有価証券報告書-第19期(2023/01/01-2023/12/31)

【提出】
2024/03/28 14:51
【資料】
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【項目】
139項目

事業内容

当社グループは、当社及び連結子会社1社により構成され、「シェアード・エンジニアリング」(注1)を基盤として、IT人材と知識を「シェア」するサービスを提供しております。
私たちが展開するサービスは、限りある人的資源や知的資源をオープンかつ安全に共有し、顧客が抱えるコーポレートIT部門の課題を解決することで、成長支援に貢献できるものと考えております。シェアする範囲は幅広く、ITに関する人材、技術、知識、人脈、また人材採用、社員育成、組織づくりのノウハウなど、企業活動全般に係るシェアの技術が当社の強みであると認識しております。
当社グループの事業内容と当社連結子会社の当該事業に係る位置づけは次のとおりであります。
なお、これらの事業セグメントは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げる報告セグメントの区分と同一であります。
また、前連結会計年度までは報告セグメントを「インソーシング事業」「セキュリティ事業」に区分しておりましたが、当連結会計年度から「コーポレートIT総合支援」「コーポレートIT内製開発支援」「キャッシュレスセキュリティ・コンサルティング」に区分しております。
(1) コーポレートIT総合支援
中堅・中小企業に対して、コーポレートIT部門を支援する会員制の「シェアード社員(注2)サービス」を提供しております。IT人材と知識をシェアすることで、中堅・中小企業のITに関する人材不足の解消、課題解決、経済的負担の軽減、企業のデジタル化を推進し、顧客の成長加速を支援しております。従来の「インソーシング事業」から名称を変更しております。
対象となる企業は、業種に偏ることなく従業員数50名~1,000名規模、かつ、当社グループ拠点である東京都千代田区を中心とした東京23区内及び横浜市中区・西区に所在する企業や事業所であります。このサービス提供方針を明確に定めることで、事業の効率化及びサービス品質の維持を実現しております。
当社グループが主要な顧客としている中堅・中小企業のコーポレートIT部門は、従業員50名の企業で専任者が1名あるいはゼロ、従業員1,000名の企業でも多くて10名程度とIT人材不足は深刻なものとなっております。また、知識や経験の蓄積があっても再利用や継承の機会がなく、人の異動も少ないため、生産性が上がりにくい状況だと考えられます。
そこで、当社の「シェアード社員」が直接、顧客のオフィスへ出向き、顧客が自社人材だけでは対応できないITに関する課題等をヒアリング・整理し、スクラム(注3)体制で解決の支援を行います。
具体的には、ITインフラの整備やヘルプデスク等のシステム運用に関するもの、IT課題策定や内部統制等のシステム活用に関するコンサルティング、システム担当者の育成や交流支援等、中堅・中小企業におけるコーポレートIT部門の多様なニーズをサポートしております。
なお、本サービスは準委任契約(注4)として提供し、シェアード社員には当社から指揮命令を行っております。

サービスの提供においてはポイント制料金システムを採用しております。
顧客はポイントを事前に購入し、時間課金により利用したポイント分が月々消費され、余ったポイントは翌月以降に繰り越されます。
顧客の月々の利用時間を見積り、それに見合った支払コースから選択できるサービス提供形態としております。
一時的な利用、研修や勉強会、ITトラブルの緊急対応、月間稼動時間別の利用、常駐対応等、顧客の依頼業務及び希望条件に合わせて選択できるコース体系を「シェアード社員 サービス利用規程」として定めております。なお、顧客は企業秘密を守りながら専門の技術者(当社シェアード社員)へITに関する質問を直接行うことができる会員制Q&Aサービス「Kikzo」も利用可能です。


(2) コーポレートIT内製開発支援
シェアード社員サービスを基盤として、ローコード開発ツールを活用した各種社内システムの内製開発を支援しております。当連結会計年度より特化型事業として従来のインソーシング事業セグメントより独立区分いたしました。顧客の立場でシステム導入の要件・開発・運用を実施し、内製開発に特化することによりノウハウを蓄積し、独自のチーム制開発手順により顧客側にもノウハウを残すことを目的としております。

(3) キャッシュレスセキュリティ・コンサルティング
キャッシュレスサービスを提供する又は利用する事業者を対象に、クレジットカードなど支払関連データの保護対策のコンサルティングサービス及び教育・研修サービスを提供しております。従来の「セキュリティ事業」から名称を変更しております。
PCI DSS(注5)準拠や運用支援、情報セキュリティマネジメント関連文書の整備支援、内製化支援等に関するコンサルティングサービスを行っており、また、これまでのコンサルティングのノウハウを活かした教育・研修サービスも提供しております。
当事業は連結子会社であるfjコンサルティング株式会社が行っています。
なお、2023年11月1日付で、主力サービスであるPCI DSS準拠コンサルティング及び関連する教育研修サービスを株式会社GRCSに事業譲渡いたしました。
注1.シェアード・エンジニアリングとは、限りある人的資源や知識資源をオープンかつ安全に共有する独自技術であり、当社事業の基盤技術をいいます。
注2.シェアード社員とは、コーポレートIT部門をタイムシェアで提供する当社所属の社員をいいます。
注3.スクラムとは、顧客案件チームの呼称であり、複数のシェアード社員で構成されております。
注4.準委任契約とは、顧客側ではなく当社側での指揮命令のもと業務を遂行し、知識・経験・人脈を生かして顧客の課題を解決する契約です。当社においては、成果物を伴わないため、時間課金の料金体系となっております。
注5.PCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)とは、カード会員情報の保護を目的として、国際ペイメントブランド5社(American Express、Discover、JCB、マスターカード、VISA)が共同で策定したカード情報セキュリティの国際統一基準です。
以上の事業の系統図は、次のとおりであります。
[事業系統図]

注1.タイムシェアサービスとは、中堅・中小企業のコーポレートIT部門の様々なニーズに対し、当社のIT人材(シェアード社員)を時間単位で活用できるサービスのことです。高度な専門技術を提供する当社の主軸サービスであります。
注2.オープンナレッジとは、公開されたデータを活用して課題の解決につなげることができる共有知識のことです。
注3.クローズドナレッジとは、安心・安全な環境で利用できる蓄積された共有知識のことです。会員制Q&Aサービス「Kikzo」の顧客は、Webサイト上から各種問合せ等を行い、安全な環境において専門技術者(当社シェアード社員)の知識や経験を活用することができます。