訂正有価証券報告書-第1期(2023/07/03-2024/06/30)

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2024/10/08 10:07
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当社は、日本工営の単独親会社として2023年7月3日付で単独株式移転により設立され、新たに当連結会計年度より連結財務諸表を作成していますが、従前の日本工営の連結グループの範囲から実質的な変更がないため、日本工営の2023年6月期を比較情報として用いています。なお、比較に際して当社子会社である株式会社エル・コーエイをコンサルティング事業セグメントからその他とする調整を行っています。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度(2023年7月1日から2024年6月30日まで)におけるわが国経済は、一部に足踏みもみられましたが、緩やかに回復しています。今後も、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあり緩やかに回復が続く見込みである一方、欧米における高い金利水準の継続に伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっています。また、中東地域を巡る情勢や金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。
当社グループを取り巻く経営環境は、日本を含む各国にて社会経済活動が正常化する一方、ロシアによるウクライナ侵攻を契機とする世界的なエネルギー危機と食料危機、またインフレの進行や為替変動に加えて中東地域における紛争等、国際情勢における不確実性が高まっています。コンサルティング事業では、国内市場は引き続き国土強靭化に向けた公共事業予算が確保され、特に大規模災害対策や予防保全型インフラメンテナンス等の市場拡大と防衛関連インフラ事業の拡大が期待されます。また、海外市場は日本政府による「インフラシステム海外展開戦略2025」を軸にODA予算が強化され、紛争・被災地域における復興支援が必要となっています。そしてPPP(Public Private Partnership)、民間資本によるインフラ開発も増加傾向にあります。一方、インフレや為替変動、国際情勢の不安定な状況は継続すると見られます。都市空間事業では、国内および欧米諸国においてESG投資を呼び込むサステナブルな都市構造の再構築のニーズが高まる一方、開発途上国においては交通関連施設や周辺基盤の整備を含む都市開発事業のニーズが旺盛です。エネルギー事業では、国内における老朽化した既設設備の更新需要は堅調と見込まれます。2050年カーボンニュートラル目標に向け、再生可能エネルギーへのシフトという流れは変わらないものの、世界的なエネルギーコストの上昇による政策変更に対しても機敏に対応する必要があります。
こうした市場環境のもと、当社グループは「ID&E グローバル戦略 2030」の第1ステップとなる2021年7月から2024年6月までをグループ強靭化に取り組む変革期と位置付け、中期経営計画「Building Resilience 2024」に基づく3つの強靭化策を実行しました。
1つ目の強靭化策としては、これまでの5事業を3つのドメイン(コンサルティング、都市空間、エネルギー)に再編し、事業軸を強化しました。2つ目の強靭化策では、持株会社体制への移行によるガバナンスの強化と地域統括体制の整備によるマトリクス経営(各事業が地域ごとに相互に連携を図る経営)の実現に向け、取り組みました。3つ目の強靭化策としては、ID&Eグループとしてのブランドと品質の確立に向け、技術開発および人財育成に係る強化策を講じました。また、そのための基盤として「Well-being経営」を推進しました。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、受注高は各事業とも好調に推移し前期比15.9%増の161,357百万円、売上収益は主にエネルギー事業が順調に進捗し前期比12.3%増の158,983百万円となりました。営業利益は、コンサルティング事業の増益が寄与して前期比132.3%増の14,124百万円となりました。それに伴い親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比212.8%増の9,677百万円となりました。
当社グループのセグメント別の業績は次のとおりです。
[コンサルティング事業]
コンサルティング事業では、日本工営を中心に、各事業分野でのシェア向上に加えて、流域治水・気候変動・SDGs・再生可能エネルギー・マルチハザードといった分野横断的な共創事業の推進、マネジメント事業の展開や民間セクターの拡大等に取り組みました。また海外事業は海外現地法人を主体とした市場拡大に取り組みました。
以上の結果、受注高は国内事業の好調により前期比11.8%増の86,568百万円、売上収益は前期比4.9%増の85,488百万円となりました。営業利益は、資本参加先の株式上場に伴う評価益を約21億円計上していることにより前期比63.8%増の10,647百万円となりました。
[都市空間事業]
都市空間事業では、日本工営都市空間が要員確保や品質管理の徹底による生産体制の強化に、BDP社が英国国内およびグループ間協業によるアジア市場開拓と北米市場における業務拡大に取り組みました。
以上の結果、BDP社の好調により、受注高は前期比17.2%増の49,874百万円、売上収益は前期比16.8%増の44,460百万円となりました。営業利益は1,968百万円(前期は946百万円の損失)となりました。
[エネルギー事業]
エネルギー事業では、日本工営エナジーソリューションズ株式会社(2023年9月以前は、日本工営株式会社エネルギー事業統括本部)を中心に、蓄電池やアグリゲーション事業といったエネルギーマネジメント事業を本格展開させるとともに、既存の機電コンサルティング・エンジニアリング事業の体制強化と製造事業の安定化に取り組みました。
以上の結果、受注高は主に変電所工事や発電施設運営管理関連の事業の好調により、前期比29.8%増の24,446百万円、売上収益は大型蓄電池事業や電力設備関連事業が大きく伸び前期比33.9%増の27,925百万円となりました。営業利益は、前期に当社関連会社であったPT.ARKORA HYDRO株式の売却益および有価証券運用益の計上等が約19億円あった反動で前期比17.0%減の2,470百万円となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末における資産合計は、206,386百万円となり、前連結会計年度末と比較して10,994百万円の増加となりました。これは、契約資産7,771百万円の増加等があったことが主な要因です。
負債合計は、112,288百万円となり、前連結会計年度末と比較して681百万円の増加となりました。これは、繰延税金負債2,876百万円の増加等があったことが主な要因です。
資本合計は、94,097百万円となり、前連結会計年度末と比較して10,313百万円の増加となりました。これは、利益剰余金6,817百万円の増加等があったことが主な要因です。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は44.1%となり前連結会計年度末と比較して2.7ポイント上昇しました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、25,242百万円となり、前期末に比べて6,436百万円減少しました。当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況と、前期に対するキャッシュ・フローの増減は、次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益15,264百万円に減価償却費等の非資金項目や営業活動に係る債権・債務の加減を行った結果、7,792百万円の収入となり、前期に比べ553百万円の収入の減少となりました。これは主に、契約資産の増加によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産や無形資産の取得等を行った結果、5,064百万円の支出となり、前期に比べ2,204百万円の支出の増加となりました。これは主に、前期発生した関係会社の売却が当期発生しなかったことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の借入れや返済等を行った結果、8,832百万円の支出となり、前期に比べ17,131百万円の支出の増加となりました。これは主に、短期借入金の返済が進んだことによるものです。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりです。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
2020年
6月期
2021年
6月期
2022年
6月期
2023年
6月期
2024年
6月期
親会社所有者帰属持分比率(%)43.645.344.941.444.1
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率(%)29.029.728.228.830.9
キャッシュ・フロー対有利子
負債比率(年)
9.33.08.76.87.1
インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)
10.927.811.811.46.8

親会社所有者帰属持分比率:親会社所有者帰属持分/資産合計
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/資産合計
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注) 1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。2023年6月期以前の期につきましては日本工営株式会社の連結ベースの財務数値により計算しています。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。
3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しています。
4.有利子負債は連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。当連結会計年度より、有利子負債にリース負債を含めて算定しています。これに伴い、過年度も同様に算定しています。
④生産、受注及び販売の実績
a. 受注実績
セグメントの名称当連結会計年度(百万円)前年同期比(%)
当期受注高
コンサルティング事業86,56811.8
都市空間事業49,87417.2
エネルギー事業24,44629.8
その他4672.3
当期受注高合計161,35715.9
為替・その他調整
コンサルティング事業7,327208.7
都市空間事業3,36641.0
エネルギー事業1,2101,232.4
その他△0-
為替・その他調整合計11,903145.3
受注残高
コンサルティング事業143,8725.9
都市空間事業46,43223.3
エネルギー事業27,3907.4
その他5222.9
受注残高合計217,7019.4

(注) 1.上記の金額は外部顧客に対するもので、セグメント間の内部取引および振替高は含まれていません。
2.為替・その他調整には為替差額および受注残高の補正による調整額等が含まれています。
3.「第1 企業の概況 3 事業の内容 」に記載のとおり、当連結会計年度より報告セグメントの変更を行っ
ています。なお、前年同期比は変更後の報告セグメントの区分に基づき計算したものを記載しています。
b. 売上収益実績
セグメントの名称当連結会計年度(百万円)前年同期比(%)
コンサルティング事業85,4884.9
都市空間事業44,46016.8
エネルギー事業27,92533.9
その他1,1092.6
合計158,98312.3

(注) 1.当連結企業集団では生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載していません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しています。
3.主な相手先別の売上収益実績および総売上収益実績に対する割合は、次のとおりです。
相手先当連結会計年度
金額(百万円)割合(%)
国土交通省23,24014.6

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。
なお、本文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態に関する認識および分析・検討内容については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況、②財政状態の状況」をご覧ください。経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について、当社グループは中期経営計画Building Resilience 2024の最終年度にあたる当連結会計年度の経営成績目標を2023年8月14日に売上収益156,000百万円、営業利益11,100百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益7,100百万円としていました。
当連結会計年度の当社グループの経営成績は、売上収益は計画比101.9%の158,983百万円となり、各事業とも堅調に推移しました。営業利益はコンサルティング事業およびエネルギー事業の好調に加え、資本参加先の株式上場に伴う評価益を約21億円計上したことにより計画比127.2%の14,124百万円、それに伴い親会社の所有者に帰属する当期利益は計画比136.3%の9,677百万円となりました。
セグメント別の経営成績は、コンサルティング事業においては国内外で案件が進捗し、売上収益は計画比97.1%となりました。営業利益は資本参加先の株式上場に伴う評価益を約21億円計上したことおよび一般管理費の抑制により計画比143.9%となりました。都市空間事業では、BDP社が堅調に進捗し売上収益は計画比105.9%となった一方、営業利益は日本工営都市空間で売上未達となったことが影響し計画比72.9%となりました。エネルギー事業は、大型発電所案件等の進捗により売上収益は計画比111.7%、営業利益は計画比112.3%となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、「3 事業等のリスク」に記載のとおり、コンサルティング事業におきましては、国内の官公庁・地方公共団体からの受注およびわが国ODA(政府開発援助)予算に基づく案件の受注の割合(依存度)が高く、国内事業では公共投資の動向、海外事業ではODA予算の動向に影響を受ける傾向があります。また、エネルギー事業におきましては、東京電力パワーグリッド(株)からの受注の割合(依存度)が高く、同社の電力設備投資等の動向に影響を受ける傾向があります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご覧ください。
当社グループの資本の財源および資金の流動性については、事業活動を遂行するための適切な資金確保および健全な財務体質を維持することを目指し、安定的な資金調達手段の確保に努めています。必要な運転資金、設備投資および投融資の財源は、主として営業キャッシュ・フローと金融機関からの借入によります。2024年6月30日現在、長期借入金残高は27,312百万円です。また、資金の流動性については、事業規模に応じた適正な手元資金の水準を維持するとともに金融上のリスクに対応するため主要取引銀行と当座貸越およびコミットメントライン契約を締結することにより手元流動性を確保しており、金融機関との間で総額61,500百万円の契約を締結しています。本契約に基づく当連結会計年度末の短期借入金残高は16,000百万円です。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。
なお、当社グループの連結財務諸表の作成に用いた重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 ⑤ 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」および「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 ⑤ 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しています。

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