有価証券報告書-第18期(2022/07/01-2023/06/30)

【提出】
2023/09/29 15:00
【資料】
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【項目】
125項目

事業内容

当社グループは、当社(フィーチャ株式会社)及び連結子会社である北京飞澈科技有限公司により構成されており、「Make Things Intelligent」をミッションとして掲げ、画像認識ソフトウェア開発事業を行っております。
当社は2005年の創業以来、主にレンズ検査装置事業を行ってきましたが、2012年に画像認識ソフトウェア開発事業を開始しました。それ以来、コンピュータビジョン(コンピュータを用いた画像技術)と機械学習の経験を活かし、車載カメラやドライブレコーダー向けの画像認識ソフトウェアをモビリティ事業として提供してまいりました。また、2020年にはスマートインフラ事業、2021年にはDX(AI-OCR)事業へとサービス分野を広げ、事業の拡大を図ってまいりました。さらに、2023年6月にはボッシュ株式会社との資本業務提携契約を締結し、モビリティ事業の更なる強化を図っております。今後も当社グループは、様々な端末に実装しやすい画像認識技術の実現を目指してまいります。
・当社グループの事業内容
当社グループは、独自のアルゴリズムを用いて画像認識ソフトウェアを開発し、サービスを提供しております。現在、当社グループで展開する事業は、以下のとおりであります。いずれのサービスにおいても、基本的に量産案件に注力しており、ライセンス収入を獲得することを目的としております。
①モビリティ事業
当社グループは、車載カメラやドライブレコーダー向けに歩行者や車両、車線、標識等を検知するADAS(※1)用の組み込みソフトウェアの開発に注力しております。主な顧客は、自動車メーカーやTier 1(※2)と呼ばれる自動車部品メーカー、ドライブレコーダーメーカーであります。また、顔認証やよそ見運転、危険運転、居眠り運転等を検知するDMS(※3)用ソフトウェアが、自動車部品メーカー等を通して自動車に搭載されております。
※1 ADAS
Advanced Driver-Assistance Systems。自動車の運転手の運転操作を支援するシステム。
※2 Tier 1
自動車メーカーに直接部品を供給する企業。
※3 DMS
Driver Monitoring System。自動車の運転手を監視するシステム。
②スマートインフラ事業
社会における様々な課題をAIで解決するスマートインフラのニーズが高まっており、当社グループの画像認識ソフトウェアの活用がなされております。具体的には、交通監視やインフラ制御といった分野で、Tier 1や高速道路管理会社を通じて量産に向けた開発が進んでおります。モビリティ事業で培った技術やノウハウを応用することで、新たに多額の研究開発費を投入することなく、ソフトウェアの提供が可能となります。
③DX(AI-OCR)事業
新型コロナウイルスの感染拡大により、ペーパーレス化と業務自動化(DX化)の動きが加速した中、当社グループ独自のAI技術を基に高精度なAI文字認識エンジンを開発しました。主に、AI-OCRを活用したサービスを提供するITサービスベンダーに技術提供し、使用量に応じてライセンス料を受領しております。従来とは異なる幅広い分野の顧客に向けたサービス提供を実施しております。
・当社グループのソフトウェア技術について
当社グループは、コンピュータビジョンに特化したソフトウェア、特に機械学習を用いた画像認識ソフトウェアを主に開発しております。機械学習とは、大量のデータを用いて学習を行い、特徴量(※4)と呼ばれる辞書を作成し、当該辞書を参照しながら画像から歩行者等の対象物を検知する技術であります。
機械学習は、近年AI技術を大きく発展させたディープラーニング技術とディープラーニング技術出現前の非ディープラーニング技術に分けることができ、当社グループは、現在、主にディープラーニング技術を用いたアルゴリズム及びソフトウェアの開発に注力しております。画像認識ソフトウェアを安価な車載カメラやドライブレコーダー等のエッジデバイスに搭載する場合には、比較的性能が低いLSI(※5)で動作させることが必要ですが、当社グループの独自のアルゴリズムにより、そのような比較的性能が低いLSIでも動作させることが可能となります。また、自社で大規模なデータを保有しているため、少ない顧客データで高性能なモデルを開発することが可能となります。
※4 特徴量
データの特徴を数値化したもの。
※5 LSI
Large-Scale Integration。集積回路のうち、素子の集積度が数千ゲートかそれ以上のもの。
・当社グループのビジネスモデル
当社グループは、顧客の車載カメラやドライブレコーダー向けに画像認識ソフトウェアのカスタマイズや実装を行う対価を受託開発収入として計上しております。また、量産以降に発生する、搭載数量に応じたソフトウェア使用料をライセンス収入として計上しております。なお、一部の取引については商社が介在しております。
なお、当社グループは画像認識ソフトウェア開発事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
[事業系統図]
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
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