有価証券報告書-第15期(2025/01/01-2025/12/31)
3.重要性がある会計方針
(1)連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。当社グループがある企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、当該企業に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、当社グループは当該企業を支配していると判断しております。
子会社の財務諸表は、当社グループが支配を獲得した日から支配を喪失する日まで、連結の対象に含めております。
子会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表に調整を加えております。当社グループ間の債権債務残高及び内部取引高、並びに当社グループ間の取引から発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。
非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識しております。
② 共同支配企業
共同支配企業とは、当社グループを含む複数の当事者が経済活動に対する契約上合意された支配を共有し、その活動に関連する戦略的な財務上及び営業上の決定に際して、支配を共有する当事者すべての合意を必要とし、かつ当社グループが当該取り決めの純資産に対する権利を有している企業をいいます。
共同支配企業に対する投資は、当社グループが共同支配を獲得した日から喪失する日まで持分法によって会計処理しております。
共同支配企業が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該共同支配企業の財務諸表に調整を加えております。
(2)企業結合
企業結合は取得法を用いて会計処理しております。取得対価は、被取得企業の支配と交換に譲渡した資産、引き受けた負債及び当社が発行する持分金融商品の取得日の公正価値の合計として測定されます。取得対価、被取得企業のすべての非支配持分及び取得企業が以前に保有していた被取得企業の資本持分の取得日公正価値の総計が識別可能な資産及び引き受けた負債の公正価値を超過する場合は、連結財政状態計算書においてのれんとして計上しております。反対に下回る場合には、直ちに連結損益計算書において純損益として計上しております。
非支配持分を公正価値で測定するか、又は識別可能な純資産の認識金額の比例持分で測定するかについては、企業結合ごとに選択しております。
仲介手数料、弁護士費用、デュー・デリジェンス費用等の、企業結合に関連して発生する取引費用は、発生時に費用処理しております。
(3)外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日の為替レート、又はそれに近似するレートにより当社グループの各社の機能通貨に換算しております。
期末日における外貨建貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで機能通貨に換算しております。
公正価値で測定される外貨建非貨幣性資産及び負債は、当該公正価値の算定日における為替レートで機能通貨に換算しております。
換算又は決済により生じる換算差額は、純損益として認識しております。ただし、その他の包括利益を通じて測定される金融資産については、その他の包括利益として認識しております。
② 在外営業活動体の財務諸表
在外営業活動体の資産及び負債については期末日の為替レート、収益及び費用については平均為替レートを用いて日本円に換算しております。在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しております。在外営業活動体の換算差額は、在外営業活動体が処分された期間に純損益として認識されます。
(4)金融商品
① 金融資産
(ⅰ)当初認識及び測定
当社グループは、金融資産について、純損益又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産、償却原価で測定する金融資産に分類しております。この分類は、当初認識時に決定しております。
当社グループは、金融資産のうち、営業債権及びその他の債権は、これらの発生日に当初認識しております。その他の金融資産は、当該金融資産に関する契約の当事者となった取引日に当該金融商品を認識しております。
すべての金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定される区分に分類される場合を除き、公正価値に取引費用を加算した金額で測定しております。ただし、重大な金融要素を含まない営業債権は、取引価格で測定しております。
金融資産は、以下の要件をともに満たす場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
償却原価で測定する金融資産以外の金融資産は、公正価値で測定する金融資産に分類しております。
公正価値で測定する資本性金融資産については、純損益を通じて公正価値で測定しなければならない売買目的で保有される資本性金融資産を除き、個々の資本性金融資産ごとに、純損益を通じて公正価値で測定するか、その他の包括利益を通じて公正価値で測定するかを指定し、当該指定を継続的に適用しております。
(ⅱ)事後測定
金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
(a)償却原価により測定する金融資産
償却原価により測定する金融資産については、実効金利法による償却原価により測定しております。
(b)公正価値により測定する金融資産
公正価値により測定する金融資産の公正価値の変動額は純損益として認識しております。
ただし、資本性金融資産のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定すると指定したものについては、公正価値の変動額はその他の包括利益として認識しております。その他の包括利益として認識した金額は、認識を中止した場合にその累計額を利益剰余金に振替えており、純損益には振替えておりません。なお、当該金融資産からの配当金については、金融収益の一部として当期の純損益として認識しております。
(ⅲ)金融資産の認識の中止
当社グループは、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅する、又は当社グループが金融資産の所有のリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合において、金融資産の認識を中止しております。
(ⅳ)金融資産の減損
償却原価により測定する金融資産については、予想信用損失に対する貸倒引当金を認識しております。
当社グループは、期末日ごとに各金融資産に係る信用リスクが当初認識時点から著しく増加しているかどうかを評価しており、当初認識時点から信用リスクが著しく増加していない場合には、12ヶ月の予想信用損失を貸倒引当金として認識しております。一方で、当初認識時点から信用リスクが著しく増加している場合には、全期間の予想信用損失と等しい金額を貸倒引当金として認識しております。
契約上の支払の期日経過が30日超である場合には、原則として信用リスクの著しい増大があったものとしております。
なお、金融資産に係る信用リスクが期末日現在で低いと判断される場合には、当該金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していないと評価しております。
ただし、重大な金融要素を含んでいない営業債権については、信用リスクの当初認識時点からの著しい増加の有無にかかわらず、常に全期間の予想信用損失と等しい金額で貸倒引当金を認識しております。
予想信用損失は、契約に従って企業に支払われるべきすべての契約上のキャッシュ・フローと、企業が受け取ると見込んでいるすべてのキャッシュ・フローとの差額の現在価値として測定しております。
金融資産に係る貸倒引当金の繰入額は、純損益で認識しております。貸倒引当金を減額する事象が生じた場合は、貸倒引当金戻入額を純損益で認識しております。
② 金融負債
(ⅰ)当初認識及び測定
当社グループは、金融負債について、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債と償却原価で測定する金融負債のいずれかに分類しております。この分類は、当初認識時に決定しております。
当社グループは、発行した負債証券を、その発行日に当初認識しております。その他の金融負債は、全て、当該金融商品の契約の当事者になる取引日に当初認識しております。
すべての金融負債は公正価値で当初測定しておりますが、償却原価で測定する金融負債については、直接帰属する取引費用を控除した金額で測定しております。
(ⅱ)事後測定
金融負債の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
(a)純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債については、当初認識後公正価値で測定し、その変動については当期の純損益として認識しております。
(b)償却原価で測定する金融負債
償却原価で測定する金融負債については、当初認識後実効金利法による償却原価で測定しております。
実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得及び損失については、金融費用の一部として当期の純損益として認識しております。
(ⅲ)金融負債の認識の中止
当社グループは、金融負債が消滅したとき、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消し、又は失効となった時に、金融負債の認識を中止しております。
③ デリバティブ
デリバティブは、契約が締結された時点の公正価値で当初認識され、その後も公正価値で再測定しております。公正価値の変動は純損益を通じて認識しております。
主契約である非デリバティブ金融商品に組み込まれているデリバティブ(組込デリバティブ)は、組込デリバティブの区分処理の要件を満たす場合には、組込デリバティブを主契約から分離して独立したデリバティブとして会計処理しております。
④ 複合金融商品
当社グループは、新株予約権付社債の発行による収入を、発行条件に基づき負債部分と資本部分に分類しております。発行した新株予約権付社債の分類が負債部分と資本部分の両方を含む場合には、負債部分を資本への転換オプションがない類似の負債の公正価値により測定し、当初認識しております。資本部分は、当該複合金融商品全体の公正価値から負債部分の公正価値を控除した金額で測定し、当初認識しております。直接取引コストは負債部分と資本部分の当初の帳簿価額の比率に応じて配分しております。
当初認識後は、複合金融商品の負債部分は実効金利法を用いた償却原価により測定しております。複合金融商品の資本部分については、当初認識後の再測定は行っておりません。
⑤ 当初認識時の公正価値と取引価格の差額
金融商品の取引価格が取引開始時の公正価値と異なり、その公正価値が同一の資産又は負債についての活発な市場における相場価格の証拠がある場合、又は観察可能な市場からのデータのみを用いた評価技法に基づいている場合には取引価格と公正価値の差額を純損益に認識しております。公正価値が観察不能なインプットを用いて算定されている場合には取引価格と公正価値の差額は繰り延べられ、インプットが観測できるようになったとき、又は当該金融商品の認識を中止したときにのみ純損益に認識しております。
(5)現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。
(6)有形固定資産
有形固定資産については、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用及び解体・除去費用が含まれております。
土地及び建設仮勘定以外の各資産の減価償却費は、それぞれの見積耐用年数にわたり、定額法で計上されております。主要な資産項目ごとの見積耐用年数は以下のとおりであります。
・建物及び構築物 8年~18年
・工具、器具及び備品 4年~15年
なお、見積耐用年数、残存価額及び減価償却方法は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
(7)無形資産
個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定されます。
当社グループは、個別に取得した仕掛中の研究開発投資を、以下の認識要件を満たした場合に資産として認識しております。
・将来の経済的便益をもたらす蓋然性が高いこと
・取得原価について信頼性をもって測定できること
他社から仕掛中の研究開発投資を取得する際の支出(契約一時金及びマイルストン)は、上記の認識要件を満たしているため、無形資産として認識しております。仕掛中の研究開発投資は、規制当局からの販売承認が得られ使用可能となった時点で販売権に振り替え、その見積耐用年数にわたって定額法で償却します。見積耐用年数は、関連する特許権の法的保護期間などを考慮したキャッシュ・フローの予測期間に基づいて決定します。
内部発生の研究費用は発生時に費用として認識しております。内部発生の開発費用は、資産として認識するための基準がすべて満たされた場合に限り無形資産として認識しておりますが、臨床試験の費用等、規制当局からの販売承認を得るまでに発生する内部発生の開発費は、開発に関連する不確実性の要素等を伴い資産計上基準を満たさないと考えられるため、発生時に費用として認識しております。
仕掛中の研究開発投資として計上された無形資産以外の無形資産は、当初認識後の測定は原価モデルを採用しており、それぞれの見積耐用年数にわたって定額法で償却され、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
主要な無形資産の見積耐用年数は以下のとおりであります。
・ソフトウエア 5年
・特許実施権 19年
なお、見積耐用年数、残存価額及び償却方法は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
(8)リース
当社グループは、契約の開始時に当該契約にリースが含まれているか否かを判断しております。リース取引におけるリース負債は、リース開始日におけるリース料総額の未決済分を借手の追加借入利子率で割り引いた現在価値で測定しております。リース負債の測定に際しては、リース要素とこれに関連する非リース要素は分離せず、単一のリース構成要素として認識することを選択しております。リース負債は、リース負債に係る金利を反映するように帳簿価額を増額し、支払われたリース料を反映するように帳簿価額を減額することにより事後測定しております。
使用権資産については、リース負債の当初測定額から当初直接コスト、リース・インセンティブ等を調整し、契約に基づき要求される原状回復義務等のコストを加えた額で当初測定し、リース期間又は使用権資産の耐用年数のいずれか短い方の期間に渡り定額法により減価償却を行っております。
当社グループは、リース期間が12ヶ月以内の短期リース及び少額資産リースについて、使用権資産及びリース負債を認識しないことを選択し、これらのリースに係るリース料をリース期間にわたり定額法により費用として認識しております。
(9)非金融資産の減損
棚卸資産及び繰延税金資産を除く当社グループの非金融資産の帳簿価額は、期末日ごとに減損の兆候の有無を判断しております。減損の兆候が存在する場合は、当該資産の回収可能価額を見積っております。未だ使用可能ではない無形資産については、減損の兆候の有無にかかわらず回収可能価額を毎年同じ時期に見積っております。
資産又は資金生成単位の回収可能価額は、使用価値と売却費用控除後の公正価値のうちいずれか大きい方の金額としております。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産に固有のリスクを反映した税引前割引率を用いて現在価値に割引いております。減損テストにおいて個別にテストされない資産は、継続的な使用により他の資産又は資産グループのキャッシュ・インフローから、概ね独立したキャッシュ・インフローを生成する最小の資金生成単位に統合しております。
当社グループの全社資産は、独立したキャッシュ・インフローを生成いたしません。全社資産に減損の兆候がある場合、全社資産が帰属する資金生成単位の回収可能価額を決定しております。
減損損失は、資産又は資金生成単位の帳簿価額が見積回収可能価額を超過する場合に純損益として認識しております。過去に認識した減損損失は、毎期末日において損失の減少又は消滅を示す兆候の有無を評価しております。回収可能価額の決定に使用した見積りが変化した場合は、減損損失を戻入れております。減損損失は、減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費及び償却額を控除した後の帳簿価額を上限として戻入れております。
(10)従業員給付
短期従業員給付は、割引計算を行わず、従業員が関連するサービスを提供した時点で費用として認識しております。短期従業員給付に係る債務は、支払いを行う法的債務又は推定的債務を有し、信頼性のある見積りが可能になった時点で認識しております。
(11)株式に基づく報酬
当社は、持分決済型の株式に基づく報酬制度として、ストック・オプション制度を採用しております。ストック・オプションは、付与日における公正価値によって見積り、最終的に権利確定すると予想されるストック・オプションの数を考慮した上で、権利確定期間にわたって費用として連結損益計算書において認識し、同額を連結財政状態計算書において資本剰余金の増加として認識しております。付与されたオプションの公正価値は、オプションの諸条件を考慮し、ブラック・ショールズ・モデル等を用いて算定しております。また、条件については定期的に見直し、必要に応じて権利確定数の見積りを修正しております。
(12)引当金
引当金は、過去の事象の結果として、当社グループが、現在の法的又は推定的債務を有しており、当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に認識しております。貨幣の時間的価値が重要な場合には、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及び当該負債に特有のリスクを反映した税引前の利率を用いて現在価値に割引いております。時の経過に伴う割引額の割戻しは金融費用として認識しております。
(13)収益
当社グループは、以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:企業が履行義務の充足時に収益を認識する
当社グループは、医薬品事業において実施許諾契約等に基づく契約一時金及びマイルストン収入を収益として認識しております。医薬品事業における実施許諾契約等に基づく契約一時金及びマイルストン収入については、契約における履行義務が一時点で充足される場合には、対価として受領した契約時の一時金及びマイルストン収入を一時点で収益として認識しております。一方、履行義務が一定期間にわたり充足される場合には、当該対価を契約負債として計上し、個々の契約ごとに決定した進捗度の測定方法に基づき実施許諾契約期間等の一定期間にわたって収益として認識しております。なお、マイルストン収入は、事後に重大な戻入れが生じる可能性を考慮し、契約上定められたマイルストンが達成された時点から収益として認識しております。
実施許諾契約における対価は、マイルストン達成時の契約に基づく合意時点から主として1年以内に受領しております。
(14)法人所得税
法人所得税費用は、当期税金及び繰延税金から構成されております。これらは、その他の包括利益又は資本に直接認識される項目から生じる場合、及び企業結合から生じる場合を除き、純損益として認識しております。
当期税金は、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付が予想される金額で測定しております。税額の算定に使用する税率及び税法は、期末日までに制定又は実質的に制定されているものであります。
繰延税金は、期末日における資産及び負債の税務基準額と会計上の帳簿価額との差額である一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除に対して認識しております。
なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産及び負債を計上しておりません。
・のれんの当初認識から生じる将来加算一時差異
・企業結合取引ではなく、取引時に会計上の利益にも税務上の課税所得(欠損金)にも影響を与えず、かつ、取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引から発生する資産及び負債の当初認識により生じる一時差異
・子会社に対する投資及び共同支配の取決めに対する持分に係る将来減算一時差異に関しては、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合、又は当該一時差異の使用対象となる課税所得が稼得される可能性が低い場合
・子会社に対する投資及び共同支配の取決めに対する持分に係る将来加算一時差異に関しては、一時差異の解消する時期をコントロールすることができ、予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金負債は原則としてすべての将来加算一時差異について認識され、繰延税金資産は将来減算一時差異を使用できるだけの課税所得が稼得される可能性が高い範囲内で、すべての将来減算一時差異について認識しております。
繰延税金資産の帳簿価額は毎期見直され、繰延税金資産の全額又は一部が使用できるだけの十分な課税所得が稼得されない可能性が高い部分については、帳簿価額を減額しております。未認識の繰延税金資産は毎期見直され、将来の課税所得により繰延税金資産が回収される可能性が高くなった範囲内で認識しております。
繰延税金資産及び負債は、期末日において制定されている、又は実質的に制定されている税率及び税法に基づいて、資産が実現する期間又は負債が決済される期間に適用されると予想される税率及び税法によって測定しております。
繰延税金資産及び負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有しており、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合又は別々の納税主体であるものの当期税金負債と当期税金資産とを純額で決済するか、あるいは資産の実現と負債の決済を同時に行うことを意図している場合に相殺しております。
(15)1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期損益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しております。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整して計算しております。
(16)株主資本
普通株式
当社が発行した資本性金融商品は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上し、直接発行費用は資本剰余金から控除しております。
(17)自己株式
自己株式は取得原価で評価され、資本から控除しております。当社の自己株式の購入、売却又は消却において利得又は損失は認識しておりません。なお、帳簿価額と売却時の対価との差額は資本として認識しております。
(18)Saisei Bioventures, L.P.に関する重要性がある会計方針
① 当社によるSaisei Bioventures, L.P.の連結
当社は、Saisei Bioventures, L.P.(以下「Saiseiファンド」という。)を以下の理由により連結しています。
当社は、ゼネラル・パートナーであるSaisei Capital Ltd.(当社連結子会社)を通じて、Saiseiファンドの投資の意思決定を行い、Saiseiファンドに対するパワーを有しています。また、Saisei Capital Ltd.が成功報酬を受け取り、当社はリミテッド・パートナーに帰属する投資成果に応じた配分をリターンとして受け取ります。当社はSaiseiファンドに対するパワーを通じ、当該リターンに影響を及ぼす能力を有していることからSaiseiファンドに対しIFRS第10号「連結財務諸表」に基づく支配力を有しています。
なお、Saiseiファンドから支払われるSaisei Capital Ltd.への管理報酬及び成功報酬等は内部取引として連結上消去しています。
② Saiseiファンドに対するリミテッド・パートナーの出資持分
Saiseiファンドは、出資する各リミテッド・パートナーに対して資金拠出の要請(以下「キャピタル・コール」という。)を行います。
(ⅰ)当社以外のリミテッド・パートナーの出資持分
Saiseiファンドは、リミテッド・パートナーシップ・アグリーメントにおいて存続期間が予め定められており、Saiseiファンドに出資する当社以外のリミテッド・パートナー(以下「外部投資家」という。)が保有するSaiseiファンドに対する持分は、分配及び払戻しされることが明記されています。
このため、連結財政状態計算書上「Saiseiファンドにおける外部投資家持分」として負債に計上し、「償却原価で測定する金融負債」に分類しています。
「Saiseiファンドにおける外部投資家持分」は、キャピタル・コールに基づく外部投資家からの払込、外部投資家への分配・払戻し、Saiseiファンドの業績により変動します。
このうち、業績による変動は、連結損益計算書上、「金融収益」または「金融費用」として表示しています。
(ⅱ)当社の出資持分
リミテッド・パートナーとしての当社のSaiseiファンドへの出資は、連結上消去しています。
(1)連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。当社グループがある企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、当該企業に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、当社グループは当該企業を支配していると判断しております。
子会社の財務諸表は、当社グループが支配を獲得した日から支配を喪失する日まで、連結の対象に含めております。
子会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表に調整を加えております。当社グループ間の債権債務残高及び内部取引高、並びに当社グループ間の取引から発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。
非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識しております。
② 共同支配企業
共同支配企業とは、当社グループを含む複数の当事者が経済活動に対する契約上合意された支配を共有し、その活動に関連する戦略的な財務上及び営業上の決定に際して、支配を共有する当事者すべての合意を必要とし、かつ当社グループが当該取り決めの純資産に対する権利を有している企業をいいます。
共同支配企業に対する投資は、当社グループが共同支配を獲得した日から喪失する日まで持分法によって会計処理しております。
共同支配企業が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該共同支配企業の財務諸表に調整を加えております。
(2)企業結合
企業結合は取得法を用いて会計処理しております。取得対価は、被取得企業の支配と交換に譲渡した資産、引き受けた負債及び当社が発行する持分金融商品の取得日の公正価値の合計として測定されます。取得対価、被取得企業のすべての非支配持分及び取得企業が以前に保有していた被取得企業の資本持分の取得日公正価値の総計が識別可能な資産及び引き受けた負債の公正価値を超過する場合は、連結財政状態計算書においてのれんとして計上しております。反対に下回る場合には、直ちに連結損益計算書において純損益として計上しております。
非支配持分を公正価値で測定するか、又は識別可能な純資産の認識金額の比例持分で測定するかについては、企業結合ごとに選択しております。
仲介手数料、弁護士費用、デュー・デリジェンス費用等の、企業結合に関連して発生する取引費用は、発生時に費用処理しております。
(3)外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日の為替レート、又はそれに近似するレートにより当社グループの各社の機能通貨に換算しております。
期末日における外貨建貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで機能通貨に換算しております。
公正価値で測定される外貨建非貨幣性資産及び負債は、当該公正価値の算定日における為替レートで機能通貨に換算しております。
換算又は決済により生じる換算差額は、純損益として認識しております。ただし、その他の包括利益を通じて測定される金融資産については、その他の包括利益として認識しております。
② 在外営業活動体の財務諸表
在外営業活動体の資産及び負債については期末日の為替レート、収益及び費用については平均為替レートを用いて日本円に換算しております。在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しております。在外営業活動体の換算差額は、在外営業活動体が処分された期間に純損益として認識されます。
(4)金融商品
① 金融資産
(ⅰ)当初認識及び測定
当社グループは、金融資産について、純損益又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産、償却原価で測定する金融資産に分類しております。この分類は、当初認識時に決定しております。
当社グループは、金融資産のうち、営業債権及びその他の債権は、これらの発生日に当初認識しております。その他の金融資産は、当該金融資産に関する契約の当事者となった取引日に当該金融商品を認識しております。
すべての金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定される区分に分類される場合を除き、公正価値に取引費用を加算した金額で測定しております。ただし、重大な金融要素を含まない営業債権は、取引価格で測定しております。
金融資産は、以下の要件をともに満たす場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
償却原価で測定する金融資産以外の金融資産は、公正価値で測定する金融資産に分類しております。
公正価値で測定する資本性金融資産については、純損益を通じて公正価値で測定しなければならない売買目的で保有される資本性金融資産を除き、個々の資本性金融資産ごとに、純損益を通じて公正価値で測定するか、その他の包括利益を通じて公正価値で測定するかを指定し、当該指定を継続的に適用しております。
(ⅱ)事後測定
金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
(a)償却原価により測定する金融資産
償却原価により測定する金融資産については、実効金利法による償却原価により測定しております。
(b)公正価値により測定する金融資産
公正価値により測定する金融資産の公正価値の変動額は純損益として認識しております。
ただし、資本性金融資産のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定すると指定したものについては、公正価値の変動額はその他の包括利益として認識しております。その他の包括利益として認識した金額は、認識を中止した場合にその累計額を利益剰余金に振替えており、純損益には振替えておりません。なお、当該金融資産からの配当金については、金融収益の一部として当期の純損益として認識しております。
(ⅲ)金融資産の認識の中止
当社グループは、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅する、又は当社グループが金融資産の所有のリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合において、金融資産の認識を中止しております。
(ⅳ)金融資産の減損
償却原価により測定する金融資産については、予想信用損失に対する貸倒引当金を認識しております。
当社グループは、期末日ごとに各金融資産に係る信用リスクが当初認識時点から著しく増加しているかどうかを評価しており、当初認識時点から信用リスクが著しく増加していない場合には、12ヶ月の予想信用損失を貸倒引当金として認識しております。一方で、当初認識時点から信用リスクが著しく増加している場合には、全期間の予想信用損失と等しい金額を貸倒引当金として認識しております。
契約上の支払の期日経過が30日超である場合には、原則として信用リスクの著しい増大があったものとしております。
なお、金融資産に係る信用リスクが期末日現在で低いと判断される場合には、当該金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していないと評価しております。
ただし、重大な金融要素を含んでいない営業債権については、信用リスクの当初認識時点からの著しい増加の有無にかかわらず、常に全期間の予想信用損失と等しい金額で貸倒引当金を認識しております。
予想信用損失は、契約に従って企業に支払われるべきすべての契約上のキャッシュ・フローと、企業が受け取ると見込んでいるすべてのキャッシュ・フローとの差額の現在価値として測定しております。
金融資産に係る貸倒引当金の繰入額は、純損益で認識しております。貸倒引当金を減額する事象が生じた場合は、貸倒引当金戻入額を純損益で認識しております。
② 金融負債
(ⅰ)当初認識及び測定
当社グループは、金融負債について、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債と償却原価で測定する金融負債のいずれかに分類しております。この分類は、当初認識時に決定しております。
当社グループは、発行した負債証券を、その発行日に当初認識しております。その他の金融負債は、全て、当該金融商品の契約の当事者になる取引日に当初認識しております。
すべての金融負債は公正価値で当初測定しておりますが、償却原価で測定する金融負債については、直接帰属する取引費用を控除した金額で測定しております。
(ⅱ)事後測定
金融負債の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
(a)純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債については、当初認識後公正価値で測定し、その変動については当期の純損益として認識しております。
(b)償却原価で測定する金融負債
償却原価で測定する金融負債については、当初認識後実効金利法による償却原価で測定しております。
実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得及び損失については、金融費用の一部として当期の純損益として認識しております。
(ⅲ)金融負債の認識の中止
当社グループは、金融負債が消滅したとき、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消し、又は失効となった時に、金融負債の認識を中止しております。
③ デリバティブ
デリバティブは、契約が締結された時点の公正価値で当初認識され、その後も公正価値で再測定しております。公正価値の変動は純損益を通じて認識しております。
主契約である非デリバティブ金融商品に組み込まれているデリバティブ(組込デリバティブ)は、組込デリバティブの区分処理の要件を満たす場合には、組込デリバティブを主契約から分離して独立したデリバティブとして会計処理しております。
④ 複合金融商品
当社グループは、新株予約権付社債の発行による収入を、発行条件に基づき負債部分と資本部分に分類しております。発行した新株予約権付社債の分類が負債部分と資本部分の両方を含む場合には、負債部分を資本への転換オプションがない類似の負債の公正価値により測定し、当初認識しております。資本部分は、当該複合金融商品全体の公正価値から負債部分の公正価値を控除した金額で測定し、当初認識しております。直接取引コストは負債部分と資本部分の当初の帳簿価額の比率に応じて配分しております。
当初認識後は、複合金融商品の負債部分は実効金利法を用いた償却原価により測定しております。複合金融商品の資本部分については、当初認識後の再測定は行っておりません。
⑤ 当初認識時の公正価値と取引価格の差額
金融商品の取引価格が取引開始時の公正価値と異なり、その公正価値が同一の資産又は負債についての活発な市場における相場価格の証拠がある場合、又は観察可能な市場からのデータのみを用いた評価技法に基づいている場合には取引価格と公正価値の差額を純損益に認識しております。公正価値が観察不能なインプットを用いて算定されている場合には取引価格と公正価値の差額は繰り延べられ、インプットが観測できるようになったとき、又は当該金融商品の認識を中止したときにのみ純損益に認識しております。
(5)現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。
(6)有形固定資産
有形固定資産については、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用及び解体・除去費用が含まれております。
土地及び建設仮勘定以外の各資産の減価償却費は、それぞれの見積耐用年数にわたり、定額法で計上されております。主要な資産項目ごとの見積耐用年数は以下のとおりであります。
・建物及び構築物 8年~18年
・工具、器具及び備品 4年~15年
なお、見積耐用年数、残存価額及び減価償却方法は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
(7)無形資産
個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定されます。
当社グループは、個別に取得した仕掛中の研究開発投資を、以下の認識要件を満たした場合に資産として認識しております。
・将来の経済的便益をもたらす蓋然性が高いこと
・取得原価について信頼性をもって測定できること
他社から仕掛中の研究開発投資を取得する際の支出(契約一時金及びマイルストン)は、上記の認識要件を満たしているため、無形資産として認識しております。仕掛中の研究開発投資は、規制当局からの販売承認が得られ使用可能となった時点で販売権に振り替え、その見積耐用年数にわたって定額法で償却します。見積耐用年数は、関連する特許権の法的保護期間などを考慮したキャッシュ・フローの予測期間に基づいて決定します。
内部発生の研究費用は発生時に費用として認識しております。内部発生の開発費用は、資産として認識するための基準がすべて満たされた場合に限り無形資産として認識しておりますが、臨床試験の費用等、規制当局からの販売承認を得るまでに発生する内部発生の開発費は、開発に関連する不確実性の要素等を伴い資産計上基準を満たさないと考えられるため、発生時に費用として認識しております。
仕掛中の研究開発投資として計上された無形資産以外の無形資産は、当初認識後の測定は原価モデルを採用しており、それぞれの見積耐用年数にわたって定額法で償却され、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
主要な無形資産の見積耐用年数は以下のとおりであります。
・ソフトウエア 5年
・特許実施権 19年
なお、見積耐用年数、残存価額及び償却方法は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
(8)リース
当社グループは、契約の開始時に当該契約にリースが含まれているか否かを判断しております。リース取引におけるリース負債は、リース開始日におけるリース料総額の未決済分を借手の追加借入利子率で割り引いた現在価値で測定しております。リース負債の測定に際しては、リース要素とこれに関連する非リース要素は分離せず、単一のリース構成要素として認識することを選択しております。リース負債は、リース負債に係る金利を反映するように帳簿価額を増額し、支払われたリース料を反映するように帳簿価額を減額することにより事後測定しております。
使用権資産については、リース負債の当初測定額から当初直接コスト、リース・インセンティブ等を調整し、契約に基づき要求される原状回復義務等のコストを加えた額で当初測定し、リース期間又は使用権資産の耐用年数のいずれか短い方の期間に渡り定額法により減価償却を行っております。
当社グループは、リース期間が12ヶ月以内の短期リース及び少額資産リースについて、使用権資産及びリース負債を認識しないことを選択し、これらのリースに係るリース料をリース期間にわたり定額法により費用として認識しております。
(9)非金融資産の減損
棚卸資産及び繰延税金資産を除く当社グループの非金融資産の帳簿価額は、期末日ごとに減損の兆候の有無を判断しております。減損の兆候が存在する場合は、当該資産の回収可能価額を見積っております。未だ使用可能ではない無形資産については、減損の兆候の有無にかかわらず回収可能価額を毎年同じ時期に見積っております。
資産又は資金生成単位の回収可能価額は、使用価値と売却費用控除後の公正価値のうちいずれか大きい方の金額としております。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産に固有のリスクを反映した税引前割引率を用いて現在価値に割引いております。減損テストにおいて個別にテストされない資産は、継続的な使用により他の資産又は資産グループのキャッシュ・インフローから、概ね独立したキャッシュ・インフローを生成する最小の資金生成単位に統合しております。
当社グループの全社資産は、独立したキャッシュ・インフローを生成いたしません。全社資産に減損の兆候がある場合、全社資産が帰属する資金生成単位の回収可能価額を決定しております。
減損損失は、資産又は資金生成単位の帳簿価額が見積回収可能価額を超過する場合に純損益として認識しております。過去に認識した減損損失は、毎期末日において損失の減少又は消滅を示す兆候の有無を評価しております。回収可能価額の決定に使用した見積りが変化した場合は、減損損失を戻入れております。減損損失は、減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費及び償却額を控除した後の帳簿価額を上限として戻入れております。
(10)従業員給付
短期従業員給付は、割引計算を行わず、従業員が関連するサービスを提供した時点で費用として認識しております。短期従業員給付に係る債務は、支払いを行う法的債務又は推定的債務を有し、信頼性のある見積りが可能になった時点で認識しております。
(11)株式に基づく報酬
当社は、持分決済型の株式に基づく報酬制度として、ストック・オプション制度を採用しております。ストック・オプションは、付与日における公正価値によって見積り、最終的に権利確定すると予想されるストック・オプションの数を考慮した上で、権利確定期間にわたって費用として連結損益計算書において認識し、同額を連結財政状態計算書において資本剰余金の増加として認識しております。付与されたオプションの公正価値は、オプションの諸条件を考慮し、ブラック・ショールズ・モデル等を用いて算定しております。また、条件については定期的に見直し、必要に応じて権利確定数の見積りを修正しております。
(12)引当金
引当金は、過去の事象の結果として、当社グループが、現在の法的又は推定的債務を有しており、当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に認識しております。貨幣の時間的価値が重要な場合には、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及び当該負債に特有のリスクを反映した税引前の利率を用いて現在価値に割引いております。時の経過に伴う割引額の割戻しは金融費用として認識しております。
(13)収益
当社グループは、以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:企業が履行義務の充足時に収益を認識する
当社グループは、医薬品事業において実施許諾契約等に基づく契約一時金及びマイルストン収入を収益として認識しております。医薬品事業における実施許諾契約等に基づく契約一時金及びマイルストン収入については、契約における履行義務が一時点で充足される場合には、対価として受領した契約時の一時金及びマイルストン収入を一時点で収益として認識しております。一方、履行義務が一定期間にわたり充足される場合には、当該対価を契約負債として計上し、個々の契約ごとに決定した進捗度の測定方法に基づき実施許諾契約期間等の一定期間にわたって収益として認識しております。なお、マイルストン収入は、事後に重大な戻入れが生じる可能性を考慮し、契約上定められたマイルストンが達成された時点から収益として認識しております。
実施許諾契約における対価は、マイルストン達成時の契約に基づく合意時点から主として1年以内に受領しております。
(14)法人所得税
法人所得税費用は、当期税金及び繰延税金から構成されております。これらは、その他の包括利益又は資本に直接認識される項目から生じる場合、及び企業結合から生じる場合を除き、純損益として認識しております。
当期税金は、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付が予想される金額で測定しております。税額の算定に使用する税率及び税法は、期末日までに制定又は実質的に制定されているものであります。
繰延税金は、期末日における資産及び負債の税務基準額と会計上の帳簿価額との差額である一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除に対して認識しております。
なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産及び負債を計上しておりません。
・のれんの当初認識から生じる将来加算一時差異
・企業結合取引ではなく、取引時に会計上の利益にも税務上の課税所得(欠損金)にも影響を与えず、かつ、取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引から発生する資産及び負債の当初認識により生じる一時差異
・子会社に対する投資及び共同支配の取決めに対する持分に係る将来減算一時差異に関しては、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合、又は当該一時差異の使用対象となる課税所得が稼得される可能性が低い場合
・子会社に対する投資及び共同支配の取決めに対する持分に係る将来加算一時差異に関しては、一時差異の解消する時期をコントロールすることができ、予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金負債は原則としてすべての将来加算一時差異について認識され、繰延税金資産は将来減算一時差異を使用できるだけの課税所得が稼得される可能性が高い範囲内で、すべての将来減算一時差異について認識しております。
繰延税金資産の帳簿価額は毎期見直され、繰延税金資産の全額又は一部が使用できるだけの十分な課税所得が稼得されない可能性が高い部分については、帳簿価額を減額しております。未認識の繰延税金資産は毎期見直され、将来の課税所得により繰延税金資産が回収される可能性が高くなった範囲内で認識しております。
繰延税金資産及び負債は、期末日において制定されている、又は実質的に制定されている税率及び税法に基づいて、資産が実現する期間又は負債が決済される期間に適用されると予想される税率及び税法によって測定しております。
繰延税金資産及び負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有しており、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合又は別々の納税主体であるものの当期税金負債と当期税金資産とを純額で決済するか、あるいは資産の実現と負債の決済を同時に行うことを意図している場合に相殺しております。
(15)1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期損益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しております。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整して計算しております。
(16)株主資本
普通株式
当社が発行した資本性金融商品は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上し、直接発行費用は資本剰余金から控除しております。
(17)自己株式
自己株式は取得原価で評価され、資本から控除しております。当社の自己株式の購入、売却又は消却において利得又は損失は認識しておりません。なお、帳簿価額と売却時の対価との差額は資本として認識しております。
(18)Saisei Bioventures, L.P.に関する重要性がある会計方針
① 当社によるSaisei Bioventures, L.P.の連結
当社は、Saisei Bioventures, L.P.(以下「Saiseiファンド」という。)を以下の理由により連結しています。
当社は、ゼネラル・パートナーであるSaisei Capital Ltd.(当社連結子会社)を通じて、Saiseiファンドの投資の意思決定を行い、Saiseiファンドに対するパワーを有しています。また、Saisei Capital Ltd.が成功報酬を受け取り、当社はリミテッド・パートナーに帰属する投資成果に応じた配分をリターンとして受け取ります。当社はSaiseiファンドに対するパワーを通じ、当該リターンに影響を及ぼす能力を有していることからSaiseiファンドに対しIFRS第10号「連結財務諸表」に基づく支配力を有しています。
なお、Saiseiファンドから支払われるSaisei Capital Ltd.への管理報酬及び成功報酬等は内部取引として連結上消去しています。
② Saiseiファンドに対するリミテッド・パートナーの出資持分
Saiseiファンドは、出資する各リミテッド・パートナーに対して資金拠出の要請(以下「キャピタル・コール」という。)を行います。
(ⅰ)当社以外のリミテッド・パートナーの出資持分
Saiseiファンドは、リミテッド・パートナーシップ・アグリーメントにおいて存続期間が予め定められており、Saiseiファンドに出資する当社以外のリミテッド・パートナー(以下「外部投資家」という。)が保有するSaiseiファンドに対する持分は、分配及び払戻しされることが明記されています。
このため、連結財政状態計算書上「Saiseiファンドにおける外部投資家持分」として負債に計上し、「償却原価で測定する金融負債」に分類しています。
「Saiseiファンドにおける外部投資家持分」は、キャピタル・コールに基づく外部投資家からの払込、外部投資家への分配・払戻し、Saiseiファンドの業績により変動します。
このうち、業績による変動は、連結損益計算書上、「金融収益」または「金融費用」として表示しています。
(ⅱ)当社の出資持分
リミテッド・パートナーとしての当社のSaiseiファンドへの出資は、連結上消去しています。