有価証券報告書-第43期(2023/04/01-2024/03/31)

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2024/06/28 15:00
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(1) 経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、2023年4月に新型コロナウイルス感染症の水際対策が終了し、日本入国に関するすべての制約が撤廃されたことで、訪日外国人数が増加すると同時に、年度末に向け円安が進んだこともあり、インバウンド消費の復調が見られました。また、2023年5月には新型コロナウイルスの感染症法上の分類が5類に移行したことを受け、行動制限の緩和が進んだことにより人流が増加し、国内景気に対するプラスの影響がみられ、内需主導での社会経済活動が正常化へ向かいました。
一方で、中東地域をめぐる不安定な国際情勢や世界的な金融引き締めを背景とする為替相場の影響により、エネルギー資源や原材料の価格、物流費の上昇圧力の高まりは継続しており、依然として先行きの不透明な状況となっております。
このような経済状況の中で、当社グループは感染症対策や再生医療の発展のために、経営理念に掲げる「顧客第一主義・品質第一主義」のもと、全社員がグループ全体の更なる成長とステークホルダーへの貢献に努めております。
当連結会計年度の微生物事業において、2023年5月より新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類がインフルエンザと同じ5類に引き下げられたことにより、同感染症関連製品の需給動向に変化が生じたことで売上高は減少に転じ、関連する棚卸資産について、当連結会計年度末の在庫数量、単価、及び今後の同製品の販売数量見込み等に基づき、棚卸資産の評価損218百万円を売上原価として計上いたしました。なお、下半期以降の新型コロナウイルス感染症、及びインフルエンザの感染拡大もあり、同感染症関連製品の需要は回復傾向を示しております。また、細胞加工事業においてはインバウンドの回復により、外国人患者による日本での細胞治療受診件数が急激に増加したことから、同事業における特定細胞加工物の製造受託数が計画を大きく上回って推移いたしました。
当連結会計年度の売上高は4,770百万円(前年同期比0.6%の増加)となり、営業利益は596百万円(前年同期比52.9%の減少)、経常利益は635百万円(前年同期比48.9%の減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は384百万円(前年同期比53.6%の減少)となりました。
セグメント別の経営成績を示すと、以下のとおりであります。
(組織培養事業)
当連結会計年度における組織培養事業は、国内では渡航制限の緩和により、インバウンドによるメディカルツーリズムが回復したことで、細胞加工施設を有する医療機関における細胞治療用の細胞培養用培地の使用量が増加いたしました。また、アジア圏でも再生医療の研究開発や臨床試験が活発に実施されており、ここで使用される細胞培養用培地の販売数量も拡大いたしました。
培地のOEM製造受託については、国内では再生医療市場の拡大を背景に新規契約先からの製造受託や既存顧客からの新規案件の受託が増加し、中国ではがん免疫療法用の細胞培養用培地の販売を委託している康宁生命科学(吴江)有限公司からの受注が拡大し、日本、中国ともに工場での細胞培養用培地の生産数量が増加傾向となっております。
この結果、売上高は1,904百万円(前年同期比15.5%の増加)、セグメント利益(営業利益)は609百万円(前年同期比16.8%の増加)となりました。
(微生物事業)
当連結会計年度における微生物事業は、期中に新型コロナウイルス感染症の感染拡大期が2度あったものの、同感染症の感染症法上の分類変更の影響により、街中の無料検査所の大半が閉鎖されるなど、抗原検査キットの需給動向に変化が見られ、販売数量が大きく減少いたしました。同様に新型コロナウイルス感染症のPCRでの検査数も減少したことで、ウイルス輸送液の販売も減少いたしました。新型コロナウイルス感染症については、前述のとおり、同感染症関連棚卸資産の評価損218百万円を売上原価として計上しております。
また、病院への外来患者数は大きな変動もなく安定的に推移したことから、臨床分野での細菌検査用培地の販売数は横ばいとなったものの、製薬企業等産業分野での細菌検査用培地は、競合する海外輸入品と比較し、安定供給先として評価をされる国内製造を強みとし、販売数が増加いたしました。
この結果、売上高は1,656百万円(前年同期比30.9%の減少)、セグメント損失(営業損失)は69百万円(前年同期は818百万円の利益)となりました。
(細胞加工事業)
当連結会計年度における細胞加工事業は、先進の医療技術と信頼の高い医師を求め、インバウンドでの日本の医療サービスを目的とする外国人患者が増加していることに加え、国内患者による細胞治療の需要も拡大したことで、特に幹細胞の加工受託件数が大きく増加いたしました。既契約医療機関からの受託件数の増加と多数の医療機関との新たな細胞加工の委受託契約の締結により、細胞加工施設は稼働の高い状況が続いております。
この結果、売上高は1,209百万円(前年同期比73.4%の増加)、セグメント利益(営業利益)は472百万円(前年同期比68.0%の増加)となりました。
当連結会計年度における当社グループの財政状態は以下のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ69百万円減少の3,409百万円となりました。これは主に、現金及び預金が264百万円、売掛金が75百万円増加した一方で、新型コロナウイルス感染症関連の棚卸資産評価損を計上したこと等により、原材料及び貯蔵品が246百万円、商品及び製品が119百万円、仕掛品が53百万円減少したことによるものであります。また、固定資産は、前連結会計年度末に比べ523百万円増加の3,179百万円となりました。これは主に、イムノクロマト抗原検査キットの製造設備の導入や、坂戸本社工場の高圧受電設備を更新したことで有形固定資産が415百万円増加したことによるものであります。
この結果、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ454百万円増加の6,589百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ623百万円減少の2,398百万円となりました。これは、長期借入金の借換えに伴う返済により、1年以内返済予定の長期借入金が714百万円減少したことによるものであります。また、固定負債は前連結会計年度末に比べ753百万円増加の848百万円となりました。これは主に、前述した借入金の借換えによって長期借入金が525百万円、イムノクロマト抗原検査キット製造設備の導入によってリース債務が227百万円増加したことによるものであります。
この結果、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比べ129百万円増加の3,246百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ324百万円増加の3,342百万円となりました。これは主に、剰余金の配当により79百万円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益を384百万円計上したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して264百万円増加の1,726百万円となりました。
当連結会計年度の各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果取得した資金は823百万円(前年同期比362百万円の収入増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益は635百万円(前年同期比608百万円の減少)であったものの、棚卸資産の減少による増加424百万円(前年同期比1,006百万円の増加)があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果支出した資金は577百万円(前年同期比1百万円の支出増加)となりました。これは主に、製造設備の増強のための有形固定資産の取得による支出562百万円(前年同期比1百万円の支出増加)によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果支出した資金は1百万円(前年同期比170百万円の支出減少)となりました。これは主に、借入金の借換え(リファイナンス)等により長期借入金の返済による支出939百万円(前年同期比530百万円の支出増加)、長期借入れによる収入750百万円(前年同期はなし)、及び配当金の支払いによる支出79百万円(前年同期比37百万円の支出増加)があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(千円)前期比(%)
組織培養事業898,069+20.2
微生物事業879,936△24.0
細胞加工事業28,583+38.4
合計1,806,590△6.2

(注) 金額は、製造原価によっております。
b. 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(千円)前期比(%)
組織培養事業101,962+40.0
微生物事業168,582+18.5
細胞加工事業114+2,304.7
合計270,659+25.9

(注) 金額は、仕入価格によっております。
c. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前期比(%)受注残高(千円)前期比(%)
組織培養事業----
微生物事業----
細胞加工事業984,921+95.731,047+50.7
合計984,921+95.731,047+50.7

(注) 組織培養事業及び微生物事業については見込生産であり、該当事項はありません。
d. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前期比(%)
組織培養事業1,904,442+15.5
微生物事業1,656,346△30.9
細胞加工事業1,209,307+73.4
合計4,770,096+0.6

(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、10%以上となる相手先がいないため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表を作成するに当たり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に記載のとおりであります。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③ 経営戦略の現状と見直し及び経営者の問題認識と今後の方針
経営戦略の現状と見通し及び経営者の問題認識と今後の方針については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
④ 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態
財政状態とそれらの要因については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b. 経営成績
(売上高)
売上高は、4,770百万円(前年同期比0.6%の増加)となりました。これは主に、微生物事業において、前述のとおり需給動向の変化により抗原検査キットの販売数量が大きく減少したものの、細胞加工事業において、インバウンド需要の回復による外国人患者の増加、及び国内患者による細胞治療需要の拡大により、主に幹細胞治療の加工受託件数が大きく増加したためであります。
(売上原価及び売上総利益)
売上原価は、2,888百万円(前年同期比26.2%の増加)となりました。売上原価率は60.6%となり、前連結会計年度と比して12.3%増加いたしました。これは主に、前述のとおり新型コロナウイルス感染症関連棚卸資産の評価損218百万円を計上したことによります。
(販売費及び一般管理費、営業利益、経常利益)
販売費及び一般管理費は、1,284百万円(前年同期比8.2%の増加)となりました。これは主に、CDMO事業に関する設備投資により、減価償却費が増加したことによります。この結果、営業利益は596百万円(前年同期比52.9%の減少)となりました。
営業外損益は、持分法による投資利益71百万円と受取賃貸料11百万円の計上により営業外収益は93百万円となり、支払手数料29百万円、支払利息22百万円の計上により営業外費用は54百万円となりました。この結果、経常利益は635百万円(前年同期比48.9%の減少)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税、住民税及び事業税を275百万円、法人税等調整額を△25百万円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は384百万円(前年同期比53.6%の減少)となりました。
⑤ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b. 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,726百万円となっており、主に製品製造に必要な原材料の仕入及び生産設備の維持管理費用、従業員に支払う給与、各事業所等の賃借料等といった事業成長に伴う運転資金、並びに新規事業案件への投資に備えております。なお、資金調達の機動性及び安定性の確保を目的として、取引金融機関と当座貸越契約を締結しております。

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