有価証券報告書-第20期(令和2年7月1日-令和3年6月30日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは「社員の生活を守り、且つ社会に貢献する」の経営理念のもと、「顧客起点」を企業理念の中核としてサービスを提供しております。変化の激しい経営環境にあって、中期経営方針を「付加価値の追求と変化対応への取り組みから、経営の安定成長を目指す」として、事業に取り組んでおります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、事業の発展を通じて、企業価値の継続的向上を目指しております。売上高成長率、営業利益率および経常利益率の向上、1株当たり当期純利益の向上に努めてまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
次の戦略で、中期経営方針の実現をめざします。
①5つの基本的な事業戦略
・リノベーション(既存事業の改革による事業基盤の強化・安定化)
・イノベーション(自社商品を軸とした新しい価値創造)
・競合から協業へ(協業による事業拡大)
・開発からサービスへ(サービス視点での事業拡大)
・人材調達・人材育成(採って育てる)
②「分散(部分最適)と集中(全体最適)」の組織戦略
・カンパニー制による部分最適の推進(変化対応・専門特化・経営者育成)
・本部制/営業統括機能による全体最適の推進(統制・統括・コラボレーション)
③今後の具体的なビジネス展開
「事業基盤の安定化」と「成長要素の強化」の2軸に力を入れてまいります。
「事業基盤の安定化」
・経営資源を成長分野で且つ得意領域の分野に傾斜配分
・安定収益基盤で成長著しい運用サポート事業を拡充
「成長要素の強化」
・システムレジリエンス思想によるセキュリティ商品のファミリー化と拡販、同思想に基づき、WebARGUSの機能向上並びにIoT版WebARGUSの適用領域の拡大、外部サイバーセキュリティ企業との協業によるトータルサイバーセキュリティサービスの提供
・Excel業務イノベーションプラットフォームである「xoBlos」や各種RPAやERP製品とシームレスに連携する機能を備えた商品などの販売促進
・新たな自社商品への開発投資
(4)経営環境
わが国経済全般については、2021年7月に内閣府より「先行きについては、感染拡大の防止策を講じ、ワクチン接種を促進するなかで、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、持ち直しの動きが続くことが期待される。ただし、感染の動向が内外経済に与える影響に十分注意する必要がある。また、金融資本市場の変動等の影響を注視する必要がある。」という先行き見通しが出されています。
当社が属する情報サービス産業では、AI、IoT、RPA等新分野の進展により、DXの動きの広がりが見えていましたが、コロナ禍によるニューノーマルな社会ではデジタル化の重要性はより一層高まりました。また、2021年9月にはデジタル庁の設置が予定されており、官民挙げてのデジタル化の流れが加速していくことが想定されるため、引き続き底堅いIT投資が期待されます。こうした動きを裏付けるように、2021年7月の日銀短観においても、ソフトウェア投資額の計画が全産業平均で前年度比14.7%増加するなど、企業におけるソフトウェア投資意欲は減退することなく、今後も増加傾向が続いていくと想定されています。
一方、国内外でワクチン接種が進む中においても、変異株によるコロナウイルス感染者数の増加もみられ、コロナ収束にはまだ時間がかかることが想定されます。コロナ禍により影響を受けている顧客の動向も注視しながら、当社事業への影響を最小化できるよう慎重に臨みつつ、こうした先行き不透明な状態が続く時代であるからこそ、当社の強みである変化対応力をより活かしていく必要があります。
(5)会社の対処すべき課題
当社グループは経営の安定化と成長性を目指すために、次の課題を継続的に対処してまいります。
①収益力の強化について
付加価値の追求と変化対応への幅広い取り組みにより、現業の業容拡大を図ってまいります。また、市場ニーズに対応した商品を継続的に開発販売することにより、技術者数に依存しない新たな高収益モデルを確立してまいります。
②人材の確保と育成について
当社の継続的な発展を実現するためには、優秀な人材の確保が必要であると認識しております。しかしながら少子化が進むなか、首都圏では新卒・即戦力である中途採用及び協力会社からの技術者確保が現状厳しくなっております。
このような状況のなか、当社は地方拠点(松山市、仙台市)の活用により、地元志向の優秀な人材を採用・育成し、あらゆる仕事に対応するIT多目的センターを構築しております。
また、当社は社員満足度向上への取り組みを進めて社員の定着に努めてまいります。併せて、協力会社との紐帯強化により、優秀な外注要員の安定的な調達も図ってまいります。
③価格競争への対応について
顧客のコスト競争力の追求は依然として続いており、国内市場の競争は厳しさを増しております。当社は、顧客の求めるQCD(*1)を提供することで、顧客満足度を上げる取り組みを行っております。そのなかで、技術者の付加価値を向上させ、顧客にとって無くてはならない立ち位置を築き、価格競争に巻き込まれない対応を図ってまいります。
一方、地方拠点を活用した「高度ニアショア開発」(*2)により、低価格競争への対応も図ってまいります。
(*1)顧客の求めるQCDとは、高品質(Quality)、低価格(Cost)、短納期(Delivery)を意味します。
(*2)「高度ニアショア開発」とは、国内の地方拠点において、付加価値の高い技術者集団によって行うコストパフォーマンスの高い開発方式です。
④内部管理体制の強化について
継続的な成長を続けることができる企業体質の確立に向けて、リスク管理や業務運営効率化のための内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。業容の拡大に合わせ、内部統制システムの適切な運用と整備を推進し、経営の公正性・透明性を確保するため、引き続き体制強化に取り組んでまいります。
⑤プロジェクトマネジメントの強化について
不採算案件抑制の取組みとして、一定規模以上の案件を対象に、開発プロセスの重要なフェーズごとにプロジェクトレビューを実施し、リスクの早期発見、不採算案件の抑制及び継続的な品質向上に努めてまいります。また、プロジェクトマネジメント推進部を設置運営し、プロジェクト開発における実行可能性検証、進捗管理、品質管理、リスク管理等全般を統括し、収益性と顧客満足度の向上を図ってまいります。
⑥景気動向に影響されない収益基盤の確立について
ソフトウェア開発事業においては、主な顧客と定期的な情報交換を行うことで、安定的な仕事の確保を行い、景気動向に左右されにくい収益基盤の構築を図ってまいります。
また、景気の変動を受けにくい運用サポート事業や維持保守業務(*3)の領域に注力し、業務知識の深耕と顧客に寄り添った行動を進め、顧客の信頼を獲得することで事業の拡大を図ってまいります。
(*3)維持保守業務とは、開発後にシステムを安定稼働させるため継続的に障害対応や機能改善を行う業務です。