有価証券届出書(新規公開時)
(1) 経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態の状況
第13期事業年度(自 2021年7月1日 至 2022年6月30日)
(資産)
当事業年度末における流動資産は1,018,434千円となり、前事業年度末に比べ25,867千円減少いたしました。具体的には、現金及び預金が164,506千円、棚卸資産が2,252千円、前払費用が24,166千円、その他の流動資産が5,180千円減少し、売掛金及び契約資産が170,238千円増加いたしました。売掛金及び契約資産の増加の主な要因は、AI開発事業の期末の売上が増加したことによるものであります。固定資産は284,502千円となり、前事業年度末に比べ129,887千円増加いたしました。具体的には、有形固定資産が5,661千円減少し、無形固定資産が121,503千円、投資その他の資産が14,044千円増加いたしました。無形固定資産増加の要因は、主に特定顧客向けの自社利用ソフトウエアの開発によるものであります。この結果、総資産は1,302,936千円となり、前事業年度末に比べ104,019千円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は230,591千円となり、前事業年度末に比べ72,152千円増加いたしました。具体的には、1年内返済予定の長期借入金が54,700千円、未払費用が12,771千円増加したことによるものであります。固定負債は134,500千円となり、前事業年度末に比べ60,100千円減少いたしました。これは長期借入金が同額減少したことによるものであります。この結果、負債合計は365,091千円となり、前事業年度末に比べ12,052千円増加いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は937,844千円となり、前事業年度末に比べ91,967千円増加いたしました。これは当期純利益の計上に伴う増加によるものであります。
第14期第3四半期累計期間(自 2022年7月1日 至 2023年3月31日)
(資産)
当第3四半期会計期間末の総資産は、前事業年度末と比較して284,410千円増加し、1,587,347千円となりました。流動資産は前事業年度末と比較して260,920千円増加し、1,279,355千円となりました。主な要因は、現金及び預金が2,304千円減少した一方で、売掛金及び契約資産が262,905千円増加したことによるものであります。固定資産は前事業年度末と比較して23,489千円増加し、307,992千円となりました。主な要因は、無形固定資産に含まれるソフトウエア関連の資産が8,316千円減少した一方で、投資その他の資産に含まれる繰延税金資産が31,433千円増加したことによるものであります。
(負債)
当第3四半期会計期間末の負債は、前事業年度末と比較して29,002千円増加し、394,094千円となりました。主な要因は、長期借入金が43,690千円減少した一方で、その他に含まれる契約負債が74,907千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当第3四半期会計期間末の純資産は、前事業年度末と比較して255,407千円増加し、1,193,252千円となりました。主な要因は、四半期純利益の計上により利益剰余金が255,407千円増加したことによるものであります。
② 経営成績の状況
第13期事業年度(自 2021年7月1日 至 2022年6月30日)
当事業年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルスの感染者数の減少により回復が期待されたものの、ウクライナ情勢や資源・半導体の供給悪化、急激な円安等の影響により、依然として先行きが不透明な状況にありました。一方で、DX化に伴う業務の効率化や脱炭素化に向けたエネルギー消費の効率化は、多くの企業において重要な戦略として位置付けられ、関心が一段と高くなっている状況にあります。それに伴い当社の事業領域のサービスに対する期待も日増しに高まっていると考えております。
このような環境下にあって、当社は、電力・エネルギー分野、物流・サプライチェーン分野、都市交通・スマートシティ分野の3分野に集中し、最先端のAI技術と業務知識を駆使して、計画の最適化を行った結果、当事業年度の各分野の売上高は電力・エネルギー分野で220,485千円、物流・サプライチェーン分野で327,705千円、都市交通・スマートシティ分野で314,015千円、その他で48,194千円となりました。当事業年度は、AIエンジンの開発のみならず、それを顧客のオペレーションに実装する本番システムの開発実績も積み上げることができ、一部では運用・サポートが開始され、ストック型売上は4,875千円となりました。
以上の結果、売上高は、910,399千円(前年同期比28.8%増)となり、営業利益71,115千円(前年同期は営業損失222,293千円)、経常利益67,651千円(前年同期は経常損失198,538千円)、当期純利益91,967千円(前年同期は当期純損失210,748千円)となりました。なお、当社の事業はAI開発事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載は省略しております。
第14期第3四半期累計期間(自 2022年7月1日 至 2023年3月31日)
当第3四半期累計期間におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス対策の緩和による社会経済活動の正常化へ向けた動きに伴い、緩やかな回復が見られました。しかしながら、ウクライナ危機の長期化や世界的な金融引き締めによる経済への影響が懸念される等、先行きの不透明な状況が続いております。一方で変革に向けたDX化は多くの企業にとって引き続き重要な戦略として位置付けられ、AIへの投資は底堅い成長を続けております。加えて当社のAI開発事業は、電力や物流等の事業会社を対象にエネルギー消費量の削減も可能とする計画最適化のシステムを提供していることから、当社の事業に対する期待は一層高まっております。
このような環境下にあって、当社は電力・エネルギー分野、物流・サプライチェーン分野、都市交通・スマートシティ分野の社会インフラ3分野に引き続き注力し計画最適化を展開しており、当第3四半期累計期間の各分野の売上高は電力・エネルギー分野で283,434千円、物流・サプライチェーン分野で512,613千円、都市交通・スマートシティ分野で183,053千円、その他で39,920千円となりました。また、業務システムの開発・導入後における運用・サポートは、継続して収益を得られるストック型売上として伸長しており、当第3四半期累計期間の当該売上高は177,364千円と売上全体の17%を占めることとなりました。
これらの結果、当第3四半期累計期間の売上高は1,019,022千円、営業利益226,571千円、経常利益225,691千円、四半期純利益255,407千円となりました。なお、当社の事業はAI開発事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載は省略しております。
③ キャッシュ・フローの状況
第13期事業年度(自 2021年7月1日 至 2022年6月30日)
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べ164,506千円減少し618,463千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は55,735千円(前年同期は179,471千円の資金の使用)となりました。これは主に増加要因として、AI開発事業の売上増加に伴う税引前当期純利益78,366千円(前年同期は税引前当期純損失228,904千円)、減価償却費12,317千円(前年同期比1,437千円減少)、前払費用の減少額23,823千円(前年同期は前払費用の増加額△2,065千円)等があった一方で、減少要因として、期を跨ぐ開発案件の売上増加に伴う売上債権の増加額△170,238千円(前年同期は売上債権の増加額△11,234千円)、関係会社清算益△10,715千円(前年同期はありません)、法人税等の支払額△2,597千円(前年同期比1,857千円減少)等があったことによるものであります。
(投資活動に関するキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は103,371千円(前年同期は8,360千円の資金の使用)となりました。これは主に増加要因として、関係会社であるグリッドソーラーファーム合同会社の清算による収入11,715千円(前年同期はありません)があった一方で、減少要因として、特定顧客向け自社利用ソフトウエアの開発等による無形固定資産の取得による支出114,276千円(前年同期比105,496千円増加)等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は5,400千円(前年同期は75,895千円の資金の獲得)となりました。これは主に減少要因として、手許流動性確保のために実行した長期借入金の返済による支出5,400千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載を省略しております。
b 受注実績
第13期事業年度及び第14期第3四半期累計期間の受注実績は次のとおりであります。
c 販売実績
第13期事業年度及び第14期第3四半期累計期間の販売実績は次のとおりであります。
(注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。当社はAI開発事業の単一セグメントであるため、セグメントの記載を省略しております。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されておりますが、この財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、当社の実態等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。また、当社が行っております会計上の見積りのうち特に重要なものは次のとおりであります。
(繰延税金資産の計上)
当社は繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることに加え、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提となる条件や仮説に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され当期純利益にマイナスの影響を与える可能性があり、重要と考えております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
第13期事業年度(自 2021年7月1日 至 2022年6月30日)
(売上高)
当事業年度における売上高は910,399千円(前年同期比28.8%増)となり、前事業年度と比較して203,542千円の増収となりました。これは主にAI開発事業における取引企業数の増加に伴い、AI開発及びプラットフォーム開発の売上が856,380千円(前年同期比63.3%増)、当事業年度より開始した運用・サポートの売上が4,875千円となり、前事業年度と比較してこれら売上が336,940千円増加したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度における売上原価は249,753千円(前年同期比0.7%増)となりました。これは主に前事業年度中におけるエネルギーソリューション事業の撤退により当該事業の売上原価25,091千円が減少する一方で、AI開発事業の拡大に伴いエンジニアの労務費や外注費が増加し、当該事業の売上原価が26,850千円増加したことによるものであります。この結果、売上総利益は660,646千円(前年同期比44.0%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度における販売費及び一般管理費は589,530千円(前年同期比13.5%減)となりました。これは主にAI開発事業の進展に伴い、エンジニアの作業の比重が研究開発からシステムの実装へシフトし、研究開発費が減少したことによるものであります。この結果、営業利益は71,115千円(前年同期は営業損失222,393千円)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当事業年度において、営業外収益は2,153千円、営業外費用は5,618千円発生しました。これは主に物品売却益968千円、受取利息500千円、補修費用5,511千円が発生したことによるものであります。この結果、経常利益は67,651千円(前年同期は営業損失198,538千円)となりました。
(特別利益、当期純利益)
当事業年度において、グリッドソーラーファーム合同会社の清算結了に伴い関係会社清算益が特別利益として10,715千円発生しました。税金費用(法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額)を△13,600千円を計上した結果、当期純利益は91,967千円(前年同期は当期純損失210,748千円)となりました。
第14期第3四半期累計期間(自 2022年7月1日 至 2023年3月31日)
(売上高)
当第3四半期累計期間における売上高は1,019,022千円となりました。これは主に本番システム導入に向けた既存顧客からの継続的な受注によるものであり、既存顧客への売上は954,573千円と売上全体の94%を占めることとなりました。
(売上原価、売上総利益)
当第3四半期累計期間における売上原価は282,982千円となりました。主な内訳は、エンジニアの人件費及びソフトウエア関連費用であります。この結果、売上総利益は736,040千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当第3四半期累計期間における販売費及び一般管理費は509,468千円となりました。主な内訳は、人件費、研究開発費、技術販管費であります。この結果、営業利益は226,571千円となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当第3四半期累計期間において、営業外収益は1,793千円、営業外費用は2,672千円発生しました。これは主に受取利息377千円、受取保険料844千円、上場関連費用2,345千円が発生したことによるものであります。この結果、経常利益は225,691千円となりました。
(特別損失、四半期純利益)
当第3四半期累計期間において、特別損失は軽微な固定資産除却損0千円のみの発生となりました。税金費用(法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額)を△29,715千円を計上した結果、四半期純利益は255,407千円となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要のうち主なものは、従業員の給与手当の他、販売費及び一般管理費の事業所運営費用であります。当社は、事業運営上必要な資金を安定的に確保するために、必要な資金は自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等でバランスよく調達していくことを基本方針としております。運転資金には自己資金及び金融機関からの長期借入金を充当しておりますが、不測の事態に備え、各金融機関と合計500,000千円の当座借越契約を締結しております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社は常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制の強化、優秀な人材の確保、市場のニーズに合った製品やサービスの展開等により、当社の経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応してまいります。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針に関して
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、様々な課題に対処していく必要があると認識しております。
それらの課題に対応するために、経営者は常に外部環境の変化に関する情報を入手・分析し、現在及び将来における事業環境を認識した上で、当社の経営資源を最適に配分し、有効な解決策を実施していく方針であります。
⑥ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等についての分析
当社は、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、売上高成長率及び営業利益率を基本的な経営指標としております。過年度における当社の各指標等の進捗は次のとおりであります。
(注) 2023年6月期第3四半期末時点においては、営業利益率22.2%、エンジニア数55名(全社従業員77名)となっております。
当社は2016年6月期よりAI開発事業を開始し、エネルギーソリューション事業からAI開発事業への事業転換に向け、2019年6月期よりエンジニア及び営業人員の人的資源をAI開発事業へ拡大集中させ、2021年6月期にエネルギーソリューション事業から撤退いたしました。結果、エネルギーソリューション事業の縮小に伴い全体の売上高は減少し、一方でエンジニア等の人件費は増加し、2020年6月期には直近5年間で最大となる営業損失644百万円を計上するとともに営業利益率は△93.1%まで低下いたしました。
そのような状況下、AI開発事業の売上高は堅調に推移し、2022年6月期には910百万円と営業費用を上回る水準まで拡大し、営業利益率は7.8%となりました。結果、2022年6月期の売上高成長率は28.8%となりましたが、2018年6月期から2022年6月期にかけての売上高年平均成長率(CAGR)は41.2%であり、AIの実装が今後も進んでいくと見込まれる中、当社としては売上高の成長を目指しております。
また、当社はAIエンジンや業務システムの開発について、顧客間で横展開するとともに標準化やモジュール化を進めており、継続して開発のリードタイムを短縮していることから、今後も生産効率の向上とともに売上高の成長を目指しております。このことから売上高の成長が営業利益率の成長に直接的に寄与すると考えております。
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態の状況
第13期事業年度(自 2021年7月1日 至 2022年6月30日)
(資産)
当事業年度末における流動資産は1,018,434千円となり、前事業年度末に比べ25,867千円減少いたしました。具体的には、現金及び預金が164,506千円、棚卸資産が2,252千円、前払費用が24,166千円、その他の流動資産が5,180千円減少し、売掛金及び契約資産が170,238千円増加いたしました。売掛金及び契約資産の増加の主な要因は、AI開発事業の期末の売上が増加したことによるものであります。固定資産は284,502千円となり、前事業年度末に比べ129,887千円増加いたしました。具体的には、有形固定資産が5,661千円減少し、無形固定資産が121,503千円、投資その他の資産が14,044千円増加いたしました。無形固定資産増加の要因は、主に特定顧客向けの自社利用ソフトウエアの開発によるものであります。この結果、総資産は1,302,936千円となり、前事業年度末に比べ104,019千円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は230,591千円となり、前事業年度末に比べ72,152千円増加いたしました。具体的には、1年内返済予定の長期借入金が54,700千円、未払費用が12,771千円増加したことによるものであります。固定負債は134,500千円となり、前事業年度末に比べ60,100千円減少いたしました。これは長期借入金が同額減少したことによるものであります。この結果、負債合計は365,091千円となり、前事業年度末に比べ12,052千円増加いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は937,844千円となり、前事業年度末に比べ91,967千円増加いたしました。これは当期純利益の計上に伴う増加によるものであります。
第14期第3四半期累計期間(自 2022年7月1日 至 2023年3月31日)
(資産)
当第3四半期会計期間末の総資産は、前事業年度末と比較して284,410千円増加し、1,587,347千円となりました。流動資産は前事業年度末と比較して260,920千円増加し、1,279,355千円となりました。主な要因は、現金及び預金が2,304千円減少した一方で、売掛金及び契約資産が262,905千円増加したことによるものであります。固定資産は前事業年度末と比較して23,489千円増加し、307,992千円となりました。主な要因は、無形固定資産に含まれるソフトウエア関連の資産が8,316千円減少した一方で、投資その他の資産に含まれる繰延税金資産が31,433千円増加したことによるものであります。
(負債)
当第3四半期会計期間末の負債は、前事業年度末と比較して29,002千円増加し、394,094千円となりました。主な要因は、長期借入金が43,690千円減少した一方で、その他に含まれる契約負債が74,907千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当第3四半期会計期間末の純資産は、前事業年度末と比較して255,407千円増加し、1,193,252千円となりました。主な要因は、四半期純利益の計上により利益剰余金が255,407千円増加したことによるものであります。
② 経営成績の状況
第13期事業年度(自 2021年7月1日 至 2022年6月30日)
当事業年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルスの感染者数の減少により回復が期待されたものの、ウクライナ情勢や資源・半導体の供給悪化、急激な円安等の影響により、依然として先行きが不透明な状況にありました。一方で、DX化に伴う業務の効率化や脱炭素化に向けたエネルギー消費の効率化は、多くの企業において重要な戦略として位置付けられ、関心が一段と高くなっている状況にあります。それに伴い当社の事業領域のサービスに対する期待も日増しに高まっていると考えております。
このような環境下にあって、当社は、電力・エネルギー分野、物流・サプライチェーン分野、都市交通・スマートシティ分野の3分野に集中し、最先端のAI技術と業務知識を駆使して、計画の最適化を行った結果、当事業年度の各分野の売上高は電力・エネルギー分野で220,485千円、物流・サプライチェーン分野で327,705千円、都市交通・スマートシティ分野で314,015千円、その他で48,194千円となりました。当事業年度は、AIエンジンの開発のみならず、それを顧客のオペレーションに実装する本番システムの開発実績も積み上げることができ、一部では運用・サポートが開始され、ストック型売上は4,875千円となりました。
以上の結果、売上高は、910,399千円(前年同期比28.8%増)となり、営業利益71,115千円(前年同期は営業損失222,293千円)、経常利益67,651千円(前年同期は経常損失198,538千円)、当期純利益91,967千円(前年同期は当期純損失210,748千円)となりました。なお、当社の事業はAI開発事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載は省略しております。
第14期第3四半期累計期間(自 2022年7月1日 至 2023年3月31日)
当第3四半期累計期間におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス対策の緩和による社会経済活動の正常化へ向けた動きに伴い、緩やかな回復が見られました。しかしながら、ウクライナ危機の長期化や世界的な金融引き締めによる経済への影響が懸念される等、先行きの不透明な状況が続いております。一方で変革に向けたDX化は多くの企業にとって引き続き重要な戦略として位置付けられ、AIへの投資は底堅い成長を続けております。加えて当社のAI開発事業は、電力や物流等の事業会社を対象にエネルギー消費量の削減も可能とする計画最適化のシステムを提供していることから、当社の事業に対する期待は一層高まっております。
このような環境下にあって、当社は電力・エネルギー分野、物流・サプライチェーン分野、都市交通・スマートシティ分野の社会インフラ3分野に引き続き注力し計画最適化を展開しており、当第3四半期累計期間の各分野の売上高は電力・エネルギー分野で283,434千円、物流・サプライチェーン分野で512,613千円、都市交通・スマートシティ分野で183,053千円、その他で39,920千円となりました。また、業務システムの開発・導入後における運用・サポートは、継続して収益を得られるストック型売上として伸長しており、当第3四半期累計期間の当該売上高は177,364千円と売上全体の17%を占めることとなりました。
これらの結果、当第3四半期累計期間の売上高は1,019,022千円、営業利益226,571千円、経常利益225,691千円、四半期純利益255,407千円となりました。なお、当社の事業はAI開発事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載は省略しております。
③ キャッシュ・フローの状況
第13期事業年度(自 2021年7月1日 至 2022年6月30日)
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べ164,506千円減少し618,463千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は55,735千円(前年同期は179,471千円の資金の使用)となりました。これは主に増加要因として、AI開発事業の売上増加に伴う税引前当期純利益78,366千円(前年同期は税引前当期純損失228,904千円)、減価償却費12,317千円(前年同期比1,437千円減少)、前払費用の減少額23,823千円(前年同期は前払費用の増加額△2,065千円)等があった一方で、減少要因として、期を跨ぐ開発案件の売上増加に伴う売上債権の増加額△170,238千円(前年同期は売上債権の増加額△11,234千円)、関係会社清算益△10,715千円(前年同期はありません)、法人税等の支払額△2,597千円(前年同期比1,857千円減少)等があったことによるものであります。
(投資活動に関するキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は103,371千円(前年同期は8,360千円の資金の使用)となりました。これは主に増加要因として、関係会社であるグリッドソーラーファーム合同会社の清算による収入11,715千円(前年同期はありません)があった一方で、減少要因として、特定顧客向け自社利用ソフトウエアの開発等による無形固定資産の取得による支出114,276千円(前年同期比105,496千円増加)等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は5,400千円(前年同期は75,895千円の資金の獲得)となりました。これは主に減少要因として、手許流動性確保のために実行した長期借入金の返済による支出5,400千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載を省略しております。
b 受注実績
第13期事業年度及び第14期第3四半期累計期間の受注実績は次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 第13期事業年度(自 2021年7月1日 至 2022年6月30日) | 第14期第3四半期累計期間(自 2022年7月1日 至 2023年3月31日) | |||||
| 受注高 (千円) | 前期比(%) | 受注残高(千円) | 前期比(%) | 受注高 (千円) | 受注残高 (千円) | ||
| AI開発事業 | 1,380,616 | 119.4 | 970,850 | 193.9 | 994,209 | 946,037 | |
c 販売実績
第13期事業年度及び第14期第3四半期累計期間の販売実績は次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 第13期事業年度 (自 2021年7月1日 至 2022年6月30日) | 第14期第3四半期累計期間 (自 2022年7月1日 至 2023年3月31日) | ||
| 売上高(千円) | 前期比(%) | 売上高(千円) | ||
| AI開発事業 | 910,399 | 128.8 | 1,019,022 | |
| 合計 | 910,399 | 128.8 | 1,019,022 | |
(注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
| 相手先 | 第12期事業年度 (自 2020年7月1日 至 2021年6月30日) | 第13期事業年度 (自 2021年7月1日 至 2022年6月30日) | 第14期第3四半期累計期間 (自 2022年7月1日 至 2023年3月31日) | ||||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | ||
| 北海道電力株式会社 | ― | ― | 39,500 | 4.3 | 147,501 | 14.5 | |
| 四国電力株式会社 | 107,000 | 15.1 | 91,000 | 9.9 | 74,250 | 7.3 | |
| ソフトバンク株式会社 | 68,440 | 9.7 | 139,745 | 15.3 | 19,213 | 1.9 | |
| 三井物産株式会社 | 122,000 | 17.3 | ― | ― | ― | ― | |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。当社はAI開発事業の単一セグメントであるため、セグメントの記載を省略しております。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されておりますが、この財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、当社の実態等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。また、当社が行っております会計上の見積りのうち特に重要なものは次のとおりであります。
(繰延税金資産の計上)
当社は繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることに加え、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提となる条件や仮説に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され当期純利益にマイナスの影響を与える可能性があり、重要と考えております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
第13期事業年度(自 2021年7月1日 至 2022年6月30日)
(売上高)
当事業年度における売上高は910,399千円(前年同期比28.8%増)となり、前事業年度と比較して203,542千円の増収となりました。これは主にAI開発事業における取引企業数の増加に伴い、AI開発及びプラットフォーム開発の売上が856,380千円(前年同期比63.3%増)、当事業年度より開始した運用・サポートの売上が4,875千円となり、前事業年度と比較してこれら売上が336,940千円増加したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度における売上原価は249,753千円(前年同期比0.7%増)となりました。これは主に前事業年度中におけるエネルギーソリューション事業の撤退により当該事業の売上原価25,091千円が減少する一方で、AI開発事業の拡大に伴いエンジニアの労務費や外注費が増加し、当該事業の売上原価が26,850千円増加したことによるものであります。この結果、売上総利益は660,646千円(前年同期比44.0%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度における販売費及び一般管理費は589,530千円(前年同期比13.5%減)となりました。これは主にAI開発事業の進展に伴い、エンジニアの作業の比重が研究開発からシステムの実装へシフトし、研究開発費が減少したことによるものであります。この結果、営業利益は71,115千円(前年同期は営業損失222,393千円)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当事業年度において、営業外収益は2,153千円、営業外費用は5,618千円発生しました。これは主に物品売却益968千円、受取利息500千円、補修費用5,511千円が発生したことによるものであります。この結果、経常利益は67,651千円(前年同期は営業損失198,538千円)となりました。
(特別利益、当期純利益)
当事業年度において、グリッドソーラーファーム合同会社の清算結了に伴い関係会社清算益が特別利益として10,715千円発生しました。税金費用(法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額)を△13,600千円を計上した結果、当期純利益は91,967千円(前年同期は当期純損失210,748千円)となりました。
第14期第3四半期累計期間(自 2022年7月1日 至 2023年3月31日)
(売上高)
当第3四半期累計期間における売上高は1,019,022千円となりました。これは主に本番システム導入に向けた既存顧客からの継続的な受注によるものであり、既存顧客への売上は954,573千円と売上全体の94%を占めることとなりました。
(売上原価、売上総利益)
当第3四半期累計期間における売上原価は282,982千円となりました。主な内訳は、エンジニアの人件費及びソフトウエア関連費用であります。この結果、売上総利益は736,040千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当第3四半期累計期間における販売費及び一般管理費は509,468千円となりました。主な内訳は、人件費、研究開発費、技術販管費であります。この結果、営業利益は226,571千円となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当第3四半期累計期間において、営業外収益は1,793千円、営業外費用は2,672千円発生しました。これは主に受取利息377千円、受取保険料844千円、上場関連費用2,345千円が発生したことによるものであります。この結果、経常利益は225,691千円となりました。
(特別損失、四半期純利益)
当第3四半期累計期間において、特別損失は軽微な固定資産除却損0千円のみの発生となりました。税金費用(法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額)を△29,715千円を計上した結果、四半期純利益は255,407千円となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要のうち主なものは、従業員の給与手当の他、販売費及び一般管理費の事業所運営費用であります。当社は、事業運営上必要な資金を安定的に確保するために、必要な資金は自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等でバランスよく調達していくことを基本方針としております。運転資金には自己資金及び金融機関からの長期借入金を充当しておりますが、不測の事態に備え、各金融機関と合計500,000千円の当座借越契約を締結しております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社は常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制の強化、優秀な人材の確保、市場のニーズに合った製品やサービスの展開等により、当社の経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応してまいります。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針に関して
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、様々な課題に対処していく必要があると認識しております。
それらの課題に対応するために、経営者は常に外部環境の変化に関する情報を入手・分析し、現在及び将来における事業環境を認識した上で、当社の経営資源を最適に配分し、有効な解決策を実施していく方針であります。
⑥ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等についての分析
当社は、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、売上高成長率及び営業利益率を基本的な経営指標としております。過年度における当社の各指標等の進捗は次のとおりであります。
| 2018年6月期 | 2019年6月期 | 2020年6月期 | 2021年6月期 | 2022年6月期 | ||
| 売上高 成長率 | (全社) | △44.2% | △21.8% | △48.5% | 2.0% | 28.8% |
| (事業別) AI開発事業 | 47.5% | 61.1% | △11.4% | 99.4% | 33.8% | |
| (事業別) エネルギーソリューション事業 | △49.6% | △34.7% | △63.5% | △92.6% | △100.0% | |
| 営業利益率 | 7.1% | △6.8% | △93.1% | △31.5% | 7.8% | |
| エンジニア数 | 17名 | 28名 | 44名 | 43名 | 48名 | |
(注) 2023年6月期第3四半期末時点においては、営業利益率22.2%、エンジニア数55名(全社従業員77名)となっております。
当社は2016年6月期よりAI開発事業を開始し、エネルギーソリューション事業からAI開発事業への事業転換に向け、2019年6月期よりエンジニア及び営業人員の人的資源をAI開発事業へ拡大集中させ、2021年6月期にエネルギーソリューション事業から撤退いたしました。結果、エネルギーソリューション事業の縮小に伴い全体の売上高は減少し、一方でエンジニア等の人件費は増加し、2020年6月期には直近5年間で最大となる営業損失644百万円を計上するとともに営業利益率は△93.1%まで低下いたしました。
そのような状況下、AI開発事業の売上高は堅調に推移し、2022年6月期には910百万円と営業費用を上回る水準まで拡大し、営業利益率は7.8%となりました。結果、2022年6月期の売上高成長率は28.8%となりましたが、2018年6月期から2022年6月期にかけての売上高年平均成長率(CAGR)は41.2%であり、AIの実装が今後も進んでいくと見込まれる中、当社としては売上高の成長を目指しております。
また、当社はAIエンジンや業務システムの開発について、顧客間で横展開するとともに標準化やモジュール化を進めており、継続して開発のリードタイムを短縮していることから、今後も生産効率の向上とともに売上高の成長を目指しております。このことから売上高の成長が営業利益率の成長に直接的に寄与すると考えております。