訂正有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2021/12/06 11:11
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【項目】
166項目

有報資料

本書提出日現在における経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。また、文中の将
来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、顧客の課題を解決する適切なDXの推進によって、様々な業界から社会を変革しようとする顧客の挑戦を支え、顧客の競争優位性を高めるパートナーとなることで、顧客と共に「新しい景色の創造」を達成します。
日本ならびに世界が大きな転換期にある中、当社グループの起源であるベトナムと日本の両国がWin-Winとなる形で、顧客と共に成長し、顧客と共に新しい景色を創造し続けることで、今後とも企業グループとしての持続的な成長を目指してまいります。
(2)経営環境
新型コロナウイルス感染症の拡大が国内外の企業経営に大きな影響を与える中においても、当社グループが属する情報サービス産業においては、経営の効率化や生産性の向上、新事業の立ち上げなどに向けて、DX推進への関心は高まっております。
現在の日本社会は、少子高齢化から産業界の人材不足が大きな社会問題となっていますが、その中でもIT人材の不足は深刻です。2030年時点でのIT人材の需要と供給の差(需給ギャップ)は、需要が供給を16~79万人上回ると試算した調査もあり(※1)、需給ギャップの緩和に向けて生産性の向上やIT人材の確保が強く求められています。さらに同感染症対策として、企業のリモートワークへの対応や非対面式ビジネスへの移行が不可欠となっており、働き方改革をはじめとした企業活動の在り方が問われる中、日本社会のデジタル化の遅れが露呈して大きな社会問題となっています。特に、DX分野の成熟度に関して、米国においては、DXによる新しい製品やサービス、新しいビジネスモデルを通してこれまでにない価値を創出した企業により、従来のビジネスモデルが脅かされ、既存の産業構造の変革に至るデジタル・ディスラプションが進んでおります。同様の動きは今後日本でも本格化することが予測され、チャンスにもリスクにもなり得ることから、各企業にとっては一刻も早い取り組みが求められています。
一方で、2025年の壁といわれる、複雑化・老朽化・ブラックボックス化した既存のレガシーシステムが改革されずに企業内に残存し、その維持管理費が高騰する中で、自社データの活用ができず、日々進化する市場の変化に対応したビジネスモデルの変革も進まないという構造的な課題も表面化しています。特に従業員300名以下の企業においては、約50%もの企業が自社内にITのスキルを蓄積、内製化する取り組みが進んでおらず、70%近くの企業はDXに取り組んでいない、あるいは分からないと回答した調査結果があり(※2)、当社グループがサービスを提供するDX推進市場の可能性を示しているものと考えております。
当社グループが、日本のDX推進市場で開発拠点としているベトナムには、次のような特徴、優位性があると考えております。
①エンジニアリソースの豊富さと優秀さ
ベトナムでは、国策としてIT人材輩出を掲げ、特にSTEM(科学・技術・工学・数学)教育を重点的に推進しており、中学校からコーディングやIT科目が導入されています。また、OECDが2015年に各国・地域の科学的リテラシーを実施したPISA調査では、全79カ国・地域のうち、上位8位にランクインした実績があります(※3)。
②高い日本語習得能力
ベトナムではスキルアップのための外国語の習得熱が高まっており、日本語の学習人口も近年、大幅に拡大しています。国際交流基金がまとめた「2018年度 海外日本語教育機関調査報告書」によると、ベトナムにおける日本語学習人口は2018年時点で約17万5,000人と世界6位にランクしていますが、伸び率でみると、前回調査時(2015年)と比べて2.7倍と急増し、他の国・地域を大きく引き離しています(※4)。
③勤勉で向上心旺盛な性格
ベトナムには親日家が多く、日本人と似て勤勉な性格だと言われています。また、新しい開発知識、英語や日本語の外国語の習得など成長意欲が高く、自身のスキルアップのための教育投資を積極的に行う傾向があります。
④時差
ベトナムと日本の時差は、-2時間です。日本の就業時間との時間差はほとんどなく、迅速に対応することが可能です。
⑤安定したインフラ環境
ベトナムは、道路、港湾、治水、及び情報通信インフラ整備に特に力を入れており、インターネット普及率も高く、インフラ環境は安定しています。
⑥コストメリット
オフショア先進国である中国やインドと比較すると、ベトナムのエンジニアは、費用対効果に優位性があります。
当社グループは、そのベトナムの多くの若く優秀なエンジニア達を中心に、DXの推進による『業務の改革』や『新しい事業の立ち上げ』を通して、様々な業界から社会を変革しようとする顧客の挑戦を支えつつ、顧客の競争優位性を高めるパートナーであることによって、『顧客と共に成長』し、『新たな景色を創造』することを達成してまいります。
注記:
(※1)経済産業省委託による、みずほ情報総研株式会社の「IT人材需給に関する調査」(2019年3月)において、生産性の上昇率を最大の0.7%で試算した場合
(※2)独立行政法人情報処理推進機構 社会基盤センター IT人材白書2020
(※3)OECD 生徒の学習到達度調査2018年調査(PISA2018)のポイント、P15(文部科学省・国立教育政策研究所)
(※4)2018年度 海外日本語教育機関調査報告書(国際交流基金)
(3)経営戦略
当社グループは、上記の経営環境の中で、ハイブリッド型サービスを通じて、顧客課題を解決します。
ハイブリッド型サービスは、当社が中心となり顧客のサービス設計、システム設計の上流を担い、ベトナム子会社が擁するエンジニアリソースと連携することで顧客サービスの上流工程から下流工程に至る一連のサービスを提供しています。デザインシンキング(※1)等を用いたサービス設計、リーンスタートアップ(※2)による開発、経験豊富なPM(※3)やSE(※4)による要件整理やシステム設計、ベトナム子会社が擁する豊富な開発リソースを駆使したプロダクト開発によって顧客のビジネス成長を推進します。
当社グループの売上比率は、ストックサービスが2020年9月期で94%、2021年9月期で89%となっており、今後もストックサービスの売上比率を高めていく方針です。
そのために、ストックサービス数の拡大とストックサービス単価の向上を重要指標としております。ストックサービスは、開発リソースを専属のチームとして中長期的に提供するサービスで、チームの規模が大きくなるほどチーム単位のサービス金額(単価)が向上して、収益基盤の安定化につながるサービス形態です。ストックサービス数については、まだDXを本格的に導入できていない中堅・中小企業を中心に既存顧客からの紹介強化、WEBからの流入強化、営業体制の強化によって、増加を図る計画です。ストックサービス単価は、既存顧客の開発チームの増員、新たなプロジェクトによるチームラインの増加、サービス設計・システム設計などの付加価値の高い上流工程からの関与によって、単価向上を図ってまいります。
注記:
(※1)課題を解決に導くために用いられるマインドセットのひとつ。デザインで使われる考え方を、さまざまなビジネスの場面に応用する手法
(※2)コストをかけずに最低限の製品・サービス・機能を持った試作品を短期間でつくり、顧客の反応を的確に取得して、顧客がより満足できる製品・サービスを開発していくマネジメント手法
(※3)プロジェクトマネージャー。プロジェクトのスコープ管理、進行管理、予算、品質、納期管理など全体管理責任を持つ人材
(※4)システムエンジニア。要求に従い、機能仕様から実装に至るまでの業務に従事する人材
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループは、ストックサービスを維持、拡大させることで経営の安定化を図る方針であり、新規プロジェクトの獲得によるストックサービス数の増加、及び既存顧客からの増員、新たなプロジェクトによるチームラインの増加、上流工程からの介在強化を通したストックサービス単価の向上により、市場を拡大し、ノウハウを蓄積するとともに、人材・新規技術獲得等への投資を継続することで、企業グループとしての持続的な成長を図ってまいります。そのために、当社はストックサービス数とストックサービス単価を重要指標としております。当社グループにおけるストックサービスの売上比率は、2020年9月期で94%、2021年9月期で89%となっております。
[事業年度ごとのストックサービス数とストックサービス単価]
0202010_001.png(注1)ストックサービス数は、「月次ストックサービス数の年次合計÷12ヶ月」で算出した年次平均数であります。なお、この指標はストックサービスにて受注したプロジェクト数(長期型と短期型の合算)であり、同一の顧客から複数のプロジェクトを受注することがあるため、顧客数とは異なります。
(注2)ストックサービス単価は、「年次のストックサービス売上÷月次ストックサービス数の年次合計」で算出した年次平均単価であります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、今後の持続的な成長を実現する上で、以下の事項を課題として重視しています。
①開発体制の継続的な強化
今後、より一層顧客の要件を満たす事業を実現するためには、開発品質レベルの向上は不可欠であります。当社グループは、日本とベトナム両国でのハイブリッドな開発体制に特徴がありますが、グループ間コミュニケーションのさらなる強化を図る一方で、それぞれの特性を活かした開発手法の標準化、開発ノウハウの蓄積・共有を今後も進めてまいります。特に、受注前の見積り精度や受注後のプロジェクト進捗確認等のモニタリングを通じて、開発品質の確保と納期の遵守については最重要課題として取り組んでまいります。
②技術力のさらなる強化
DX市場の変化、それを支える技術革新は目覚ましいものがあり、それらの最先端技術を迅速、的確に自社のサービスに反映し、市場のニーズに応えられるかは、企業成長において重要な課題であります。当社グループは、社内外で開発実績を持つAIモデルの構築をはじめ、今後もIoT、ブロックチェーン、サイバーセキュリティ等の幅広い最先端技術の習得に努め、様々な業界・業態の顧客への提案力の向上、更なる価値創造に努めてまいります。
③新規顧客の獲得
当社グループが、持続的な成長を続けるためには、売上拡大に繋がる新規顧客の獲得が必要であると考えております。IPOによる認知度、知名度の向上も活かして、マスマーケティング、展示会への出展、プライベートセミナーの開催、リスティング、動画コンテンツの配信などを展開し、継続的に新規受注を獲得できる体制の確立を目指してまいります。
④人材採用・育成の強化
当社グループが、持続的な成長を図っていくには、専門性を有する優秀な人材を安定的、かつ機動的に確保することが必要不可欠と考えています。ベトナム3拠点での産学連携、日本でのベトナム人脈のさらなる活用等も含めて、ターゲット別に最適な人材採用戦略を講じてまいります。また、自社機関である『Talent Academy』の教育プログラムにより、新卒人材であっても即戦力に近いパフォーマンスを発揮する人材を、社内で短期に育成する体制を強化してまいります。当社グループ事業の源泉は人材にあることを心に留め、今後とも優秀な人材の確保に努めてまいります。
⑤情報管理体制の更なる強化
当社グループは、顧客の開発要件によっては、個人情報を含む顧客の機密情報を取り扱う場合があります。これらに適切に対応するために、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格であるISO27001:2013を取得し、情報管理やセキュリティ管理の徹底を図っております。今後も当社グループの情報管理体制の整備、強化に取り組んでまいります。
⑥経営管理・内部管理体制の強化
当社グループは、当社グループを取りまく事業環境の変化に柔軟に対応し、継続的に企業価値の向上を図っていくためには、内部統制環境の整備・強化が重要な経営課題であると認識しております。全社的なリスク管理体制の整備、コンプライアンス体制の強化、さらには適切なリスクテイク体制の構築を目指して取り組んでまいります。
⑦持続的な企業の成長
当社グループは、今後より一層顧客のDX推進と競合優位性の向上、および日本のIT人材不足の解決の一助となるべく、持続的な企業規模の成長、事業の拡大を図ってまいります。これらを達成するべく、業績の向上や市場活動によって得られた資金を柔軟に活用し、設備や人材への投資を継続してまいります。また、企業買収や事業提携等についても、当社グループの事業拡大に有効と判断できる場合は、積極的に検討してまいります。
⑧手元流動性の確保
当社グループは、継続的な取引である「ストックサービス」が売上収益の過半を占めているため、キャッシュフローは、安定していると認識しております。今後も、新型コロナウイルス感染症の影響等による事業環境の変化に迅速に対応できるよう、柔軟な財政政策を実施してまいります。

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