有価証券報告書-第11期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/24 11:00
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(1)業績等の概要
① 業績
第11期事業年度(自 平成30年4月1日 至 平成31年3月31日)
当事業年度における我が国経済は、中国経済の減速等により輸出や生産の一部に弱さが見られるものの、設備投資の増加等により緩やかな景気回復が続いております。また世界経済については、通商問題の動向、中国経済の先行き、政策に関する不確実性などによる景気減速リスクには引き続き留意が必要な状況にあります。
このような経営環境のもと、当社におきましては、①システムの安定的運用とサービス向上、②「総合物流情報プラットフォーム」の構築、③次期(第7次)NACCSの開発、④新技術の調査と実用化に向けた検討、⑤新規事業、⑥経営基盤の強化、⑦企業の社会的責任(CSR)、⑧株主還元という8つの重点計画を策定して事業運営に取り組んでまいりました。また一方で、一般競争入札の徹底や経費の節減等効率的な経営にも努めた結果、当事業年度の売上高は、8,070百万円(前事業年度比8.7%減)、営業利益は964百万円(同25.6%増)、経常利益は803百万円(同20.2%増)、当期純利益は495百万円(同16.7%増)となりました。
各取組の詳細は以下のとおりであります。
イ システムの安定的運用とサービス向上
(イ)本事業年度は、システム障害の予兆となり得る事象・現象の段階で横並び点検を行うなどプロアクティブ・マネジメントを実施し、システム障害の発生を未然に防ぐなど、24時間365日、システムの安定運用に努めた結果、システム稼働率は100%(計画的な停止を除きます。)を維持いたしました。
また、平成30年11月から12月にかけて、「システム総点検」を行い、システムが安定的に稼働するよう、保守・運用に努めてまいりました。
その他、平成30年4月、7月及び11月には「災害対応訓練」、過去の大規模なシステム障害の教訓から同年12月には「システム障害発生時の対応訓練」を実施し、システム障害や大規模災害等によるシステム停止に対し、システムの迅速な復旧を確保できるよう努めてまいりました。
(ロ)ヘルプデスクでは、お客様からのお問い合わせに24時間365日で対応いたしました。
また、お客様のニーズを把握し、サービスの向上を図るため、平成30年4月から5月及び11月から12月にかけて全国16地区、計32回、NACCS地区協議会を開催したほか、NACCSの操作方法や機能などを説明する講習会を81回、開催いたしました。
NACCS地区協議会委員様宛に「NACCS地区協議会通信」をメール配信し、NACCS関連情報を随時ご提供するとともに、ヘルプデスク及びNACCS掲示板の改善に向けたアンケート調査結果を踏まえ、お問い合わせフォームの変更及びヘルプデスクの混雑予想カレンダーの掲載等、NACCS掲示板の改善を実施いたしました。
(ハ)NACCSは、官民共同利用システムであり、多くのお客様にNACCSを利用していただくことが国際物流の効率化と進展につながることから、関係省庁とも連携をとりつつ、国際物流に携わる方々に対して加入促進を図るとともに、NACCS既存業務及び新規事業についての営業体制強化及び社内の連携強化を図るため、7月に営業企画部を新設しました。
(ニ)平成31年3月末現在、NACCS参加事業所数は海上11,691事業所、航空7,938事業所となり、平成30年3月末時点と比べて海上で764事業所、航空で781事業所増加しております。(なお、「海空共用」の事業所は、海上及び航空の両事業所に含めております。)
ロ 「総合物流情報プラットフォーム」の構築
最新技術の動向及び物流情報化の進展を踏まえつつ、新規事業の推進による周辺サービスの拡大を図ることで、港湾・空港における利便性・信頼性・経済性の高い効率的な「総合物流情報プラットフォーム」を構築するため、次期(第7次)NACCSの開発をはじめシングルウィンドウシステムとしての機能向上、多角的サービスの提供等の取組みを推進いたしました。
ハ 次期(第7次)NACCSの開発
お客様のニーズ把握を目的とするお客様へのヒアリングの結果を踏まえつつ、次期(第7次)NACCSの基本コンセプトについて取り纏めを行いました。また、平成31年3月の第11回情報処理運営協議会において、次期(第7次)NACCS更改専門部会を設置することについての了承を得ました。
ニ 新技術の調査と実用化に向けた検討
当社のコア事業戦略であるシステムの安定運用とサービスの向上や、より利便性の高い「総合物流情報プラットフォーム」の構築、次期(第7次)NACCSの開発等に資する取組みとして、AI・IoT 等の先端技術に関するセミナー等へ参加して情報収集を行うとともに、ベンダー企業等との意見交換を通じて、AI・IoT等の先端技術についての調査を行ってまいりました。
ホ 新規事業
(イ)NACCSで処理した情報を利用した情報提供等サービス(NACCS-i)のうち、お客様の通関実績等のデータを収集・分析した結果を提供する「業務状況等分析業務(輸出入申告訂正情報の分析サービス)」についてマーケティング活動を実施いたしました。
(ロ)NACCSを利用している通関業者様を対象に、日々の業務の中で発生する輸出入許可通知情報等をはじめとする通関関係書類を、NACCSにて電子的に管理及び長期保管することができる「貿易関連書類電子保管業務」のシステム開発を開始いたしました。
(ハ)ミャンマーにおけるNACCS型貿易関連システム(MACCS)のヤンゴン港での運用改善とミヤワディ地区への地方展開に関する技術支援を実施し、平成30年6月にはミヤワディ地区においてもMACCSが稼働いたしました。
その他、平成30年12月にJICAより公示された「ASEANシングルウィンドウ調査」に係る案件についてサポート役として参画し、調査を実施しております。
(ニ)平成30年5月にシンガポールで開催されたPAA会合に参加し、当社からNACCSの近況等について報告するとともに、各メンバー間での連携について意見交換を実施しました。また、同年11月には大阪にて同会合を開催いたしました。
平成30年6月には、ペルーで開催されたWCO IT Conference等の場を活用し、NACCSの広報活動を行うとともに、各国からの参加メンバーが提供しているサービス等の情報収集を行ってまいりました。
ヘ 経営基盤の強化
(イ)重要な経営判断と業務執行の監督を行う取締役会(社外取締役2名を含む)と、取締役会から独立した監査役会、さらには取締役会の諮問機関である第三者委員会の「経営諮問委員会」により、経営の適法性・妥当性が確保されるコーポレート・ガバナンスの実現に努めてまいりました。
(ロ)お客様に信頼していただける会社であり続けるため、社員一人ひとりが、法令はもとより社内規程や企業倫理等を遵守するよう、社員研修の充実等コンプライアンスの徹底に取り組んでまいりました。
(ハ)調達手続の透明性を確保し、コストの削減に努めるとともに、経営の効率化を図り、安定的な経営の維持及び向上に努めてまいりました。
(ニ)安定的収益を確保しつつ経済性の高いシステムとなるよう、多角的な観点から利用料金の見直しを検討いたしました。
(ホ)平成26年8月に災害対策基本法に基づく指定公共機関に指定されたことを踏まえ、万一大規模災害が発生した場合であっても、NACCSの早期復旧を図れるよう、平成30年4月、7月及び11月に災害対応訓練を実施するなど、万全な対応に努めてまいりました。
また、当社を取り巻くリスクについて、的確に把握するとともに定期的に見直しを行い、リスク管理の徹底に努めてまいりました。
(ヘ)定期的にセキュリティ監査や自己点検を実施するとともに、情報セキュリティに関する意識の向上及び知識の習得を図るための研修を実施する等、情報セキュリティの強化に努めてまいりました。
(ト)システムの安定運用や新規事業の推進のためには、社員の能力を向上させ、最大限発揮していくことが必要不可欠なことから、システムの専門知識を有する社員、貿易・物流実務に精通した社員及びグローバルに活躍できる社員を育成するため、研修の充実に努めてまいりました。
また、仕事と子育ての両立を図るための研修を実施する等、女性社員の活躍推進に取り組んでまいりました。
(チ)当社ホームページ等、当社の業務内容に関する積極的な情報公開を行ってまいりました。また、提供する情報について、拡充を図ってまいりました。
(リ)情報処理運営協議会、NACCS地区協議会をはじめとしたお客様との定期会合等を活用し、社会ニーズの把握に努めてまいりました。
ト 企業の社会的責任(CSR)
NACCSによる電子化等を通じたペーパーレス化の推進によるCO₂の削減はもとより、災害対策基本法に基づく指定公共機関としての国や地方自治体との連携強化や、事業所周辺の清掃活動等による地域への貢献活動を実施してまいりました。
チ 株主還元
株主との建設的な対話を通じて、NACCSの安定運用とサービスの向上に努めるとともに、配当を含めた株主の負託にも応えられる企業を目指し、NACCSと親和性の高い新規事業等の実施・検討を進めるなど、持続的な成長を通じた中長期的な企業価値の向上に努めてまいりました。
② キャッシュ・フローの状況
第11期事業年度(自 平成30年4月1日 至 平成31年3月31日)
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ1,019百万円減少し、4,284百万円となりました。
当事業年度末における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は4,550百万円(前事業年度は3,044百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は2,493百万円(前事業年度は1,582百万円の収入)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は3,076百万円(前事業年度は2,618百万円の支出)となりました。
(2)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。
② 受注実績
受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
③ 販売実績
当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。
業務の種類当事業年度
(自 平成30年4月1日
至 平成31年3月31日)
前年同期比(%)
本来業務(百万円)7,99692.3
目的達成業務(百万円)7240.8
その他(百万円)151.3
合計(百万円)8,07091.3

(注)1.当社の事業セグメントは、電子情報処理組織の運営に関する業務のみの単一セグメントとしているため、セグメント別の記載に代えて、当社が提供する業務の種類別の販売実績を記載しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前事業年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
当事業年度
(自 平成30年4月1日
至 平成31年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
東京税関4,07746.13,70145.9

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項については、本書提出日現在において判断したものであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当事業年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前事業年度末の数値で比較を行っております。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。なお、この財務諸表の作成にあたっては、一部の箇所に過去の実績や状況等を基に、合理的と考えられる見積り及び判断を用いておりますが、実際の結果は見積りの不確実性によりこれらの見積りと異なる可能性があります。
② 財政状態の分析
第11期事業年度(自 平成30年4月1日 至 平成31年3月31日)
イ 資産の部
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ985百万円減少し、19,133百万円となりました。
流動資産は、主として現金及び預金、未収消費税等の減少により、前事業年度末に比べ2,075百万円の減少となりました。
固定資産は、主として投資有価証券の増加により、前事業年度末に比べ1,089百万円の増加となりました。
ロ 負債の部
当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ1,436百万円減少し、12,745百万円となりました。
流動負債は、主としてリース債務及び未払金、未払消費税等の増加により、前事業年度末に比べ710百万円の増加となりました。
固定負債は、主としてリース債務及び長期未払金の減少により、前事業年度末に比べ2,147百万円の減少となりました。
ハ 純資産の部
当事業年度末の純資産合計は、利益剰余金の増加により、前事業年度末に比べ450百万円増加し、6,388百万円となりました。
③ 経営成績の分析
第11期事業年度(自 平成30年4月1日 至 平成31年3月31日)
イ 売上高
当事業年度の売上高は、前事業年度に比べ773百万円減少し、8,070百万円となりました。これは主として国からのシステム使用料の減少によるものであります。
ロ 売上原価、販売費及び一般管理費
当事業年度の売上原価、販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ969百万円減少し、7,106百万円となりました。これは主として売上原価を構成する減価償却費の減少によるものであります。
ハ 営業外損益
当事業年度の営業外収益は、前事業年度に比べ1百万円減少し、5百万円となりました。営業外費用は、前事業年度に比べ59百万円増加し、167百万円となりました。これは主としてリース債務の増加に伴う支払利息の増加によるものであります。
ニ 当期純損益
以上の結果、当事業年度の当期純利益は、前事業年度に比べ70百万円増加し、495百万円となりました。
④ キャッシュ・フローの状況の分析
第11期事業年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析については次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は4,550百万円(前事業年度は3,044百万円の収入)となりました。これは主に減価償却費2,408百万円、未収消費税1,033百万円の計上によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は2,493百万円(前事業年度は1,582百万円の収入)となりました。これは主に投資有価証券の取得による支出2,000百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は3,076百万円(前事業年度は2,618百万円の支出)となりました。これは主にリース債務返済による支出1,081百万円及び割賦債務の返済による支出1,950百万円によるものであります。
⑤ 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の経営成績に重要な影響を与える要因としては、国内外の経済状況に伴う国際物流の動向のほか、自然災害及びシステム障害の発生、新規事業の展開等があります。
国内外の経済状況による国際物流の動向については、景気動向によりNACCS利用件数が減少した場合は当社のNACCS利用料収入が減少する恐れがありますが、現状は主にアジア向けの輸出で弱さが見られるものの設備投資の増加等により緩やかな景気回復が続いております。しかし、今後、国内消費増税影響やオリンピック・パラリンピックの影響等は不透明であり、AI・IoTといった先端技術の導入による産業構造の変化による影響も引き続き留意が必要であると認識しています。このような状況の中、当社は最新技術の動向を踏まえつつ、業務運営の効率化・適切なNACCS利用料金の設定等により経営の安定性を確保し、NACCSを通じて国際貿易と国際物流の発展に寄与してまいります。
自然災害及びシステム障害の発生については、NACCS利用料収入の減少などの影響が考えられますが、業務継続計画(BCP)を必要に応じて見直し、大規模災害対策訓練を実施するなどの対応を行うとともに、システム障害の発生についても、ハードウェア等の定期点検を実施するほか、バックアップセンター運用を含め、万一の際のNACCSの早期復旧体制を維持してまいります。
新規事業の展開については、外部環境の変化等により、サービス提供開始時期の変更や予定売上が未達成となる可能性もありますが、持続的な成長により中長期的な企業価値を向上することは重要な経営課題と認識しております。このため、新規事業のリスク分析や事前調査を外部の知見も活用して丁寧に行い、さらに、新規事業の推進やシステムの安定運用に社員の能力向上も重要との観点から、人材育成、組織の活性化を図ってまいります。
⑥ 資本の財源及び資金の流動性
当社の資金需要は主に大きく分けて運転資金需要と設備資金需要の二つがあります。運転資金需要のうち主なものはシステム運営管理費等の営業費用によるものであります。また、設備資金需要としましては、主にNACCSのソフトウェアへの投資によるものであります。
当社は現在、資金調達について自己資金の他、リース及び割賦取引で賄っており、流動性については資金収支見込みを作成して管理しております。

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