有価証券報告書-第16期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/24 15:30
【資料】
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【項目】
122項目
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、“「がん」だけを見ることなく、「がん患者」の全体を診ることにより、安心して家族のがん患者に勧められる治療法を提供すること”を企業理念としております。
この企業理念の実現のため、当社は、独自の「モジュール創薬」に基づく、抗がん剤の研究開発を行います。モジュール創薬は、既存の抗がん剤等を「モジュール」(構成単位)として利用し、創意工夫(用法用量・結合様式等)を加えて「アセンブリ」(組み立て)することで臨床上の有効性と安全性のバランスを向上させた新規抗がん剤を創製する方法です。
当社は、「モジュール創薬」に基づき創製した新規抗がん剤の上市により、がん患者のQOL(Quality Of Life)向上に寄与することを目指しております。
(2) 目標とする経営指標
当社は、新規抗がん剤の上市を目指して研究開発を先行して行う創薬ベンチャー企業であり、現時点における主な収入はライセンス契約締結による契約一時金やマイルストーンによるものであり、製品売上により利益を安定的に計上するステージにはありません。
当面の経営管理上の課題は、抗がん剤の早期上市に向けて、開発パイプラインを計画どおり推進すること、新規開発化合物の探索により開発パイプラインを充実すること、そして保有する各パイプラインについて提携パートナーを開拓してライセンス契約を締結することです。
従いまして、当社は、ROAやROEといった経営指標を目標とはせず、開発パイプラインの進捗に応じた収入に目標をおいて事業活動を推進しております。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社の中長期における最重要課題は、新規抗がん剤の研究開発を着実に推進すると共に、提携パートナーを開拓してライセンス契約を締結し、承認を取得して製品販売による安定的な収益源を確保することです。
当社の開発パイプラインは、DFP-10917、DFP-10917+ベネトクラクス、DFP-14323、DFP-17729、DFP-14927及びDFP-11207が臨床試験段階にあり、また、DFP-10825も臨床試験に向けた準備の検討を進めておりますので、日本国内やアジア、欧米などの各地域での提携パートナーとライセンス契約を締結し、それぞれの地域において承認を取得していく予定です。世界的な情勢不安や地政学的リスクの長期化など、日米で進行及び計画中の臨床試験に影響が及ぶ場合は、日米における治験施設の状況を踏まえ、実行可能性の高い地域での臨床試験を検討して対応してまいります。また、開発パイプラインの充実に向けた探索研究も継続的に実施してまいります。創薬ベンチャーである当社にとっては、これらの研究開発を並行して行っていくために、研究開発体制の強化と研究開発資金の調達が不可欠であります。
従いまして、当社は、日本の提携先に留まらず、グローバルの製薬会社等とのライセンス契約締結による契約一時金及びマイルストーンによる収入とともに、必要に応じて、株式市場等からの資金調達を行いながら、研究開発を推進していく方針です。
(4) 会社の対処すべき課題
当社は、「モジュール創薬」により、安心して家族のがん患者に勧められる治療法を提供することを目指しています。このような背景の下で、当社は、次の対処すべき課題に取り組んでまいります。
① DFP-10917の開発推進
再発・難治性急性骨髄性白血病治療剤(AML)のDFP-10917単剤は、米国における臨床第3相比較試験は、中間解析のためのデータクリーニング処理が完了し、安全性独立委員会(DSMB)へ中間解析データを提出いたしました。中間解析の結果に基づき、DSMBで議論が行われ、その結果、本委員会から治験実施計画書で設定されていた有効性の条件を達成できなかったことから本試験を中止する旨の報告を受け取りました。一方、DSMBからは安全性に問題はなく、患者の多様性を考慮し、特定のサブグループで有効性の差異を検証する価値があるとの見解も示され、従来の療法では効かない予後不良のAMLの一部の患者集団に対して、DFP-10917は優れた効果を示すことができ、今後、条件付きのNDA承認について、米国の食品医薬品局(FDA)と協議を進めてまいります。
ベネトクラクス治療前歴のある急性骨髄性白血病の患者を対象に、米国においてDFP-10917とベネトクラクスの併用療法による臨床第1/2相試験は、有効性を確認する第2相部分の症例登録が完了し、データモニタリング委員会(DMC)より評価結果が示されました。評価としては、患者のほとんどがベネトクラクスの一次または二次治療として投与されている再発・難治性の患者であるにもかかわらず、目標としていた全奏効率を達成することができ、DMCは標的療法やその他の治療選択肢がない本試験の患者において得られたこの奏効率は、今後の試験を推奨するのに十分であると判断され、今後、米国の食品医薬品局(FDA)と協議を進めることと、次の臨床第3相試験の準備を進めてまいります。また、米欧並びにアジアにおける提携パートナーの確保を目指してまいります。
日本におけるライセンスパートナーの日本新薬㈱が国内の臨床第1相試験の症例登録を進めております。
② DFP-14323の開発推進
がん免疫機能調整剤のDFP-14323は、日本国内において臨床第3相試験(大規模比較試験)の症例登録を進めるとともに、日本における独占的販売のライセンス契約を締結している日本ケミファ㈱やDFP-14323に高い関心を示している海外の製薬企業の協力を得て、臨床第3相試験の加速を目指してまいります。
③ DFP-17729の開発推進
がん微小環境改善剤のDFP-17729は、国内における臨床第2/3相試験を開始いたしました。また、日本における独占的販売のライセンス契約を締結している日本ケミファ㈱からの協力等を得て、第2相部分の症例登録を推進し、速やかに臨床第3相試験に移行のための準備を進めてまいります。
④ その他の開発推進
当社は、DFP-11207、DFP-14927及びDFP-10825などの複数の開発品を保有しています。
がん細胞代謝調節剤のDFP-11207については、一般社団法人 日本肝胆膵オンコロジーネットワーク(代表理事・理事長:古瀬 純司)と共同で胆道がんに対する医師主導治験による臨床第1/2相試験を開始しました。また、日米欧並びにアジアにおける提携パートナーの確保を目指してまいります。
抗がん剤高分子デリバリーのDFP-14927については、米国において前期第2相試験に相当する拡大臨床第1相試験への移行を進めてまいりました。
核酸医薬デリバリーのDFP-10825については、臨床第1相試験の開始に向けた治験薬の準備及び国内外の会社から支援を受けながら、さらに開発を進めてまいります。
これら複数の開発品を世界の主要国において承認を取得するためには、臨床試験を実施するための開発体制の強化と開発資金の確保が課題となります。このため、当社は提携パートナーの獲得を目指しながら、公募増資や新株予約権の行使で調達した資金を計画的に投入して開発の推進を図ってまいります。
⑤ 開発パイプラインの充実
当社は、「モジュール創薬」により新しい抗がん剤候補化合物の探索研究を行っており、これらの候補化合物を開発パイプライン段階まで推進するためには、開発資金の確保が課題となります。
⑥ 財務体質の強化
当社は、多額の研究開発費用が先行して必要となるため、継続的な営業損失が発生するとともに営業キャッシュ・フローもマイナスとなる傾向があり、そのため、財務体質の強化が課題となります。今後は、ライセンス契約の締結を始めとした国内外のパートナーとの提携、研究開発活動の適切なコントロールに加え、株式市場や金融機関からの資金調達等により、更なる財務体質の強化に努める方針です。
⑦ 人材の獲得
当社は、研究開発のマネジメント業務に特化し、外部の人材紹介企業を有効活用することにより、小規模な組織で効率的な運営を行っております。しかしながら、上記のとおり、今後開発品の増加が見込まれるため、適切な人材確保を図っていく方針です。

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