有価証券報告書-第12期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループのミッション(使命)は「医療という希望を創る。」です。このミッションに基づき、当社グループは、患者に向けては「患者視点の医療をひとりでも多くの方へ提供できる環境を創る。」、医療機関に向けては「地域に求められ、働きがいのある職場環境を創る。」、そして社会に向けては「医療課題の解決によって健全で持続可能な社会を創る。」ことを目指して様々なサービスを展開しています。
社名のシーユーシー(CUC)は、「変わるまで、変える(Change Until Change)」の頭文字から生まれました。変化を恐れず医療課題に挑戦する私たちの存在意義を表現しており、新しい挑戦に向かい続けるという強い意志を込めています。
(2)経営戦略
医療機関セグメントでは、国内においては病院、訪問診療クリニック、透析クリニック、外来クリニック等を運営する医療機関向けに経営支援サービス(経営戦略策定・経営管理支援、マーケティング支援、IT・経理・総務等支援、人事・採用機能支援等に加えて、M&A・PMI支援、新規クリニック開設支援、病床転換支援等のプロジェクト受注)を拡大するとともに、支援先医療機関数の増加を目指しています。更に、高齢化先進国である日本の医療機関に対する経営支援サービスのノウハウを海外にも展開すべく、米国、ベトナム及びインドネシアでの事業の更なる拡大を目指しています。
ホスピスセグメントでは、ホスピス型住宅の入居者に提供するサービスの質を最重要視した上で、より多くの医療依存度の高い(がん末期、神経難病等を患う)入居者向けに訪問看護及び訪問介護を提供していきます。
居宅訪問看護セグメントでは、利用者に提供するサービスの質を最重要視した上で、既存の訪問看護ステーションの利用者拡大に加えて、新規エリアへの訪問看護ステーションの新規開設を行い、居宅の利用者向けに訪問看護を提供していきます。
メディカルケアレジデンスセグメントでは、入居者に提供するサービスの質を最重要視した上で、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅及びリハビリ強化型デイサービスの稼働率改善による利用者増加を行い、より医療依存度、要介護度の高い入居者(要介護度3-4程度の方)の受け入れを推進していきます。
国内においては今後も医療機関セグメントの顧客である支援先医療機関と、ホスピス事業、居宅訪問看護事業及びメディカルケアレジデンス事業が連携することにより、各支援先医療機関の病院やクリニック等並びにホスピス型住宅、訪問看護ステーション及びメディカルケアレジデンスが位置する地域の地域包括ケアシステムが効率的に運営されるプラットフォームが構築されるよう事業を行っていきます。また、海外においては既存の足病及び下肢静脈疾患クリニックのロールアップ型M&Aによる事業基盤の拡大及び競争力向上に加え、米国OBL(Office-Based Laboratory)の新規開設に注力していきます。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、事業規模と収益性を測る指標として、売上収益、営業利益及びEBITDA(注)を重視しています。これらの指標の着実な拡大を維持しながらも、中長期的な企業価値向上のため、新規事業の展開を継続することを企図しています。
医療機関セグメントでは当社が国内において経営支援を提供する病院及びクリニック等の数である支援先主要拠点数を、ホスピスセグメントではホスピス型住宅の定員数(訪問看護等サービスを提供する施設の定員数)及び稼働率(毎期の提供可能定員数に対するのべ入居者数の割合)を、居宅訪問看護セグメントでは利用者に提供したのべ総ケア時間(看護師及びセラピストが利用者にサービスを提供した時間の合計)を、メディカルケアレジデンスセグメントではメディカルケアレジデンスの定員数(定期巡回・随時対応型訪問介護看護等サービスを提供する施設の定員数)及び稼働率(毎期の提供可能定員数に対するのべ入居者数の割合)を、それぞれ主要な経営指標として認識しています。
また、財務の安定性を判断する指標として、EBITDA有利子負債倍率及び親会社所有者帰属持分比率等を用い、安定的かつ持続的に企業価値を拡大していくことを目指しています。
(注)EBITDAの計算式は次のとおりです。
EBITDA=営業利益+減価償却費及び償却費±その他の収益・費用
(4)経営環境
当社グループが主にサービスを提供する日本では、全人口に占める65歳以上人口の割合が2021年には約29%のところ2040年には約35%となり(注1)、急速な高齢化による医療費の増大が見込まれ、医療費は2021年の約45兆円から2040年には約78兆円まで拡大すると予想されています(注2)。そのような環境下で、超高齢社会に備えた医療機関の機能転換(急性期医療から回復期医療への転換)が求められ、厚生労働省も病院医療よりも医療費を大幅に抑えられる在宅医療の拡大を推進しており、訪問診療利用者数は2011年の44.9万人から2019年には79.5万人に増加しています(注3)。一方で、日本の労働人口は2020年の約69.0百万人から2040年には5%以上減少して約65.4百万人となると推計されており(注4)、需要の高まる医療サービス提供のための医療従事者の確保が危ぶまれています。
また、2024年時点で日本における病院の70.6%が60歳以上の経営者により運営されており(注5)、2017年時点で後継者不在の病院が68.4%(注6)であるため、M&A等により後継者不在の医療機関を、安定的に運営できる医療機関に承継する流れが進むことが予想されます。
当社グループは米国において足病及び下肢静脈疾患クリニックを運営しています。米国における足病科の市場規模は約70億米ドルであり(注7)、今後も高齢化や糖尿病患者の増加等により堅調なニーズの拡大が見込まれています(65歳以上の人口は2020年の56.1百万人から2030年の73.1百万人へと年平均2.7%で増加すると推計されており(注8)、糖尿病患者は2020年の43.3百万人から2030年の54.9百万人へと年平均2.4%で増加すると推計されています(注9))。当社グループが注力する米国OBLの市場規模は、技術進歩に伴うクリニックの治療能力や高齢化に伴う様々な血管疾患の罹患率の上昇などを背景に、2024年に約139億米ドルと推計されており、2033年には約352億米ドルに到達すると予想されています(注10)。従来分断されていたこれらの周辺市場を統合し、下肢医療プラットフォームを構築することが、患者の医療アクセスの改善やサービスの質の向上に繋がるものと当社は考えています。
また、ベトナム及びインドネシアでは、2023年時点で国民一人当たり医療費がそれぞれ197ドル、132ドル(注11)であり、双方とも2000年と比較すると8倍以上となっており、今後もより多くの人が良質な医療にアクセスできる環境を整備することが求められるものと当社は考えています。
我が国における訪問看護利用者数は2011年時点の38.5万人から2019年の83.5万人へと、年平均で約10.1%増加しており(注12)、また、我が国におけるがん・難病患者数は578万人とされています(注13)。一方で、居宅訪問看護業界においては24時間365日体制で安定的な運営が可能な大規模事業所のニーズが高まっている中で、従業員5人未満の小規模訪問看護ステーションが57%を占め(注14)、十分なサービス供給がされている状況ではないと考えています。
(注)1.「日本の将来推計人口」(国立社会保障・人口問題研究所)。
2.「国民医療費の概況」(厚生労働省)、「2040年を見据えた社会保障の将来見通し」(内閣府、財務省、厚生労働省)。
3.「在宅医療の現状について」(厚生労働省、2022年)。在宅患者訪問診療料を月1回以上算定されていた患者の数。
4.「2023年度版労働力需給の推計」(独立行政法人 労働政策研究・研修機構、2024年)。
5.「令和6年医師、歯科医師、薬剤師統計の概況」(厚生労働省、2025年)。
6.「医業承継の現状と課題」(日本医師会総合政策研究機構、2019年)。
7.「Podiatrists in the US」(IBISWorld、2023年)。
8.「2017 National Population Projections Tables」(US Census Bureau、2020年)。
9.「Diabetes 2030: Insights from Yesterday, Today, and Future Trends 」(Rowley et al, Population Health Management. 2016年)。
10. “U.S. Office-based Labs Market Size, Share & Trends Analysis Report, 2025 - 2033(Research and Markets, 2025)。
11.Global Health Expenditure Database (World Health Organization.)。
12.「在宅医療の現状について」(厚生労働省 2022年)。医療保険と介護保険の合計数。
13.がん患者数466万人「令和2年患者調査(確定数)の概況」(厚生労働省)と指定難病患者数112万人「令和6年度衛生行政報告例」(厚生労働省)の合計。
14.「第220回社会保障審議会介護給付費分科会 資料3」(厚生労働省)。
(5)当社グループの強み
当社グループは2014年の会社設立以来、高い成長性を維持しながら規模を拡大してきました。訪問診療クリニックの経営支援を起点として、病院や透析クリニック、外来クリニック等を運営する医療機関の経営支援、ホスピス事業、居宅訪問看護事業、メディカルケアレジデンス事業、ベトナム・インドネシアにおける医療機関への経営支援、米国における足病及び下肢静脈疾患クリニックの運営等幅広い領域において事業を展開しています。
当社グループの強みは以下のとおりです。
① 安定成長を続ける医療機関セグメントの国内事業及び事業ノウハウを活かした海外事業展開
当社は、経営人材が支援先医療機関に常駐することで、意思決定や戦略策定のサポートを現場の視点から行います。これにより顧客との継続的な関係を構築し高いリテンション率を維持しています。また、これまで培った医療機関の運営効率化ノウハウを生かし、支援先医療機関の安定的な事業運営に寄与しています。このようにして、規模拡大及び安定運営を実現した既存の支援先医療機関は、更なる規模の拡大のためにM&Aや新規クリニックの開設等を視野に入れ、当社が追加の経営支援を行う機会(新規の支援先医療機関の獲得)を得ることが可能になるという好循環が生まれています。
また、国内の医療機関支援により蓄積されたノウハウの海外におけるクリニック経営等への活用や、下肢医療プラットフォームにおける複合リスクを有する患者に対して当社グループ内の患者紹介及び長期治療への移行を進めることで、更なる成長を目指しています。
② 巨大な市場を背景に成長するホスピス事業、居宅訪問看護事業及びメディカルケアレジデンス事業
我が国における訪問看護利用者数は2011年時点の38.5万人から2019年の83.5万人に増加し、年平均で約10.1%成長しています(注1)。また、2020年度末の我が国におけるがん・難病患者数は578万人とされており(注2)、日本における急速な高齢化を背景に在宅医療市場は今後も継続的に拡大すると当社は考えています。
当社のホスピス事業でサービスを提供する定員数、居宅訪問看護事業の利用者数及びメディカルケアレジデンス事業でサービスを提供する定員数はいずれも大規模であり、高い成長が期待される市場において優位な地位を確立しています。
ホスピスセグメントにおいて、当社が訪問看護サービスを提供するホスピス型住宅の定員数は2026年3月末時点で2,853名であり、2026年3月期における既存のホスピス型住宅の年間平均稼働率は82.9%です(注3)。ホスピスセグメントでは、2026年3月末時点で看護師817名、介護士829名を擁し、訪問看護及び訪問介護サービスを提供しています。
居宅訪問看護セグメントの訪問看護ステーション数は、2026年3月末で95拠点であり、今後も積極的な新規拠点展開を予定しています。なお、居宅訪問看護セグメントでは2026年3月末時点で看護師798名、セラピスト510名を擁しており(注4)、2026年3月に訪問実績がある居宅訪問看護事業の利用者数は15,298名、のべ総ケア時間数は2026年3月期において年間1,275千時間(注5)となっています。
メディカルケアレジデンスセグメントにおいて、サービスを提供する施設の定員数は2026年3月末時点で2,010名であり、2026年3月期における既存のメディカルケアレジデンスの年間平均稼働率は80.1%です(注6)。メディカルケアレジデンスセグメントでは、2026年3月末時点で看護師63名、介護士567名を擁し、定期巡回・随時対応型訪問介護看護等サービスを提供しています。
今後も集客効率化、採用力強化、拠点の相互補完等のシナジーを発揮し、高水準の安定稼働を確保するというドミナント戦略のもと、居宅訪問看護事業における訪問看護ステーションは半径2~5km圏内に拠点を出店することにより、展開を加速していきます。ホスピス事業におけるホスピス型住宅は半径10~15km圏内の既存展開エリアを維持し、新規開設のペースを抑制しつつ、既存施設の運営基盤強化と収益最大化に注力していきます。(注)1.「在宅医療の現状について」(厚生労働省 2022年)。医療保険と介護保険の合計数。
2.がん患者数466万人「令和2年患者調査(確定数)の概況」(厚生労働省)と指定難病患者数112万人「令和6年度衛生行政報告例」(厚生労働省)の合計。
3.2026年3月期における既存ホスピス(2026年3月末時点で開設以降12ヶ月超経過又はM&Aによる新規取得)ののべ提供可能定員数に対する、のべ入居者の割合。
4.在宅治験に従事する看護師は除く。セラピストは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の総称。
5.看護師及びセラピストが利用者にサービスを提供した時間の合計。
6.2026年3月期における既存メディカルケアレジデンス(2026年3月末時点で開設以降12ヶ月超経過又はM&Aによる新規取得)ののべ提供可能定員数に対する、のべ入居者の割合。
③ 包括的なソリューションを提供する独自のアプローチ
当社グループは医療機関セグメント、ホスピスセグメント、居宅訪問看護セグメント及びメディカルケアレジデンスセグメントに亘って医療・介護領域の様々な事業を展開しています。
特に支援先医療機関が運営する病院や訪問診療クリニック、透析クリニック及び外来クリニック等と当社グループが運営するホスピス型住宅や訪問看護ステーション、メディカルケアレジデンスとの間のネットワークを強化することにより、医療機関支援からホスピス、居宅訪問看護まで垂直統合されたプラットフォームを構築し、患者、医療従事者及び社会に対して大きな価値提供ができると考えています。
具体的には医療機関セグメントの国内事業、ホスピス事業、居宅訪問看護事業及びメディカルケアレジデンス事業において高度急性期病院に対する接点を持つことにより、KOL(Key Opinion Leader:医療業界において多方面に大きな影響力を持つ人物の意)である医師や、それらの病院に入院する患者へのアクセスを持つことが可能になります。また、当社グループから支援先医療機関に患者を紹介するケースや、逆に当社グループが紹介されるケースがあります。
当社グループ内では、ホスピス事業と居宅訪問看護事業の間での異動及び人材交流もあり、従業員に多様なキャリア機会を提供することができています。
支援先医療機関の運営する拠点が多く存在する地域では、当社グループのホスピス型住宅や訪問看護ステーションを、これら支援先医療機関が運営する拠点の周辺に開設することにより、それらを密に連携させる取り組みも始めています。
そして、医療機関事業により創出したキャッシュ・フローをホスピス事業、居宅訪問看護事業及びメディカルケアレジデンス事業の設備投資に充当することが可能です。
④ 独自の雇用モデルに基づく強力な採用力
当社グループが事業を展開する医療・介護業界において、事業の根幹となるのは優秀な人材の確保と育成であると考えています。医療機関事業に携わる従業員、ホスピス事業、居宅訪問看護事業及びメディカルケアレジデンス事業に携わる看護師、介護士、セラピスト等の専門職の採用力やリテンション力を高めるために、差別化されたプラットフォームを構築することに成功しています。
具体的には当社グループの「医療という希望を創る。」というミッションを実現するために従業員が達成感ややりがいを実感することができるよう、公平かつ協力的な社風を醸成するように努めています。また、継続的かつ充実した教育制度や柔軟な労働体系を設けることにより、スキルを向上させつつ長期間勤務できるような制度を整備しています。
医療機関セグメントにおいて上述のような採用や企業風土醸成のノウハウを活用することにより、当連結会計年度における支援先医療機関に対する医師及びコメディカル(注1)採用支援業務の結果として、当連結会計年度に支援先医療機関の医師286名、コメディカル1,076名の採用に貢献しています。
ホスピスセグメントでは当連結会計年度において702名の看護師・介護士の採用(注2)を行いました。資格取得支援制度の対象職種の拡充等のキャリア開発及び育成支援を実施した結果、離職率は前連結会計年度比0.3ポイント減少の21.7%となりました。
居宅訪問看護セグメントでは当連結会計年度において302名の看護師・セラピスト(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)の採用(注2)を行いました。社内表彰制度の活用による自律的なウェルビーイング推進等のエンゲージメント向上施策を継続して実施した結果、離職率は前連結会計年度比3.2ポイント減少の12.3%となりました。
(注)1.医師を除く医療従事者(看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、臨床検査技師、臨床工学技士、診療放射線技師、管理栄養士等)。
2.非正規社員を含む。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
上記(2)に記載の経営戦略を実行していく上で、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりです。
① 人材の確保、育成
当社グループが事業の規模、範囲を安定的かつ持続的に拡大するためには、それに見合った人材を確保、育成する必要があります。医療機関事業の従業員、ホスピス事業、居宅訪問看護事業及びメディカルケアレジデンス事業の看護師、介護士、セラピスト等の専門職、管理部門の経営企画・経営管理・経理・人事・IT等の要員の確保と育成が必要です。
採用力強化については、採用担当者の増強や、リファラル制度の設置、インターン制度やイベント開催等、新規卒業者への各種施策を実施しています。リテンション率向上のためには、当社グループの経営理念と接続した研修・育成制度、評価・表彰制度等、各種制度により従業員満足度の向上に努めています。
② 従業員の専門性向上
当社の医療機関セグメントでは専門的な経営支援サービスを提供することにより支援先医療機関の規模拡大及び安定運営を実現しています。質の高いサービスを提供するためには、当社従業員の専門性向上が必要不可欠です。優秀な人材を数多く確保するために、医療業界での経験の有無を問わずに能力の高い人材を採用した上で、専門性向上のための教育を継続的に行っています。
また、当社グループにおいては、顧客に提供するサービスの質を最重要視して事業運営をしているため、看護師、介護士、セラピスト等の専門性向上に特に力を入れて取り組んでいます。一例としてホスピス事業や居宅訪問看護事業においては、入社時研修、役職別研修、管理者候補塾等、様々なプログラムを設けており、医療スキルを上げる研修のみならず、ホスピタリティや経営理念を学ぶ研修も行っています。
③ 新規拠点の展開
当社グループでは、知名度の向上と顧客獲得を実現し、必要とされている地域に幅広く当社グループのサービスを届けるために、新規拠点の展開を行っています。拠点展開を行うためには展開拠点の選定と開発、事業所の確保もしくは建設、拠点スタッフの採用、顧客獲得等を行う必要があります。
そのために拠点展開の開発を行う本部人員強化や採用チーム等のバックオフィス機能強化等に努めています。
④ DX推進及びAI活用
当社グループが事業展開する医療・介護業界では、少子高齢化に伴う労働力不足は深刻な状況が続いています。省人化と提供サービスの質を両立するためには、DX推進及びAI活用が必要不可欠です。
そのために、医療・介護現場の負担を軽減するデジタルツールの積極的な導入や、現場のニーズを捉えた自社ソリューションの開発に努めています。
⑤ 内部管理体制の強化及びコーポレート・ガバナンスの充実
当社グループが更なる事業拡大及び継続的な成長を目指し、ミッションを実現するためには、コンプライアンスを重視した経営及びコーポレート・ガバナンスの確立が必要であると認識しています。そのためにも、事業の拡大に備えた管理部門の強化、企業倫理の醸成、法令等遵守の徹底を図るべく内部統制の体制構築とその運用を行っています。
⑥ 財務健全性の確保
当社子会社におけるOBL等の新規開設やM&A等の事業投資に当たり資金調達が必要になるため、外部調達の金利水準が変動した場合や計画どおりの資金調達ができなかった場合には、当社グループの事業、経営成績、財政状態又はキャッシュ・フローの状況に悪影響を及ぼす可能性があります。EBITDA有利子負債倍率及び親会社所有者帰属持分比率等といった財務の安定性を測る指標のモニタリング、また、金利動向の定期的な把握を通じた金利変動リスクの定量化を行うことで、財務健全性の確保に努めています。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループのミッション(使命)は「医療という希望を創る。」です。このミッションに基づき、当社グループは、患者に向けては「患者視点の医療をひとりでも多くの方へ提供できる環境を創る。」、医療機関に向けては「地域に求められ、働きがいのある職場環境を創る。」、そして社会に向けては「医療課題の解決によって健全で持続可能な社会を創る。」ことを目指して様々なサービスを展開しています。
社名のシーユーシー(CUC)は、「変わるまで、変える(Change Until Change)」の頭文字から生まれました。変化を恐れず医療課題に挑戦する私たちの存在意義を表現しており、新しい挑戦に向かい続けるという強い意志を込めています。
(2)経営戦略
医療機関セグメントでは、国内においては病院、訪問診療クリニック、透析クリニック、外来クリニック等を運営する医療機関向けに経営支援サービス(経営戦略策定・経営管理支援、マーケティング支援、IT・経理・総務等支援、人事・採用機能支援等に加えて、M&A・PMI支援、新規クリニック開設支援、病床転換支援等のプロジェクト受注)を拡大するとともに、支援先医療機関数の増加を目指しています。更に、高齢化先進国である日本の医療機関に対する経営支援サービスのノウハウを海外にも展開すべく、米国、ベトナム及びインドネシアでの事業の更なる拡大を目指しています。
ホスピスセグメントでは、ホスピス型住宅の入居者に提供するサービスの質を最重要視した上で、より多くの医療依存度の高い(がん末期、神経難病等を患う)入居者向けに訪問看護及び訪問介護を提供していきます。
居宅訪問看護セグメントでは、利用者に提供するサービスの質を最重要視した上で、既存の訪問看護ステーションの利用者拡大に加えて、新規エリアへの訪問看護ステーションの新規開設を行い、居宅の利用者向けに訪問看護を提供していきます。
メディカルケアレジデンスセグメントでは、入居者に提供するサービスの質を最重要視した上で、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅及びリハビリ強化型デイサービスの稼働率改善による利用者増加を行い、より医療依存度、要介護度の高い入居者(要介護度3-4程度の方)の受け入れを推進していきます。
国内においては今後も医療機関セグメントの顧客である支援先医療機関と、ホスピス事業、居宅訪問看護事業及びメディカルケアレジデンス事業が連携することにより、各支援先医療機関の病院やクリニック等並びにホスピス型住宅、訪問看護ステーション及びメディカルケアレジデンスが位置する地域の地域包括ケアシステムが効率的に運営されるプラットフォームが構築されるよう事業を行っていきます。また、海外においては既存の足病及び下肢静脈疾患クリニックのロールアップ型M&Aによる事業基盤の拡大及び競争力向上に加え、米国OBL(Office-Based Laboratory)の新規開設に注力していきます。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、事業規模と収益性を測る指標として、売上収益、営業利益及びEBITDA(注)を重視しています。これらの指標の着実な拡大を維持しながらも、中長期的な企業価値向上のため、新規事業の展開を継続することを企図しています。
医療機関セグメントでは当社が国内において経営支援を提供する病院及びクリニック等の数である支援先主要拠点数を、ホスピスセグメントではホスピス型住宅の定員数(訪問看護等サービスを提供する施設の定員数)及び稼働率(毎期の提供可能定員数に対するのべ入居者数の割合)を、居宅訪問看護セグメントでは利用者に提供したのべ総ケア時間(看護師及びセラピストが利用者にサービスを提供した時間の合計)を、メディカルケアレジデンスセグメントではメディカルケアレジデンスの定員数(定期巡回・随時対応型訪問介護看護等サービスを提供する施設の定員数)及び稼働率(毎期の提供可能定員数に対するのべ入居者数の割合)を、それぞれ主要な経営指標として認識しています。
また、財務の安定性を判断する指標として、EBITDA有利子負債倍率及び親会社所有者帰属持分比率等を用い、安定的かつ持続的に企業価値を拡大していくことを目指しています。
(注)EBITDAの計算式は次のとおりです。
EBITDA=営業利益+減価償却費及び償却費±その他の収益・費用
(4)経営環境
当社グループが主にサービスを提供する日本では、全人口に占める65歳以上人口の割合が2021年には約29%のところ2040年には約35%となり(注1)、急速な高齢化による医療費の増大が見込まれ、医療費は2021年の約45兆円から2040年には約78兆円まで拡大すると予想されています(注2)。そのような環境下で、超高齢社会に備えた医療機関の機能転換(急性期医療から回復期医療への転換)が求められ、厚生労働省も病院医療よりも医療費を大幅に抑えられる在宅医療の拡大を推進しており、訪問診療利用者数は2011年の44.9万人から2019年には79.5万人に増加しています(注3)。一方で、日本の労働人口は2020年の約69.0百万人から2040年には5%以上減少して約65.4百万人となると推計されており(注4)、需要の高まる医療サービス提供のための医療従事者の確保が危ぶまれています。
また、2024年時点で日本における病院の70.6%が60歳以上の経営者により運営されており(注5)、2017年時点で後継者不在の病院が68.4%(注6)であるため、M&A等により後継者不在の医療機関を、安定的に運営できる医療機関に承継する流れが進むことが予想されます。
当社グループは米国において足病及び下肢静脈疾患クリニックを運営しています。米国における足病科の市場規模は約70億米ドルであり(注7)、今後も高齢化や糖尿病患者の増加等により堅調なニーズの拡大が見込まれています(65歳以上の人口は2020年の56.1百万人から2030年の73.1百万人へと年平均2.7%で増加すると推計されており(注8)、糖尿病患者は2020年の43.3百万人から2030年の54.9百万人へと年平均2.4%で増加すると推計されています(注9))。当社グループが注力する米国OBLの市場規模は、技術進歩に伴うクリニックの治療能力や高齢化に伴う様々な血管疾患の罹患率の上昇などを背景に、2024年に約139億米ドルと推計されており、2033年には約352億米ドルに到達すると予想されています(注10)。従来分断されていたこれらの周辺市場を統合し、下肢医療プラットフォームを構築することが、患者の医療アクセスの改善やサービスの質の向上に繋がるものと当社は考えています。
また、ベトナム及びインドネシアでは、2023年時点で国民一人当たり医療費がそれぞれ197ドル、132ドル(注11)であり、双方とも2000年と比較すると8倍以上となっており、今後もより多くの人が良質な医療にアクセスできる環境を整備することが求められるものと当社は考えています。
我が国における訪問看護利用者数は2011年時点の38.5万人から2019年の83.5万人へと、年平均で約10.1%増加しており(注12)、また、我が国におけるがん・難病患者数は578万人とされています(注13)。一方で、居宅訪問看護業界においては24時間365日体制で安定的な運営が可能な大規模事業所のニーズが高まっている中で、従業員5人未満の小規模訪問看護ステーションが57%を占め(注14)、十分なサービス供給がされている状況ではないと考えています。
(注)1.「日本の将来推計人口」(国立社会保障・人口問題研究所)。
2.「国民医療費の概況」(厚生労働省)、「2040年を見据えた社会保障の将来見通し」(内閣府、財務省、厚生労働省)。
3.「在宅医療の現状について」(厚生労働省、2022年)。在宅患者訪問診療料を月1回以上算定されていた患者の数。
4.「2023年度版労働力需給の推計」(独立行政法人 労働政策研究・研修機構、2024年)。
5.「令和6年医師、歯科医師、薬剤師統計の概況」(厚生労働省、2025年)。
6.「医業承継の現状と課題」(日本医師会総合政策研究機構、2019年)。
7.「Podiatrists in the US」(IBISWorld、2023年)。
8.「2017 National Population Projections Tables」(US Census Bureau、2020年)。
9.「Diabetes 2030: Insights from Yesterday, Today, and Future Trends 」(Rowley et al, Population Health Management. 2016年)。
10. “U.S. Office-based Labs Market Size, Share & Trends Analysis Report, 2025 - 2033(Research and Markets, 2025)。
11.Global Health Expenditure Database (World Health Organization.)。
12.「在宅医療の現状について」(厚生労働省 2022年)。医療保険と介護保険の合計数。
13.がん患者数466万人「令和2年患者調査(確定数)の概況」(厚生労働省)と指定難病患者数112万人「令和6年度衛生行政報告例」(厚生労働省)の合計。
14.「第220回社会保障審議会介護給付費分科会 資料3」(厚生労働省)。
(5)当社グループの強み
当社グループは2014年の会社設立以来、高い成長性を維持しながら規模を拡大してきました。訪問診療クリニックの経営支援を起点として、病院や透析クリニック、外来クリニック等を運営する医療機関の経営支援、ホスピス事業、居宅訪問看護事業、メディカルケアレジデンス事業、ベトナム・インドネシアにおける医療機関への経営支援、米国における足病及び下肢静脈疾患クリニックの運営等幅広い領域において事業を展開しています。
当社グループの強みは以下のとおりです。
① 安定成長を続ける医療機関セグメントの国内事業及び事業ノウハウを活かした海外事業展開
当社は、経営人材が支援先医療機関に常駐することで、意思決定や戦略策定のサポートを現場の視点から行います。これにより顧客との継続的な関係を構築し高いリテンション率を維持しています。また、これまで培った医療機関の運営効率化ノウハウを生かし、支援先医療機関の安定的な事業運営に寄与しています。このようにして、規模拡大及び安定運営を実現した既存の支援先医療機関は、更なる規模の拡大のためにM&Aや新規クリニックの開設等を視野に入れ、当社が追加の経営支援を行う機会(新規の支援先医療機関の獲得)を得ることが可能になるという好循環が生まれています。
また、国内の医療機関支援により蓄積されたノウハウの海外におけるクリニック経営等への活用や、下肢医療プラットフォームにおける複合リスクを有する患者に対して当社グループ内の患者紹介及び長期治療への移行を進めることで、更なる成長を目指しています。
② 巨大な市場を背景に成長するホスピス事業、居宅訪問看護事業及びメディカルケアレジデンス事業
我が国における訪問看護利用者数は2011年時点の38.5万人から2019年の83.5万人に増加し、年平均で約10.1%成長しています(注1)。また、2020年度末の我が国におけるがん・難病患者数は578万人とされており(注2)、日本における急速な高齢化を背景に在宅医療市場は今後も継続的に拡大すると当社は考えています。
当社のホスピス事業でサービスを提供する定員数、居宅訪問看護事業の利用者数及びメディカルケアレジデンス事業でサービスを提供する定員数はいずれも大規模であり、高い成長が期待される市場において優位な地位を確立しています。
ホスピスセグメントにおいて、当社が訪問看護サービスを提供するホスピス型住宅の定員数は2026年3月末時点で2,853名であり、2026年3月期における既存のホスピス型住宅の年間平均稼働率は82.9%です(注3)。ホスピスセグメントでは、2026年3月末時点で看護師817名、介護士829名を擁し、訪問看護及び訪問介護サービスを提供しています。
居宅訪問看護セグメントの訪問看護ステーション数は、2026年3月末で95拠点であり、今後も積極的な新規拠点展開を予定しています。なお、居宅訪問看護セグメントでは2026年3月末時点で看護師798名、セラピスト510名を擁しており(注4)、2026年3月に訪問実績がある居宅訪問看護事業の利用者数は15,298名、のべ総ケア時間数は2026年3月期において年間1,275千時間(注5)となっています。
メディカルケアレジデンスセグメントにおいて、サービスを提供する施設の定員数は2026年3月末時点で2,010名であり、2026年3月期における既存のメディカルケアレジデンスの年間平均稼働率は80.1%です(注6)。メディカルケアレジデンスセグメントでは、2026年3月末時点で看護師63名、介護士567名を擁し、定期巡回・随時対応型訪問介護看護等サービスを提供しています。
今後も集客効率化、採用力強化、拠点の相互補完等のシナジーを発揮し、高水準の安定稼働を確保するというドミナント戦略のもと、居宅訪問看護事業における訪問看護ステーションは半径2~5km圏内に拠点を出店することにより、展開を加速していきます。ホスピス事業におけるホスピス型住宅は半径10~15km圏内の既存展開エリアを維持し、新規開設のペースを抑制しつつ、既存施設の運営基盤強化と収益最大化に注力していきます。(注)1.「在宅医療の現状について」(厚生労働省 2022年)。医療保険と介護保険の合計数。
2.がん患者数466万人「令和2年患者調査(確定数)の概況」(厚生労働省)と指定難病患者数112万人「令和6年度衛生行政報告例」(厚生労働省)の合計。
3.2026年3月期における既存ホスピス(2026年3月末時点で開設以降12ヶ月超経過又はM&Aによる新規取得)ののべ提供可能定員数に対する、のべ入居者の割合。
4.在宅治験に従事する看護師は除く。セラピストは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の総称。
5.看護師及びセラピストが利用者にサービスを提供した時間の合計。
6.2026年3月期における既存メディカルケアレジデンス(2026年3月末時点で開設以降12ヶ月超経過又はM&Aによる新規取得)ののべ提供可能定員数に対する、のべ入居者の割合。
③ 包括的なソリューションを提供する独自のアプローチ
当社グループは医療機関セグメント、ホスピスセグメント、居宅訪問看護セグメント及びメディカルケアレジデンスセグメントに亘って医療・介護領域の様々な事業を展開しています。
特に支援先医療機関が運営する病院や訪問診療クリニック、透析クリニック及び外来クリニック等と当社グループが運営するホスピス型住宅や訪問看護ステーション、メディカルケアレジデンスとの間のネットワークを強化することにより、医療機関支援からホスピス、居宅訪問看護まで垂直統合されたプラットフォームを構築し、患者、医療従事者及び社会に対して大きな価値提供ができると考えています。
具体的には医療機関セグメントの国内事業、ホスピス事業、居宅訪問看護事業及びメディカルケアレジデンス事業において高度急性期病院に対する接点を持つことにより、KOL(Key Opinion Leader:医療業界において多方面に大きな影響力を持つ人物の意)である医師や、それらの病院に入院する患者へのアクセスを持つことが可能になります。また、当社グループから支援先医療機関に患者を紹介するケースや、逆に当社グループが紹介されるケースがあります。
当社グループ内では、ホスピス事業と居宅訪問看護事業の間での異動及び人材交流もあり、従業員に多様なキャリア機会を提供することができています。
支援先医療機関の運営する拠点が多く存在する地域では、当社グループのホスピス型住宅や訪問看護ステーションを、これら支援先医療機関が運営する拠点の周辺に開設することにより、それらを密に連携させる取り組みも始めています。
そして、医療機関事業により創出したキャッシュ・フローをホスピス事業、居宅訪問看護事業及びメディカルケアレジデンス事業の設備投資に充当することが可能です。
④ 独自の雇用モデルに基づく強力な採用力
当社グループが事業を展開する医療・介護業界において、事業の根幹となるのは優秀な人材の確保と育成であると考えています。医療機関事業に携わる従業員、ホスピス事業、居宅訪問看護事業及びメディカルケアレジデンス事業に携わる看護師、介護士、セラピスト等の専門職の採用力やリテンション力を高めるために、差別化されたプラットフォームを構築することに成功しています。
具体的には当社グループの「医療という希望を創る。」というミッションを実現するために従業員が達成感ややりがいを実感することができるよう、公平かつ協力的な社風を醸成するように努めています。また、継続的かつ充実した教育制度や柔軟な労働体系を設けることにより、スキルを向上させつつ長期間勤務できるような制度を整備しています。
医療機関セグメントにおいて上述のような採用や企業風土醸成のノウハウを活用することにより、当連結会計年度における支援先医療機関に対する医師及びコメディカル(注1)採用支援業務の結果として、当連結会計年度に支援先医療機関の医師286名、コメディカル1,076名の採用に貢献しています。
ホスピスセグメントでは当連結会計年度において702名の看護師・介護士の採用(注2)を行いました。資格取得支援制度の対象職種の拡充等のキャリア開発及び育成支援を実施した結果、離職率は前連結会計年度比0.3ポイント減少の21.7%となりました。
居宅訪問看護セグメントでは当連結会計年度において302名の看護師・セラピスト(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)の採用(注2)を行いました。社内表彰制度の活用による自律的なウェルビーイング推進等のエンゲージメント向上施策を継続して実施した結果、離職率は前連結会計年度比3.2ポイント減少の12.3%となりました。
(注)1.医師を除く医療従事者(看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、臨床検査技師、臨床工学技士、診療放射線技師、管理栄養士等)。
2.非正規社員を含む。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
上記(2)に記載の経営戦略を実行していく上で、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりです。
① 人材の確保、育成
当社グループが事業の規模、範囲を安定的かつ持続的に拡大するためには、それに見合った人材を確保、育成する必要があります。医療機関事業の従業員、ホスピス事業、居宅訪問看護事業及びメディカルケアレジデンス事業の看護師、介護士、セラピスト等の専門職、管理部門の経営企画・経営管理・経理・人事・IT等の要員の確保と育成が必要です。
採用力強化については、採用担当者の増強や、リファラル制度の設置、インターン制度やイベント開催等、新規卒業者への各種施策を実施しています。リテンション率向上のためには、当社グループの経営理念と接続した研修・育成制度、評価・表彰制度等、各種制度により従業員満足度の向上に努めています。
② 従業員の専門性向上
当社の医療機関セグメントでは専門的な経営支援サービスを提供することにより支援先医療機関の規模拡大及び安定運営を実現しています。質の高いサービスを提供するためには、当社従業員の専門性向上が必要不可欠です。優秀な人材を数多く確保するために、医療業界での経験の有無を問わずに能力の高い人材を採用した上で、専門性向上のための教育を継続的に行っています。
また、当社グループにおいては、顧客に提供するサービスの質を最重要視して事業運営をしているため、看護師、介護士、セラピスト等の専門性向上に特に力を入れて取り組んでいます。一例としてホスピス事業や居宅訪問看護事業においては、入社時研修、役職別研修、管理者候補塾等、様々なプログラムを設けており、医療スキルを上げる研修のみならず、ホスピタリティや経営理念を学ぶ研修も行っています。
③ 新規拠点の展開
当社グループでは、知名度の向上と顧客獲得を実現し、必要とされている地域に幅広く当社グループのサービスを届けるために、新規拠点の展開を行っています。拠点展開を行うためには展開拠点の選定と開発、事業所の確保もしくは建設、拠点スタッフの採用、顧客獲得等を行う必要があります。
そのために拠点展開の開発を行う本部人員強化や採用チーム等のバックオフィス機能強化等に努めています。
④ DX推進及びAI活用
当社グループが事業展開する医療・介護業界では、少子高齢化に伴う労働力不足は深刻な状況が続いています。省人化と提供サービスの質を両立するためには、DX推進及びAI活用が必要不可欠です。
そのために、医療・介護現場の負担を軽減するデジタルツールの積極的な導入や、現場のニーズを捉えた自社ソリューションの開発に努めています。
⑤ 内部管理体制の強化及びコーポレート・ガバナンスの充実
当社グループが更なる事業拡大及び継続的な成長を目指し、ミッションを実現するためには、コンプライアンスを重視した経営及びコーポレート・ガバナンスの確立が必要であると認識しています。そのためにも、事業の拡大に備えた管理部門の強化、企業倫理の醸成、法令等遵守の徹底を図るべく内部統制の体制構築とその運用を行っています。
⑥ 財務健全性の確保
当社子会社におけるOBL等の新規開設やM&A等の事業投資に当たり資金調達が必要になるため、外部調達の金利水準が変動した場合や計画どおりの資金調達ができなかった場合には、当社グループの事業、経営成績、財政状態又はキャッシュ・フローの状況に悪影響を及ぼす可能性があります。EBITDA有利子負債倍率及び親会社所有者帰属持分比率等といった財務の安定性を測る指標のモニタリング、また、金利動向の定期的な把握を通じた金利変動リスクの定量化を行うことで、財務健全性の確保に努めています。