有価証券報告書-第19期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
自動車業界は、電動化・知能化の進展に加え、環境対応を前提としたものづくりへの転換が求められ、大きな構造変化の局面を迎えています。世界的なCO₂排出量削減に向けた動きが加速する中、2050年のカーボンニュートラル達成に向けては、材料選定から設計、製造、リサイクルまでを含めた製品ライフサイクル全体でのCO₂排出量低減が急務となっています。当社は、このような構造変革を中長期的な成長機会と捉えています。具体的には、製品の軽量化や植物由来材料の採用、樹脂の循環サイクル実現に向けた取り組みを進めることで、車両性能向上や車両開発における選択肢を広げ受注機会の拡大につなげています。さらに、樹脂と電装デバイスの融合による操作性・意匠性の向上や、センシング技術の組み込み等により、高機能化を通じた安全性・快適性の向上にも注力しており、これらの取り組みは、当社の商品競争力の源泉となっています。
当社の研究開発体制は、R&D本部、開発本部、技術本部が連携し、材料、加工、構造といった要素技術の研究から、新製品の開発、量産立ち上げまでを自社で推進できる点に特長があります。この体制により、環境対応・軽量化・高機能化という複数の要求を高次元で両立させています。また、加工技術分野では子会社のデック株式会社と共同で金型・機械・治具等の研究開発を行い、構造設計分野では帝恩汽車部件(上海)有限公司、DaikyoNishikawa Korea Co., Ltd.と連携しグローバルで開発体制を構築しています。さらに、大学・研究機関・外部企業との共同研究を通じて、将来の成長領域を見据えた技術基盤の強化を図っています。
当連結会計年度における当社の研究開発費の総額は3,125百万円であり、これらの投資は、市場拡大を見据えた商品・技術の創出を目的としたものです。当社グループは商品戦略に基づき、日本を中心とした研究開発活動を行っており、研究開発費の90%以上は日本セグメントに属しています。今後も、環境対応・軽量化・高機能化を軸とした研究開発投資を通じて競争優位性を高め、持続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。
(1)軽量化及び樹脂の循環サイクル強化
当社は、樹脂の循環サイクル実現を重要な取り組みテーマと位置づけ、市場で使用された樹脂の機能回復技術や、繰り返し使用しても劣化しにくい樹脂材料の基礎研究を、産官学連携により推進しています。さらに廃車製品の回収・再利用を前提とした易解体構造技術の確立にも取り組んでいます。
外装部品領域では、内製ブレンド樹脂材料および独自成形工法を活用したテールゲートなどの新たな樹脂化開発により、スチール比で約30%の軽量化とコスト低減を実現しました。現在は、軽・小型車に加え乗用車への採用拡大を進めており、さらなる車種展開に向けて、付加価値機能の統合(意匠・表示・光機能など)に向けた開発を加速させています。また、植物由来材料であるセルロースナノファイバー(CNF)の軽量・高強度・高リサイクル性といった特長を活かした工法の基礎開発を完了し、現在は商品の提案フェーズへ移行しています。
内装部品領域では、内装トリム、トランクトリム部品、空調ダクト等に樹脂発泡成形技術を展開し、約25%の軽量化を達成しました。発泡成形技術については、内装部品への適用拡大に加え、外装部品への展開も視野に入れ、微細発泡技術を活用した新たな成形工法の開発を推進しています。現在では製品評価を完了し、顧客への提案活動を本格化しています。また、循環型社会への貢献を目的に、捨てられる素材に新たな価値を付与する加飾部品(アップサイクル意匠部品)の開発にも注力しています。
パワートレイン部品領域では、BEV・PHEV等の電動化対応として、大型バッテリーパックの高付加価値化やインバーター周辺部品の樹脂化を進めています。電動化に伴う冷却系統の高度化・複雑化に対しては、当社独自の樹脂製冷却水パイプや流体機能部品への期待が高まっており、機能統合と量産性を両立する商品開発を推進しています。
製品開発の領域では、MBD(モデルベース開発)を中核に据え、1D/3D-CAEを組み合わせたシミュレーション技術の高度化により、製品品質の向上、使用材料の最適化、量産立ち上げ時のロス削減、開発期間の大幅短縮を実現し、開発競争力の強化に取り組んでいます。
ものづくりの領域では、製造過程で発生する廃棄物の再資源化技術開発を進め、廃棄物“ゼロ”を目指したものづくりを推進し持続可能な生産体制の構築に取り組んでいます。
(2)樹脂と電装デバイスの融合 デザイン自由度の向上と操作性・視認性の両立が求められる透過加飾技術については製品開発を完了し、量産準備を進めております。加えて、HMIの進化にも応えるため、スイッチの最適配置やインターフェースの操作性向上に寄与する技術開発にも取り組んでおります。
(3)独自技術の深化
新製品開発を支える要素技術である樹脂材料、成形技術、金型技術の領域において、独自の技術開発を実施しております。要求品質を満足するため、自社独自の樹脂材料ブレンド技術を開発し、バンパー、樹脂ボディ部品の薄肉化や低比重化を実現し、車両の軽量化に貢献しております。また、要素技術開発領域においては、複合材料に関するMBR(モデルを用いた研究開発)を大学との共同研究により推進しており、高度な分析技術と現象のモデル化を通じて、短期間での材料開発を目指しております。
(4)次世代技術の研究開発
当社は、4つの商品戦略(コクピット、エクステリア、パワートレイン、テールゲート)の中で、環境対応、軽量化、高機能化の商品価値を高める技術開発を推進しています。特に、コクピット領域においては、車室内の機能や性能向上の要求が高まっており、今後は部品単体ではなくキャビン全体として新たな価値を提案できるインテリアシステムクリエイターを目指します。また4つの商品戦略に加えて、自動車樹脂製品に限らずこれまで培った技術を新分野へと展開できるよう、さらなる樹脂の可能性を探求し具現化する活動も推進しています。
当社の研究開発体制は、R&D本部、開発本部、技術本部が連携し、材料、加工、構造といった要素技術の研究から、新製品の開発、量産立ち上げまでを自社で推進できる点に特長があります。この体制により、環境対応・軽量化・高機能化という複数の要求を高次元で両立させています。また、加工技術分野では子会社のデック株式会社と共同で金型・機械・治具等の研究開発を行い、構造設計分野では帝恩汽車部件(上海)有限公司、DaikyoNishikawa Korea Co., Ltd.と連携しグローバルで開発体制を構築しています。さらに、大学・研究機関・外部企業との共同研究を通じて、将来の成長領域を見据えた技術基盤の強化を図っています。
当連結会計年度における当社の研究開発費の総額は3,125百万円であり、これらの投資は、市場拡大を見据えた商品・技術の創出を目的としたものです。当社グループは商品戦略に基づき、日本を中心とした研究開発活動を行っており、研究開発費の90%以上は日本セグメントに属しています。今後も、環境対応・軽量化・高機能化を軸とした研究開発投資を通じて競争優位性を高め、持続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。
(1)軽量化及び樹脂の循環サイクル強化
当社は、樹脂の循環サイクル実現を重要な取り組みテーマと位置づけ、市場で使用された樹脂の機能回復技術や、繰り返し使用しても劣化しにくい樹脂材料の基礎研究を、産官学連携により推進しています。さらに廃車製品の回収・再利用を前提とした易解体構造技術の確立にも取り組んでいます。
外装部品領域では、内製ブレンド樹脂材料および独自成形工法を活用したテールゲートなどの新たな樹脂化開発により、スチール比で約30%の軽量化とコスト低減を実現しました。現在は、軽・小型車に加え乗用車への採用拡大を進めており、さらなる車種展開に向けて、付加価値機能の統合(意匠・表示・光機能など)に向けた開発を加速させています。また、植物由来材料であるセルロースナノファイバー(CNF)の軽量・高強度・高リサイクル性といった特長を活かした工法の基礎開発を完了し、現在は商品の提案フェーズへ移行しています。
内装部品領域では、内装トリム、トランクトリム部品、空調ダクト等に樹脂発泡成形技術を展開し、約25%の軽量化を達成しました。発泡成形技術については、内装部品への適用拡大に加え、外装部品への展開も視野に入れ、微細発泡技術を活用した新たな成形工法の開発を推進しています。現在では製品評価を完了し、顧客への提案活動を本格化しています。また、循環型社会への貢献を目的に、捨てられる素材に新たな価値を付与する加飾部品(アップサイクル意匠部品)の開発にも注力しています。
パワートレイン部品領域では、BEV・PHEV等の電動化対応として、大型バッテリーパックの高付加価値化やインバーター周辺部品の樹脂化を進めています。電動化に伴う冷却系統の高度化・複雑化に対しては、当社独自の樹脂製冷却水パイプや流体機能部品への期待が高まっており、機能統合と量産性を両立する商品開発を推進しています。
製品開発の領域では、MBD(モデルベース開発)を中核に据え、1D/3D-CAEを組み合わせたシミュレーション技術の高度化により、製品品質の向上、使用材料の最適化、量産立ち上げ時のロス削減、開発期間の大幅短縮を実現し、開発競争力の強化に取り組んでいます。
ものづくりの領域では、製造過程で発生する廃棄物の再資源化技術開発を進め、廃棄物“ゼロ”を目指したものづくりを推進し持続可能な生産体制の構築に取り組んでいます。
(2)樹脂と電装デバイスの融合 デザイン自由度の向上と操作性・視認性の両立が求められる透過加飾技術については製品開発を完了し、量産準備を進めております。加えて、HMIの進化にも応えるため、スイッチの最適配置やインターフェースの操作性向上に寄与する技術開発にも取り組んでおります。
(3)独自技術の深化
新製品開発を支える要素技術である樹脂材料、成形技術、金型技術の領域において、独自の技術開発を実施しております。要求品質を満足するため、自社独自の樹脂材料ブレンド技術を開発し、バンパー、樹脂ボディ部品の薄肉化や低比重化を実現し、車両の軽量化に貢献しております。また、要素技術開発領域においては、複合材料に関するMBR(モデルを用いた研究開発)を大学との共同研究により推進しており、高度な分析技術と現象のモデル化を通じて、短期間での材料開発を目指しております。
(4)次世代技術の研究開発
当社は、4つの商品戦略(コクピット、エクステリア、パワートレイン、テールゲート)の中で、環境対応、軽量化、高機能化の商品価値を高める技術開発を推進しています。特に、コクピット領域においては、車室内の機能や性能向上の要求が高まっており、今後は部品単体ではなくキャビン全体として新たな価値を提案できるインテリアシステムクリエイターを目指します。また4つの商品戦略に加えて、自動車樹脂製品に限らずこれまで培った技術を新分野へと展開できるよう、さらなる樹脂の可能性を探求し具現化する活動も推進しています。