有価証券報告書-第14期(2022/10/01-2023/09/30)
対処すべき課題
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1) 経営方針
『世界にチャレンジするインターネットサービスを創る』を経営理念とし、日常で生まれるスキマ時間を充実できる質の高いサービス、事業の創出に取り組んでおります。この経営方針に基づき、絶えず変化し続けるインターネットサービスの分野において、新しい楽しさや便利さを生み出せるよう、新たな事業領域に挑戦し続け、持続的な成長と企業価値の向上を目指しております。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、持続的な成長と企業価値の拡大を図るために、現状の成長期においては、事業規模の拡大を重視しており、「売上高」を重要な経営指標としております。
(3) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略
当社の主たる事業領域である電子書籍の市場環境は、スマートフォンユーザーの増加を背景に拡大が続いております。インプレス総合研究所「電子書籍ビジネス調査報告書2023」によると、2022年度の電子書籍市場規模は6,026億円と推計され、2021年度の5,510億円から516億円(9.4%)増加し、2027年度には8,000億円を超える市場に成長すると予測されており、アプリでマンガを楽しむユーザーは、引き続き増加傾向にあります。
一方で、電子書籍のビジネスモデルの多様化や成熟によって電子書籍市場が徐々に飽和していくことも想定されます。また、引き続き厳しい競争環境や世界経済の停滞及び国内のインフレが、アクティブユーザー数の伸び悩みや1人当たりの課金売上の低下をもたらしていることに加え、広告市況の悪化により広告単価が低下したため、広告収益が減少しました。
このような市場環境の中で、「マンガBANG!」の主力であるフリーミアムモデルのコーナーにおいて、配信される作品の差別化を図るために、出版社との信頼関係を深化させ、先行配信や人気作品の配信数の増加に努めるとともに、引き続き、オリジナル作品の制作、マンガアプリの海外展開も強化しております。
今後につきましてもフリーミアムコーナーの配信作品数を増加することや、オリジナル作品の拡充、IP展開等を実現することにより、ユーザーの増加をはじめ、各KPIの成長を目指して参ります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は、今後においてもこれまで培ったビジネス構築力を基盤に、既存のマンガアプリ事業において利益確保しつつ、マンガ制作、マンガアプリの海外展開及び新規サービスへ経営資源を投下し、高い成長率を確保することに加え、コーポレート・ガバナンスの充実も重要な課題であると認識しております。
これらの課題に対処するために、当社は対処すべき課題として以下の施策に取り組んで参ります。
① 「マンガBANG!」の差別化
「マンガBANG!」は一定規模のMAU、売上高を維持しつつ、広告獲得効率を重視しながら、広告宣伝費を抑制してまいりましたが、広告市況の悪化により広告単価が低下したために広告収益が減少したこと及び世界経済の停滞や国内のインフレ等により、ユーザーの消費マインドが減退し、一人当たりの課金売上が低下しております。また、電子書籍市場は拡大を続けているものの、ビジネスモデルの多様化や成熟によって、電子書籍市場が徐々に飽和していくことも想定されます。
当社は、このような状況下においても、さらに「マンガBANG!」の魅力を高めるため、出版社との信頼関係を深化させ、先行配信や人気作品の配信数の増加に努めるとともに、オリジナル作品の制作及びIP展開を目指して参ります。
② 周辺ビジネスの拡大
当社は、設立以来、変化の早いインターネット市場の動向をいち早く捉えて様々な事業にチャレンジして参りました。今後、中長期での成長を実現するために、マンガアプリ事業領域において蓄積した知見やノウハウ等を活用し、迅速かつ効率的に周辺事業への拡大にチャレンジして参ります。
現在は主力の「マンガBANG!」アプリの運営の他、Web電子書籍市場の開拓とオリジナルマンガの制作に注力しております。
2023年10月にWeb版「マンガBANG!」を「マンガBANGブックス」にリニューアルし、「マンガBANG!」アプリで培ったユーザー基盤を基にWeb電子書籍市場の開拓を目指して参ります。
また、マンガ制作については、(a)出版社と協業したオリジナル作品の制作、(b)異世界転生系等の小説のコミカライズ、(c)当社オリジナル作品を制作し、自社販売に加えて外販も積極的に行うことで、IPとしての価値を育て、自社IPのアニメ・ドラマ化等、収益の多様化の実現を目指して参ります。
③ 海外展開への対応
当社は、日本が誇るコンテンツといえる「マンガ」を成長著しい世界のスマートフォンアプリ市場へ迅速に展開することが、一層の事業拡大を目指す上で重要であると認識しております。また、日本のマンガの海外市場規模が、コンテンツの認知度と比較して小さいとも当社は考えております。
2023年2月には、海外向けマンガアプリに課金モデルを追加し、「MANGA BANG!」としてリニューアルしました。今後も海外市場で受け入れられるビジネスモデルを開拓して参ります。
④ 新規ビジネスの立上げ
当社は、将来的にはマンガアプリ事業から創出される利益を、スキマ時間を楽しくする新たなサービス、事業の創出に向けることで、単一事業への偏重によるリスクを抑制し、将来の事業環境の変化にも機動的に対応できるビジネスポートフォリオの構築にも注力して参ります。
⑤ M&Aの活用
新規事業及びマンガアプリ事業の拡大のためには、M&Aも有効手段であると考えております。M&Aを行うにあたっては、投資効果はもちろん、対象企業の将来性や当社事業とのシナジーを十分に検討した上で、積極的に取り組んで参ります。
⑥ 優秀な人材の確保と育成
当社は、今後の更なる事業拡大のために、優秀な人材の確保と育成が重要であると考えております。特に、既存サービスの充実や新規事業の展開をするためにエンジニアの採用、またマンガ制作を強化するために編集者の採用に力を入れております。 また、採用を強化するために、社内教育制度の整備、多様な働き方を実現する職場環境の改善、福利厚生の充実を図っていくことに取り組んで参ります。
⑦ 組織体制の強化と内部統制及びコンプライアンス体制の強化
当社は、今後更なる事業拡大を推進するに当たって、従業員のモチベーションを引き出す目標管理制度や福利厚生等の人事制度構築に努めながら、業務遂行能力、人格、当社の企業文化及び経営方針への共感を兼ね備え、グローバルに活躍できる優秀な人材の採用に取り組んで参ります。
組織設計においては少人数単位でのチーム制を採用すると同時に、チーム毎の自律性を促すよう権限の委譲を推し進めることで意思決定の質とスピードを維持・向上するなど、従業員のパフォーマンスを最大化させる取組みを引き続き継続していく方針であります。
また、内部統制及びコンプライアンス体制の充実・強化を図って参ります。
⑧ 知的財産権の侵害への対応について
当社は、著作権等の権利を著しく阻害する海賊版サイトによって生じる機会損失が当社の業績に影響を及ぼす可能性があると認識しております。そのため、海賊版サイトの根絶に向けて、出版社、電子書店、関係者と協調して対策を協議実行するとともに、法制度整備並びに著作権教育の推進に努めて参ります。
(1) 経営方針
『世界にチャレンジするインターネットサービスを創る』を経営理念とし、日常で生まれるスキマ時間を充実できる質の高いサービス、事業の創出に取り組んでおります。この経営方針に基づき、絶えず変化し続けるインターネットサービスの分野において、新しい楽しさや便利さを生み出せるよう、新たな事業領域に挑戦し続け、持続的な成長と企業価値の向上を目指しております。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、持続的な成長と企業価値の拡大を図るために、現状の成長期においては、事業規模の拡大を重視しており、「売上高」を重要な経営指標としております。
(3) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略
当社の主たる事業領域である電子書籍の市場環境は、スマートフォンユーザーの増加を背景に拡大が続いております。インプレス総合研究所「電子書籍ビジネス調査報告書2023」によると、2022年度の電子書籍市場規模は6,026億円と推計され、2021年度の5,510億円から516億円(9.4%)増加し、2027年度には8,000億円を超える市場に成長すると予測されており、アプリでマンガを楽しむユーザーは、引き続き増加傾向にあります。
一方で、電子書籍のビジネスモデルの多様化や成熟によって電子書籍市場が徐々に飽和していくことも想定されます。また、引き続き厳しい競争環境や世界経済の停滞及び国内のインフレが、アクティブユーザー数の伸び悩みや1人当たりの課金売上の低下をもたらしていることに加え、広告市況の悪化により広告単価が低下したため、広告収益が減少しました。
このような市場環境の中で、「マンガBANG!」の主力であるフリーミアムモデルのコーナーにおいて、配信される作品の差別化を図るために、出版社との信頼関係を深化させ、先行配信や人気作品の配信数の増加に努めるとともに、引き続き、オリジナル作品の制作、マンガアプリの海外展開も強化しております。
今後につきましてもフリーミアムコーナーの配信作品数を増加することや、オリジナル作品の拡充、IP展開等を実現することにより、ユーザーの増加をはじめ、各KPIの成長を目指して参ります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は、今後においてもこれまで培ったビジネス構築力を基盤に、既存のマンガアプリ事業において利益確保しつつ、マンガ制作、マンガアプリの海外展開及び新規サービスへ経営資源を投下し、高い成長率を確保することに加え、コーポレート・ガバナンスの充実も重要な課題であると認識しております。
これらの課題に対処するために、当社は対処すべき課題として以下の施策に取り組んで参ります。
① 「マンガBANG!」の差別化
「マンガBANG!」は一定規模のMAU、売上高を維持しつつ、広告獲得効率を重視しながら、広告宣伝費を抑制してまいりましたが、広告市況の悪化により広告単価が低下したために広告収益が減少したこと及び世界経済の停滞や国内のインフレ等により、ユーザーの消費マインドが減退し、一人当たりの課金売上が低下しております。また、電子書籍市場は拡大を続けているものの、ビジネスモデルの多様化や成熟によって、電子書籍市場が徐々に飽和していくことも想定されます。
当社は、このような状況下においても、さらに「マンガBANG!」の魅力を高めるため、出版社との信頼関係を深化させ、先行配信や人気作品の配信数の増加に努めるとともに、オリジナル作品の制作及びIP展開を目指して参ります。
② 周辺ビジネスの拡大
当社は、設立以来、変化の早いインターネット市場の動向をいち早く捉えて様々な事業にチャレンジして参りました。今後、中長期での成長を実現するために、マンガアプリ事業領域において蓄積した知見やノウハウ等を活用し、迅速かつ効率的に周辺事業への拡大にチャレンジして参ります。
現在は主力の「マンガBANG!」アプリの運営の他、Web電子書籍市場の開拓とオリジナルマンガの制作に注力しております。
2023年10月にWeb版「マンガBANG!」を「マンガBANGブックス」にリニューアルし、「マンガBANG!」アプリで培ったユーザー基盤を基にWeb電子書籍市場の開拓を目指して参ります。
また、マンガ制作については、(a)出版社と協業したオリジナル作品の制作、(b)異世界転生系等の小説のコミカライズ、(c)当社オリジナル作品を制作し、自社販売に加えて外販も積極的に行うことで、IPとしての価値を育て、自社IPのアニメ・ドラマ化等、収益の多様化の実現を目指して参ります。
③ 海外展開への対応
当社は、日本が誇るコンテンツといえる「マンガ」を成長著しい世界のスマートフォンアプリ市場へ迅速に展開することが、一層の事業拡大を目指す上で重要であると認識しております。また、日本のマンガの海外市場規模が、コンテンツの認知度と比較して小さいとも当社は考えております。
2023年2月には、海外向けマンガアプリに課金モデルを追加し、「MANGA BANG!」としてリニューアルしました。今後も海外市場で受け入れられるビジネスモデルを開拓して参ります。
④ 新規ビジネスの立上げ
当社は、将来的にはマンガアプリ事業から創出される利益を、スキマ時間を楽しくする新たなサービス、事業の創出に向けることで、単一事業への偏重によるリスクを抑制し、将来の事業環境の変化にも機動的に対応できるビジネスポートフォリオの構築にも注力して参ります。
⑤ M&Aの活用
新規事業及びマンガアプリ事業の拡大のためには、M&Aも有効手段であると考えております。M&Aを行うにあたっては、投資効果はもちろん、対象企業の将来性や当社事業とのシナジーを十分に検討した上で、積極的に取り組んで参ります。
⑥ 優秀な人材の確保と育成
当社は、今後の更なる事業拡大のために、優秀な人材の確保と育成が重要であると考えております。特に、既存サービスの充実や新規事業の展開をするためにエンジニアの採用、またマンガ制作を強化するために編集者の採用に力を入れております。 また、採用を強化するために、社内教育制度の整備、多様な働き方を実現する職場環境の改善、福利厚生の充実を図っていくことに取り組んで参ります。
⑦ 組織体制の強化と内部統制及びコンプライアンス体制の強化
当社は、今後更なる事業拡大を推進するに当たって、従業員のモチベーションを引き出す目標管理制度や福利厚生等の人事制度構築に努めながら、業務遂行能力、人格、当社の企業文化及び経営方針への共感を兼ね備え、グローバルに活躍できる優秀な人材の採用に取り組んで参ります。
組織設計においては少人数単位でのチーム制を採用すると同時に、チーム毎の自律性を促すよう権限の委譲を推し進めることで意思決定の質とスピードを維持・向上するなど、従業員のパフォーマンスを最大化させる取組みを引き続き継続していく方針であります。
また、内部統制及びコンプライアンス体制の充実・強化を図って参ります。
⑧ 知的財産権の侵害への対応について
当社は、著作権等の権利を著しく阻害する海賊版サイトによって生じる機会損失が当社の業績に影響を及ぼす可能性があると認識しております。そのため、海賊版サイトの根絶に向けて、出版社、電子書店、関係者と協調して対策を協議実行するとともに、法制度整備並びに著作権教育の推進に努めて参ります。