有価証券報告書-第61期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/23 15:07
【資料】
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【項目】
105項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や企業収益の改善等を背景に景気は緩やかな回復基調を維持しているものの、中国をはじめとした新興国の景気下振れリスク、英国のEU離脱問題、米国の新政権の政策動向に加え、北朝鮮問題等の地政学的リスクも高まっており、先行き不透明な状況が続いております。
超硬工具業界におきましては、上記のような経済の状況を受け、業界全体の出荷額が3,322億円(対前年度比135億円減・3.9%減)と平成27年度を下回りましたが、当社製品の主な市場であります超硬耐摩耗工具の出荷額は379億円(対前年度比6億円増・1.6%増)と平成27年度を上回りました。
こうした状況のなか、当社グループは「革新」の年度方針のもと、高品質・低コスト・短納期・充実したサービスの向上に努めてまいりました。また、持続的な成長を目指し、①業務の効率化による収益率の向上、②海外売上の拡大・国内市場の深耕、③成長分野への注力に取り組んでおり、その一環として熊本製造所製造棟の建替えを行い、平成28年11月より新工場での稼動を開始いたしました。なお、当社は平成29年4月12日に東京証券取引所市場第一部へ市場変更いたしました。今後も株主の皆様のご期待にお応えすべく、事業の成長、企業価値の向上を目指し、また事業を通じて社会に貢献してまいります。
超硬製工具類では、国内向けの大型パイプ用ダイスや海外向けの溝付きプラグ、生産設備用の刃物類が市況の変化により低調であったものの、海外向けの熱間圧延ロールや混錬工具の販売が増加し、売上高は4,523百万円(前連結会計年度比8.0%増)となりました。
超硬製金型類では、製缶金型が好調に推移したものの、電池関連金型の販売が計画を下回る等、売上高は4,101百万円(前連結会計年度比0.8%減)となりました。
その他の超硬製品では、粉末成形金型用の超硬合金チップや精密プレス金型用の超硬合金チップが引き続き堅調に推移したことにより、売上高は3,698百万円(前連結会計年度比3.5%増)となりました。
超硬以外の製品では、半導体用のセラミックス製品およびレンズ成形用のFHR製品が前年度特需の反動減により低調となったものの、半導体用の混錬工具や引抜鋼管が堅調に推移したことにより、売上高は4,324百万円(前連結会計年度比3.9%増)となりました。
その結果、当連結会計年度の売上高は16,648百万円(前連結会計年度比3.7%増)となりました。利益につきましては、営業利益は売上高の増加等により1,161百万円(前連結会計年度比20.6%増)、経常利益は為替差損の減少等により1,194百万円(前連結会計年度比24.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は855百万円(前連結会計年度比16.7%増)となりました。
なお、当社グループは耐摩耗工具関連事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ76百万円減少し、6,506百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは税金等調整前当期純利益1,111百万円、減価償却費1,007百万円の計上などにより2,289百万円の収入(前年同期は1,286百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは有形固定資産の取得による支出1,782百万円などにより1,866百万円の支出(前年同期は907百万円の支出)となりました。この結果、フリー・キャッシュ・フローは423百万円の収入(前年同期は378百万円の収入)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは配当金の支払額440百万円などにより471百万円の支出(前年同期は551百万円の支出)となりました。