有価証券報告書-第2期(2022/04/01-2023/03/31)

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2023/06/27 15:03
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループでは、資本市場における財務情報の国際的な比較可能性を向上させることを目的として、IFRSを適用しております。同基準に基づいた当連結会計年度の業績につきましては、売上収益200,344百万円(前期比3.4%増)、営業利益16,984百万円(前期は35,888百万円の営業損失)、税引前当期利益16,789百万円(前期は36,214百万円の税引前当期損失)、親会社の所有者に帰属する当期利益12,667百万円(前期は28,269百万円の親会社の所有者に帰属する当期損失)となりました。なお、当社は、IFRSの適用に当たり、会社の経常的な収益性を示す利益指標として、「コア営業利益」を導入し、経営成績を判断する際の参考指標と位置づけることとしております。「コア営業利益」は、営業利益から当社グループが定める非経常的な要因による損益を除外しております。同基準に基づいた当連結会計年度の「コア営業利益」は、23,071百万円(前期比12.3%減)となりました。
(単位:百万円)
前連結会計年度
(2022年3月期)
当連結会計年度
(2023年3月期)
増減額増減率(%)
売上収益193,816200,3446,5283.4
営業利益(△損失)△35,88816,98452,872-
税引前当期利益(△損失)△36,21416,78953,004-
親会社の所有者に帰属する当期利益
(△損失)
△28,26912,66740,935-
コア営業利益26,32123,071△3,250△12.3

当社グループは、持株会社体制の下、2021年5月に発表した長期ビジョン「Sawai Group Vision 2030」と2024年3月期を最終年度とする中期経営計画「START 2024(以下「中計」という。)」において、2030年度に目標とする企業イメージを(創りたい世界像)「より多くの人々が身近にヘルスケアサービスを受けられ、社会の中で安心して活き活きと暮らせる世界」、(ありたい姿)「個々のニーズに応じた、科学的根拠に基づく製品・サービスを複合的に提供することで、人々の健康に貢献し続ける存在感のある会社」と掲げると共に、「国内ジェネリック医薬品市場におけるシェア拡大」「米国事業における将来の成長に向けた事業投資」「新たな成長分野の開拓」を3つの柱としております。また、中計においては、ジェネリック医薬品事業では新製品の売上増加、安定供給力の強化、新規事業への進出に向けては、デジタル・医療機器事業、オーファン医薬品事業(ALS等)、健康食品事業の3領域に重点的にリソースを投入することとしております。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(日本セグメント)
日本セグメントにおいては、「経済財政運営と改革の基本方針2017~人材への投資を通じた生産性向上~」(骨太方針2017)と「経済財政運営と改革の基本方針2019~『令和』新時代:『Society5.0』への挑戦~」(骨太方針2019)により、ジェネリック医薬品の数量目標の設定やインセンティブ強化を含めた取り組みが明示され、また、2021年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2021」(骨太方針)では、「後発医薬品の品質及び安定供給の信頼性の確保を柱とし、官民一体で、製造管理体制強化や製造所への監督の厳格化、市場流通品の品質確認検査などの取組を進めるとともに、後発医薬品の数量シェアを、2023年度末までに全ての都道府県で80%以上とする」とされています。そして、2022年4月の診療報酬改定では、ジェネリック医薬品のさらなる使用促進を図る観点から、ジェネリック医薬品の調剤割合が高い薬局や使用割合が高い医療機関に重点を置いた評価の見直し等が行われました。その結果、2022年9月の政府の薬価調査による最新のジェネリック医薬品の数量シェアは79.0%(速報値)となっています。
その一方で、2018年4月に通常の薬価改定、2019年10月には消費税率の引上げに伴う臨時の薬価改定、2020年4月に通常の薬価改定、2021年4月には初めてとなる中間年の薬価改定、2022年4月に通常の薬価改定、そして、2023年4月には中間年の薬価改定が実施され、昨今は毎年薬価改定が行われる状況となっており、当社グループを取り巻く収益環境は一層厳しいものとなっております。
このような中で、2020年末の準大手ジェネリック医薬品企業の製造する医薬品での健康被害の発生や、その後の大手ジェネリック医薬品企業をはじめとした複数のジェネリック医薬品企業の薬機法違反を起因として、医薬品全体で供給不安が生じています。このため、2021年9月に厚生労働省から発表された「医薬品産業ビジョン2021」では「製造所の実態を把握し、適切なGQPで製品が製造されているかを管理監督できるもののみが製造販売業者となるべきである」「医療現場に継続して安定的に供給することの重要性を再認識すべきである」と明記される等、品質や供給体制がジェネリック医薬品産業・企業の優先課題であるとされています。また、このような状況の下、厚生労働省は、2022年8月、「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」を立ち上げて、医薬品の流通、薬価制度、産業構造上の問題など幅広い議論が行われています。
このような環境におきまして、中計の下、ジェネリック医薬品業界のリーディング・カンパニーとして、業界全体への信頼回復に努めつつ、当社グループとして「国内ジェネリック医薬品市場におけるシェア拡大」に向け「品質管理の一層の強化」を図るとともに、「新製品の売上増加」と「安定供給力の強化」に取り組んでおります。
品質管理面においては、ジェネリック医薬品業界において重大な不祥事が発生していることから、中核会社の沢井製薬株式会社(以下「沢井製薬」という。)を中心に、製造管理・品質管理基準(GMP)を遵守した原薬の品質の確保、製造工場でのGMP遵守の恒常的確認による品質管理体制、国際基準であるPIC/S-GMPに基づく製造管理・品質管理を行う等の取組により、品質に係るリスクを最小限に抑えております。また、2022年3月期には医療関係者の皆様が安心してご使用いただけるよう、沢井製薬では製品の製剤製造企業に関する情報と原薬製造所の監査に関する情報を公開し、「沢井製薬の品質に対する取組紹介動画」を公開する等の取組を行ってまいりました。
生産・供給体制面においては、ジェネリック医薬品の需要拡大と供給不安の中、さらなる高効率・低コストを追求しており、沢井製薬の全国6工場それぞれの特徴を活かした生産効率のアップに取り組んでおります。それに加えて、2022年9月に、九州工場注射剤棟の竣工、並びに第二九州工場の敷地内に最終的に30億錠の生産能力となる新たな固形剤棟の建設に着手しました。また、小林化工株式会社から、新たに設立したトラストファーマテック株式会社に生産活動に係る資産を譲受し、2022年4月に関連部門人員を受け入れました。今後、これらの資産の活用により、自社生産能力年間200億錠以上の早期確立へ向け、体制の構築に取り組んでまいります。それらと合わせ、2022年3月期に開設・稼働した東日本第2物流センター、西日本第2物流センターを活用し、物流面での供給体制も強化しております。
製品開発・販売面においては、沢井製薬にて2022年6月に『フェブキソスタット錠、OD錠』を含む5成分11品目、12月には『エソメプラゾールカプセル』を含む6成分12品目が薬価収載されました。
また、沢井製薬において、「お薬を服用する時により飲み心地がいいと感じられるような技術、お薬をより効率的に製造できる技術など、お薬に付加価値をプラスし、製剤上のハーモニーを生み出す技術」の中から6つを選択し、3つの技術カテゴリに分け、それらのオリジナル製剤化技術を総称して「SAWAI HARMOTECH®」と名付け、公開しております。
さらに新たな取組として、PHR(パーソナルヘルスレコード)事業に関しまして、2022年4月に沢井製薬ブランドのパーソナルヘルスレコード(PHR)管理アプリ「SaluDi(サルディ)」及びインテグリティ・ヘルスケアのPHR管理システム「Smart One Health」と東京大学COI個別化保健医療講座(岸暁子特任助教)開発の行動変容促進システム「MIRAMED®」を活用した特定保健指導を連携させ、「健康~未病~特定保健指導~受診勧奨のワンストップサービス」の実現可能性や効果の検証を行うことを発表し、9月には、参加者同士の双方向のコミュニケーションを通して、健康寿命やヘルスケアへの意識向上や、PHRについての理解促進を図ることを目的とし、クオン株式会社と共同で「健康サポートコミュニティsupported by SaluDi」をオープンしました。それに加えて、2023年1月には兵庫県養父市の「養父市デジタルヘルシーエイジング事業」において、SaluDiが採用される等、デジタル技術を活用して、ビジネスモデルやビジネスプロセスを抜本的に変革し、人々の生活・健康をより良い方向に変化させて参ります。また、NASH(非アルコール性脂肪肝炎:Non-Alcoholic Steatohepatitis)領域において、アプリを通じて、デジタルヘルスケア領域での技術や知見の強化とともに、IT技術を活用したソリューションを直接、患者さん・医療従事者の皆様にお届けすることを目指し、2022年8月にNASH領域におけるDTxの開発及び販売ライセンス契約を株式会社CureAppとの間で締結したことを発表しました。さらに、医療機器事業においても、12月には非侵襲型ニューロモデュレーション機器「SWD001」について、片頭痛の急性期治療に用いる医療機器として、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)に製造販売承認申請を行いました。
新型コロナウイルス感染症への対策については、災害BCPとして2020年2月に危機管理本部を立ち上げ、社内においてはオフィスの換気・除菌の強化を図り、従業員の手指消毒・手洗い・マスク着用・検温の励行を徹底し感染予防を行っております。加えて、会議の原則WEB化、長距離出張の抑制など社内ルールの見直しを行うとともに、フレックスタイム制・時差出勤・在宅勤務等への勤務体系変更も柔軟に対応しながら、国内の各工場を継続して稼働し、安定供給の確保に努めております。社外においても、政府による緊急事態宣言下では、医薬情報担当者(MR)の医療機関等への訪問自粛を行い、WEB等を活用した業務にシフトする等の対応を行いました。今後、本感染症の影響が長引けば、原材料の輸入や物流の停滞による医薬品供給面への影響、コロナ禍での患者さんの受診抑制による需要面への影響、及び医薬品の情報提供活動の制限等の影響も予想されます。当社グループは、医薬品製造販売業を中核事業としていることから、引き続き感染予防・対策を徹底し、国民の生命、健康の保持に必要不可欠な医薬品の安定供給体制の維持に努めてまいります。
この結果、日本セグメントにおける売上収益は163,702百万円(前期比0.1%減)、セグメント利益は16,054百万円(前期比50.4%減)、コア営業利益(参考値)は21,425百万円(前期比20.7%減)となりました。
(米国セグメント)
米国セグメントにおいては、2017年5月にUSLを買収し米国市場進出を果たしており、中計では、「既存のブランド薬及びジェネリック医薬品の販売推進による売上への寄与」「ニッチなジェネリック医薬品を中心にさらなる製品ラインナップの充実」「沢井製薬との協働による難易度の高いパイプラインと製品ラインナップの強化」を成長ドライバーとして「米国事業における将来の成長に向けた事業投資」を行うこととし、USLの持分20%を所持している住友商事株式会社の米国子会社Sumitomo Corporation of Americasとともに取り組んでおります。
しかしながら、米国におけるジェネリック医薬品業界は、卸・薬局等の統合により3大購買グループのシェアが約90%を占めていること、米国食品医薬品局(FDA)による医薬品簡略承認申請(ANDA)承認件数が高い水準にあること等により、下落基調となっています。USLにおきましては、ジェネリック主力品への競合他社の参入が続いたことに加え、主力ブランド品であるQudexy®へのジェネリック医薬品の競合参入があり、依然として経営環境は厳しいものとなっております。2022年3月期には、USLの持続的成長のあり方を検討し、事業再構築に着手することに伴い米国セグメントの将来計画を見直した結果、のれんをはじめとした米国セグメントの資産について減損損失68,770百万円を認識することとなりましたが、当期は、売上収益安定に向けた施策や、研究開発部門を含めたコスト削減の徹底等を通じて早期黒字化に向けた様々な施策の実行に取り組んでおります。
このような中、USLは、2023年1月にフルオキセチン内用液を、3月にジサイクロミン塩酸塩錠を上市しました。
さらに、2022年3月期に既存のコロラド州のデンバー工場につきセール・アンド・リースバック取引を行い、2022年12月には当該工場の稼働を終了しました。そして、USL本社敷地内の新工場は2023年1月に商業生産を開始しました。今後順次生産する品目を増やし、引き続き品質と効率のさらなる向上と安定供給に努めてまいります。
新型コロナウイルス感染症への対策については、2020年3月初めには部門横断の対策チーム(COVID-19 Response Team)を立ち上げ、幅広く情報収集し対策を行ってまいりました。製造部門や研究開発部門などオンサイトでの業務が不可欠な従業員を除きテレワークへと移行し、従業員の感染防止対策を施すとともに、ITを活用した営業活動に切り替えました。一方、米国ではワクチンの接種が順調に伸長し、経済活動は正常化しております。USLとしましては、引き続き感染予防・対策を徹底し、ヒトの生命、健康の保持に必要不可欠な医薬品の安定供給体制の維持に努めてまいります。
この結果、米国セグメントにおける売上収益は36,642百万円(前期比22.2%増)、セグメント利益は930百万円(前期は68,249百万円のセグメント損失)、コア営業利益(参考値)は1,640百万円(前期は708百万円のコア営業損失)となりました。
当連結会計年度末における財政状態は、次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は205,347百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,223百万円増加いたしました。これは主に、後述のキャッシュ・フローの状況に記載のとおり現金及び現金同等物が14,641百万円減少した一方、棚卸資産が日本セグメントでの安定供給力の強化に向けた生産の影響等により15,953百万円増加したためです。非流動資産は158,818百万円となり、前連結会計年度末に比べ11,439百万円増加いたしました。これは主に、沢井製薬第二九州工場における新固形剤棟建設に係る建設仮勘定の増加等により有形固定資産が10,111百万円増加したためです。
この結果、資産合計は364,165百万円となり、前連結会計年度末に比べ14,663百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は85,154百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,685百万円減少いたしました。これは主に、日本セグメントにおける価格政策の見直しの影響等により返金負債が2,141百万円減少したためです。非流動負債は66,272百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,693百万円増加いたしました。これは主に借入の実行により借入金が6,466百万円増加したためです。
この結果、負債合計は151,426百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,008百万円増加いたしました。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計は212,738百万円となり、前連結会計年度末に比べ12,655百万円増加いたしました。これは主に、当期利益の計上、剰余金の配当及び為替レートの変動によるものであります。
この結果、親会社所有者帰属持分比率は55.4%(前連結会計年度末は54.4%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は33,076百万円となり、前連結会計年度末に比べて14,641百万円減少いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期利益16,789百万円、減価償却費及び償却費17,683百万円、減損損失3,464百万円、棚卸資産の増加14,868百万円、返金負債の減少2,551百万円、法人所得税等の支払額7,473百万円を主因として13,026百万円の収入(前期比21,284百万円の収入減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出20,727百万円、無形資産の取得による支出6,414百万円を主因として27,134百万円の支出(前期比3,261百万円の支出減)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増10,000百万円、長期借入れによる収入9,500百万円、長期借入金の返済による支出3,118百万円、社債の償還による支出10,000百万円、配当金の支払額5,693百万円を主因として1,267百万円の支出(前期比9,995百万円の支出減)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
日本166,625+4.9
米国18,692+23.3
合計185,316+6.5

(注) 上記金額は、売価換算額で表示しております。
b. 受注実績
当社グループは見込み生産が主で受注生産は僅少であるため記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
日本163,702△0.1
米国36,642+22.2
合計200,344+3.4

(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先前連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
株式会社メディセオ30,80615.932,32516.1
アルフレッサ株式会社28,55414.728,50814.2


(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.概要
当社グループは、主としてジェネリック医薬品の研究開発、製造及び販売を日本及び米国で行っております。「なによりも健やかな暮らしのために」の企業理念の下で、ジェネリック医薬品事業では、いち早く新しいジェネリック医薬品を開発・上市するとともに、品質・安定供給・情報提供においてトップレベルの水準を維持し続けることにより、ブランド価値を比類のないものに高め競争に打ち勝つこと、米国事業では、既存のブランド薬及びジェネリック医薬品の販売推進による売上への寄与に努め、持続的な成長を通じて企業価値向上を図りました。
当社グループは、循環器官用薬、中枢神経系用薬、消化器官用薬など、さまざまな薬効の約900品目を提供しております。当社グループは、当連結会計年度末現在で11の製造拠点を有し、そのうち9つは日本、2つは米国に所在しております。当社グループの主力となる日本セグメントにおいて、生産能力及び生産数量(外注含む)は当連結会計年度末で約185億錠及び約170億錠(ともに錠換算)となっております。
b.経営成績の分析
当連結会計年度の業績を前連結会計年度と比較した表は、次のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
増減額
売上収益193,816200,3446,528
売上原価△127,164△137,711△10,547
売上総利益66,65262,633△4,019
販売費及び一般管理費△46,690△30,15616,533
研究開発費△24,413△16,0908,324
その他の収益15,181869△14,312
その他の費用△46,618△27246,346
営業利益(△損失)△35,88816,98452,872
金融収益14521367
金融費用△471△40765
税引前当期利益(△損失)△36,21416,78953,004
法人所得税△5,710△3,9541,757
当期利益(△損失)△41,92412,83654,760
当期利益(△損失)の帰属
親会社の所有者△28,26912,66740,935
非支配持分△13,65516913,825
合計△41,92412,83654,760


売上収益は前連結会計年度より6,528百万円(3.4%)増加し、200,344百万円となりました。事業セグメント及び薬効別で売上収益を分解した表は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
薬効別分類前連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
増減額
循環器官用薬日本42,19738,983△3,213
米国9,21810,151934
合計51,41549,135△2,280
中枢神経系用薬日本20,77823,0192,241
米国14,57919,1284,549
合計35,35742,1476,790
日本18,88418,198△686
消化器官用薬米国12015939
合計19,00418,357△647
日本17,05016,448△602
血液・体液用薬米国---
合計17,05016,448△602
日本13,62215,8272,205
その他の代謝性医薬品米国---
合計13,62215,8272,205
抗生物質製剤日本7,0787,710632
米国25132372
合計7,3298,033704
日本8,8367,426△1,410
ビタミン剤米国150△15
合計8,8517,426△1,425
日本6,8846,522△362
アレルギー用薬米国---
合計6,8846,522△362
日本4,9495,363414
泌尿生殖器官及び肛門用薬米国721670△51
合計5,6706,033363
日本4,6755,125450
腫瘍用薬米国358537179
合計5,0335,662629
日本5,0765,236160
呼吸器官用薬米国00△0
合計5,0765,236160
日本13,81213,84634
その他米国4,7135,673961
合計18,52519,520995
日本163,841163,702△139
合計米国29,97536,6426,667
合計193,816200,3446,528


日本セグメントでは、139百万円(0.1%)減少し、163,702百万円となりました。前連結会計年度に上市したレベチラセタム(中枢神経系用薬)、イグラチモド(その他の代謝性医薬品)、フェブキソスタット(その他の代謝性医薬品)の売上収益が伸長した一方、薬価改定による販売単価下落の影響を大きく受けました。米国セグメントでは、6,667百万円(22.2%)増加し、36,642百万円となりました。ブランド薬のVigadrone®(中枢神経系用薬)を中心に、米国ドル・日本円ベースとも売上収益が増加しました。
売上原価は前連結会計年度より10,547百万円(8.3%)増加し、137,711百万円となりました。売上総利益率は3.1%減の31.3%となりました。売上原価は、主に原材料費、人件費、減価償却費で構成されております。売上総利益率の下落の主な要因は、日本セグメントにおける薬価改定による影響及びエネルギー価格の上昇並びにトラストファーマテック株式会社の先行コストによるものであります。米国セグメントにおいては、前連結会計年度に売上原価で減損損失を認識した反動に加え、セールスミックスの影響で売上総利益率は改善しております。
販売費及び一般管理費は前連結会計年度より16,533百万円(35.4%)減少し、30,156百万円となりました。主な減少要因は、米国セグメントにおいて前連結会計年度に減損損失14,141百万円を認識した反動であります。日本セグメントではコスト削減に努めているものの、販売数量の増加に伴う運賃諸掛の増加などにより431百万円増加しております。
研究開発費は前連結会計年度より8,324百万円(34.1%)減少し、16,090百万円となりました。主な減少要因は、米国セグメントにおいて前連結会計年度に減損損失5,724百万円を認識した反動に加え、同セグメントの研究開発戦略について他社との提携に注力するなど、コスト削減に努めたためであります。
その他の収益は前連結会計年度より14,312百万円(94.3%)減少し、869百万円となりました。主な減少要因は、前連結会計年度に日本セグメントにおいて、小林化工株式会社から生産設備等を譲り受けたことにより負ののれん発生益を8,704百万円認識、米国セグメントにおいて、デンバー工場のセール・アンド・リースバックによる利益1,905百万円及び寄託口座精算益4,122百万円をそれぞれ認識した反動であります。
その他の費用は前連結会計年度より46,346百万円(99.4%)減少し、272百万円となりました。主な減少要因は、米国セグメントにおいて前連結会計年度に減損損失46,606百万円を認識した反動であります。
以上より、営業利益は16,984百万円(前連結会計年度は35,888百万円の営業損失)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
Ⅰ キャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、13,026百万円の収入となりました(前連結会計年度比21,284百万円の収入減)。当連結会計年度は16,789百万円の税引前当期利益となったものの、安定供給力の強化に向け棚卸資産の購入・製造に係るキャッシュアウトが大きく、営業活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度比で収入減となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、27,134百万円の支出となりました(前連結会計年度比3,261百万円の支出減)。当連結会計年度は、沢井製薬第二九州工場における新固形剤棟に係る支払いが増加したものの、前連結会計年度の小林化工株式会社からの事業譲受による支出10,114百万円の反動で支出減となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,267百万円の支出となりました(前連結会計年度比9,995百万円の支出減)。社債の償還による支出を長期借入れによる収入でカバーしたものの、沢井製薬第二九州工場における新固形剤棟に係る支払い等に伴い運転資金が減少したため、短期借入金が純増しております。
Ⅱ 資金需要
当社グループにおける主な資金需要は、市場の環境変化に対応した安定供給及び生産効率の最適化を目的とした設備投資並びにニーズを捉えた高付加価値ジェネリック医薬品の実現を目的とした研究開発投資によるものであります。
Ⅲ 財務政策
当社グループでは、持続的な企業価値の向上とそれを通じた株主還元の向上を実現するために、資本効率を向上させつつ、財務の健全性・柔軟性も確保された、最適な資本構成を維持することを基本方針としております。設備投資及び研究開発投資による資金需要につきましても、営業活動によるキャッシュ・フローを継続的に確保していくとともに、市場の環境変化に対応した柔軟な財務政策を実現していくことで基本方針を実現していきます。
当連結会計年度においては、営業活動によるキャッシュ・フローが13,026百万円の収入となり、当該資金をもとにUSL買収時の借入金の一部を返済しております。また、中期経営計画でも示しているとおり、成長に向けた投資を積極的かつ効果的に実施する予定であり、その内訳は、研究開発・製品等買収約750億円、設備投資約700億円、新規事業(投資枠)300億円となっております。このうち、設備投資については、将来の需要増に応じて生産キャパシティを拡大するべく、沢井製薬の第二九州工場新固形剤棟新設(ステップ1で総額約350億円)等を見込んでおります。設備投資計画の詳細については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④ 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大等に伴う当社グループの影響
2019年12月頃からCOVID-19に関連する病気が報告され、ウイルスはそれ以来、地域全体の日常生活と経済に広範囲にわたる重大な混乱を引き起こしました。 世界保健機関はこの発生をパンデミックに分類しました。
当社グループは、COVID-19がビジネス、業務、財政状態及び業績に及ぼす影響を継続して監視しており、事業計画や予算策定上、当面の患者さんの受診の傾向やワクチン接種を経たCOVID-19の収束後の世界経済の変化など、パンデミックに関して一定の仮定を行っております。
現時点では、以下のとおり当社グループに及ぼす影響は限定的であると判断しております。当社グループでは、製造、販売及び研究開発の各方面の関係者から常に情報収集し、慎重に事業計画や予算策定に反映しておりますが、将来の動向の不確実性のために、パンデミックが当社グループの事業、運営、財政状態及び結果に与える影響の範囲を正確に予測することはできません。当社グループは、引き続き関係者からの情報収集に努め、デジタル技術を使用して製造、販売及び研究開発に係る業務を支援する等、問題を軽減するための対策を実施しています。
a.危機管理体制について
日本セグメントでは、2020年2月に危機管理本部を立ち上げ、継続的に従業員の感染防止対策を徹底するとともに、会議の原則WEB化、長距離出張の抑制など社内ルールの見直しを行うとともに、フレックスタイム制・時差出勤・在宅勤務等への勤務体系変更も柔軟に対応しながら、国内の各工場を継続して稼働しております。米国セグメントでは、同年3月初めに部門横断の対策チーム(COVID-19 Response Team)を立ち上げ、幅広く情報収集し対策を練りました。製造部門や研究開発部門などオンサイトでの業務が不可欠な従業員を除きテレワークを継続しており、従業員の感染防止対策を徹底し、従業員へのワクチンの接種も順調に伸長しました。日米とも、医薬品製造販売業として、引き続き感染予防・対策を徹底し、国民の生命、健康の保持に必要不可欠な医薬品の安定供給体制の維持に努めてまいります。
b.販売活動への影響
日本セグメントでは、同年3月より医薬情報担当者(MR)の医療機関等への訪問を自粛し、医療機関への情報提供体制はITを活用しております。米国セグメントも同様に、IT を活用した営業活動に切り替えました。当社グループは医療用医薬品を販売しており、COVID-19に関係なく様々な適応症の患者さんに当社グループ製品を提供しており、現時点で当社グループに及ぼす影響は限定的であります。ただし、営業活動の変化が将来の新製品の販売開始に及ぼす影響を正確に予測することはできません。
c.製造及びサプライチェーンへの影響
日米両セグメントともに、患者さんへの当社グループ製品の安定供給という使命のもと、製造活動はCOVID-19前と変わらず継続されました。原材料の確保、卸売業者や販売会社等への供給についても、滞りなく進められております。そのため、現時点で当社グループに及ぼす影響は限定的であります。ただし、今後、本感染症の変異株の発生などで供給網に混乱が生じれば、原材料の確保等に影響が発生することも予想されます。
d.研究開発活動への影響
日米両セグメントともに、研究開発活動はCOVID-19前と変わらず継続されました。現時点で当社グループに及ぼす影響は限定的でありますが、今後政府による製造販売承認プロセスに及ぼす影響を正確に予測することはできません。
e.財務への影響
当社グループの売上債権等の回収及び資金調達はCOVID-19前と変わらず、当社グループは予測可能な将来にわたり流動性リスクは無いと考えております。
⑤ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表はIFRSに準拠しております。当連結財務諸表の作成にあたり、経営者は資産及び負債の金額、財務諸表の末日時点の偶発資産及び偶発負債の開示、並びに報告期間における収益及び費用の金額に重要な影響を及ぼす見積り及び仮定の設定を行うことが求められております。見積り及び仮定は継続的に見直されます。経営者は過去の経験及び見積り及び仮定が設定された時点において合理的であると判断されたその他の様々な要因に基づき、当該見積り及び仮定を設定しております。実際の結果はこれらの見積り及び仮定とは異なる場合があります。
経営者の見積り及び仮定に影響を受ける重要な会計方針は次のとおりです。また、見積り及び仮定の変更が連結財務諸表に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(収益認識)
当社グループの収益は主に医薬品販売に関連したものであり、製品に対する支配が顧客に移転した時点で認識されております。収益の認識額は、当社グループが製品と交換に受け取ると見込まれる対価に基づいております。収益からは、主要顧客である卸売業者及び販売会社に対するリベートやチャージバック等の様々な項目が控除されております。これらの控除額は関連する義務に対し見積られますが、報告期間における当該収益に係る控除額の見積りには判断が伴います。総売上高からこれらの控除額を調整して、純売上高が算定されます。
収益に係る調整のうち最も重要なものは、次のとおりであります。
・顧客に対するリベート: 当社グループは、マーケットシェアの維持と拡大を確実にするために、卸売業者、販売会社等の顧客に対してリベートを付与しております。リベートは契約上取決めがなされているため、係る負債は各取決めの内容、過去の実績に基づく予想割戻率及び予想される流通チャネル内の在庫量を基に算定しております。
・卸売業者に対するチャージバック: 当社グループは米国において、特定の製品について当社グループが卸売業者の顧客と合意した売買価格と当社グループが卸売業者に請求した金額との差額を補償するため、特定の卸売業者に対してチャージバックを支払います。チャージバックの見積りに係る負債は、過去の実績に加え、当社グループの製品が最終的にどの卸売業者の顧客に販売されるのかの見積りを基に算定しております。
・返品に関する負債: 返品権付き製品を顧客に販売する際は、当社グループの返品ポリシーや過去の返品実績に基づいた予想返品率を考慮して返品見込み額を測定し、負債として計上しております。
引当額は見積りに基づくため、実際の発生額を完全に反映していない場合があり、特に予想される流通チャネル内の在庫数量及び当社グループの製品が最終的にどの卸売業者の顧客に販売されるのかの見積りにより変動する可能性があります。
これまで実績又は見積りの見直しの反映による当初の見積りに対する調整額が、当社グループの業績に重要な影響を与えたことはありません。しかしながら、当社グループが見積りに際して使用した比率、要因、評価、経験もしくは判断が将来の事象の見積りにおける適切な予測値ではなかった場合、当社グループの業績に重要な影響を与える場合があります。見積りの感応度は、制度及び顧客の種類により左右される可能性があります。
(無形資産の減損)
当社グループは、償却を開始している無形資産について、その資産の帳簿価額が回収不能であるかもしれないことを示す事象又は状況の変化がある場合、減損テストを行っております。また未償却の無形資産については、少なくとも年次で減損テストを実施しております。
資産は、通常、連結財政状態計算書上の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合に減損していると判断されます。回収可能価額は個別資産、又はその資産が他の資産と共同で資金を生成する場合はより大きな資金生成単位ごとに見積られます。資金生成単位は独立したキャッシュ・インフローを形成する最小の識別可能な資産グループであります。製品に係る無形資産及び仕掛中の研究開発は、個別に回収可能価額を見積ります。
回収可能価額の見積りには、以下を含む複数の仮定の設定が必要となります。
・割引率
・将来キャッシュ・フローの金額及び時期
・競合他社の動向
キャッシュ・フローが変動する可能性のある事象としては、研究開発プロジェクトの失敗又は上市後製品の価値の下落があげられます。研究開発プロジェクトの失敗には、開発の中止、オーソライズドジェネリックの販売見込みや競合他社の参入等による収益性の悪化が含まれます。
当社グループは、これらの仮定を慎重に検討し、無形資産の減損損失は適切であると判断しております。

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