有価証券報告書-第26期(2025/01/01-2025/12/31)
有報資料
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、「温故×創新」を企業哲学、「社会に可能性の卵を。」をパーパスとして定めており、「CREATE FUTURE BASE」をミッションとして掲げ、管理会社向け月極駐車場オンライン管理支援サービス「アットパーキングクラウド」及び貸会議室ビジネスを起点として、まだ世の中にない独自の発想から遊休資産に新たな価値を生み出し、その仕組みを創造することで社会に貢献してまいります。
(2) 中長期的な経営戦略
当社の主要事業の一つである月極イノベーション事業においては、従来、店舗型の管理会社にて月極駐車場を探していた利用者が、インターネット上の検索ポータルサイト経由で検索・申込をするケースが徐々に増えてきていると考えております。当社が2018年にリリースした管理会社向けの月極駐車場オンライン管理支援サービスである「at PARKING月極パートナーシステム(現 アットパーキングクラウド)」は対面手続きが不要であり、申込、契約、決済まで全てオンラインで完結できることが月極駐車場利用者のニーズに合致していると考えており、契約件数は増加傾向にあります。なお、我が国における自動車保有台数から推定される月極駐車場のうち、オンライン契約可能な月極駐車場の拡大余地はまだまだ大きいと考えており、当社のサービスを導入する管理会社の獲得とそれに伴う駐車場利用者拡大に重点を置いております。
また、「アットパーキングクラウド」は、管理会社向けの月極駐車場オンライン管理支援サービスである一方、収益構造は一般的なID課金型SaaSとは異なります。管理会社向けのシステム利用料は1社当たり月額1.5万円または無料と導入障壁を低く設計し、主な収益は駐車場利用者からの初回保証料、月額保証料、決済手数料、再請求手数料等のストック性の高い収益で構成されています。これにより、当事業の売上は、ID数への依存度が相対的に低く、駐車区画数×利用者数の積み上がりで拡大します。さらに、契約・請求・決済・滞納保証等の実務を含むBPOであるため、その一連の実務を一体で提供することで、単一機能のソフトウエア提供と比較して、業務プロセス全体への組み込みが進みやすく、継続利用につながりやすい事業構造であると認識しております。
もう一つの主要事業であるビルディングイノベーション事業は、労働市場の流動化及び勤務形態の多様化等により、固定費である家賃を変動費化することができる貸会議室の利用機会は増加すると考えており、貸会議室の需要は伸長の余地があるものと判断しております。また、昨今の建築費や人件費の高騰から、特に築年数の古いビルでは建て替えやリニューアルが困難な状況が多く発生しており、このような市場環境の変化を受け、当社は、築年数の古いビルが抱える収益性や運営効率の課題に対し、貸会議室やレンタルオフィスの活用を通じた収益改善ソリューションの提供を進めてまいります。また、これらの課題を有するビルへの提案を通して出店機会を増やすとともに、省人化を進めた新モデル貸会議室を軸に出店することで、収益力向上とさらなるノウハウの蓄積に注力してまいります。
こうした事業環境の中、月極イノベーション事業のAPクラウドサービスを中核として、営業体制の強化及び営業効率の向上、月極駐車場管理システムの機能追加による利便性の向上により顧客である管理会社との契約数を拡大し、また、ポータルサイト「アットパーキング」のリニューアルによる駐車場利用者の利便性向上、広報活動等によるブランディング、対話型AIによる顧客対応の自動化等により顧客満足度を向上させることで駐車場利用者を拡大し売上高成長率を高めるとともに、絶えざる業務フローの見直しと再構築による業務効率化を推進することで営業利益率の改善も図り、企業価値を高めてまいります。さらに、APクラウドサービスの展開により蓄積される月極駐車場のデータや満空情報、利用者及びその保有する自動車に関するデータを利用し、短期貸し「アットパーキングウィークリー」やカーシェアリング会社との協業による拠点開発といった月極駐車場内の未稼働区画の有効活用など、管理会社の収益改善、駐車場利用者の利便性向上につながる多様な高付加価値サービスを開発・提供することで、月極駐車場の利用価値最大化を推進します。将来的には、当社に蓄積された月極駐車場に関連するあらゆるデータと他企業の有効なデータを掛け合わせることで新たな収益機会を創出し、月極駐車場の利用価値をさらに高め、住宅地内の月極駐車場がモビリティ関連サービスのハブとなる「ファーストワンマイルステーション構想」と、これを実現するプラットフォームとしての「Space Platform for Mobility」の確立を目指します。また、ビルディングイノベーション事業のうち、会議室サービスにおいては、新モデル貸会議室の新規出店や既存店を含む各会議室の運営の省人化・効率化により稼働や利益率改善のための投資を行うとともに、不採算会場が発生した場合には閉鎖や業務改善を進めることで利益体質を強化してまいります。
当社は、遊休資産の有効活用から収益を生み出すビジネスモデルとして貸会議室運営サービス、月極駐車場検索ポータルサイト「アットパーキング」によるマッチングサービス、月極駐車場オンライン管理支援サービスである「アットパーキングクラウド」を創出してきました。これらのサービスから派生するニーズにも対応すべく顧客にとってより付加価値の高いサービスの実現と原価低減の両立を目指します。具体的には以下「(4) 経営環境」及び「(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」の解決に取組み、空間にまつわるあらゆるニーズの取り込みを図ってまいります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、売上高の拡大に注力するとともにコストの削減を図り、利益体質の強化を図ってまいります。これらの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営上重要な指標として「売上高成長率」、「営業利益率」、「営業活動によるキャッシュ・フロー」を掲げ、長期的な目標を設定し活動をしております。また、月極イノベーション事業のAPクラウドサービスにおいて、「アットパーキングクラウド」へのシステム登録台数(以下、「APクラウド登録台数」といいます。)をKPIとしており、その算定方法とKPIとしている理由は以下のとおりです。
「APクラウド登録台数」
当社の顧客である管理会社が管理する駐車場の全てが当社に管理委託されるとは限らず、段階的に管理委託される場合もあることから、当社の管理システムへ登録された、すなわち当社が管理委託された駐車場が「APクラウド登録台数」になります。
当社がこの「APクラウド登録台数」をKPIとしている理由は、「APクラウド登録台数」が駐車場利用者からの収益の発生源泉となっている、すなわち、「第1 企業の概況 3 事業の内容 (1) 月極イノベーション事業 ① APクラウドサービス」に記載した収益化のポイント(「イ システム利用料」を除く)が、「APクラウド登録台数」として管理システムに登録されることで初めて実現可能となり、また駐車場台数ベースでの将来の収益獲得余地を適切に表すと考えるためです。
その他、収益化のポイントは、「ロ 決済手数料」に対応した「決済代行台数」、「ハ 初回保証料」及び「ニ 月額保証料」に対応した「滞納保証台数」があり、これらも「APクラウド登録台数」に準じた指標としてモニタリングを行っております。
以下に各台数の推移に関する図を示しております。

(4) 経営環境
① 経営環境
主要事業である「アットパーキングクラウド」については、上記「(2) 中長期的な経営戦略」でも記載のとおり、月極駐車場利用者はインターネット上の検索ポータルサイト経由で検索・申込を行うという行動変容もあり順調に推移しております。また、当サービスの収益の源泉は月極駐車場ですが、その市場規模を図る日本全国にある月極駐車場数について公にされている調査報告が存在せず、その実態を把握することは困難と考えております。一方で、「自動車保有台数の推移」(「一般社団法人自動車検査登録情報協会」公表)によると、乗用車に関しては2025年3月末時点でおよそ6,205万台と10年前の6,051万台から2.5%増加しており、若者のクルマ離れやカーシェアリングサービスの登場などがありますが、乗用車の保有台数は堅調に推移しております。乗用車には「保管場所」が必要であることから、乗用車6,205万台分の「保管場所」が存在すると考えられ、これは自己敷地とそれ以外(月極駐車場含む)に大別されます。通常、自己敷地以外では月極駐車場が乗用車の「保管場所」となり、乗用車6,205万台のうち、「建て方別住宅数」(総務省統計局 平成30年住宅・土地統計調査)のうち「共同住宅比率」分の「保管場所」が概ね全国の月極駐車場数に該当し、当社のターゲットになると推定しております。なお、「建て方別住宅数」における「共同住宅比率」は2003年で40.0%、2013年で42.4%、2023年で44.9%と上昇傾向にあります。
当社が管理を委託されている「APクラウド登録台数」は2025年12月末時点で473,535台であり、サービス開発力の向上と顧客獲得努力によって将来の市場開拓余地は大きく、かつAPクラウドサービス収益化の起点となるものと考えております。
また、オンラインによる月極駐車場管理支援サービスという新たな事業領域には競合企業も参入し始めておりますが、以下「(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 ・月極イノベーション事業における対処すべき課題 a.駐車場利用者の利便性向上」及び「b.管理業務の省力化及び収益性の向上」に記載の当社の強みをコア・コンピタンスと捉え競争優位の源泉とすることで、さらなる事業の拡大を継続していきたいと考えております。
もう一つの主要事業であるビルディングイノベーション事業が属する貸会議室市場全般においては、新規出店については建築費や人件費の高騰による建て替え困難なビルへの出店機会と、労働市場の流動化及び勤務形態の多様化等により、固定費である家賃を変動費化することができる貸会議室の利用機会が増加すると考えており、貸会議室の事業には伸長の余地があるものと判断しております。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
・月極イノベーション事業における対処すべき課題
当社は、「アットパーキング」においては掲載物件の拡大、情報精度及び認知度の向上に努めてまいります。また、「アットパーキングクラウド」においては、サービス浸透及び営業体制の強化を通じて、月極駐車場の契約利便性向上と関連サービスの拡充に取り組んでまいります。
当社はこれら月極イノベーション事業の拡大により月極駐車場の従来の貸し方、借り方の概念を根本から変え、ホテル予約と同じようにオンラインで契約手続きが完結できる仕組みを提供し、「アットパーキングクラウド」の拡大により月極駐車場の空き埋まりに関するリアルタイム情報を効率的に収集し活かすことで、自動車関連業界との連携を進め同分野においても有益なサービスを構築してまいります。
具体的には以下の課題に取組んでまいります。
a.駐車場利用者の利便性向上
「アットパーキング」により希望条件に応じた月極駐車場を手間なく検索でき、「アットパーキングクラウド」導入駐車場では、オンライン上で空き情報の確認・契約手続・決済までを完結できます。さらに契約中は、マイページから契約情報の閲覧や更新、解約が可能です。視認性・操作性向上やカスタマーサービスの拡充により、サービス品質の向上と導入駐車場の拡大に努めてまいります。
b.管理業務の省力化及び収益性の向上
月極駐車場の管理業務は、管理会社にとっては煩雑な割に収益性の低い業務とも言えるため、「アットパーキングクラウド」の導入により、契約・解約を含む駐車場管理業務の省力化が可能となります。また、当社による決済代行及び滞納保証により、再請求の手間や未回収リスクの軽減が図られます。さらに、「アットパーキング」との連動により満空情報をリアルタイムに提供し、解約区画の再募集を迅速化することで稼働率向上にも寄与します。満車時に空き待ち予約登録ができる「アキマチ」という機能も付帯していることから、解約から次の契約までの期間が短縮化されることで稼働率が上がる仕組みとなっております。また、管理会社の導入後に必要不可欠なサービスとなるかが継続的な拡大のポイントであると考えており、導入ハードルを下げるためにサービス導入時点ですでに利用中の方からは保証料は収受せず利用者が入れ替わってから課金をいたします。これらの取組みにより駐車場管理の手間が減り、管理会社自身が新しい駐車場を開発する動機となりさらに管理会社の収益の向上に繋がると考えております。今後も管理画面の改善や新たなニーズへの対応を通じて、管理会社の利便性と収益性の向上に努めてまいります。
c.マーケティング及び営業力の強化
当社の事業は、管理会社との新規契約獲得を起点として、「アットパーキングクラウド」における「APクラウド登録台数」、「決済代行台数」、「滞納保証台数」といった将来のストック収益を生み出すKPIが積み上がる構造となっております。このため、新規商談数や新規契約社数(導入社数)が計画を下回った場合には、当社の中長期的な成長性及び収益基盤の拡大に影響を及ぼす可能性があることから、マーケティング及び営業力の強化を優先的に対処すべき課題として認識しております。一方で、当社の営業活動は、一定の人的リソースやマーケティング投資を前提とする側面があり、営業力の強化に向けた取り組みを進める過程においては、短期的には人件費や外注費、システム関連費用等の増加により、利益水準に影響を与える可能性があります。この点を踏まえ、当社では短期的な利益水準の維持を優先するのではなく、中長期的な事業成長及び収益性向上を見据えた営業基盤の強化を重視する方針としております。
当社では、これらのKPIをデータに基づいて的確に把握・管理するため、「APクラウド登録台数」、「決済代行台数」、「滞納保証台数」に加え、予算策定の前提となる新規商談数、新規契約社数等を主要な管理指標としております。また、「アットパーキング」においては、顧客への提案数・契約数(マッチング数)・成約率をKPIとして設定しております。マーケティングの面では、住宅系ポータルサイトやハトマーク支援機構をはじめとする各種不動産関連協会の会員名簿、展示会等のイベント出展等を通じて収集したターゲットリストを基に、各社が管理する駐車場管理台数やエリア等の属性により絞り込みを行い、ターゲット設定、優先順位付け、アポイント取得方法、担当者の明確化を進めております。加えて、生成AIやAIエージェントの活用を推進することで、リード創出から商談化に至るまでのプロセスを効率化し、新規契約獲得における生産性の向上を図っております。これらの数値や関連情報については、チーム別・担当者別に月次で集計し、計画との差異及びその発生原因を分析した上で、改善指導や改善施策の立案・実施を行っております。さらに、一人ひとりの担当者が当社のマーケティング・営業方針及びデータ(KPI)に基づいて自律的に行動できる体制の構築を進めるとともに、営業手法や提案内容、社内・社外のリソース配分についても、事業環境の変化に応じて随時見直しております。
なお、2026年12月期においても、営業力の強化及び生成AIやAIエージェント等を活用した営業プロセスの高度化に向けた投資を実施する予定であります。
d.オペレーションスキルの向上及び業務フローの効率化
当社の事業は取扱件数の増加に伴いオペレーション業務も増加するため、業務品質を維持しつつ業務フローの効率化を進めることが重要であると認識しております。
特に、短期的なコスト抑制を優先し、必要な業務改善投資や人材育成を先送りした場合には、将来的に業務効率の低下や品質劣化を招き、結果として中長期的な収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。当社ではこのような事態を回避するため、一定の投資を行い業務基盤の高度化を計画的に進める方針としております。
・ビルディングイノベーション事業における対処すべき課題
貸会議室、シェアオフィス等の各サービスについては、災害等の外的要因や空室率・賃料相場等の不動産市況の影響を強く受けることから、不動産市況や競合企業の出店状況に応じ随時新規出店を進める方針です。昨今は建築費や人件費の高騰から、特に築年数の古いビルでは建て替えやリニューアルが困難な状況が多く発生しており、既存の運営物件においては、顧客ニーズの取り込みによる収益力の強化、ノウハウの蓄積を行いながら、社会の新しい働き方に対応する新たなサービス開発を進めてまいります。
具体的には以下の課題に取組んでまいります。
a.効率的な出退店戦略の実施
不採算店舗(貸会議室)が発生した場合の退店判断、及び売上高好調店舗の改装による収益性向上に取り組むとともに、新規出店については開発担当者をアサインし、空室率・賃料相場といった賃貸オフィスのマクロ情報をモニタリングしつつ、当社のターゲットとなるような個別物件の空き情報・賃料等の収集や、周辺エリアにおける競合企業の出店状況・価格帯・サービス内容・集客状況等を適宜把握しながら、省人化を進めた新モデル貸会議室を軸に出店することで、収益力向上とさらなるノウハウの蓄積に注力するとともに適切なタイミングで新規出店を進めてまいります。
b.付加価値サービスの見直し・拡充による利益率の向上
単に貸会議室の提供のみに留まらず、各種割引サービスの拡大やキャンペーンの実施、ケータリングサービスの拡充、利用可能時間帯の拡大等顧客ニーズを的確にとらえたサービスを提供しております。
c.AIとIoTを駆使した営業・予約の最適化
予約システムを含むオペレーションシステムを継続的に改善し、利用者にとってより高い利便性の向上と、会議室予約の重複、また利用のキャンセルを極力減少させてまいります。また、新モデル貸会議室の新規出店や既存店を含む各会議室の運営の省人化・効率化により稼働や利益率改善を進めてまいります。
・全社に共通する対処すべき課題
a.人的資本経営の推進
当社は、持続的な企業価値の向上のため、多様な人材がその能力を最大限に発揮できる環境整備が不可欠であると認識しており、人材の採用・育成及び社内環境整備に関する方針を定め、人的資本への投資を推進しております。しかしながら、当該方針に関する具体的な指標の内容、当該指標を用いた目標及び実績の記載につきましては、現時点において以下の理由により設定することが困難であると判断しており、具体的に記載しておりません。
(指標、目標等を設定し、記載することが困難な理由)
当社は現在、主力事業である月極イノベーション事業等において、AI等の先進テクノロジーを活用した高収益モデルへの構造転換を迅速に進めております。それに伴い、2026年2月の本社拡張移転をはじめ、M&A等も見据えた組織体制の再構築、及び研修体制や勤務体系の抜本的な改定など、経営基盤の刷新を図っている過渡期にあります。
このように、事業の急速な成長とビジネスモデルの変革に伴い、当社が求める人材のポートフォリオ(エンジニアやAI専門人材、マネジメント層等の要件)や人員構成が極めて流動的かつダイナミックに変化している環境下にあります。このような状況下において、現時点で、例えば特定の時点における女性管理職比率や中途採用比率等、中長期的な画一的数値目標を設定し公表することは、事業環境の変化に合わせた機動的かつ最適な人員配置・組織再編の妨げとなる恐れがあります。さらに、設定した目標値や実績値が短期間で事業の実態と乖離する可能性が高く、結果として投資家の皆様の適切な投資判断に資する有用な情報(比較可能性や進捗の評価)を提供することにはならないと判断しております。
(今後の対応)
現在は、上記方針に基づき、個と組織の成長を促すための「人材育成の土壌作り(研修体制の構築、勤務体系の改定等)」に対する投資を最優先で実行しております。今後、これらの人的資本投資を通じて組織基盤の再構築が一定の定着を見せ、当社のビジネスモデルに必要な人材ポートフォリオの要件が明確になった段階において、当社の実態に真に即した重要指標(KPI)を特定し、適切な目標設定と開示を速やかに行ってまいります。
b.コンプライアンスの徹底
法令遵守の徹底や高い倫理観、人権意識に基づく企業活動の実践により、社会から信頼され続ける企業として、社会的使命を果たしてまいります。そのためにも、定期的なコンプライアンス研修の開催等役職員一丸となって公正な事業活動を推進してまいります。
c.財務上の課題について
当社では、月極イノベーション事業においては「アットパーキングクラウド」における新規顧客獲得のための広告宣伝費や営業代行費用、社内の営業人員の拡充といった先行投資を行い、ビルディングイノベーション事業においては2025年10月に五反田で新規出店を行っております。各事業の先行投資に関しては、今後の資金繰りに支障がないように取引金融機関とも連携して返済及び調達を行っており、投資の結果として「アットパーキングクラウド」の売上高も伸長しており、収益力も高まっております。そのため、現時点で財務上の課題は認識しておりません。
今後も売上高の継続的な成長と業務の効率化を通じて当期純利益の拡大を図るとともに、営業活動によるキャッシュ・フローの水準と投資とのバランスを注視し、金融機関との協議を継続することで引き続き十分な運転資金を確保できるものと判断しております。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、「温故×創新」を企業哲学、「社会に可能性の卵を。」をパーパスとして定めており、「CREATE FUTURE BASE」をミッションとして掲げ、管理会社向け月極駐車場オンライン管理支援サービス「アットパーキングクラウド」及び貸会議室ビジネスを起点として、まだ世の中にない独自の発想から遊休資産に新たな価値を生み出し、その仕組みを創造することで社会に貢献してまいります。
(2) 中長期的な経営戦略
当社の主要事業の一つである月極イノベーション事業においては、従来、店舗型の管理会社にて月極駐車場を探していた利用者が、インターネット上の検索ポータルサイト経由で検索・申込をするケースが徐々に増えてきていると考えております。当社が2018年にリリースした管理会社向けの月極駐車場オンライン管理支援サービスである「at PARKING月極パートナーシステム(現 アットパーキングクラウド)」は対面手続きが不要であり、申込、契約、決済まで全てオンラインで完結できることが月極駐車場利用者のニーズに合致していると考えており、契約件数は増加傾向にあります。なお、我が国における自動車保有台数から推定される月極駐車場のうち、オンライン契約可能な月極駐車場の拡大余地はまだまだ大きいと考えており、当社のサービスを導入する管理会社の獲得とそれに伴う駐車場利用者拡大に重点を置いております。
また、「アットパーキングクラウド」は、管理会社向けの月極駐車場オンライン管理支援サービスである一方、収益構造は一般的なID課金型SaaSとは異なります。管理会社向けのシステム利用料は1社当たり月額1.5万円または無料と導入障壁を低く設計し、主な収益は駐車場利用者からの初回保証料、月額保証料、決済手数料、再請求手数料等のストック性の高い収益で構成されています。これにより、当事業の売上は、ID数への依存度が相対的に低く、駐車区画数×利用者数の積み上がりで拡大します。さらに、契約・請求・決済・滞納保証等の実務を含むBPOであるため、その一連の実務を一体で提供することで、単一機能のソフトウエア提供と比較して、業務プロセス全体への組み込みが進みやすく、継続利用につながりやすい事業構造であると認識しております。
もう一つの主要事業であるビルディングイノベーション事業は、労働市場の流動化及び勤務形態の多様化等により、固定費である家賃を変動費化することができる貸会議室の利用機会は増加すると考えており、貸会議室の需要は伸長の余地があるものと判断しております。また、昨今の建築費や人件費の高騰から、特に築年数の古いビルでは建て替えやリニューアルが困難な状況が多く発生しており、このような市場環境の変化を受け、当社は、築年数の古いビルが抱える収益性や運営効率の課題に対し、貸会議室やレンタルオフィスの活用を通じた収益改善ソリューションの提供を進めてまいります。また、これらの課題を有するビルへの提案を通して出店機会を増やすとともに、省人化を進めた新モデル貸会議室を軸に出店することで、収益力向上とさらなるノウハウの蓄積に注力してまいります。
こうした事業環境の中、月極イノベーション事業のAPクラウドサービスを中核として、営業体制の強化及び営業効率の向上、月極駐車場管理システムの機能追加による利便性の向上により顧客である管理会社との契約数を拡大し、また、ポータルサイト「アットパーキング」のリニューアルによる駐車場利用者の利便性向上、広報活動等によるブランディング、対話型AIによる顧客対応の自動化等により顧客満足度を向上させることで駐車場利用者を拡大し売上高成長率を高めるとともに、絶えざる業務フローの見直しと再構築による業務効率化を推進することで営業利益率の改善も図り、企業価値を高めてまいります。さらに、APクラウドサービスの展開により蓄積される月極駐車場のデータや満空情報、利用者及びその保有する自動車に関するデータを利用し、短期貸し「アットパーキングウィークリー」やカーシェアリング会社との協業による拠点開発といった月極駐車場内の未稼働区画の有効活用など、管理会社の収益改善、駐車場利用者の利便性向上につながる多様な高付加価値サービスを開発・提供することで、月極駐車場の利用価値最大化を推進します。将来的には、当社に蓄積された月極駐車場に関連するあらゆるデータと他企業の有効なデータを掛け合わせることで新たな収益機会を創出し、月極駐車場の利用価値をさらに高め、住宅地内の月極駐車場がモビリティ関連サービスのハブとなる「ファーストワンマイルステーション構想」と、これを実現するプラットフォームとしての「Space Platform for Mobility」の確立を目指します。また、ビルディングイノベーション事業のうち、会議室サービスにおいては、新モデル貸会議室の新規出店や既存店を含む各会議室の運営の省人化・効率化により稼働や利益率改善のための投資を行うとともに、不採算会場が発生した場合には閉鎖や業務改善を進めることで利益体質を強化してまいります。
当社は、遊休資産の有効活用から収益を生み出すビジネスモデルとして貸会議室運営サービス、月極駐車場検索ポータルサイト「アットパーキング」によるマッチングサービス、月極駐車場オンライン管理支援サービスである「アットパーキングクラウド」を創出してきました。これらのサービスから派生するニーズにも対応すべく顧客にとってより付加価値の高いサービスの実現と原価低減の両立を目指します。具体的には以下「(4) 経営環境」及び「(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」の解決に取組み、空間にまつわるあらゆるニーズの取り込みを図ってまいります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、売上高の拡大に注力するとともにコストの削減を図り、利益体質の強化を図ってまいります。これらの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営上重要な指標として「売上高成長率」、「営業利益率」、「営業活動によるキャッシュ・フロー」を掲げ、長期的な目標を設定し活動をしております。また、月極イノベーション事業のAPクラウドサービスにおいて、「アットパーキングクラウド」へのシステム登録台数(以下、「APクラウド登録台数」といいます。)をKPIとしており、その算定方法とKPIとしている理由は以下のとおりです。
「APクラウド登録台数」
当社の顧客である管理会社が管理する駐車場の全てが当社に管理委託されるとは限らず、段階的に管理委託される場合もあることから、当社の管理システムへ登録された、すなわち当社が管理委託された駐車場が「APクラウド登録台数」になります。
当社がこの「APクラウド登録台数」をKPIとしている理由は、「APクラウド登録台数」が駐車場利用者からの収益の発生源泉となっている、すなわち、「第1 企業の概況 3 事業の内容 (1) 月極イノベーション事業 ① APクラウドサービス」に記載した収益化のポイント(「イ システム利用料」を除く)が、「APクラウド登録台数」として管理システムに登録されることで初めて実現可能となり、また駐車場台数ベースでの将来の収益獲得余地を適切に表すと考えるためです。
その他、収益化のポイントは、「ロ 決済手数料」に対応した「決済代行台数」、「ハ 初回保証料」及び「ニ 月額保証料」に対応した「滞納保証台数」があり、これらも「APクラウド登録台数」に準じた指標としてモニタリングを行っております。
以下に各台数の推移に関する図を示しております。

(4) 経営環境
① 経営環境
主要事業である「アットパーキングクラウド」については、上記「(2) 中長期的な経営戦略」でも記載のとおり、月極駐車場利用者はインターネット上の検索ポータルサイト経由で検索・申込を行うという行動変容もあり順調に推移しております。また、当サービスの収益の源泉は月極駐車場ですが、その市場規模を図る日本全国にある月極駐車場数について公にされている調査報告が存在せず、その実態を把握することは困難と考えております。一方で、「自動車保有台数の推移」(「一般社団法人自動車検査登録情報協会」公表)によると、乗用車に関しては2025年3月末時点でおよそ6,205万台と10年前の6,051万台から2.5%増加しており、若者のクルマ離れやカーシェアリングサービスの登場などがありますが、乗用車の保有台数は堅調に推移しております。乗用車には「保管場所」が必要であることから、乗用車6,205万台分の「保管場所」が存在すると考えられ、これは自己敷地とそれ以外(月極駐車場含む)に大別されます。通常、自己敷地以外では月極駐車場が乗用車の「保管場所」となり、乗用車6,205万台のうち、「建て方別住宅数」(総務省統計局 平成30年住宅・土地統計調査)のうち「共同住宅比率」分の「保管場所」が概ね全国の月極駐車場数に該当し、当社のターゲットになると推定しております。なお、「建て方別住宅数」における「共同住宅比率」は2003年で40.0%、2013年で42.4%、2023年で44.9%と上昇傾向にあります。
当社が管理を委託されている「APクラウド登録台数」は2025年12月末時点で473,535台であり、サービス開発力の向上と顧客獲得努力によって将来の市場開拓余地は大きく、かつAPクラウドサービス収益化の起点となるものと考えております。
また、オンラインによる月極駐車場管理支援サービスという新たな事業領域には競合企業も参入し始めておりますが、以下「(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 ・月極イノベーション事業における対処すべき課題 a.駐車場利用者の利便性向上」及び「b.管理業務の省力化及び収益性の向上」に記載の当社の強みをコア・コンピタンスと捉え競争優位の源泉とすることで、さらなる事業の拡大を継続していきたいと考えております。
もう一つの主要事業であるビルディングイノベーション事業が属する貸会議室市場全般においては、新規出店については建築費や人件費の高騰による建て替え困難なビルへの出店機会と、労働市場の流動化及び勤務形態の多様化等により、固定費である家賃を変動費化することができる貸会議室の利用機会が増加すると考えており、貸会議室の事業には伸長の余地があるものと判断しております。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
・月極イノベーション事業における対処すべき課題
当社は、「アットパーキング」においては掲載物件の拡大、情報精度及び認知度の向上に努めてまいります。また、「アットパーキングクラウド」においては、サービス浸透及び営業体制の強化を通じて、月極駐車場の契約利便性向上と関連サービスの拡充に取り組んでまいります。
当社はこれら月極イノベーション事業の拡大により月極駐車場の従来の貸し方、借り方の概念を根本から変え、ホテル予約と同じようにオンラインで契約手続きが完結できる仕組みを提供し、「アットパーキングクラウド」の拡大により月極駐車場の空き埋まりに関するリアルタイム情報を効率的に収集し活かすことで、自動車関連業界との連携を進め同分野においても有益なサービスを構築してまいります。
具体的には以下の課題に取組んでまいります。
a.駐車場利用者の利便性向上
「アットパーキング」により希望条件に応じた月極駐車場を手間なく検索でき、「アットパーキングクラウド」導入駐車場では、オンライン上で空き情報の確認・契約手続・決済までを完結できます。さらに契約中は、マイページから契約情報の閲覧や更新、解約が可能です。視認性・操作性向上やカスタマーサービスの拡充により、サービス品質の向上と導入駐車場の拡大に努めてまいります。
b.管理業務の省力化及び収益性の向上
月極駐車場の管理業務は、管理会社にとっては煩雑な割に収益性の低い業務とも言えるため、「アットパーキングクラウド」の導入により、契約・解約を含む駐車場管理業務の省力化が可能となります。また、当社による決済代行及び滞納保証により、再請求の手間や未回収リスクの軽減が図られます。さらに、「アットパーキング」との連動により満空情報をリアルタイムに提供し、解約区画の再募集を迅速化することで稼働率向上にも寄与します。満車時に空き待ち予約登録ができる「アキマチ」という機能も付帯していることから、解約から次の契約までの期間が短縮化されることで稼働率が上がる仕組みとなっております。また、管理会社の導入後に必要不可欠なサービスとなるかが継続的な拡大のポイントであると考えており、導入ハードルを下げるためにサービス導入時点ですでに利用中の方からは保証料は収受せず利用者が入れ替わってから課金をいたします。これらの取組みにより駐車場管理の手間が減り、管理会社自身が新しい駐車場を開発する動機となりさらに管理会社の収益の向上に繋がると考えております。今後も管理画面の改善や新たなニーズへの対応を通じて、管理会社の利便性と収益性の向上に努めてまいります。
c.マーケティング及び営業力の強化
当社の事業は、管理会社との新規契約獲得を起点として、「アットパーキングクラウド」における「APクラウド登録台数」、「決済代行台数」、「滞納保証台数」といった将来のストック収益を生み出すKPIが積み上がる構造となっております。このため、新規商談数や新規契約社数(導入社数)が計画を下回った場合には、当社の中長期的な成長性及び収益基盤の拡大に影響を及ぼす可能性があることから、マーケティング及び営業力の強化を優先的に対処すべき課題として認識しております。一方で、当社の営業活動は、一定の人的リソースやマーケティング投資を前提とする側面があり、営業力の強化に向けた取り組みを進める過程においては、短期的には人件費や外注費、システム関連費用等の増加により、利益水準に影響を与える可能性があります。この点を踏まえ、当社では短期的な利益水準の維持を優先するのではなく、中長期的な事業成長及び収益性向上を見据えた営業基盤の強化を重視する方針としております。
当社では、これらのKPIをデータに基づいて的確に把握・管理するため、「APクラウド登録台数」、「決済代行台数」、「滞納保証台数」に加え、予算策定の前提となる新規商談数、新規契約社数等を主要な管理指標としております。また、「アットパーキング」においては、顧客への提案数・契約数(マッチング数)・成約率をKPIとして設定しております。マーケティングの面では、住宅系ポータルサイトやハトマーク支援機構をはじめとする各種不動産関連協会の会員名簿、展示会等のイベント出展等を通じて収集したターゲットリストを基に、各社が管理する駐車場管理台数やエリア等の属性により絞り込みを行い、ターゲット設定、優先順位付け、アポイント取得方法、担当者の明確化を進めております。加えて、生成AIやAIエージェントの活用を推進することで、リード創出から商談化に至るまでのプロセスを効率化し、新規契約獲得における生産性の向上を図っております。これらの数値や関連情報については、チーム別・担当者別に月次で集計し、計画との差異及びその発生原因を分析した上で、改善指導や改善施策の立案・実施を行っております。さらに、一人ひとりの担当者が当社のマーケティング・営業方針及びデータ(KPI)に基づいて自律的に行動できる体制の構築を進めるとともに、営業手法や提案内容、社内・社外のリソース配分についても、事業環境の変化に応じて随時見直しております。
なお、2026年12月期においても、営業力の強化及び生成AIやAIエージェント等を活用した営業プロセスの高度化に向けた投資を実施する予定であります。
d.オペレーションスキルの向上及び業務フローの効率化
当社の事業は取扱件数の増加に伴いオペレーション業務も増加するため、業務品質を維持しつつ業務フローの効率化を進めることが重要であると認識しております。
特に、短期的なコスト抑制を優先し、必要な業務改善投資や人材育成を先送りした場合には、将来的に業務効率の低下や品質劣化を招き、結果として中長期的な収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。当社ではこのような事態を回避するため、一定の投資を行い業務基盤の高度化を計画的に進める方針としております。
・ビルディングイノベーション事業における対処すべき課題
貸会議室、シェアオフィス等の各サービスについては、災害等の外的要因や空室率・賃料相場等の不動産市況の影響を強く受けることから、不動産市況や競合企業の出店状況に応じ随時新規出店を進める方針です。昨今は建築費や人件費の高騰から、特に築年数の古いビルでは建て替えやリニューアルが困難な状況が多く発生しており、既存の運営物件においては、顧客ニーズの取り込みによる収益力の強化、ノウハウの蓄積を行いながら、社会の新しい働き方に対応する新たなサービス開発を進めてまいります。
具体的には以下の課題に取組んでまいります。
a.効率的な出退店戦略の実施
不採算店舗(貸会議室)が発生した場合の退店判断、及び売上高好調店舗の改装による収益性向上に取り組むとともに、新規出店については開発担当者をアサインし、空室率・賃料相場といった賃貸オフィスのマクロ情報をモニタリングしつつ、当社のターゲットとなるような個別物件の空き情報・賃料等の収集や、周辺エリアにおける競合企業の出店状況・価格帯・サービス内容・集客状況等を適宜把握しながら、省人化を進めた新モデル貸会議室を軸に出店することで、収益力向上とさらなるノウハウの蓄積に注力するとともに適切なタイミングで新規出店を進めてまいります。
b.付加価値サービスの見直し・拡充による利益率の向上
単に貸会議室の提供のみに留まらず、各種割引サービスの拡大やキャンペーンの実施、ケータリングサービスの拡充、利用可能時間帯の拡大等顧客ニーズを的確にとらえたサービスを提供しております。
c.AIとIoTを駆使した営業・予約の最適化
予約システムを含むオペレーションシステムを継続的に改善し、利用者にとってより高い利便性の向上と、会議室予約の重複、また利用のキャンセルを極力減少させてまいります。また、新モデル貸会議室の新規出店や既存店を含む各会議室の運営の省人化・効率化により稼働や利益率改善を進めてまいります。
・全社に共通する対処すべき課題
a.人的資本経営の推進
当社は、持続的な企業価値の向上のため、多様な人材がその能力を最大限に発揮できる環境整備が不可欠であると認識しており、人材の採用・育成及び社内環境整備に関する方針を定め、人的資本への投資を推進しております。しかしながら、当該方針に関する具体的な指標の内容、当該指標を用いた目標及び実績の記載につきましては、現時点において以下の理由により設定することが困難であると判断しており、具体的に記載しておりません。
(指標、目標等を設定し、記載することが困難な理由)
当社は現在、主力事業である月極イノベーション事業等において、AI等の先進テクノロジーを活用した高収益モデルへの構造転換を迅速に進めております。それに伴い、2026年2月の本社拡張移転をはじめ、M&A等も見据えた組織体制の再構築、及び研修体制や勤務体系の抜本的な改定など、経営基盤の刷新を図っている過渡期にあります。
このように、事業の急速な成長とビジネスモデルの変革に伴い、当社が求める人材のポートフォリオ(エンジニアやAI専門人材、マネジメント層等の要件)や人員構成が極めて流動的かつダイナミックに変化している環境下にあります。このような状況下において、現時点で、例えば特定の時点における女性管理職比率や中途採用比率等、中長期的な画一的数値目標を設定し公表することは、事業環境の変化に合わせた機動的かつ最適な人員配置・組織再編の妨げとなる恐れがあります。さらに、設定した目標値や実績値が短期間で事業の実態と乖離する可能性が高く、結果として投資家の皆様の適切な投資判断に資する有用な情報(比較可能性や進捗の評価)を提供することにはならないと判断しております。
(今後の対応)
現在は、上記方針に基づき、個と組織の成長を促すための「人材育成の土壌作り(研修体制の構築、勤務体系の改定等)」に対する投資を最優先で実行しております。今後、これらの人的資本投資を通じて組織基盤の再構築が一定の定着を見せ、当社のビジネスモデルに必要な人材ポートフォリオの要件が明確になった段階において、当社の実態に真に即した重要指標(KPI)を特定し、適切な目標設定と開示を速やかに行ってまいります。
b.コンプライアンスの徹底
法令遵守の徹底や高い倫理観、人権意識に基づく企業活動の実践により、社会から信頼され続ける企業として、社会的使命を果たしてまいります。そのためにも、定期的なコンプライアンス研修の開催等役職員一丸となって公正な事業活動を推進してまいります。
c.財務上の課題について
当社では、月極イノベーション事業においては「アットパーキングクラウド」における新規顧客獲得のための広告宣伝費や営業代行費用、社内の営業人員の拡充といった先行投資を行い、ビルディングイノベーション事業においては2025年10月に五反田で新規出店を行っております。各事業の先行投資に関しては、今後の資金繰りに支障がないように取引金融機関とも連携して返済及び調達を行っており、投資の結果として「アットパーキングクラウド」の売上高も伸長しており、収益力も高まっております。そのため、現時点で財務上の課題は認識しておりません。
今後も売上高の継続的な成長と業務の効率化を通じて当期純利益の拡大を図るとともに、営業活動によるキャッシュ・フローの水準と投資とのバランスを注視し、金融機関との協議を継続することで引き続き十分な運転資金を確保できるものと判断しております。