有価証券報告書-第5期(2025/04/01-2026/03/31)
(1) 【人材戦略に関する基本方針等】
当社グループは、企業理念「なによりも健やかな暮らしのために」のもと、ジェネリック医薬品事業を中核として、人々の健康への貢献と持続可能な社会の実現を目指しております。この実現に向けた長期ビジョン「Sawai Group Vision 2030」の内容、2026年度(2027年3月期)を最終年度とする中期経営計画「Beyond 2027」の詳細につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月24日)現在において、当社グループが判断したものであります。
<ガバナンス>当社グループは、人的資本を中期経営計画「Beyond 2027」の実現を支える重要な経営基盤と位置づけております。「信頼される企業基盤の確立」を土台とした持続的成長と企業価値の向上を推進するため、必要な人財の確保・育成・活躍支援を全社的かつ継続的に管理・監督する体制を構築しております。
取締役会は、人事戦略に関する基本方針及び人的資本投資の状況について審議・監督を行っております。人的資本に関するリスクや機会、重要施策の進捗について、後述する「人財戦略会議」から定期的に報告を受け、経営戦略との整合性を担保しております。
人的資本の価値最大化に向けた実質的な審議機能として、「人財戦略会議」を設置しております。人財戦略会議は、部門ごとの個別最適ではなく、グループ全体最適の観点から人財課題を議論することを目的としております。
・役割と審議事項:全社的な視点で人事戦略の策定・具体化を行い、主要な審議事項として、人財に関する新たな企画、サクセッションプラン(後継者計画)、育成目的のローテーション、全社的な評価調整、昇格候補者の検討等を取り扱っております。
・構成メンバー:会長及び社長、主要事業会社の経営陣、各本部長、担当役員及び人事担当役員等が参画し、必要に応じて関係役員、子会社社長及び部門長等が参加する体制としております。経営層が直接関与することで、事業運営と人財育成、組織課題を一体的に捉えた迅速かつ多角的な意思決定を行っております。
・報告ライン:本会議における審議内容や決定事項のうち、経営上の重要事項については、適宜取締役会へ付議または報告を行う体制としております。
<戦略>1. 人事戦略のありたい姿と基本方針
当社グループは、中期経営計画「Beyond 2027」に掲げる経営戦略の実現に向け、人財を最も重要な経営資源の一つと位置づけております。人事理念「個を育て、個を活かす」のもと、「従業員がイキイキとする活気ある会社」を人事戦略のありたい姿とし、従業員一人ひとりの成長が組織の活力と企業価値向上に直結する状態を目指します。この認識のもと、以下の3点を人事戦略の基本方針としております。
①経営戦略に連動した人財の確保・育成: 採用から処遇に至る各施策を一体的に運用し、中長期的な視点で人財基盤を強化する。
②多様な人財の活躍支援: 多様性を尊重し、従業員が成長意欲と働きがいを持って能力を最大限発揮できる環境を整備する。
③データに基づく戦略的人事マネジメントへの進化: 属人的な運用を脱し、全社視点かつ客観的データに基づいた人財投資の最適化を図る。
2. 経営戦略を実現する「必要人財」の定義
当社グループは、重点テーマである「信頼される企業基盤の確立」や「ジェネリック医薬品事業の持続性確立」「成長分野への継続投資」を支えるため、以下の人財を重点的に確保・育成すべき「必要人財」と定義しております。
3. 人事戦略の3本柱
上記の必要人財を充足し、その価値を最大化するため、以下の3つの柱を体系的に推進しております。
① 人財強化施策
経営戦略の実行主体である人財の質と厚みを高めるため、以下の施策を展開しております。
(1)計画的な登用・育成: 育成目的のローテーションを活性化させるとともに、次世代リーダーを選抜し、具体的な育成計画に基づく継続的な研修を実施します。特に管理職についてはあらゆる事業活動において中核となる人財であると認識し、全社的視点での検討を行い、共通の育成の仕組みを構築してまいります。
(2)ID&Eの推進: 女性・障がい者・LGBTQ等を含む多様な人財の活躍を推進することにより、企業競争力の強化、組織エンゲージメントの向上、企業価値・ブランドイメージの向上を目指します。
(3)賃金の適正な配分の推進:外部市場水準を反映した処遇体系の整備や、役割と成果に報いる報酬制度への展開を検討し、優秀な人財の確保・定着を推進してまいります。
② 就労上の環境整備
従業員の働きがいとモチベーションを向上させるため、働く環境の整備とキャリア形成支援を一体的に進めております。
(1)主体的なキャリア形成: 社内公募制度やキャリアデザイン研修等を通じ、従業員本人の主体的な意思を尊重した育成機会の提供を行っております。
(2)両立支援と健康経営: 育児・介護休業制度の活用や在宅勤務制度の推進により、ライフイベントに起因する離職やキャリア中断を防止しております。また、従業員が心身ともに健やかに働けるよう、健康診断後のフォロー体制やメンタルヘルスケアの強化を通じ、健康リテラシーの醸成を図っております。
③ 人事戦略基盤の強化
人事戦略を支える基盤を盤石なものとするため、以下の運営体制を整備します。
(1)人財戦略会議の運用:重要な人事戦略を全社的な視点で検討・策定し、それらを着実に具現化するための審議を行っております。
(2)タレントマネジメントシステムの活用: 全ての人事データを集約し可視化することで、客観的データに基づく適材適所の配置や後継者計画の策定、人財ポートフォリオの最適化を推進します。
4. 人事戦略の推進により目指す姿
当社グループは、これらの取り組みを通じて、品質文化の定着、安定供給を支える現場力の強化、及び経営人財の育成を加速させます。エンゲージメント指標の向上や離職率の低減、多様な人財の活躍促進を重要課題として進捗管理を行い、持続的成長を支える人的資本の価値最大化を図ってまいります。
<リスク管理>1. リスク管理体制と基本的な考え方
当社グループは、人的資本に関する課題を中期経営計画「Beyond 2027」の実現を左右する重要な経営課題と認識しております。人的資本のリスク及び機会の管理にあたっては、人事部門が各本部から収集した情報を集約し、「人財戦略会議」において全社的な視点から識別・評価・モニタリングを行う体制を構築しております。単一の指標にとどまらず、人財ポートフォリオ、専門性、マネジメント力、職場環境、人財データの整備状況などを総合的に勘案し、部門最適ではなく全社最適の観点からリスク低減を図っております。
2. リスクの識別・評価
リスクの識別にあたっては、主として以下の3つの観点から検討し、経営戦略への影響度、発生可能性、緊急性を踏まえて優先順位付けを行っております。
①人員構成の妥当性: 現場人財(製造・品質保証・品質管理等)や重要職種の確保、特定部門への人財偏在、属人的な運用の解消。
②能力・スキルの充足度: 専門人財(研究開発・薬事・生産技術等)の確保、次世代リーダー及び経営人財の育成状況、評価・配置運用の適正性。
③定着と活躍を促す環境: エンゲージメント、離職状況、両立支援・健康経営の推進、ID&Eの浸透度。
特に、品質文化の定着や安定供給に直結する「現場力・管理職の強化」及び「経営人財の計画的育成」は、事業継続に与える影響が大きい最重要事項として重点管理しております。
3. モニタリングと戦略への反映
識別したリスクについては、定量・定性の両面から継続的にモニタリングし、人事戦略の各施策(人財強化・環境整備・基盤強化)に適時反映しております。
4. 今後の取り組み
今後、タレントマネジメントシステムの高度化により人財データの可視化をさらに進め、リスクの把握と対応力を高めてまいります。経営環境の変化に応じ、リスクと機会を継続的に見直すことで、経営戦略と整合した人的資本マネジメントの実効性を向上させてまいります。
<指標・目標>1. 指標設定の考え方
当社グループは、人事戦略の実効性を高めるため、「従業員がイキイキとする活気ある会社」というありたい姿の実現と、品質・安定供給・成長投資を支える人的基盤の強化を軸に指標を設定しております。特に、エンゲージメントの向上、離職率の低減、多様な人財の活躍を最重要の成果指標(KPI)と位置づけ、これらを補完する各施策の進捗指標とともに、人財戦略会議において継続的にモニタリングしております。
2. 人的資本に関する主要指標と実績
主要な成果指標及び人事戦略の3本柱(人財強化、環境整備、基盤強化)に紐づく補完的指標の状況は以下のとおりです。
3. 指標の活用と今後の展開
当社グループは、これらの指標を単なる人事管理のツールではなく、経営戦略の進捗を支える重要指標として位置づけております。
①PDCAサイクルの回動: 指標の進捗を継続的に確認し、必要に応じて人事施策や制度運用の見直しを行うことで、戦略の実効性を高めてまいります。
②指標体系の拡充: 今後は、品質・安定供給を担う重要職種の充足率、次世代リーダーの育成状況、後継者計画の充足状況など、経営戦略との連動性をより精緻に測定する指標の拡充を図ります。
③データ基盤の高度化: タレントマネジメントシステムの活用により人財データを全社的に可視化し、人財投資に対する効果検証の精度を向上させてまいります。
以上の取り組みを通じて、人財の確保・定着・活躍を推進し、持続的な企業価値の向上に繋げてまいります。
<従業員給与等の決定方針>1. 基本的な考え方
当社グループは、従業員給与を単なる労務コストではなく、経営戦略の実現を支える「人的資本への重要な投資」と位置づけております。人事理念「個を育て、個を活かす」のもと、従業員一人ひとりの役割、能力、成果及び成長への期待を適切に反映し、「成果を上げた人に報いる」納得感のある処遇を実現することを基本方針としております。
2. 給与体系と評価・昇格との連動
当社グループの給与体系は、役割・等級・能力に基づく「基本給」と、会社業績及び個人の成果に応じた「賞与」、及び諸手当により構成されています。
3. 戦略上の重要テーマ
① 必要人財の確保・定着に向けた処遇
品質・安定供給を支える人財や高度な専門性を有する人財については、労働市場環境を注視し、競争力のある処遇を提示するように努めております。また、入社時のみならず、中長期的な定着と成長意欲を維持できる処遇運用となるように注視しております。
② 管理職処遇の最適化
管理職は経営戦略実行の中核を担うことから、その役割と責任の重さにふさわしい処遇のあり方を重要課題としております。現在、マネジメント力の強化と人財登用の納得性向上を目的に、「役割と報酬の連動性をより高める給与体系への見直し」を検討しております。
4. 人事戦略との一体運用と今後の展望
給与決定方針は、人事戦略の3本柱(人財強化、環境整備、基盤強化)を支える基盤です。適正な処遇を通じて挑戦意欲を醸成し(人財強化)、納得感のある評価を通じてエンゲージメントを高め(環境整備)、データに基づいた公正な運用を徹底する(基盤強化)ことで、人的資本投資の効果を最大化させます。
今後も経営環境の変化や採用競争力の動向を踏まえ、人的資本の価値向上に直結する、より実効性の高い給与体系への進化を図ってまいります。
当社グループは、企業理念「なによりも健やかな暮らしのために」のもと、ジェネリック医薬品事業を中核として、人々の健康への貢献と持続可能な社会の実現を目指しております。この実現に向けた長期ビジョン「Sawai Group Vision 2030」の内容、2026年度(2027年3月期)を最終年度とする中期経営計画「Beyond 2027」の詳細につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月24日)現在において、当社グループが判断したものであります。
<ガバナンス>当社グループは、人的資本を中期経営計画「Beyond 2027」の実現を支える重要な経営基盤と位置づけております。「信頼される企業基盤の確立」を土台とした持続的成長と企業価値の向上を推進するため、必要な人財の確保・育成・活躍支援を全社的かつ継続的に管理・監督する体制を構築しております。
取締役会は、人事戦略に関する基本方針及び人的資本投資の状況について審議・監督を行っております。人的資本に関するリスクや機会、重要施策の進捗について、後述する「人財戦略会議」から定期的に報告を受け、経営戦略との整合性を担保しております。
人的資本の価値最大化に向けた実質的な審議機能として、「人財戦略会議」を設置しております。人財戦略会議は、部門ごとの個別最適ではなく、グループ全体最適の観点から人財課題を議論することを目的としております。
・役割と審議事項:全社的な視点で人事戦略の策定・具体化を行い、主要な審議事項として、人財に関する新たな企画、サクセッションプラン(後継者計画)、育成目的のローテーション、全社的な評価調整、昇格候補者の検討等を取り扱っております。
・構成メンバー:会長及び社長、主要事業会社の経営陣、各本部長、担当役員及び人事担当役員等が参画し、必要に応じて関係役員、子会社社長及び部門長等が参加する体制としております。経営層が直接関与することで、事業運営と人財育成、組織課題を一体的に捉えた迅速かつ多角的な意思決定を行っております。
・報告ライン:本会議における審議内容や決定事項のうち、経営上の重要事項については、適宜取締役会へ付議または報告を行う体制としております。
<戦略>1. 人事戦略のありたい姿と基本方針
当社グループは、中期経営計画「Beyond 2027」に掲げる経営戦略の実現に向け、人財を最も重要な経営資源の一つと位置づけております。人事理念「個を育て、個を活かす」のもと、「従業員がイキイキとする活気ある会社」を人事戦略のありたい姿とし、従業員一人ひとりの成長が組織の活力と企業価値向上に直結する状態を目指します。この認識のもと、以下の3点を人事戦略の基本方針としております。
①経営戦略に連動した人財の確保・育成: 採用から処遇に至る各施策を一体的に運用し、中長期的な視点で人財基盤を強化する。
②多様な人財の活躍支援: 多様性を尊重し、従業員が成長意欲と働きがいを持って能力を最大限発揮できる環境を整備する。
③データに基づく戦略的人事マネジメントへの進化: 属人的な運用を脱し、全社視点かつ客観的データに基づいた人財投資の最適化を図る。
2. 経営戦略を実現する「必要人財」の定義
当社グループは、重点テーマである「信頼される企業基盤の確立」や「ジェネリック医薬品事業の持続性確立」「成長分野への継続投資」を支えるため、以下の人財を重点的に確保・育成すべき「必要人財」と定義しております。
| 重点項目 | 求める人財像 |
| 信頼性の向上 | 製造、品質保証、品質管理の各領域において、GMP等の関連法令・基準に関する知識と実務能力を有し、高い倫理観と責任感をもって業務を遂行できる人財 |
| 安定供給の維持・確保 | 製造現場における実務遂行力を有し、安定操業を支える技能・知識を備えた人財 |
| 高付加価値ジェネリック医薬品の開発 | 高度な専門性に加え、開発から上市までを横断的に推進する人財 |
| 新規事業開発などの成長投資 | 新たな事業機会を探索し、変化を先取りして構想・実行できる人財 |
| マネジメント・経営基盤 | 全社視点、実行力、ガバナンス意識を備え、次世代の経営や組織運営を担うリーダー層 |
3. 人事戦略の3本柱
上記の必要人財を充足し、その価値を最大化するため、以下の3つの柱を体系的に推進しております。
① 人財強化施策
経営戦略の実行主体である人財の質と厚みを高めるため、以下の施策を展開しております。
(1)計画的な登用・育成: 育成目的のローテーションを活性化させるとともに、次世代リーダーを選抜し、具体的な育成計画に基づく継続的な研修を実施します。特に管理職についてはあらゆる事業活動において中核となる人財であると認識し、全社的視点での検討を行い、共通の育成の仕組みを構築してまいります。
(2)ID&Eの推進: 女性・障がい者・LGBTQ等を含む多様な人財の活躍を推進することにより、企業競争力の強化、組織エンゲージメントの向上、企業価値・ブランドイメージの向上を目指します。
(3)賃金の適正な配分の推進:外部市場水準を反映した処遇体系の整備や、役割と成果に報いる報酬制度への展開を検討し、優秀な人財の確保・定着を推進してまいります。
② 就労上の環境整備
従業員の働きがいとモチベーションを向上させるため、働く環境の整備とキャリア形成支援を一体的に進めております。
(1)主体的なキャリア形成: 社内公募制度やキャリアデザイン研修等を通じ、従業員本人の主体的な意思を尊重した育成機会の提供を行っております。
(2)両立支援と健康経営: 育児・介護休業制度の活用や在宅勤務制度の推進により、ライフイベントに起因する離職やキャリア中断を防止しております。また、従業員が心身ともに健やかに働けるよう、健康診断後のフォロー体制やメンタルヘルスケアの強化を通じ、健康リテラシーの醸成を図っております。
③ 人事戦略基盤の強化
人事戦略を支える基盤を盤石なものとするため、以下の運営体制を整備します。
(1)人財戦略会議の運用:重要な人事戦略を全社的な視点で検討・策定し、それらを着実に具現化するための審議を行っております。
(2)タレントマネジメントシステムの活用: 全ての人事データを集約し可視化することで、客観的データに基づく適材適所の配置や後継者計画の策定、人財ポートフォリオの最適化を推進します。
4. 人事戦略の推進により目指す姿
当社グループは、これらの取り組みを通じて、品質文化の定着、安定供給を支える現場力の強化、及び経営人財の育成を加速させます。エンゲージメント指標の向上や離職率の低減、多様な人財の活躍促進を重要課題として進捗管理を行い、持続的成長を支える人的資本の価値最大化を図ってまいります。
<リスク管理>1. リスク管理体制と基本的な考え方
当社グループは、人的資本に関する課題を中期経営計画「Beyond 2027」の実現を左右する重要な経営課題と認識しております。人的資本のリスク及び機会の管理にあたっては、人事部門が各本部から収集した情報を集約し、「人財戦略会議」において全社的な視点から識別・評価・モニタリングを行う体制を構築しております。単一の指標にとどまらず、人財ポートフォリオ、専門性、マネジメント力、職場環境、人財データの整備状況などを総合的に勘案し、部門最適ではなく全社最適の観点からリスク低減を図っております。
2. リスクの識別・評価
リスクの識別にあたっては、主として以下の3つの観点から検討し、経営戦略への影響度、発生可能性、緊急性を踏まえて優先順位付けを行っております。
①人員構成の妥当性: 現場人財(製造・品質保証・品質管理等)や重要職種の確保、特定部門への人財偏在、属人的な運用の解消。
②能力・スキルの充足度: 専門人財(研究開発・薬事・生産技術等)の確保、次世代リーダー及び経営人財の育成状況、評価・配置運用の適正性。
③定着と活躍を促す環境: エンゲージメント、離職状況、両立支援・健康経営の推進、ID&Eの浸透度。
特に、品質文化の定着や安定供給に直結する「現場力・管理職の強化」及び「経営人財の計画的育成」は、事業継続に与える影響が大きい最重要事項として重点管理しております。
3. モニタリングと戦略への反映
識別したリスクについては、定量・定性の両面から継続的にモニタリングし、人事戦略の各施策(人財強化・環境整備・基盤強化)に適時反映しております。
| モニタリング項目 | 主な指標・確認内容 | 対応施策の例 |
| 定量指標 | エンゲージメント、離職率、女性管理職比率、障がい者雇用率、育休取得率 | 処遇改善、キャリア形成支援、ID&E推進 |
| 定性・運用状況 | 評価調整、後継者育成の進捗、重要人財の育成状況 | 採用強化、ローテーションの活性化、選抜育成施策の実施 |
| 制度活用状況 | 社内公募、キャリア相談窓口の利用実績 | 職場環境の整備、自律的成長支援の強化 |
4. 今後の取り組み
今後、タレントマネジメントシステムの高度化により人財データの可視化をさらに進め、リスクの把握と対応力を高めてまいります。経営環境の変化に応じ、リスクと機会を継続的に見直すことで、経営戦略と整合した人的資本マネジメントの実効性を向上させてまいります。
<指標・目標>1. 指標設定の考え方
当社グループは、人事戦略の実効性を高めるため、「従業員がイキイキとする活気ある会社」というありたい姿の実現と、品質・安定供給・成長投資を支える人的基盤の強化を軸に指標を設定しております。特に、エンゲージメントの向上、離職率の低減、多様な人財の活躍を最重要の成果指標(KPI)と位置づけ、これらを補完する各施策の進捗指標とともに、人財戦略会議において継続的にモニタリングしております。
2. 人的資本に関する主要指標と実績
主要な成果指標及び人事戦略の3本柱(人財強化、環境整備、基盤強化)に紐づく補完的指標の状況は以下のとおりです。
| 区分 | 指標名 | 実績(2026年3月期) | 目標(2027年3月期) |
| 主要成果指標 | エンゲージメント指標 | 3.6 | 4.50以上 |
| 離職率 | 2.95% | - | |
| 女性管理職比率 | 9.8% | 15%以上 | |
| 多様な人財の活躍 | 障がい者雇用率 | 3.14% | 2.85% |
| 男性育児休業取得率 | 108.2% | 100% | |
| 就労環境 | 社内公募応募者数 | 14名 | - |
| キャリア相談利用者数 | 39名 | - |
3. 指標の活用と今後の展開
当社グループは、これらの指標を単なる人事管理のツールではなく、経営戦略の進捗を支える重要指標として位置づけております。
①PDCAサイクルの回動: 指標の進捗を継続的に確認し、必要に応じて人事施策や制度運用の見直しを行うことで、戦略の実効性を高めてまいります。
②指標体系の拡充: 今後は、品質・安定供給を担う重要職種の充足率、次世代リーダーの育成状況、後継者計画の充足状況など、経営戦略との連動性をより精緻に測定する指標の拡充を図ります。
③データ基盤の高度化: タレントマネジメントシステムの活用により人財データを全社的に可視化し、人財投資に対する効果検証の精度を向上させてまいります。
以上の取り組みを通じて、人財の確保・定着・活躍を推進し、持続的な企業価値の向上に繋げてまいります。
<従業員給与等の決定方針>1. 基本的な考え方
当社グループは、従業員給与を単なる労務コストではなく、経営戦略の実現を支える「人的資本への重要な投資」と位置づけております。人事理念「個を育て、個を活かす」のもと、従業員一人ひとりの役割、能力、成果及び成長への期待を適切に反映し、「成果を上げた人に報いる」納得感のある処遇を実現することを基本方針としております。
2. 給与体系と評価・昇格との連動
当社グループの給与体系は、役割・等級・能力に基づく「基本給」と、会社業績及び個人の成果に応じた「賞与」、及び諸手当により構成されています。
| 構成要素 | 決定方針・運用 |
| 基本給(一般職) | 担当する仕事の役割や責任に応じて4つの等級に区分され、等級及び号数により決められる本給と物価変動調整分の加給の合計額 |
| 基本給(管理職) | 担当職務による区分とそれぞれの職務難易度、責任の重さに応じた等級に基づく役割給と年ごとに評価を反映した役割遂行給の合計額 |
| 賞与 | 会社業績に加え、部門及び個人の短期的な成果、事業への貢献度を勘案。 |
| 評価との連動 | 人財戦略会議を通じた全社的な評価調整を行い、部門間のばらつきを排除。処遇の透明性と公正性を高める。 |
3. 戦略上の重要テーマ
① 必要人財の確保・定着に向けた処遇
品質・安定供給を支える人財や高度な専門性を有する人財については、労働市場環境を注視し、競争力のある処遇を提示するように努めております。また、入社時のみならず、中長期的な定着と成長意欲を維持できる処遇運用となるように注視しております。
② 管理職処遇の最適化
管理職は経営戦略実行の中核を担うことから、その役割と責任の重さにふさわしい処遇のあり方を重要課題としております。現在、マネジメント力の強化と人財登用の納得性向上を目的に、「役割と報酬の連動性をより高める給与体系への見直し」を検討しております。
4. 人事戦略との一体運用と今後の展望
給与決定方針は、人事戦略の3本柱(人財強化、環境整備、基盤強化)を支える基盤です。適正な処遇を通じて挑戦意欲を醸成し(人財強化)、納得感のある評価を通じてエンゲージメントを高め(環境整備)、データに基づいた公正な運用を徹底する(基盤強化)ことで、人的資本投資の効果を最大化させます。
今後も経営環境の変化や採用競争力の動向を踏まえ、人的資本の価値向上に直結する、より実効性の高い給与体系への進化を図ってまいります。