有価証券報告書-第39期(2025/01/01-2025/12/31)
有報資料
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は「われわれは在庫に関わる“人”、“もの”、“金”、“時間”、“情報”を最適化するITソリューションを提供し、限りある資源を有効活用することで、広く社会に貢献する。」を基本理念に掲げ、「世界中の無駄を10%削減する」というビジョン達成のために、小売業・卸売業・製造業の流通三層の在庫を最適化するための流通業向けAIサービス「sinopsシリーズ」を提供しております。
(2)経営環境
当事業年度におけるわが国経済は、継続する物価上昇、地政学リスクや継続的な円安の進行、米国の関税政策による世界情勢への影響の懸念など、依然として先行き不透明な状況が続いております。当社の主要顧客である小売業においては、労働需給のひっ迫や賃上げ圧力の高まりなどによる人件費・物流費の上昇や、業種業態を超えた顧客の獲得競争に加え、益々多様化する消費者ニーズへの対応が引き続き求められており、業界を取り巻く環境は引き続き厳しさを増しております。さらに、物流業界での「2024年問題」により食品流通の持続性確保に向けた課題への対応が本格化し、持続可能な開発目標(SDGs)の採択に基づいた食品ロス削減運動も引き続き社会課題としての対応が求められております。そのため、省力化・食品ロス削減・物流改善に貢献できる当社の需要予測・自動発注サービスに対するニーズは引き続き高く、小売業における人手不足・物流課題の解決に向けたIT投資についても増加していくものと見込まれます。
(3)経営戦略等
当社は中長期的な企業価値向上を見据え、食品バリューチェーンの最適化に向けた「DeCM-PF」や、小売業の人時生産性改善・向上を目的とした人的資源最大化AIサービス「sinops-WLMS」を今後の成長の柱として重点的に推進しております。両事業は、当社のコア技術である需要予測および在庫情報を基盤としており、数年単位の継続的な投資を通じて、将来的な収益の柱へと育成してまいります。一方で、当社の収益基盤である「sinops-CLOUD」については、食品スーパーにおいて開拓余地の大きい惣菜カテゴリを中心に積極的な販売を継続いたします。また、技術的難易度が高く競合他社の参入が限定的な生鮮カテゴリにおいても、実証実験を推進しております。これにより、既存事業による安定的な業績成長を維持しつつ、将来の非連続な成長に向けた投資を継続してまいります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社が目標とする経営指標は、シェア率(注1)、ARR(注2)、売上高、営業利益の4指標であります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は、以下を重要な経営課題と認識しております。
①新規ユーザー獲得
事業領域拡大には、小売業の需要予測・在庫情報がコア技術として必須となるため、引き続き小売業のシェア獲得を目指して、需要予測型自動発注サービスに注力してまいります。特に注力している食品スーパーマーケット向けのシェア率は36.7%と高水準を維持しております。富士キメラ総研による調査においても「需要予測や自動発注ツールを対象とした食品ロス削減ソリューション市場」でシェア1位(注3)を獲得しました。本市場におけるシェア1位獲得は、2022年度の調査開始以来、3年連続となります。
②既存ユーザーのアップセル・クロスセル
既存ユーザーがsinopsの導入効果を高め続けられるよう、従来のサポート体制に加えて顧客満足度向上に向けた施策を強化しております。また、食品スーパーマーケットにおける需要予測・自動発注の利用度は発注カテゴリごとに大きく異なり、利用率の低い惣菜カテゴリやシステム化の難易度が高い生鮮カテゴリは成長を牽引する分野となります。「sinops-CLOUD」シリーズを強化し、惣菜・精肉といった新たな需要予測・自動発注サービスを提供することでsinopsの付加価値をさらに高めてまいります。
③「DeCM-PF」のサービス基盤確立
「DeCM-PF」のサービスの1つである「特売リードタイム長期化サービス」に加えて、「定番品リードタイム長期化サービス」「物量コントロールの3つのサービス」を目標通りに2025年中に収益化いたしました。参画いただける企業数も100社超まで進捗しております。2026年は伊藤忠商事株式会社と連携し「DeCM-PF」のサービス拡張・プラットフォーム化を推進してまいります。当社の目指す「DeCM-PF」は小売業者を中心としたサプライチェーン全体のインフラ構築です。製造業者から導入メリットに応じた利用料をいただき、その一部を小売業者に還元するシェアモデルを実施しており、短期的な売上成長には繋がりにくい一方で、このプラットフォームが完成すると、他社の追随を許さない競争優位性となると考えております。
④人的資源最大化AIサービス「sinops-WLMS」の展開
2024年に人的資源最大化AIサービス「sinops-WLMS」シリーズの「sinops-LOG」「sinops-LEARN」「sinops-WORK」を提供開始し、2025年は複数社での実証実験を行いました。2026年はすでに運用開始している先行導入数社における実績をベースに、導入支援ノウハウ・製品ブラッシュアップを推進してまいります。「人的資源の最大化」の圧倒的な成功事例を創出することで、2028年度以降の本格展開に向けた土台を構築してまいります。また、恒常的な人手不足により高まっている市場ニーズに応え、「sinops-WLMS」事業をさらに加速させるべく、2026年1月から新規事業開発部をWLMS推進部に改称し、経営リソースを集中させております。
⑤サステナビリティ経営の推進
sinopsによる在庫最適化に取り組むことで、SDGs目標12「つくる責任・つかう責任」で謳われる食品ロス削減をはじめとした、サプライチェーン全体の無駄を削減してまいります。また、「小売業におけるsinops活用による食品ロス削減が環境に与える影響」を調査する、東京都市大学との共同研究結果なども発表しております。sinops事業を推進することで、地球環境の維持・向上及び持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
(注1)シェア率は、以下計算式で算出しております。
シェア率(%)=「sinops」導入企業の年間売上高計÷ターゲット企業の年間売上高計
※ターゲット企業とは、ダイヤモンド・チェーンストア「日本の小売業1000社ランキング」に掲載されている売上高400億円以上の小売業(百貨店、コンビニを除く)。
(注2)Annual Recurring Revenueの略語。2025年12月末時点のMRR(Monthly Recurring Revenue)を12倍にして算出。MRRは対象月の月末時点における有償契約ユーザー企業に係る月額料金の合計額(一時収益は含まない)。
(注3)株式会社富士キメラ総研「業種別IT投資動向/DX市場の将来展望 2026年版 IT投資編」(2025年12月16日発刊)の「需要予測や自動発注ツールを対象とした食品ロス削減ソリューション市場」においてシェア1位(2024年度実績)を獲得。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は「われわれは在庫に関わる“人”、“もの”、“金”、“時間”、“情報”を最適化するITソリューションを提供し、限りある資源を有効活用することで、広く社会に貢献する。」を基本理念に掲げ、「世界中の無駄を10%削減する」というビジョン達成のために、小売業・卸売業・製造業の流通三層の在庫を最適化するための流通業向けAIサービス「sinopsシリーズ」を提供しております。
(2)経営環境
当事業年度におけるわが国経済は、継続する物価上昇、地政学リスクや継続的な円安の進行、米国の関税政策による世界情勢への影響の懸念など、依然として先行き不透明な状況が続いております。当社の主要顧客である小売業においては、労働需給のひっ迫や賃上げ圧力の高まりなどによる人件費・物流費の上昇や、業種業態を超えた顧客の獲得競争に加え、益々多様化する消費者ニーズへの対応が引き続き求められており、業界を取り巻く環境は引き続き厳しさを増しております。さらに、物流業界での「2024年問題」により食品流通の持続性確保に向けた課題への対応が本格化し、持続可能な開発目標(SDGs)の採択に基づいた食品ロス削減運動も引き続き社会課題としての対応が求められております。そのため、省力化・食品ロス削減・物流改善に貢献できる当社の需要予測・自動発注サービスに対するニーズは引き続き高く、小売業における人手不足・物流課題の解決に向けたIT投資についても増加していくものと見込まれます。
(3)経営戦略等
当社は中長期的な企業価値向上を見据え、食品バリューチェーンの最適化に向けた「DeCM-PF」や、小売業の人時生産性改善・向上を目的とした人的資源最大化AIサービス「sinops-WLMS」を今後の成長の柱として重点的に推進しております。両事業は、当社のコア技術である需要予測および在庫情報を基盤としており、数年単位の継続的な投資を通じて、将来的な収益の柱へと育成してまいります。一方で、当社の収益基盤である「sinops-CLOUD」については、食品スーパーにおいて開拓余地の大きい惣菜カテゴリを中心に積極的な販売を継続いたします。また、技術的難易度が高く競合他社の参入が限定的な生鮮カテゴリにおいても、実証実験を推進しております。これにより、既存事業による安定的な業績成長を維持しつつ、将来の非連続な成長に向けた投資を継続してまいります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社が目標とする経営指標は、シェア率(注1)、ARR(注2)、売上高、営業利益の4指標であります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は、以下を重要な経営課題と認識しております。
①新規ユーザー獲得
事業領域拡大には、小売業の需要予測・在庫情報がコア技術として必須となるため、引き続き小売業のシェア獲得を目指して、需要予測型自動発注サービスに注力してまいります。特に注力している食品スーパーマーケット向けのシェア率は36.7%と高水準を維持しております。富士キメラ総研による調査においても「需要予測や自動発注ツールを対象とした食品ロス削減ソリューション市場」でシェア1位(注3)を獲得しました。本市場におけるシェア1位獲得は、2022年度の調査開始以来、3年連続となります。
②既存ユーザーのアップセル・クロスセル
既存ユーザーがsinopsの導入効果を高め続けられるよう、従来のサポート体制に加えて顧客満足度向上に向けた施策を強化しております。また、食品スーパーマーケットにおける需要予測・自動発注の利用度は発注カテゴリごとに大きく異なり、利用率の低い惣菜カテゴリやシステム化の難易度が高い生鮮カテゴリは成長を牽引する分野となります。「sinops-CLOUD」シリーズを強化し、惣菜・精肉といった新たな需要予測・自動発注サービスを提供することでsinopsの付加価値をさらに高めてまいります。
③「DeCM-PF」のサービス基盤確立
「DeCM-PF」のサービスの1つである「特売リードタイム長期化サービス」に加えて、「定番品リードタイム長期化サービス」「物量コントロールの3つのサービス」を目標通りに2025年中に収益化いたしました。参画いただける企業数も100社超まで進捗しております。2026年は伊藤忠商事株式会社と連携し「DeCM-PF」のサービス拡張・プラットフォーム化を推進してまいります。当社の目指す「DeCM-PF」は小売業者を中心としたサプライチェーン全体のインフラ構築です。製造業者から導入メリットに応じた利用料をいただき、その一部を小売業者に還元するシェアモデルを実施しており、短期的な売上成長には繋がりにくい一方で、このプラットフォームが完成すると、他社の追随を許さない競争優位性となると考えております。
④人的資源最大化AIサービス「sinops-WLMS」の展開
2024年に人的資源最大化AIサービス「sinops-WLMS」シリーズの「sinops-LOG」「sinops-LEARN」「sinops-WORK」を提供開始し、2025年は複数社での実証実験を行いました。2026年はすでに運用開始している先行導入数社における実績をベースに、導入支援ノウハウ・製品ブラッシュアップを推進してまいります。「人的資源の最大化」の圧倒的な成功事例を創出することで、2028年度以降の本格展開に向けた土台を構築してまいります。また、恒常的な人手不足により高まっている市場ニーズに応え、「sinops-WLMS」事業をさらに加速させるべく、2026年1月から新規事業開発部をWLMS推進部に改称し、経営リソースを集中させております。
⑤サステナビリティ経営の推進
sinopsによる在庫最適化に取り組むことで、SDGs目標12「つくる責任・つかう責任」で謳われる食品ロス削減をはじめとした、サプライチェーン全体の無駄を削減してまいります。また、「小売業におけるsinops活用による食品ロス削減が環境に与える影響」を調査する、東京都市大学との共同研究結果なども発表しております。sinops事業を推進することで、地球環境の維持・向上及び持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
(注1)シェア率は、以下計算式で算出しております。
シェア率(%)=「sinops」導入企業の年間売上高計÷ターゲット企業の年間売上高計
※ターゲット企業とは、ダイヤモンド・チェーンストア「日本の小売業1000社ランキング」に掲載されている売上高400億円以上の小売業(百貨店、コンビニを除く)。
(注2)Annual Recurring Revenueの略語。2025年12月末時点のMRR(Monthly Recurring Revenue)を12倍にして算出。MRRは対象月の月末時点における有償契約ユーザー企業に係る月額料金の合計額(一時収益は含まない)。
(注3)株式会社富士キメラ総研「業種別IT投資動向/DX市場の将来展望 2026年版 IT投資編」(2025年12月16日発刊)の「需要予測や自動発注ツールを対象とした食品ロス削減ソリューション市場」においてシェア1位(2024年度実績)を獲得。