有価証券報告書-第4期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、お客さまの顕在ニーズ、潜在ニーズに応えながら地域社会やお客さまに必要とされ続ける企業グループを目指し、地域社会・お客さまと相互に発展するビジネスモデルを確立し、金融を中心とした総合サービス業へ進化することで、地域全体の付加価値を高めるとともに、グループ全体の企業価値向上を目指してまいります。

(2) 中長期的な会社の戦略
人口減少等の我が国の社会構造の変化や国内外の金融政策・金利環境の変化などに伴い、今後も不確実な事業環境が継続すると想定されます。
こうした事業環境を見据え、またテクノロジーの急速な進展など環境の変化にも対応し、持続可能なビジネスモデルを確立するため、当社グループでは2017年度を起点とする期間10年間の長期経営計画『Vision 2027「未来共創プラン」』を策定いたしました。
この長期経営計画では、「地域・お客さま・従業員と分かち合える豊かな未来を共創する」を長期ビジョンに掲げており、「豊かな未来を創る取組み」「経営の土台を創る取組み」をフレームワークとし、長期ビジョン達成に向けた各種取組みを着実に実施していきます。
中期経営計画『未来共創プラン ステージⅠ』(2017年度~2019年度)では、営業時間・人員捻出を目的とした店頭業務体制の整備や本部業務の見直しによる人的資源の再配置などの構造改革を推進したほか、コンサルティング機能の強化や人材紹介業務への参入など金融分野以外のサービスメニューの拡充を図ってきました。
また、2020年度からスタートした中期経営計画『未来共創プラン ステージⅡ』(2020年度~2022年度)では、ステージⅠの構造改革の成果のもと、地域やお客さまが抱える課題の解決力強化に向けて、ちゅうぎんグループの人財と組織力の向上を図るために、人事制度改定、新事業の創出及び持株会社体制への移行等に取り組んできました。
そして、2023年4月からスタートした中期経営計画『未来共創プラン ステージⅢ』(2023年度~2026年度)では、ステージⅠやステージⅡの改革をベースとして、成果を最大限発揮し、10年戦略で描いたビジネスモデルの実現を目指すとともに、ちゅうぎんフィナンシャルグループとしての「新たな挑戦」を実践していきます。

具体的には、地域社会・お客さまと相互に発展する持続的なビジネスモデルを構築するための戦略を3つの成長戦略と定義し、次のような施策に取り組み、地域社会の発展への貢献と企業価値の向上の好循環を創り出してまいります。

当連結会計年度における各成長戦略の主な成果は、以下のとおりです。
Ⅰ.地方創生SDGsの「深化」
脱炭素化について、グループ会社のちゅうぎんエナジーは、中国銀行とのオフサイトPPAサービスを活用し、追加性のある再生可能エネルギーを中国銀行本店も含む9事業所で導入しました。CO2削減の具体的な事例として本取組みを紹介するとともに、お取引先様の脱炭素経営の実現に向けて、具体的なソリューション提供により、地域の脱炭素化を推進してまいります。
TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)では地域特性を踏まえた開示を実施しました。また、当社グループでは、瀬戸内海の環境保全プロジェクト『瀬戸内渚フォーラム』に参画し、玉野市胸上浜の藻場保全・回復や環境教育に取組んでいます。このたび、胸上漁業協同組合、株式会社イノカ、そして瀬戸内渚フォーラムと共同で申請した玉野市胸上浜に関する活動計画が地域生物多様性増進法に基づき認定され、『胸上浜』が『自然共生サイト』となりました。今後も地域社会の持続的な発展とカーボンニュートラルの達成に貢献してまいります。
自治体との関係では、中国銀行は美作市、高梁市、府中市等から企業版ふるさと納税の仲介業務を受託しました。また、自治体が抱える課題への対応を起点とした投融資を増強しました。今後も自治体との連携を強化してまいります。
SDGsでは、中国銀行はおかやまSDGs研究会におかやま未来共創プロジェクトを提案し、若者・女性の県外流出といった地域課題を背景に、住みたい・働きたい場所として「選ばれる岡山」を目指す施策を検討しております。おかやまSDGs研究会のメンバーは中国銀行の他に、行政機関では岡山県、岡山市、倉敷市、経済界では岡山商工会議所、一般社団法人岡山経済同友会、一般社団法人岡山銀行協会、大学では国立大学法人岡山大学、マスコミでは山陽新聞社で構成されています。同プロジェクトでは、地域課題や魅力ある取組みの“見える化”を進めています。具体的には、地域で活躍する企業や団体の取組みをカード化し、ボードゲームやワークショップを通じて次世代に伝えることで、地域理解の促進、シビックプライドの醸成、人材定着につなげる活動に取組んでおります。今後も地域課題の解決に向けて、関係主体を巻き込みながら取組んでまいります。
お客さまのSDGs・脱炭素に向けた取組みを強化するため、国立大学法人岡山大学および一般社団法人サステナブル経営推進機構の協力のもと、「山陽地域のサステナビリティ推進に向けたパートナーシップ協定」に基づき、当社と株式会社ひろぎんホールディングスは両社の職員を対象とした「カーボンフットプリント算定に関する人財育成プログラム」を共催いたしました。
また、三菱HCキャピタル株式会社とグループ会社の中銀リースはGX Assessment Leaseに関する連携協定を締結しました。GX Assessment Leaseは特定の設備を対象に、環境改善効果などの条件を満たしたリースや割賦取引について、お客さまの使用する物件が低炭素設備であることを証明するサービスです。当社グループはこうした取組みを通じて、お客さまの低炭素設備導入を支援し、地域の脱炭素経営・脱炭素社会の実現に貢献してまいります。
地域応援活動では、米国による追加関税措置や中東情勢緊迫化による原油・原材料価格上昇等に際し、その影響が懸念されるお客さまを支援するために、営業店への相談窓口の設置や緊急対策融資の取扱いを開始し、融資、資金繰りおよび返済条件に関するご相談に対応しています。
また、2026年2月に株式会社広島銀行を含めた7行の地方銀行と自動車産業支援にかかる広域連携協定を締結しました。各行が有する知見・ネットワークを活用したサプライチェーンマネジメントの維持・強靭化に資する共同施策により、地域を超えた地元企業の中長期的な成長支援に資する取組みを推進し、地域経済の活性化に貢献してまいります。
さらに、2025年10月、当社はあいおいニッセイ同和損害保険株式会社、森興産株式会社とともに、岡山県内の企業における外国人労働者の適正な雇用と労務リスク対策を支援する新たな枠組み「地域のグローバル人事部 岡山」を設立しました。この枠組みにおいて、深刻化する地域の人手不足や多様な人材活用のニーズに対応し、岡山県内の企業の皆さまが安心して外国人材を受入れ、健全な職場環境を実現できるよう、3者が連携してセミナー・イベントの開催等を行ってまいります。
ライフプランサポート活動では、2025年4月より資産運用サポートデスクを全店展開しました。同デスクでは、電話やオンライン面談によりお客さまの資産形成や資産運用に関するご相談、投資信託のご購入やご解約の手続きまで対応可能です。今後とも、お客さまの利便性向上に努めてまいります。
今後も幅広い金融サービスの提供とコンサルティング機能の発揮を通じ、地域のサステナビリティ向上のために取組んでまいります。
Ⅱ.イノベーションの創出
当社は、2024年5月に公表したちゅうぎんDX戦略に基づき、DXによる業務改革を進めてまいりました。その一環として、生成AI利用環境の整備に取組みました。
また、中国銀行と株式会社日立製作所は融資業務においてAI エージェントを活用し、業務プロセスの自律化を実現するための協創を開始しました。本協創は、業務プロセスの分析から判断、最適化までの一連の流れに AI エージェントを適用・連携させることで、これまで人手に頼っていた業務の段階的な自律化を目指すものです。本協創を通じて、高品質かつ高付加価値で AI ネイティブな金融サービスの提供を実現し、地域企業の持続的な成長へ貢献することを目指してまいります。
アライアンスでは、中国銀行は、マネーフォワードエックス株式会社と地域金融機関向け法人サービスプラットフォーム「BANK Biz」の協業開発を開始しました。法人のお客さまに、より革新的で便利なサービスを提供するために取組んでまいります。
また、2025年8月、当社は株式会社松尾研究所と生成AIに関する共同研究を開始しました。当社グループはお客さまへのサービス提供だけでなく、その成功事例や手法を他地域・他分野にも展開することを目指しており、これを実現するためにAI技術の社会実装に強みを持つ松尾研究所との共同研究を開始しました。
さらに当社は、株式会社大塚商会およびdotData,Inc.と連携し、当社のお取引先様を中心とした地元企業に対し「地元企業のデータ利活用」や「DX 推進」の伴走支援を開始しました。
加えて、中国銀行は豊富な店舗網や顧客ネットワークを活かし、地元企業へdotData Insight Liteの活用を通じた「データ利活用」や「DX 推進」に関するニーズ喚起を行ってまいります。グループ会社のC キューブ・コンサルティングは、本製品の販売に加え、導入を契機としたコンサルティングニーズに対応しています。
今後もグループ全体で進化し続けるために、DX戦略の着実な実現やアライアンス戦略を強化し、新たな可能性を模索してまいります。
Ⅲ.グループ経営基盤の強化
当社は事業ポートフォリオの最適化と経営資源の戦略的配分に向けて、人財ポートフォリオの可視化を進めました。
人的資本投資では、3年連続でベースアップを実施するとともに、2025年5月には、当社業績や株価への関心、企業価値向上へのモチベーションアップを目的とした「従業員持株会向け譲渡制限付株式インセンティブ制度」を導入しました。また、従業員のスキルアップ支援や働きがい向上を目的として、勉学奨励金の対象資格や各種手当の拡充を行いました。さらに、従業員の健康を重要な経営課題と捉え、『健康経営』の取組みを強化し、働きがいを目的とした投資を強化しました。
ダイバーシティをより強力に推進するため、次世代女性リーダーの育成を目的として女性未来塾を開催しました。また、社内メンター制度等により、昇格者の不安を取り除き、緩和する取組みを行っています。その結果、女性管理・監督職は中国銀行単体で282名(管理監督職に占める割合は24.2%、前年同期比+20名)となっております。
財務戦略では、中長期的に目指すべき利益水準やそれを実現するための方策を構想したうえで、事業性貸出金、個人ローン等の「コア領域」、再生可能エネルギー、不動産、船舶、航空機、エクイティ活用等の「戦略領域」、市場性貸出、有価証券運用等の「市場性領域」という3つのアセットのバランスを意識した運営を行いました。また、有価証券ポートフォリオの利回り改善、ストラクチャードファイナンス運用の収益性を重視した運営による資産効率の改善を進めました。さらに、政策投資株式は2026年3月末現在、中期経営計画前対比で簿価ベース48%削減しており、順調に縮減を進めています。
(3) 経営環境
2025年度の国内経済は、所得環境の改善やインバウンド需要が堅調に推移したことなどにより、緩やかな回復基調で推移しました。日本銀行は国内外の経済・物価動向や中長期的な見通し等を踏まえ、昨年度に引き続き、2025年12月に追加利上げを実施しました。
地元経済においては、米国の相互関税や代替関税により、輸出企業の収益が圧迫されました。加えて、人手不足や賃上げにより固定費・人件費が高騰し、収益力が伸び悩む一因となりました。
海外情勢に目を向けると、米国による関税政策に加え、ウクライナや中東における紛争の長期化、米国によるベネズエラやイランへの攻撃など、地経学リスクは益々高まっています。
今後は海外経済の減速や物価の高止まり等により、国内の企業収益の悪化や個人消費の下振れが懸念されます。引き続き、地元経済の状況を把握し、お客さまへの円滑な資金供給、経営課題の解決および資産運用のご提案を通じて、地元経済の発展に貢献してまいります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後の経営環境につきましては、日本銀行による政策金利の引き上げが予想されるものの、地経学リスクの高まりを背景とした海外経済の減速、ないしはサプライチェーンの分断、物価上昇などを主因に、不安定な状況が続くことが予想されており、企業収益の悪化や個人消費の落ち込み、それに伴う地域経済の停滞が懸念されます。
このような経営環境への対応やサステナビリティ経営を推進するため、これまでに手掛けた取組みをより一層強化するとともに、新たな成長に向けて挑戦してまいります。
「Ⅰ.地方創生SDGsの『深化』」では、「ヒト・モノ・カネ」に関するご相談をワンストップで解決できるという利点を活かし、グループシナジーを発揮しながら、地域やお客さまが抱える経営課題やニーズに寄り添い、解決してまいります。これらの取組みを通じて、地域やお客さまのポテンシャルを引き出し、地域の持続的な発展に貢献してまいります。
「Ⅱ.イノベーションの創出」では、より生産性の高い組織となれるよう、引き続きDXやBPRによる抜本的な業務改革を進めてまいります。また、私たちが有するノウハウを活かすとともに、当社グループでは有していない知見を持つ地域社会のアライアンスパートナー等と連携し、新規事業の共同開発等、業務軸の拡大による新たな価値の創出に一層注力してまいります。
「Ⅲ.グループ経営基盤の強化」では、 成長戦略を高度に実践していくために、グループ各社の特性に応じたグループガバナンス態勢を確立してまいります。また、持株会社と中国銀行・グループ各社の自主性を高め、役割の違いを明確にし、グループ全体で収益性を高めるとともに、効率的な運営を目指してまいります。2026年度は人的資本投資を前年比3億円増の約14億円に増強する予定です。社内人財への投資を惜しむことなく、「人財育成」と「働きがいの向上」の両輪で施策を展開し、従業員のパフォーマンスの最大化を図ることでお客さまへの提案力を強化してまいります。また、女性活躍推進に加え、シニア、障がい者等がより一層活躍できるよう環境整備し、「全員活躍」に向けて取組んでまいります。
以上の3つの成長戦略を組み合わせ、地域・お客さまの発展へ貢献することで、地域全体のサステナビリティや付加価値を高めてまいります。
(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標等
2023年4月からスタートした中期経営計画『未来共創プラン ステージⅢ』(2023年度~2026年度)の策定に際し、足元の経営環境や今後の見通しを反映して、以下のKPIを設定し、長期経営計画『Vision 2027「未来共創プラン」』の最終年度(2026年度)の計数目標を更新しております。
計数目標は、下記要因を考慮し、KPIのうち「親会社株主に帰属する当期純利益」を300億円から400億円以上に、「ROE」を5%以上から7%以上に、それぞれ上方修正しております。
●良質なアセット拡大と中計策定時想定を超える市場金利上昇に伴う資金利益の増加
●ユニット体制の構築による営業戦略・投資戦略の取組み加速(FGの機能強化)
●「ちゅうぎんDX戦略」による業務プロセス改革、共創パートナーとの連携、新規事業創出等の追加的効果

※1:Scope1(ガス、ガソリン、軽油などの燃料消費を通じた直接排出量)、Scope2(他社から供給された電気、熱などの使用に伴う間接排出量)の2013年度対比削減率
※2:対象となる投融資は、社会分野(医療・介護・保育、教育 ほか)・環境分野(太陽光、風力、バイオマス、EVほか)のファイナンスに加え、地方創生やSDGs/ESGの取組支援を含む2020年度からの実行額
※3:事業承継・環境関連などの年間コンサルティング契約受託件数
※4:遺言信託、遺産整理業務等の年間取扱件数
※5:研修教育関連費用、勉学奨励金、ちゅうぎんオープンラボ活動費、研修受講時及び出向時の人件費等の従業員に対する投資額及び就業環境や福利厚生の整備(手当や健康経営など)に対する投資額
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、お客さまの顕在ニーズ、潜在ニーズに応えながら地域社会やお客さまに必要とされ続ける企業グループを目指し、地域社会・お客さまと相互に発展するビジネスモデルを確立し、金融を中心とした総合サービス業へ進化することで、地域全体の付加価値を高めるとともに、グループ全体の企業価値向上を目指してまいります。

(2) 中長期的な会社の戦略
人口減少等の我が国の社会構造の変化や国内外の金融政策・金利環境の変化などに伴い、今後も不確実な事業環境が継続すると想定されます。
こうした事業環境を見据え、またテクノロジーの急速な進展など環境の変化にも対応し、持続可能なビジネスモデルを確立するため、当社グループでは2017年度を起点とする期間10年間の長期経営計画『Vision 2027「未来共創プラン」』を策定いたしました。
この長期経営計画では、「地域・お客さま・従業員と分かち合える豊かな未来を共創する」を長期ビジョンに掲げており、「豊かな未来を創る取組み」「経営の土台を創る取組み」をフレームワークとし、長期ビジョン達成に向けた各種取組みを着実に実施していきます。
中期経営計画『未来共創プラン ステージⅠ』(2017年度~2019年度)では、営業時間・人員捻出を目的とした店頭業務体制の整備や本部業務の見直しによる人的資源の再配置などの構造改革を推進したほか、コンサルティング機能の強化や人材紹介業務への参入など金融分野以外のサービスメニューの拡充を図ってきました。
また、2020年度からスタートした中期経営計画『未来共創プラン ステージⅡ』(2020年度~2022年度)では、ステージⅠの構造改革の成果のもと、地域やお客さまが抱える課題の解決力強化に向けて、ちゅうぎんグループの人財と組織力の向上を図るために、人事制度改定、新事業の創出及び持株会社体制への移行等に取り組んできました。
そして、2023年4月からスタートした中期経営計画『未来共創プラン ステージⅢ』(2023年度~2026年度)では、ステージⅠやステージⅡの改革をベースとして、成果を最大限発揮し、10年戦略で描いたビジネスモデルの実現を目指すとともに、ちゅうぎんフィナンシャルグループとしての「新たな挑戦」を実践していきます。

具体的には、地域社会・お客さまと相互に発展する持続的なビジネスモデルを構築するための戦略を3つの成長戦略と定義し、次のような施策に取り組み、地域社会の発展への貢献と企業価値の向上の好循環を創り出してまいります。

当連結会計年度における各成長戦略の主な成果は、以下のとおりです。
Ⅰ.地方創生SDGsの「深化」
脱炭素化について、グループ会社のちゅうぎんエナジーは、中国銀行とのオフサイトPPAサービスを活用し、追加性のある再生可能エネルギーを中国銀行本店も含む9事業所で導入しました。CO2削減の具体的な事例として本取組みを紹介するとともに、お取引先様の脱炭素経営の実現に向けて、具体的なソリューション提供により、地域の脱炭素化を推進してまいります。
TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)では地域特性を踏まえた開示を実施しました。また、当社グループでは、瀬戸内海の環境保全プロジェクト『瀬戸内渚フォーラム』に参画し、玉野市胸上浜の藻場保全・回復や環境教育に取組んでいます。このたび、胸上漁業協同組合、株式会社イノカ、そして瀬戸内渚フォーラムと共同で申請した玉野市胸上浜に関する活動計画が地域生物多様性増進法に基づき認定され、『胸上浜』が『自然共生サイト』となりました。今後も地域社会の持続的な発展とカーボンニュートラルの達成に貢献してまいります。
自治体との関係では、中国銀行は美作市、高梁市、府中市等から企業版ふるさと納税の仲介業務を受託しました。また、自治体が抱える課題への対応を起点とした投融資を増強しました。今後も自治体との連携を強化してまいります。
SDGsでは、中国銀行はおかやまSDGs研究会におかやま未来共創プロジェクトを提案し、若者・女性の県外流出といった地域課題を背景に、住みたい・働きたい場所として「選ばれる岡山」を目指す施策を検討しております。おかやまSDGs研究会のメンバーは中国銀行の他に、行政機関では岡山県、岡山市、倉敷市、経済界では岡山商工会議所、一般社団法人岡山経済同友会、一般社団法人岡山銀行協会、大学では国立大学法人岡山大学、マスコミでは山陽新聞社で構成されています。同プロジェクトでは、地域課題や魅力ある取組みの“見える化”を進めています。具体的には、地域で活躍する企業や団体の取組みをカード化し、ボードゲームやワークショップを通じて次世代に伝えることで、地域理解の促進、シビックプライドの醸成、人材定着につなげる活動に取組んでおります。今後も地域課題の解決に向けて、関係主体を巻き込みながら取組んでまいります。
お客さまのSDGs・脱炭素に向けた取組みを強化するため、国立大学法人岡山大学および一般社団法人サステナブル経営推進機構の協力のもと、「山陽地域のサステナビリティ推進に向けたパートナーシップ協定」に基づき、当社と株式会社ひろぎんホールディングスは両社の職員を対象とした「カーボンフットプリント算定に関する人財育成プログラム」を共催いたしました。
また、三菱HCキャピタル株式会社とグループ会社の中銀リースはGX Assessment Leaseに関する連携協定を締結しました。GX Assessment Leaseは特定の設備を対象に、環境改善効果などの条件を満たしたリースや割賦取引について、お客さまの使用する物件が低炭素設備であることを証明するサービスです。当社グループはこうした取組みを通じて、お客さまの低炭素設備導入を支援し、地域の脱炭素経営・脱炭素社会の実現に貢献してまいります。
地域応援活動では、米国による追加関税措置や中東情勢緊迫化による原油・原材料価格上昇等に際し、その影響が懸念されるお客さまを支援するために、営業店への相談窓口の設置や緊急対策融資の取扱いを開始し、融資、資金繰りおよび返済条件に関するご相談に対応しています。
また、2026年2月に株式会社広島銀行を含めた7行の地方銀行と自動車産業支援にかかる広域連携協定を締結しました。各行が有する知見・ネットワークを活用したサプライチェーンマネジメントの維持・強靭化に資する共同施策により、地域を超えた地元企業の中長期的な成長支援に資する取組みを推進し、地域経済の活性化に貢献してまいります。
さらに、2025年10月、当社はあいおいニッセイ同和損害保険株式会社、森興産株式会社とともに、岡山県内の企業における外国人労働者の適正な雇用と労務リスク対策を支援する新たな枠組み「地域のグローバル人事部 岡山」を設立しました。この枠組みにおいて、深刻化する地域の人手不足や多様な人材活用のニーズに対応し、岡山県内の企業の皆さまが安心して外国人材を受入れ、健全な職場環境を実現できるよう、3者が連携してセミナー・イベントの開催等を行ってまいります。
ライフプランサポート活動では、2025年4月より資産運用サポートデスクを全店展開しました。同デスクでは、電話やオンライン面談によりお客さまの資産形成や資産運用に関するご相談、投資信託のご購入やご解約の手続きまで対応可能です。今後とも、お客さまの利便性向上に努めてまいります。
今後も幅広い金融サービスの提供とコンサルティング機能の発揮を通じ、地域のサステナビリティ向上のために取組んでまいります。
Ⅱ.イノベーションの創出
当社は、2024年5月に公表したちゅうぎんDX戦略に基づき、DXによる業務改革を進めてまいりました。その一環として、生成AI利用環境の整備に取組みました。
また、中国銀行と株式会社日立製作所は融資業務においてAI エージェントを活用し、業務プロセスの自律化を実現するための協創を開始しました。本協創は、業務プロセスの分析から判断、最適化までの一連の流れに AI エージェントを適用・連携させることで、これまで人手に頼っていた業務の段階的な自律化を目指すものです。本協創を通じて、高品質かつ高付加価値で AI ネイティブな金融サービスの提供を実現し、地域企業の持続的な成長へ貢献することを目指してまいります。
アライアンスでは、中国銀行は、マネーフォワードエックス株式会社と地域金融機関向け法人サービスプラットフォーム「BANK Biz」の協業開発を開始しました。法人のお客さまに、より革新的で便利なサービスを提供するために取組んでまいります。
また、2025年8月、当社は株式会社松尾研究所と生成AIに関する共同研究を開始しました。当社グループはお客さまへのサービス提供だけでなく、その成功事例や手法を他地域・他分野にも展開することを目指しており、これを実現するためにAI技術の社会実装に強みを持つ松尾研究所との共同研究を開始しました。
さらに当社は、株式会社大塚商会およびdotData,Inc.と連携し、当社のお取引先様を中心とした地元企業に対し「地元企業のデータ利活用」や「DX 推進」の伴走支援を開始しました。
加えて、中国銀行は豊富な店舗網や顧客ネットワークを活かし、地元企業へdotData Insight Liteの活用を通じた「データ利活用」や「DX 推進」に関するニーズ喚起を行ってまいります。グループ会社のC キューブ・コンサルティングは、本製品の販売に加え、導入を契機としたコンサルティングニーズに対応しています。
今後もグループ全体で進化し続けるために、DX戦略の着実な実現やアライアンス戦略を強化し、新たな可能性を模索してまいります。
Ⅲ.グループ経営基盤の強化
当社は事業ポートフォリオの最適化と経営資源の戦略的配分に向けて、人財ポートフォリオの可視化を進めました。
人的資本投資では、3年連続でベースアップを実施するとともに、2025年5月には、当社業績や株価への関心、企業価値向上へのモチベーションアップを目的とした「従業員持株会向け譲渡制限付株式インセンティブ制度」を導入しました。また、従業員のスキルアップ支援や働きがい向上を目的として、勉学奨励金の対象資格や各種手当の拡充を行いました。さらに、従業員の健康を重要な経営課題と捉え、『健康経営』の取組みを強化し、働きがいを目的とした投資を強化しました。
ダイバーシティをより強力に推進するため、次世代女性リーダーの育成を目的として女性未来塾を開催しました。また、社内メンター制度等により、昇格者の不安を取り除き、緩和する取組みを行っています。その結果、女性管理・監督職は中国銀行単体で282名(管理監督職に占める割合は24.2%、前年同期比+20名)となっております。
財務戦略では、中長期的に目指すべき利益水準やそれを実現するための方策を構想したうえで、事業性貸出金、個人ローン等の「コア領域」、再生可能エネルギー、不動産、船舶、航空機、エクイティ活用等の「戦略領域」、市場性貸出、有価証券運用等の「市場性領域」という3つのアセットのバランスを意識した運営を行いました。また、有価証券ポートフォリオの利回り改善、ストラクチャードファイナンス運用の収益性を重視した運営による資産効率の改善を進めました。さらに、政策投資株式は2026年3月末現在、中期経営計画前対比で簿価ベース48%削減しており、順調に縮減を進めています。
(3) 経営環境
2025年度の国内経済は、所得環境の改善やインバウンド需要が堅調に推移したことなどにより、緩やかな回復基調で推移しました。日本銀行は国内外の経済・物価動向や中長期的な見通し等を踏まえ、昨年度に引き続き、2025年12月に追加利上げを実施しました。
地元経済においては、米国の相互関税や代替関税により、輸出企業の収益が圧迫されました。加えて、人手不足や賃上げにより固定費・人件費が高騰し、収益力が伸び悩む一因となりました。
海外情勢に目を向けると、米国による関税政策に加え、ウクライナや中東における紛争の長期化、米国によるベネズエラやイランへの攻撃など、地経学リスクは益々高まっています。
今後は海外経済の減速や物価の高止まり等により、国内の企業収益の悪化や個人消費の下振れが懸念されます。引き続き、地元経済の状況を把握し、お客さまへの円滑な資金供給、経営課題の解決および資産運用のご提案を通じて、地元経済の発展に貢献してまいります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後の経営環境につきましては、日本銀行による政策金利の引き上げが予想されるものの、地経学リスクの高まりを背景とした海外経済の減速、ないしはサプライチェーンの分断、物価上昇などを主因に、不安定な状況が続くことが予想されており、企業収益の悪化や個人消費の落ち込み、それに伴う地域経済の停滞が懸念されます。
このような経営環境への対応やサステナビリティ経営を推進するため、これまでに手掛けた取組みをより一層強化するとともに、新たな成長に向けて挑戦してまいります。
「Ⅰ.地方創生SDGsの『深化』」では、「ヒト・モノ・カネ」に関するご相談をワンストップで解決できるという利点を活かし、グループシナジーを発揮しながら、地域やお客さまが抱える経営課題やニーズに寄り添い、解決してまいります。これらの取組みを通じて、地域やお客さまのポテンシャルを引き出し、地域の持続的な発展に貢献してまいります。
「Ⅱ.イノベーションの創出」では、より生産性の高い組織となれるよう、引き続きDXやBPRによる抜本的な業務改革を進めてまいります。また、私たちが有するノウハウを活かすとともに、当社グループでは有していない知見を持つ地域社会のアライアンスパートナー等と連携し、新規事業の共同開発等、業務軸の拡大による新たな価値の創出に一層注力してまいります。
「Ⅲ.グループ経営基盤の強化」では、 成長戦略を高度に実践していくために、グループ各社の特性に応じたグループガバナンス態勢を確立してまいります。また、持株会社と中国銀行・グループ各社の自主性を高め、役割の違いを明確にし、グループ全体で収益性を高めるとともに、効率的な運営を目指してまいります。2026年度は人的資本投資を前年比3億円増の約14億円に増強する予定です。社内人財への投資を惜しむことなく、「人財育成」と「働きがいの向上」の両輪で施策を展開し、従業員のパフォーマンスの最大化を図ることでお客さまへの提案力を強化してまいります。また、女性活躍推進に加え、シニア、障がい者等がより一層活躍できるよう環境整備し、「全員活躍」に向けて取組んでまいります。
以上の3つの成長戦略を組み合わせ、地域・お客さまの発展へ貢献することで、地域全体のサステナビリティや付加価値を高めてまいります。
(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標等
2023年4月からスタートした中期経営計画『未来共創プラン ステージⅢ』(2023年度~2026年度)の策定に際し、足元の経営環境や今後の見通しを反映して、以下のKPIを設定し、長期経営計画『Vision 2027「未来共創プラン」』の最終年度(2026年度)の計数目標を更新しております。
計数目標は、下記要因を考慮し、KPIのうち「親会社株主に帰属する当期純利益」を300億円から400億円以上に、「ROE」を5%以上から7%以上に、それぞれ上方修正しております。
●良質なアセット拡大と中計策定時想定を超える市場金利上昇に伴う資金利益の増加
●ユニット体制の構築による営業戦略・投資戦略の取組み加速(FGの機能強化)
●「ちゅうぎんDX戦略」による業務プロセス改革、共創パートナーとの連携、新規事業創出等の追加的効果

※1:Scope1(ガス、ガソリン、軽油などの燃料消費を通じた直接排出量)、Scope2(他社から供給された電気、熱などの使用に伴う間接排出量)の2013年度対比削減率
※2:対象となる投融資は、社会分野(医療・介護・保育、教育 ほか)・環境分野(太陽光、風力、バイオマス、EVほか)のファイナンスに加え、地方創生やSDGs/ESGの取組支援を含む2020年度からの実行額
※3:事業承継・環境関連などの年間コンサルティング契約受託件数
※4:遺言信託、遺産整理業務等の年間取扱件数
※5:研修教育関連費用、勉学奨励金、ちゅうぎんオープンラボ活動費、研修受講時及び出向時の人件費等の従業員に対する投資額及び就業環境や福利厚生の整備(手当や健康経営など)に対する投資額