有価証券報告書-第10期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/29 10:34
【資料】
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【項目】
102項目
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、“「がん」だけを見ることなく、「がん患者」の全体を診ることにより、安心して身内のがん患者に勧められる治療法を提供すること”を企業理念としております。
この企業理念の実現のため、当社は、独自の「モジュール創薬」に基づく、抗がん剤の研究開発を行います。モジュール創薬は、既存の抗がん剤等を「モジュール」(構成単位)として利用し、創意工夫(用法用量・結合様式等)を加えて「アセンブリ」(組み立て)することで臨床上の有効性と安全性のバランスを向上させた新規抗がん剤を創製する方法です。
当社は、「モジュール創薬」に基づき創製した新規抗がん剤の上市により、がん患者のQOL(Quality Of Life)向上に寄与することを目指しております。
(2)目標とする経営指標
当社は、新規抗がん剤の上市を目指して研究開発を先行して行う創薬ベンチャー企業であり、現時点における主な収入はライセンス契約締結による契約一時金やマイルストーンによるものであり、製品売上により利益を安定的に計上するステージにはありません。
当面の経営管理上の課題は、抗がん剤の早期上市に向けて、開発パイプラインを計画通り推進すること、新規開発化合物の探索により開発パイプラインを充実すること、そして保有する各パイプラインについて提携パートナーを開拓してライセンス契約を締結することです。
従いまして、当社は、ROAやROEといった経営指標を目標とはせず、開発パイプラインの進捗に応じた収入に目標をおいて事業活動を推進しております。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社の中長期における最重要課題は、新規抗がん剤の研究開発を着実に推進すると共に、提携パートナーを開拓してライセンス契約を締結し、承認を取得して製品販売による安定的な収益源を確保することです。
当社の開発パイプラインは、DFP-10917、DFP-11207、DFP-14323及びDFP-14927が臨床試験段階にあり、また、DFP-17729及びDFP-10825も臨床試験に向けた準備を進めておりますので、日本国内やアジア、欧米などの各地域での提携パートナーとライセンス契約を締結し、それぞれの地域において承認を取得していく予定です。新型コロナウイルス感染症により、日米で進行及び計画中の臨床試験に影響が及ぶ場合は、日米における治験施設の拡大に加えて、アジア及び欧州での臨床試験を検討して対応してまいります。また、開発パイプライン充実に向けた探索研究も継続的に実施してまいります。創薬ベンチャーである当社にとっては、これらの研究開発を並行して行っていくために、研究開発体制の強化と研究開発資金の調達が不可欠であります。
従いまして、当社は、日本の提携先に留まらず、グローバルの製薬会社等とのライセンス契約締結による契約一時金及びマイルストーンによる収入とともに、必要に応じて、投資家からの資金調達を行いながら、研究開発を推進していく方針です。
(4)会社の対処すべき課題
当社は、「モジュール創薬」により、安心して身内のがん患者に勧められる治療法を提供することを目指しています。このような背景の下で、当社は、次の対処すべき課題に取り組んでまいります。
① DFP-10917の開発推進
DFP-10917は、米国における臨床第Ⅲ相試験の症例登録、並びに治験施設をさらに拡大しました。一部の医療機関では新型コロナウイルス感染拡大に係る臨床試験への影響がでましたが、影響の少ない地域の医療機関では臨床試験を継続しています。また、日本における独占的開発及び販売のライセンス契約を締結している日本新薬㈱に対して、臨床第Ⅰ相試験の支援を継続してまいります。なお、日本以外のテリトリーについては、米欧並びにアジアの提携パートナーと協議を開始しており、再発・難治性急性骨髄性白血病の治療においてグローバル展開を目指してまいります。
② DFP-14323の開発推進
DFP-14323は日本国内における臨床第Ⅱ相試験の症例登録を、関西地区の主要基幹病院9施設において順調に進めた結果、2020年3月に予定の症例登録を完了しました。登録した全症例の病勢コントロール率に基づく効果判定を経て、臨床第Ⅲ相試験(大規模比較試験)の準備を進めると共に、DFP-14323に関心を示している中国の製薬企業との協議を継続してまいります。
③ DFP-10917及びDFP-14323以外の開発推進
当社は、DFP-10917及びDFP-14323以外に、DFP-11207、DFP-14927、DFP-17729及びDFP-10825などの複数の開発品を保有しております。DFP-11207については、米国において臨床第Ⅱ相試験の準備を進めており、日米欧並びにアジアにおける提携パートナーの確保を目指してまいります。DFP-14927については、米国において前期第Ⅱ相試験に相当する拡大試験を含んだ臨床第Ⅰ相試験を開始し、症例登録を順調に進めております。また、既存薬からなるDFP-17729については、2020年3月に日本ケミファ㈱とライセンス契約を締結し、国内における臨床試験の準備を進めてまいります。更に、核酸医薬のDFP-10825については、臨床第Ⅰ相試験の開始に向けた治験薬の準備および前臨床試験を進め、国内外の会社から支援を受けながら更なる開発を進めてまいります。これら複数の開発品を世界の主要国において承認を取得するためには、臨床試験を実施するための開発体制の強化と開発資金の確保が課題となります。このため、当社は提携パートナーの獲得を目指しながら、公募増資で調達した資金を計画的に投入して開発の推進を図ってまいります。
④ 開発パイプラインの充実
当社は、「モジュール創薬」により新しい抗がん剤候補化合物の探索研究を行っており、これらの候補化合物を開発パイプラインに載せられる段階まで推進するためには、開発資金の確保が課題となります。
⑤ 財務体質の強化
当社は、多額の研究開発費が先行して必要となるため、継続的な営業損失が発生するとともに営業キャッシュ・フローもマイナスとなる傾向があります。そのため、財務体質の強化が課題となります。今後は、ライセンス契約の締結を始めとした国内外のパートナーとの提携、研究開発活動の適切なコントロールに加え、株式市場や金融機関からの資金調達等により、更なる財務体質の強化に努める方針です。
⑥ 人材の獲得
当社は、研究開発のマネジメント業務に特化し、外注会社を有効活用することにより、小規模な組織で効率的な運営を行っております。しかしながら、上記の通り、今後開発品の増加が見込まれるため、適切な人材確保を図っていく方針です。

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