半期報告書-第1期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、2019年4月、アクサグループの日本における保険事業の持ち株会社として設立されました。子会社であるアクサ生命保険株式会社、アクサ損害保険株式会社、アクサダイレクト生命保険株式会社を含めて、「アクサ ジャパン グループ」を形成し、「お客さまが自信をもって、より良い人生を送れるように寄り添う」というミッションを遂行すべく、4つのコミットメント(お客さま第一、誠実、勇気、ひとつのチーム)を社員一人ひとりの行動指針とし、『Payer to Partner』を会社ビジョンとし、単にお客さまの請求時に保険金や給付金をお支払する「ペイヤー」の役割だけでなく、お客さまを不安やリスクからお守りする役割を果たすことで「パートナー」となることを目指してまいります。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
中核子会社となるアクサ生命保険株式会社では、上記ミッションを果たすべく策定した2020年に向けた戦略“Ambition n7”の実行を通じて、持続可能な成長に向けた「FOCUS」と、将来の成長を確保するための「TRANSFORM」を推進させてまいります。
「FOCUS」:(1) 専属営業社員チャネル、(2) 死亡保障分野、(3) 事業費の効率化
「TRANSFORM」:(1) 医療保障分野、(2) 保険代理店チャネル、(3) 顧客志向のサービス、(4) 保有契約の管理
(3) 目標とする経営指標
中核子会社となるアクサ生命保険株式会社では、“Ambition n7”を通じた経営指標として、新契約APE・新契約価値(NBV)及び保険料等収入の拡大を掲げるとともに、事業費の削減等を指標に効率性の改善を追求し、アンダーライング・アーニングス(基本利益)の持続的な成長を目指します。
また同時に、お客さまへの体験価値向上を通じたNPS(ネットプロモータースコア、(注1))の伸展を掲げ、これらの達成を通じて企業価値の向上を目指してまいります。
(注1) NPS(ネットプロモータースコア)は、顧客ロイヤリティを数値化した指標の一つです。企業の事業成長や収益性と高い相関関係があり、欧米の売上上位企業(フォーチュン500)のうち3分の1以上が活用しております。
(4) 経営環境
当中間連結会計期間における我が国の経済は、輸出や生産において海外経済減速の影響がみられたものの、内需は堅調となり、実質GDPが+1.3%(2019年4-6月期前年比年率、2次速報値)と3四半期連続のプラス成長となるなど、緩やかな拡大基調がみられています。内需面では、雇用・所得環境が改善する中、個人消費が持ち直し、設備投資も一部に弱さがみられたものの、高水準の企業収益を背景に全般的には緩やかな増加基調にあります。また、公共投資も底堅さを増しています。労働市場では、着実な雇用情勢の改善が見られ、7月の完全失業率は2.2%と、26年9か月ぶりの低水準となっています。金融市場では、米中貿易摩擦の激化を背景に長期金利は徐々に低下し、7月には約3年ぶりの低水準となり、その後もマイナス圏で推移しています。為替市場でもこうした貿易摩擦の激化により円高が進行し、8月には一時104円台半ばまで急騰するも、その後円安方向で推移しております。
今後の我が国の経済見通しについては、当面弱さが残るものの、内需主導の緩やかな回復が見込まれます。すなわち、雇用・所得環境の改善の続く中、緩和的金融環境や政府支出を下支えとして、設備投資、個人消費ともに緩やかな増加が見込まれます。公共投資もオリンピック関連需要や補正予算の執行等により、引き続き底堅い推移が見込まれます。一方で、通商問題が世界経済に与える影響や海外経済動向及び政策等に留意が必要とみられています。このような状況下において、当社は次のような取り組みを行いました。
(生命保険事業での主な取り組み)
生命保険事業に関しては、当社グループ最大の収益基盤であることから、収益の継続的な拡大を目指しております。
主な取り組みについては、以下のとおりです。
アクサ生命保険株式会社は、単にお客さまのご請求時に保険金や給付金をお支払する「ペイヤー」の役割だけでなく、お客さまを不安やリスクからお守りする役割を果たすことで、「パートナー」となることを目指し、商品やサービスのご提供に努めております。
当期においては、4月に『アクサの「治療保障」のがん保険 マイ・セラピー』、9月に『アクサの「資産形成」の変額保険 ユニット・リンク介護プラス』の販売を開始しました。『マイ・セラピー』では、治療技術の進歩に合わせて、お客さまが最新・最適なガン治療を安心してお受けいただけるよう、従来商品の保障内容を拡充しました。同時に、生活習慣改善、早期発見、そして治療中・治療後の仕事や生活に至るまで、それぞれのお客さまに合った、専門的かつ幅広いアドバイスを、ワンストップでご提供する「がん治療総合窓口ダイヤル」を開設しました。『ユニット・リンク介護プラス』は、「老後生活」や「介護・認知症」に対する不安の高まりを背景に、「死亡保障」・「資産形成」の『ユニット・リンク』の優れた機能に加えて、新たに「介護や認知症」への備えもカバーしました。更に、高齢者の介護に関するトータルコーディネートを実現する新しい介護関連サービス「ウェルエイジングサポートあすのえがお」を住友生命保険相互会社と共同で開発し、10月より、両社の一部地域のお客さまを対象に先行して提供を開始することを発表しました。
また、健康経営(注2)への取り組みに引き続き注力しており、当期において、新たに5つの自治体(長野県、山形県、宮崎県、静岡県、新潟県)と協定を締結いたしました。健康経営の普及推進を通じて、企業の生産性向上と持続的発展、従業員とそのご家族の健康づくりのサポートを行っております。
サービス面では、4月より、お客さまと当社の間に存在する複数の顧客接点のデータベースを統合した新たなCRMシステムのパイロット運用を一部地域にて開始し、9月には国内全店舗へ拡大しました。最適なタイミングで効果的なアドバイスの提供などを通じて、お客さま満足度向上に向けた取り組みをさらに強化しております。また、7月には、策定から3年目となる「お客さま本位の業務運営を実現するための基本方針」の改定を行い、代理店報酬制度の改定等を反映しました。あわせて、お客さま本位の業務運営をより一層推進するために実施した一年間の取り組みも公表しました。
当社の完全子会社であるアクサダイレクト生命保険株式会社においては、多様化するお客さまのニーズに対するため、インターネット技術を活用したビジネスモデルの進化や、お客さまにとってもわかりやすく、シンプルで合理的な商品やサービスの提供等に努めております。商品面では2019年9月、持病や既往症があっても加入しやすい引受基準緩和型終身医療保険「アクサダイレクトのはいりやすい医療」を発売しました。同時に、退院後通院保障の重要性の高まりを反映した通院支援特約を「アクサダイレクトの終身医療」に追加いたしました。サービス面では、4月に商品パンフレットをリニューアルし、幅広いお客さまを対象に、より簡単に保険を検討できるようなページ展開にしました。9月には、お問い合わせ対応の有人Webチャットサービスと、FAQ自動応答対応のロボットアドバイザーを統合させ、24時間対応のWebチャットサービスを開始しました。今後もデジタル技術を活用した革新的な商品・サービスを提供し、お客さまに安心してお選びいただける生命保険会社を目指してまいります。
(注2)「健康経営」はNPO法人健康経営研究会の登録商標です
(損害保険事業での主な取り組み)
損害保険事業に関しては、収益の一層の進展を目指し、当社の完全子会社であるアクサ損害保険株式会社の収益基盤の強化を図っております。2019年4月、迅速かつ的確なご案内を可能とする画面共有サービスを開始しました。今後、お客さまの属性やコンタクト履歴のデータをリアルタイムに自動連携する仕組みを新たに導入する予定です。データから個々のお客さまが「いま」求めているものを深く理解し、変化するお客さまのニーズに素早く対応し、最適なサービスの提供を実現することで利便性・満足度を向上させる仕組みです。本プロジェクトは経済産業省の定める3つの基準(データ連携・利活用、セキュリティ対策、および生産性向上)を満たすものと評価され、「革新的データ産業活用計画」と認定されました。今後も、「お客さまが自信をもって、より良い人生を送れるように寄り添う」という企業理念の基、最先端のテクノロジーと上質で利便性の高いサービスを融合し、革新的で卓越したサービスの提供に努めてまいります。
フランスに本拠を置く当社は、コンプライアンスの取り組みに先進的なヨーロッパで培った知見を活用し、消費者庁所管「内部通報制度認証」(自己適合宣言登録制度)の登録を行う(8月)など、グローバルな視点で、日本のコンプライアンス経営の推進や健全な事業遂行の確保、企業価値の向上に努めております。
当社は、「お客さまが自信をもって、より良い人生を送れるように寄り添う」という使命を果たすことを目的に策定した2020年に向けた事業計画の遂行を加速させ、「お客さま第一」を常に経営の根幹に置き、お客さま、そして社会から信頼されるパートナーとなるための歩みをこれからも進めてまいります。
(5) 対処すべき課題
日本では少子高齢化、社会保障費の増加、超低金利の長期化、デジタル化の進展、ライフスタイルの多様化など大きな環境の変化が起こっており、その不確実性が高まる中、お客さまが抱えるリスクも大きく変容しています。
当社を含むアクサジャパングループは、相互の連携を深めるとともに、その他のAXAメンバーカンパニーと密接に連携しながら、お客さまをリスクからお守りするための商品・サービスを提供しています。今後も事業戦略の遂行を加速させ、「お客さま第一」を常に経営の根幹に置き、お客さま、そして社会から信頼されるパートナーとなるための歩みをこれからも進めてまいります。