にはサービスの安定提供に支障が生じる可能性があります。
当社グループは、最高暗号資産責任者(CCO)の新設、グローバルなパートナーネットワークの構築、AIを活用した運用手法の確立等により、これらのリスクの低減に努めてまいります。
なお、クリプト領域事業に関連する財務リスク(暗号資産の価格変動リスク、運用資産の毀損リスク、先行投資の回収リスク)については、「(4)財務リスク ③ クリプト領域事業に係る財務リスク」に記載しております。
② M&A・新規事業投資に関するリスク
当社グループは、マーケティングAX支援事業を基盤としつつ、クリプト関連事業やM&A・新規事業への投資を通じた事業多角化を成長戦略の一つとして位置づけております。
M&Aの実行にあたっては、対象企業の事業内容、財務状況、法的リスク等について十分なデューデリジェンスを実施する方針でありますが、事前の調査で把握できなかったリスクが買収後に顕在化する可能性があります。また、買収後のPMI(経営統合プロセス)が計画通りに進捗しない場合、想定したシナジー効果が発揮されない可能性があります。
新規事業への投資においても、事業環境の急変や投資回収が想定通りに進まないリスクが存在します。これらの結果、のれんの減損損失の計上や投資の回収が困難となった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは、小規模のM&Aから開始するとともに、体制構築、専任人材の配置、PMI計画と実行の徹底等により、これらのリスクの低減を図ってまいります。
(4)財務リスク
① 資金繰りに関するリスク
当社グループは、営業活動から生じるキャッシュ・フローに加え、主として銀行からの借入金により手元資金を確保しております。取引銀行との間では良好な関係を築いておりますが、当社グループの財政状態・経営成績が悪化した場合には機動的な資金調達が困難となり、事業活動に支障が生じるリスクがあります。
当連結会計年度は、不適切会計事案に係る調査費用(729百万円)等の一過性費用の発生により営業損失を計上いたしましたが、調査委員会活動等は2025年6月に終了しており、当該費用は一巡しております。2026年12月期においては営業黒字への転換を見込んでおりますが、事業計画通りに収益が回復しない場合には、資金繰りに影響を与える可能性があります。
かかるリスクが顕在化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 新株予約権行使による株式価値の希薄化に関するリスク
当社では、取締役、従業員に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。
今後においても同様の目的で新株予約権を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権について行使が行われた場合には、保有株式の価値が希薄化する可能性があります。
③ クリプト領域事業に係る財務リスク
当社グループのクリプト領域事業においては、暗号資産のポートフォリオ運用及びDeFi・ステーキング等による利回り運用を行っております。暗号資産の価格は極めて変動性が高く、ビットコイン、イーサリアム等の暗号資産の市場価格が大幅に下落した場合には、当社グループが保有又は運用する暗号資産の評価額が減少し、財政状態及び業績に重大な影響を与える可能性があります。
また、DeFiプロトコルやスマートコントラクトを利用した運用においては、ハッキング、プログラムの脆弱性、流動性の枯渇等のリスクが内在しており、これらのリスクが顕在化した場合には、運用資産の毀損が生じる可能性があります。
なお、クリプト領域事業は現在投資フェーズにあり、2026年12月期の業績予想には売上を織り込んでおりません。当該事業が計画通りに収益貢献しない場合、先行投資が回収できないリスクがあります。
④ 上場維持基準に関するリスク
当社グループは、2025年12月末時点における東京証券取引所グロース市場の上場維持基準への適合状況について、時価総額基準が基準に適合せず、2026年1月1日より改善期間に入っております。2026年12月末までに適合しない場合には、監理銘柄・整理銘柄(原則として6か月)に指定後、2027年7月1日に上場廃止となります。
そのため、当社グループは改善期間内での基準適合に取り組んでまいります。
また、東京証券取引所グロース市場において、2030年より、グロース市場上場5年経過後の企業に対し、時価総額100億円以上の上場維持基準が適用されます。当社は2013年に上場しており、2030年時点で既に基準適用対象となります。
当社グループは、2030年適用の上場維持基準(時価総額100億円)を重要な経営課題として認識しており、2027年12月期中期目標(売上高50億円・営業利益5億円)の達成を起点に、成長性・収益性・資本効率・ガバナンスの改善を通じて企業価値向上を図り、基準適合を目指す方針であります。加えて、当社は2025年12月に東京証券取引所スタンダード市場への市場区分変更申請に向けた準備を開始することを決議しており、投資家層の拡大、株式流動性の向上及び企業としての信用力・認知度の向上を通じて、持続的な成長と企業価値の向上を目指しております。
しかしながら、スタンダード市場への変更申請については、現時点で申請日や承認日は未定であり、準備を中止する可能性や、申請が東京証券取引所の承認を受けられない可能性があります。また、グロース市場に留まる場合、当社の時価総額は現時点では上場維持基準を下回っておりませんが、時価総額は株式市場の評価の結果であり、事業環境の変化や市場動向等により、今後基準を下回るリスクがあります。当社の取り組みのみでは基準の充足を確約できるものではなく、基準を充足できない場合には、上場廃止となるリスクがあり、当社株式の流動性及び企業価値に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(5)その他のリスク
① コンプライアンス・ガバナンスに関するリスク
当社グループでは、法令遵守と適切な企業統治の確保を重要な経営課題として位置づけております。
当社グループは、前連結会計年度において、グローバル事業における不適切な会計処理が発覚したことを受け、調査委員会を設置し調査を実施いたしました。調査委員会活動等は2025年6月に終了し、調査関連費用729百万円の計上をもって、不適切会計事案への緊急対応は一区切りとなりました。
当社グループは、本件を重く受け止め、再発防止策として以下の取り組みを実施しております。ガバナンス強化の観点から、会計・コンプライアンス教育の継続実施、三線ディフェンスの強化(事業部門・管理部門・内部監査の三層による牽制体制)、リスク管理委員会の設置、外部アドバイザー4名の選任による経営体制の補強等を進めております。
しかしながら、これらの再発防止策が十分に機能しない場合や、類似の事案が再び発生した場合には、社会的信用の失墜、行政処分、損害賠償等により、当社グループの事業及び業績に重大な影響を与える可能性があります。当社グループは、内部統制システムの継続的な改善とコンプライアンス意識の醸成を通じて、このリスクの低減に努めてまいります。
② 個人情報管理に関するリスク
当社グループはサービス提供にあたり、顧客、サービス利用会員等の個人に関連する情報を取得しております。また、当社グループのVOCデータ分析基盤「Kaname.ax」においては、SNS上のUGC、レビューデータ、アンケートデータ、コールセンターデータ等、累計4,165万件を超える大量の生活者の声データを収集・蓄積・分析しております。
これらの情報の取り扱いには、外部からの不正アクセスや内部からの情報漏洩を防ぐため、セキュリティ環境の強化、従業員に対する個人情報の取り扱いに対する教育等、十分な対策を行うと同時に、個人情報として管理すべき情報の範囲についても厳密な判断が必要であると考えております。特に、大量のVOCデータの取り扱いにおいては、個人情報保護法をはじめとするデータ保護関連法令を遵守するとともに、データの匿名化処理やアクセス制御等の技術的措置を講じております。
しかし、今後何らかの理由により個人情報が漏洩した場合には、損害賠償や信用力の失墜により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。